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 コラム『動点』(週一回の連載)   2001年1月〜

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目次
2001年1月〜

1月  『だから、あなたも生きぬいて』    〇ホームページと情報リテラシー
     〇「まるホ」の解 明を        〇公会計のバランスシート
2
  〇日航機のニアミス事故    ○法務局高槻出張所が消える?
     ○NHK連続テレビ小説『オードリー』 ○『自分の国を問いつづけて』
3月   「平成13年度施政方針大綱」  〇田中知事の『脱ダム』宣言  
    アカデミー賞を予想する
        退職者へ映画『キャスト・アウェイ』
4月 〇情報公開法施行 〇『チーズはどこへ消えた?』 
    ○ソフトボール・ユニホームを新調
         用地買収職員が残すもの 
5  
映画『郡上一揆』と郡上方言 〇『総ユニクロ化現象』の警鐘
         ○健康は生きるプロセスの中に ○図書館の自由に関する宣言への挑戦
6月    〇連続テレビ小説『ちゅらさん』  ○夏野菜の畑へ早朝「出勤」  ○DVDにまつわる話
        ○住民基本台帳ネットワークの光と影
7月   ○「骨太方針」を批判する  京都市が職員の過失を給与で弁済へ
     ○靖国神社への公式参拝を批判する
8月   〇この夏一押し映画2題  ○メールマガジンとホームページ
    ○全国高校野球大会で近江高校が準優勝
9   ○秋・冬野菜の種蒔き作業、本番  ○白木屋の3人の女性組合が勝利和解
      ○庁内ネットワークの進展  ○地方公務職員派遣法の概要と課題
10月  ○スポーツの秋とジョギング  ○『仕事が人をつくる』(岩波新書)の紹介
      ○渋柿の渋抜き  ○団塊の世代の人事政策 ○朝露と秋野菜
11月  ○湖南アルプス・ハイキング  ○インターネット入札の波紋
    ○海山町の原発をめぐる住民投票  ○草津ハーフマラソンに出場
12月  ○『医者井戸を掘る』と中村哲氏     ○NHK連続テレビ小説『ほんまもん』
    ○映画『ハリーポッターと賢者の石』 ○「バッドトランスウイルス」にご用心
      ○コラム動点で振り返るこの一年

 

1月         『だから、あなたも生きぬいて』   2001年1月10日(水) 

 謹賀新年。今年もよろしくお付き合いのほどを▼さて、昨年のノンフィクションの部ベストセラー1位は『だから、あなたも生きぬいて』(大平光代著 講談社 ¥1400)でした。著者は1965年、兵庫県生まれ。転校した中学校でイジメに遭い割腹自殺を図ります。一命をとりとめますが、暴走族の道に。16才で暴力団組長と結婚、背中に刺青を入れます。そして六年間「極道の世界」に。ホステスだった22才の時にのちに養父となる人に出会います▼養父の強い勧めもあって、一日300円の生活費で資格取得に向けて猛勉強を開始した彼女を支えたもの。それは、中卒だからと馬鹿にした人たちや中学時代にいじめた人たちを見返してやりたいという復讐心でした、と彼女は言います。そして「宅地建物取引主任者」に見事合格し、「やればできるんや」と思えるようになった、と。二年後には「司法書士」に合格。そして29才の時に最難関「司法試験」に一度で合格します▼その大平さんは今、「ローマは一日にしてならず」と自分に言い聞かせながら、朝四時から六時の二時間外国語を勉強中とか。飽くなき向上心です▼「困難な中に喜び見つけて」と彼女。正月らしいテーマ(M)

ホームページと情報リテラシー   2001年1月17日(水) 

 関西大学のゼミが介護保険に関するホームページを開設して話題になっています。今日はホームページの話題を三題▼その一。「情報リテラシー」という言葉をご存じですか。リテラシーとは読み書き能力の意で、IT機器を使って読み書きなどが表現できる能力を指しています。現代社会に必須な能力であることを強調する意味が込められているようです。今、その情報リテラシーの中心は、読み書き能力から一歩進んで利用能力・活用能力に移ってきています。例えば「ホームページ」にはありとあらゆる情報が溢れていて珠玉混合、悪意のものまである現状を踏まえて、作り手の意図をつかみ情報を吟味する能力がどうしても必要であるという意味です。最近はやりの「困った時のインターネット」では特にその能力が試されます▼その二。作る側から見たホームページの特徴はその蓄積性と成長性だと思っています。小さく生んで大きく育てる式を地でいく分野。文字ならほぼ無限に蓄積可能でいつでも取り出せます。更新を重ねていくと一年後・二年後の成長が楽しみになります▼その三。そのホームページを市労組がこの一月に小さく生み落としました。労組が情報を発信する時代という小さな事件の紹介(M)

『マルほ』の解明を     2001年1月24日(水) 

『マルほ』という言葉を知っていますか。「報償費」の「ほ」の字をとって関係者の間で使われる隠語だそうです。信じられないことですが、国では『マルほ』は領収書がいらず使途も公表されないそうです▼先ず地方自治体ではどうか。地方自治法施行規則に「節」の区分があり「8報償費 報償金(報酬以外)・賞賜金・買上金」とあります。研修の講師謝礼や粗品購入などに充てる費目と理解しています。地方自治体で使途をめぐって「交際費」が注目されてきたのに比べると「報償費」は遡上にのぼったことはなかったと記憶しています。厳格に運用されているからでしょう。ところが、その『マルほ』を外務省の幹部が九三年以降八千万円の高級マンションの購入や十数頭の競走馬の購入に流用していた疑惑が明るみになって、今一躍注目されています▼今年度の国の報償費予算額は五五億七千万円。在外公館が三六億円、内閣官房と外務本省が十九億円となっています。これまで外交機密費であることをタテに全てが闇の中に置かれてきました。政府与党の国会対策費に使われているなどの噂がこれまでも絶えませんでした▼原資は全て税金です。ヤミに光をあてて徹底究明を(M)

公会計のバランスシート       2001年1月31日(水) 

堅い話で恐縮ですが、今日は高槻市も初めて公開したバランスシートの話です▼自治体などの公会計は一般に大福帳型・家計簿方式といわれています。収入・支出そして残額。今、この単式簿記会計処理の見直しが盛んで試行例も沢山あります。類型化すると、@財務諸表を作成して資産・負債を明らかにする。その手法に二通りあって決算書を組み替えるやり方と複式簿記記入型。A個別事業単位のコスト分析。主要事業ごとに将来のコストを含めて資金繰り・事業収益性を分析します。高槻市のバランスシートは@の前者、自治省マニュアルに基づく決算書の組み替えによって作成されたものです▼これらの動きは、個人的には、財政情報の公開による市民との共有に役立つものと考えます。その意味で数値の公表のみならず、何のためにつくったのか・何が見えてくるのかも含めてわかりやすく市民に説明する責任(アカウンタビリティ)があると思っています。今後の方向性としては、公営企業会計と外郭団体を加えた連結バランスシートの作成、キャッシュフロー計算書・行政コスト計算書の作成などが他市では試行されています▼財政情報の共有化は大きな流れです(M)

 


 2      日航機のニアミス事故       2001年2月7日(水) 

日航機のニアミス事件は、管制官が便名を呼び間違えたミスが引き金になったことが明らかになってきています。事故調査の大目的は再発防止にあるはずなのに、日本の事故調査は責任追及の調査が強いため、機長は弁護士と相談の上でないと発言できない奇妙さが印象に残りました。今日は報道から拾った日本の航空事情のさわり部分を紹介します▼日本発着の国内・国外総乗客数は年間一億人(うち国内便が九千万人)を超し、国内の発着回数は百万回を突破しているといいます。アメリカは年間五億三千万人と別格ですが、フランスの三倍、イギリス・ドイツの五倍弱という航空「大国」です。世界で最も利用者数が多い航空路線は東京ー札幌(年間八七〇万人)で、二位が東京ー福岡(七六〇万人)と聞くと、日本の空の過密は相当なレベルにあることが想像できます▼一方、国内の管制官は現在約一七三〇人。この十年で約一割の増加に留まっているため、管制官一人当たりの取り扱い航空機数は、十年間で約四〇%も増えているといいます。大変な長時間・過密労働を強いられているということです。一度の人為的なミスの背後には、百の兆候があるといわれます▼管制官の労働条件にもメスを(M)

 

法務局高槻出張所が消える?          2001年2月14日(水)

「法務局高槻出張所を統合する」計画があると聞きました。寝耳に水の話です。国の行革の流れに沿って出張所の整理統合を進め、吹田・茨木・高槻の各出張所を二〇〇三年二月頃をめどに茨木出張所に統合する計画があるということです▼ちょっと待ってくれと言いたい。法務局が近くにあることの地の利の恩恵は不動産登記を中心にして非常に大きい。逆に言えば市民にとっても市の行政にとっても、移転に伴う不便さは計り知れないとも思う。年間で約四万件の扱い量だそうです。かって全法務労働組合が門前で人員要求署名をやっていましたが出張所としては大きい事務量だと思う▼観点が変わりますが、市内にある府・国の施設にはどんなものがありますか。道路以外では、府立高校と府営住宅と保健所と茨木土木高槻工区が大阪府、国は淀川工事事務所と法務局のみと思います。三六万都市としては異常な少なさです。高槻は全てを自前で賄わなければならないまちということ。一方、地理的理由とともにかっては北摂の中心だったことなどの理由で茨木市には府・国の施設が集まっています。そこに法務局も加えようとする計画です▼こんなプランは何としても撤回させましょう(M)

 

NHKの連続テレビ小説『オードリー』             2001年2月21日(水)

NHKの連続テレビ小説『オードリー』が佳境を迎えつつあります。日本時代劇映画の興隆と斜陽をテーマにした意欲的なドラマです。映画界に未練を残しながら今は旅館の女将となっている主人公美月がどんな形で映画界復帰を果たすのか、が今後の楽しみです▼さて今回の『オードリー』では二人の二代目俳優に注目しています。一人目は美月の幼友達で美月を陰で支える晋八役の仁科貴さん・三二才。平成五年にガンで亡くなった俳優川谷拓三さんの長男です。川谷さん一家は文字通り映画一家です。長女も最初は女優でした。拓三さんの奥さん克子さんも元女優。またその両親は女優と映画監督だったといいます。『オードリー』が最初に描いた京都・太秦の戦後時代劇映画の黄金・斜陽期はそのまま川谷さん夫婦が太秦で体験したそれだったと思っています。それを息子の貴さんが演じている巡り合わせの妙▼二人目は美月の弟・梓役で出演している茂山逸平さん・二一才。立命館大学在学中で、大蔵流狂言師である茂山七五三(しめ)氏の二男です。大人びた独特の語りが印象的です。他分野であるドラマに出ることで狂言の幅に生かしたいと意欲的です▼あと四〇余りとなった展開に注目(M)

 

        『「自分の国」を問いつづけて』を読む     2001年2月28日(水)

外国人登録法が改正され指紋押捺制度が全廃されたことはご存じですか(2000年施行)▼差別の象徴といわれた指紋押捺制度は、1952年サンフランシスコ講和条約が発効して日韓併合によって日本国籍にされていた韓国・朝鮮人は外国人と見なされ、外国人登録法が発令されてその3年後に導入された制度です。最初は10指全ての指紋が取られたといいます▼雀善愛(チェ・ソンエ)さん。ピアニスト。以下は彼女の言葉です。「私は日本にいる韓国人として三代目になるが、韓国語は話せない。大阪で生まれ、学校も日本、友人も日本人で、韓国語を使う機会はない」。彼女は1981年指紋押捺を拒否しました。21才の時です。住んでいた北九州市に告発され、85年罰金1万円の有罪判決。最高裁に上告中に天皇死去による恩赦で「裁判はなかったことに」▼一方、国は指紋押捺拒否者には出国後の再入国を認めない報復に出ます。彼女はアメリカ留学によって永住者でなくなりました。取消を最高裁まで争いますが敗訴します。その後国会で証言、彼女一人のために永住権取得の法律が作られます▼『自分の国を問いつづけて』(岩波ブックレット)は沢山のことを教えてくれます(M)。


3      「平成13年度施政方針大綱」       2001年3月7日(水) 

平成13年度施政方針と予算が発表され、議会で審議が始まっています。新聞各社は「高槻も中核市へ」「中核市へ組織整備費」など市長が中核市移行を表明したことを目玉として紹介しています▼今年度の市政方針大綱は三本立てとなっています。最初が総論ともいえる部分でタイトルを別にすると237行です。次に今年度から主要施策が独立して313行です。最後に主要予算内容が項目・予算額・事業概要に分けて紹介されています▼平成13年度主要施策のところでいえば、4〜5行のワンセンテンスがほぼ一の課の一年間の主要施策を表現しています。無駄な装飾はできない字数です。よく読むことによって年間約2,000億円にのぼる予算の使い道が浮き出てくるはずです。また主要予算内容では新規事業表示がありますが今年度の場合71事業が新規事業となっています。多い数です。それと今年度から予算説明書とは別に予算参考書として一般会計事業別予算が配付されています。款項目別ではなく、事業別に予算額と財源内容を表していて内容がより分かりやすくなっています▼市労組は立ち上げたホームページなどで可能な限り情報開示と内容解説を考えているとのことです(M)


田中知事の『脱ダム』宣言      2001年3月14日(水)

田中康夫長野県知事が2月20日発表した『脱ダム』宣言の全文を読まれましたか。800字強の宣言です。以下、未読の人のためにエッセンスを紹介します▼「数百億円を投じて建設されるコンクリートのダムは、看過し得ぬ負荷を地球環境へと与えてしまう」「ダム建設費用全体の約80%が国庫負担。しかれど、国からの手厚い金銭的補助が保証されているから、との安易な理由でダム建設を選択すべきではない」「百年、二百年先の我々の子孫に残す資産としての河川・湖沼の価値を重視したい」「長野県においてはできる限り、コンクリートのダムを造るべきではない」「これは田中県政の基本理念である」「ゆえに現行の下諏訪ダム計画を中止し、治水は堤防のかさ上げや川底の浚渫を組み合わせて対応する」「治水の在り方に関する、全国的規模での広範なる議論を望む」▼この明快な論理は年間2600億円のダム予算を握る国土交通省に衝撃を与えました。500近いダムを建設中かけ計画中だからです。政・財・官の癒着構造を生み出し、利権の温床となっているダム建設に放たれた一矢▼アメリカと同様「ダム建設の時代は終わった」(94年・米開発局総裁談)のです(M)

 

アカデミー賞を予想する     2001年3月21日(水)

三月二五日には「アカデミー賞」授賞式があります。年に一度のハリウッド映画の祭典です。自分なりに予想しながら見るのも楽しい。以下、軽く読み流してください▼日本と米国では上映時期が異なっているため、候補作品の全ては見ていません。限定付の予想です。先ず最優秀作品賞から。ズバリ『グラディエーター』を予想。叙事詩的なスケールの大きさでは他を圧倒していると思います。最優秀主演男優賞は「キャスト・アウエイ」のトム・ハンクスか「グラディエーター」のラッセル・クロウかの争いと見ています。私の予想はラッセルクロウ。LA・コンフィデンシャル、インサイダーと違う役どころを演じた上での今回の主演ノミネートは重いと思っています。トム・ハンクスならば史上最多の三度目の受賞となるのですが▼次に最優秀主演女優賞は『エリンブロコビッチ』のジュリア・ロバーツが本命だと見ています。実現すれば初受賞です。『エリン…』は上映時にこの欄でも紹介しましたが、ジュリア・ロバーツが輝いています。言葉の連射は特質ものです。テーマも明確です。他の賞は観ていなくて評価できないのが残念です▼追伸 日本アカデミー賞は『雨上がる』が作品賞でした(M)

 

退職者へ映画『キャスト・アウェイ』     2001年3月28日(水)

桃園小学校の桜が三分咲きでしょうか。桜は季節の節目をしっかりと捉えて今年も咲き始めています。今年度末の退職者は百五人とか聞いています。ご苦労さまでした▼さて、時間が人を支配する現代社会から、突然一人だけの孤独世界におちいったとき、人は何を拠り所とするのでしょうか。そんなことを考えるのに絶好な映画に出会いました。今上映中の『キャスト・アウェイ』です。現代版ロビンソン・クルーソーの物語とも紹介されています。主人公は時間を最も大切にする宅配便に勤めていますが、飛行機事故で太平洋上の無人島に流れ着きます。全く一人だけ。文明機器は役立たず、住処・水・食い物を一から自らの肉体を頼りに確保しなければなりません。火の獲得の何と大変なことか▼しかし主人公を最も苦しめたのは語る相手がいないことでした。無言の恐怖。彼はバスケットボールに顔を描いたウイルソン君を話友だちに仕立てました。四年後、島から脱出して「現代」に復帰しますが、大切なものを失います。それが何かは映画を観ての楽しみに▼退職が時間からの開放である人のために、家の中の「無人島」から脱出して、生活の拠り所を考える映画を紹介した次第です(M)


4月    情報公開法が施行される   2001年4月4日(水)

の4月1日から始まっている新制度・仕組みがたくさんあります▼高槻市では、新総合計画がスタートした・特例市並みに権限委譲された・審議会が原則公開となったなどでしょうか。国では、家電リサイクル法・消費者契約法・情報公開法の施行、年金制度の改悪(削減計画がスタート)・雇用保険の改悪(給付日数の短縮)・独立行政法人の発足(研究機関などの切り離し)・少年法『改正』(刑事処分対象年齢を16才から14才に)などが上げられます▼なかでも99年5月成立し4月1日施行された情報公開法に注目しています。情報公開は地方自治体が先行していました(高槻市は昭和六一年十月制定です)が、国もやっと同一テーブルについたことになります。中央省庁と出先機関の窓口は全国で1,700カ所余りで、スタート初日は今問題となっている外務省報償費などに関心が集まった、と新聞報道にあります。全国市民オンブズマン連絡会議などの市民団体は、一件300円の手数料やコピー代が障害となっているが、大いに利用して行政チェックを行いたいと談話を寄せています▼行政側からいえば「説明責任の明確化」と「行政透明性の確保」は待ったなしということです(M)2001.4.4掲載

 『チーズはどこへ行った?』     2001年4月11日(水)

昨年末発売以来ベストセラーになっている本に『チーズはどこへ消えた?』という本があります。スペンサー・ジョンソン著、門田美鈴訳で扶桑社から出ています。94nの小書で、寓話とその前後の会話からなっています。何故読まれるのか、探ってみました▼登場人物は「チーズ」を探し求めるネズミ二匹と小人二人。二匹と二人が食料としていた「チーズ」が突然無くなってしまいます。二匹はチーズが無いことがわかると、すぐさま次のチーズを求めて迷路へ探しに出ます。しかし小人二人は「チーズはどこへ消えた」と叫んで事態を検討しては失望して腹を立てています。「チーズ」がない状態は一向に変わりません。そのうち、一人が余りの空腹に一歩迷路に足を踏み出します。そして次の「チーズ」を探し始めます。そこから色々なことが分かってきます……▼「チーズ」は私たちが人生で追い求めるもの、仕事・家族・お金・自由・健康などを象徴しているといい、迷路はチーズを追い求める場所、会社や地域社会や家庭などを象徴しているといいます。時代の急激な変化に如何に順応・適応していくかが今風に説かれている気がしました▼教訓話以上のパワーがあるかは読者が判断を(M)2001.4.11掲載

 『ソフトボール・ユニホームを新調』     2001年4月18日(水)

暖かな陽気が続いています。スポーツなど身体を動かすのによい季節の到来です。米大リーグでの日本人選手の活躍が話題となっていますが、私の所属する地域のソフトボールチームがユニホームを新調しました。米大リーグの長谷川投手の属するエンゼルスと同じ白地に赤の縦じま模様。ちょっと派手な感じがしますが、気に入っています▼地域のスポーツチームで汗を流している人も多いと思います。その特性はと言えば、市民生活の本拠を共有していることで結びついているということです。従って仕事上の上下関係が反映されることはありません。唯一年令がチームを律している位でしょうか。その気楽さがいい。そして、民間職場の状況が世間話に色々出てきます。▼銀行は再編の嵐の中で自分の銀行の生き残りをどう読むか。NTTは大幅な退職募集がなされて職場が激変している。建設業は債権放棄後の生き残り策のため休みが取れない。製薬では単身赴任で土日のみ自宅に帰っている。親の介護のために当分の間休部する人もいます。個々人は種々の課題を持ちながらも、好きで集まったチームで一緒に白球を追う楽しさ▼その新調ユニホームで日曜日には2連勝。完投で勝利に貢献です(M) 2001.4.18掲載

 『用地買収職員が残すもの』     2001年4月25日(水)

 職員一人に一つの椅子と事務机があります。その上が仕事の現場である人も多い。愛着と落ち着きの場所。机の引き出しにはこれまでの仕事の蓄積が書類や事務用品などの形で残されています。その事務机が突然使用主を失い、上に花が飾られる寂寥感は忍びがたいものです▼最近職員が相次いで亡くなりました。しかも随分と身近なところで。本人でさえ予期できなかった突然の最期。回りのものはにわかに信じがたく、驚き悲嘆にくれるばかりです。異動でも退職でも事務机は使用主が整理します。それを職場の同僚が行う寂しさ。私物が整理され家庭に戻っても持ち主はすでに居ないのです。足跡をたどることが追悼なのかも知れません▼用地買収一筋の人には一つの思い入れがあります。それは事業を委託されたら、自らの力で最後の買収まで成し遂げたいと思う請負感の強さとでも表現できます。言うことはいうが責任は持つということ。事業名を聞けば用地担当職員が必ず浮かんできます。彼の名前とともに浮かぶ事業が幾つあるでしょうか。買収の痕跡は供用開始と共に跡形なく消えたとしても事業名とともに生き続けることで努力が報われていると思いたい▼冥福を心からお祈りして(M)


5月     映画『郡上一揆』と郡上方言     2001年5月9日(水)

 5月25日に高槻で映画『郡上一揆』が上映されます。江戸時代の宝暦年間(田沼意次の時代)に飛弾・郡上藩で起こった代表的な農民一揆を丹念に描いた力作です。是非鑑賞を。今日は映画『郡上一揆』を楽しむための予備知識を少しだけ紹介します▼その一。あらすじ。箇条書きすれば、郡上藩年貢増税のお触れ−反対運動高まる−藩の逆襲−代表40名江戸へ−駕籠訴−からかさ連判状−軟禁・弾圧−最後の手段・箱訴(目安箱)−詮議はじまる−役人への仕置−農民へのお裁き、と流れる五年余りの闘いが正面から描かれています。農民一揆が五年もかけた壮大な読みと飛弾・江戸を結ぶ総力戦であったことを初めて知りました。それでいて田植えなど日々の生活風景も丁寧に描かれています▼その二。飛弾地方に生きた農民独特の方言(郡上弁)がリアリティを増しています。観客が理解できればもっといい。例として6つほど上げます。分かりますか。@ダチカンAゴガワクBアンキCタイモナイDヨーサリEタシナム。日常会話によく使う言葉です。標準語では @駄目だ・いけないA腹が立つB気軽・のんきC大変なD夜E物を大切にする となります▼久しぶりの本格時代劇です(M)2001.4.9掲載
 

『総ユニクロ化現象』の警鐘     2001年5月16日(水)

  ユニクロ化現象』という言葉を知っていますか。ユニクロは潟tァースト・リティリング(本社山口市)が経営する衣料品中心の店舗の名称。急激に売り上げを伸ばしています。人気の秘密は価格が安いことと多様な色を準備した品揃えの多さでしょうか。私も二千円の鞄を購入しました▼ユニクロは商品生産を中国等に完全にシフトして、そこから製品を日本に逆輸入することによって「低価格」を実現しています。今、この生産のアジア化と製品の逆輸入が急増しています。それを『全業種のユニクロ化現象』と名づけ警告しているのです。衣料に限らず、家具・陶磁器・金属洋食器、生鮮食料品まで一次加工は中国等のコスト安の国で加工して、最終加工を日本国内で行って製品化する動きが急です。また、国内の企業・資本が中国を中心とする東南アジアに生産拠点を移行、そこから商品を大量輸入することで国内価格を「アジア化」し、国内産地と生産物価格をかく乱しているのです▼消費者は同時に労働者。国内産業空洞化によって労働機会が減少し地域が衰退することを喜ぶでしょうか(M)

 

『健康は生きるプロセスの中に』   2001年5月23日(水)

定期健康診断が始まりました。血圧・血糖値・コレステロール値・GOTなどの値に一喜一憂してませんか。「健康ブーム」もあって健康の基準を数値で判断する傾向が強まっています。そうした傾向に対する私見を以下に▼一つは人の健康状態を検査の数値で輪切りにして「いいか悪いか」「○か×か」と判断する手法は余りにデジタル過ぎます。人のメカニズム、精神活動は境界のない連続的な動きであってデジタルの対極・アナログの世界の典型です。従って、検査データに過剰に反応することなく、判定基準自体が統計数値であり目安であることをよく知って、悪い検査数値が出たら『自分のからだのあり方をかえていくスタートにしよう』ととらえるところに最も大切な意味があると思います▼さらに言えば、健康そのものが目標になっていませんか。『健康のためなら死んでもよい』は極端ですが、健康はあくまでも手段です。人が人間らしく生きていくために必要な支えとなる重要な要素の一つです。従って健康は、生き方・生きるプロセスの中にこそ存在していて、亡くなるまで生きていくその人なりの豊かな生き方の中に健康という姿があると思っています▼あなたの健康観を点検する機会(M) 2001.5.22掲載

 

『図書館の自由に関する宣言』への挑戦   2001年5月30日(水)

 『図書館の自由に関する宣言』をご存じですか。日本図書館協会が総会決議のかたちで図書館の基本を謳ったものです▼「図書館は、基本的人権のひとつとして、知る自由を持つ国民に、資料と施設を提供することを最も重要な任務とする。」「この任務を果たすために、図書館は次のことを確認し実践する」。「第一、図書館は資料の収集の自由を有する。第二、図書館は資料提供の自由を有する。第三、図書館は利用者の秘密を守る。第四、図書館はすべての検閲に反対する。そして、図書館の自由が侵されるときは、われわれは団結してあくまでも自由を守る。」▼引用が少し長くなりました。関東の議会で、某党の議員が、図書館に某宗教団体を批判した本がこれほどある、図書の選定は誰が、どのようにしているか、図書館の職員構成はどうなっているか、人事異動が適切に行われているかという趣旨の質問をして、大きな問題となっているからです。私は、この発言は図書館の自由に対する明らかな干渉、介入、圧力で、許されない発言だと思います。その判断基準は先に引用した『宣言』です▼あなたは、議員の発言をどう考えますか。図書館のあり方を再認識する機会として問題提起(M)


6月 NHK朝の連続テレビ小説『ちゅらさん』人気の秘密  2001年6月6日(水)

 NHKの連続テレビ小説『ちゅらさん』が放送され始めて二ヶ月余り。快調です。沖縄・小浜島で生まれ育った沖縄っ子の主人公が東京へ出て、自分の道を見つけようと懸命に努力するさわやかさが共感を呼んでいます。以下は連続ドラマの私的観賞記です▼沖縄のからっとした気候・照りつける太陽のまぶしさをそのまま登場人物にしたような物語の展開です。「ちゅらさん」とは沖縄地方で「美しい人」という意味だそうです。主人公のまっすぐな姿勢・心持ちをイメージしたネーミングと読みました。今回の物語では主人公の家族がいい。一番偉い「おばあ」と人情もろい父、しっかりものの母と相談相手となる弟。そして寅さんのような兄。特に「おばあ」は出色です。この家族があって主人公あり▼もう一点。都会・東京と故郷・沖縄を描くことで、人の心の有り様を対比しているように思えます。沖縄が示すのはふるさとであり心のよりどころ。一方の東京は働く場所・生活の糧を得る寄り合いの場所です。両方があってはじめて成り立つ今の世の中で主人公はどんな「自分の道」を見つけるでしょうか。KIROROの歌・タイトルバックも印象的です▼久しぶりに楽しめるドラマです(M)

 

夏野菜の畑へ早朝『出勤』  2001年6月13日(水)

梅雨入りしてから少し晴天が続いています。プランターで充分に育つこともあって愛好者が増えていますが、夏野菜は順調に生長していますか。日の長い今は早朝、畑に「出勤」しています▼連休に植えた苗のうち、ナスは黒っぽい大きな葉と太い茎が調子の目安です。水を充分に与えて当分は木つくりです。キュウリはツルが伸びて黄色の花が咲き始め、初なりの収穫ができました。トマトは一段目がピンポン玉くらいになって三段目の花が咲いています。脇枝を切って支柱に括りつけ、ホルモンで着果を手助けしています。ピーマン・シシトウ・オクラは、将来の生長のために、根を深く張って蓄電中です。インゲン豆・枝豆は強くて元気。カボチャとマクワウリは虫に葉っぱを食べられながらの生長です。キャベツは除虫が大変です。一方サニーレタスは虫が来なくて助かります▼野菜の顔を見ることで一日の元気が出てきそうな、にぎやかな畑になっています。支柱たてや草取りなどの作業に追われて、三〇分はすぐに経過していまいます。毎朝犬の散歩をしている近所の人にあいさつしながら帰宅すると、花壇にシャワーして、新聞受から新聞を取る▼さあ、一日の始まりです。(M)

 

DVDにまつわる話  2001年6月20日(水)

最近「DVD」という言葉をよく聞きます。直訳すれば「デジタル多用途ディスク」。今日はこのDVDにまつわる話です▼DVD本体は音楽CDと同じ大きさの円盤(直径一二a厚さ一・二_)で、映像と音声が記録されている再生専用のディスクです。昨年一年間にDVDは約三千万枚が売れました。同じ映像ソフトであるビデオテープが昨年は約三千三百万本の売上げといいますから、ぼほ同じ水準。今年は逆転確実です。ビデオテープに取って代わろうとするDVDですが、その特徴は、劣化しない・頭出し可能・高画質高音質・携帯に便利、などです▼昨年DVDが再生できるゲーム機が発売されたことも大きいようです。最新のパソコンの上位機種には「CD−RW」と並んで「DVD」搭載機があります。テレビに接続する再生専用機ももちろんあります。自分の使用目的に合わせて、再生機を選ぶことが大切です。我が家は再生専用機を選択。最新映画を観賞しましたが、キメの細かさと色合いの確かさ、音は驚きです。ただし、レンタルに対しては現状ではメーカーが貸与・回収する等規制が厳しいとのことです▼やがてこれも整備され気軽にレンタルに映画を楽しむ日は近い(M)

 

住民基本台帳ネットワークの光と影  2001年6月27日(水)

今年の施政方針で触れられていますが「住民基本台帳法」が一部改正され「住民基本台帳ネットワーク」が全国レベルで構築されようとしています(来年八月完成予定)。政府のIT戦略の基幹に位置するこの住基ネットワークの光と影▼住民票に係るデータは市町村が管理していますが、それを全国ネットにして国や県などへ提供・利用できるようにしようとする改正です。そのため全国民に十一桁の住民票コードをつけます。そして本人確認情報といわれる氏名・住所・生年月日・性別・住民票コードの四項目を県を通じ国へ提供します。国による全国民の一括管理システムの構築です▼さらに、住民に対して住民基本台帳カードが発行されます。そのカードは保健・福祉・医療等への独自利用が可能なICカードとなっています。行政だけでなく、病院診察券や電子決済など民間による利用拡大も模索されるでしょう。また、ネット上の商取引に必須なのは本人確認(個人認証)ですが、このICカードリーダと十一桁番号と暗証番号とを組み合わせて本人認証する方法が研究されています▼安全管理に絶対は存在しません。総背番号が悪用されない保障はあるか。大きな問題をはらんでいます(M)


7月 『骨太方針』を批判する 2001年7月11日(水)

  このニュースが配布される頃は米大リーグの夢の球宴が始まっていて多くの人を釘付けにしているでしょう。全英テニスの男子決勝イワニセビッチ対ラフターは歴史に残る熱戦でした。話題は多いのですが今日は『骨太』に一言いわせて下さい(牛乳ではなく小泉内閣の基本方針です)▼参院選の最大争点としてその中身が問われるこの基本方針。キーワードは「不良債権の最終処理」と「財政支出の削減」です。今日は前者。「不良債権の最終処理」と言葉は簡単ですが、我が身と人生に引き寄せてそれが意味するところをじっくりと考えてほしいと思う。「痛みを伴う」とはいっても具体的にどうなるかを話さない▼これまでの失政の責任も、金融機関の経営者の責任も未だに全く問われないまま、サラリーマン世帯の実収入は四年連続して減少し、消費支出は八年連続して減少し続けているその国民に対して、今度は「不良」とされた企業を大量に破綻させ、多くの国民の生活の基本=雇用を奪うことが「痛み」の全部ではなく一端です。生活の糧を奪うことが政府方針とは誰のための政府ですか。国民を漂流させて、更に経済をデフレ化させるのが国の方針とは▼国民は経済評論家ではなく生活者です(M)

 

京都市が職員の過失を給与で弁済 2001年7月17日(火)

 職員が仕事の失敗を給与で弁済する、と京都市が議会で言明し問題となっています。新聞報道で分かったことを紹介します▼京都市が道路舗装工事を約二億千万円で舗装会社『京都舗道』と昨年十二月に契約、契約金は工事進行に合わせて支払うことになっていました。そして中間金として五月に約九千万円を支払い。その直後同社が京都地裁に自己破産を申請しました。調査すると、現場は測量などの準備程度で舗装工事は未着工のままでした。担当職員が「予算の繰越はできない」と思いこんで中間金の請求を業者に指導し、管理職がそのまま決裁したために招いた事態とか。そして、契約上の不当利得として当然返還請求はするとして回収の見込みがほとんどないことから、関係職員十数人が給与で弁済することを「自発的に申告」したというものです▼ちょっと待ってほしい。反対給付なしの支払いは契約違反で内部チェックできなかった非は大きい、その意味では過失があったことは事実としても、詐欺とか横領など悪質なものではありません。自分の過失が原因で生じた仕事上の損害を、自分の給与で弁済するなんてことが一回でも強行されたら働く権利はどうなるのか、何とも恐ろしい話です(M)

 

靖国神社への公式参拝を批判する2001年7月25日(水)

 靖国神社の公式参拝・集団的自衛権行使の容認・憲法改正。ここまで主張する小泉首相は間違いなく改憲・タカ派です。過去にいた首相では中曽根康弘氏の「戦後総決算路線」を思い出します。今日はそのうち靖国神社公式参拝問題に一言▼先ず私の意見から。私は戦後生まれですが、靖国神社が軍事的宗教施設として戦前の日本軍国主義の精神的支柱であったことは紛れもない事実です。明治以降の天皇制崇拝を広める近代国家神道の重要な柱でした。また、A級戦犯が戦後密かに合祀されています。以上から、公式参拝は、戦争放棄・宗教分離の憲法原則違反であり許されないと思っています▼さて首相、正当化の根拠として曰く「日本人の感情として亡くなると全て仏様になる」「死者に対してそれほど選別しなければいけないのか」。靖国神社に「仏様」はないだろうと思う。神社と寺院、神と仏の区別くらいは私でも分かります。靖国神社は一人ひとりを「〜命(みこと)」として「神」として祀っている神社です。そして、西郷隆盛など賊軍は祀らないとする選別思想で貫かれています。▼歴史教科書問題も同様ですが、韓国の「隣国を選べない」とする意見は重く受け止めるべきです(M)


  この夏一押し映画2題    2001.8.3(金)

暑い日が続いています。今年はよく冷房の効いた映画館がお勧めです。『ハムナプトラU』『A.i.』『猿の惑星』『千と千尋の神隠し』『ジュラシック・パークV』などこの夏の話題作もほぼ出そろいつつあります。一押しの映画を二題▼その一『千と千尋の神隠し』。四年ぶりの宮崎駿監督作品です。十才の少女が不思議な町に迷い込んで冒険するというファンタジーですが、大変な人気のようです。同世代の子どもたちはもちろんのこと、日本的な妖怪変化の世界が夢のある色調で描かれていて、大人も十分に楽しめます。「豚にされた両親に何の変化もない」ことが大人への警告で、子どもたちには「自力で生きよ」とのメッセージがあるのかも▼その二『猿の惑星』。同名の映画が大ヒットしたのは一九六八年です。『続…』など五本続きました。今回はそのリメイクというよりもティム・バートン版(監督)と呼ぶべき作品です。第一人者といわれるリュック・ベッカーの特殊メイクの出来ばえを観賞するだけで一見の値打ちがありそうです。メイクとCGを駆使したよりリアルで激しい動きが画面を占領する映画▼これらメジャー以外にも注目作品は多い。賢く選択して涼しく映画鑑賞を(M)  2001.8.3掲載


メールマガジンとホームページ    2001.8.14(火)

 「小泉メールマガジン」が官報速報と一緒にコピー回覧されています。中身の問題はともかく首相や大臣個人名の後に続く文章が「個人レター」に近いことから官邸発行にしては身近に感じられます。一方、千葉県市川市が『いちかわ夢マガジン』の配信を始めたとあります。無料・毎週一回・五千字くらいで四部構成・裏話苦労話を盛り込んだ内容にするとか。行政を身近にする手法の一つとして注目されています。高槻市はどうしますか?▼IT化の進展によって情報発信の形が変化してきています。ITは空間と時間を圧縮します。国の計画などがホームページ(HP)から入手可能になったことで身近になったと感じるように、特に公的なHPでは、行政計画等について可能な限り情報公開を行うことが期待されています。それにメールマガジンが加味されたということです。我が家のメールBOXは毎日配信されるメールマガジンでいつも一杯。購読の取捨選択が難しくなってきています▼ところで、市労組のHPは開設から半年を過ぎ、掲載内容もほぼ安定してきています。労働組合のHPに期待される内容は何か。編集子の自問が続いているようですが一度覗いて、感想をお寄せください。(M)2001.8.14掲載

 

全国高校野球大会で近江高校が準優勝    2001.8.24(金)

 全国高校野球選手権大会が終わりました。今年も楽しめた大会でした。豪打の日大三高、剛腕投手のいる日南学園、はつらつ宜野座高、十七名の塚原清雲高、ベトナム人投手の東洋大姫路高、堅守の近江高など話題がいっぱいでした。今日は近江高のたたかいぶりについて▼決勝戦こそ豪打の日大三高に『近江方』式は通用しませんでしたが、戦いぶりは互角で、負けて晴れ晴れのナインに、地元のファンとして拍手です。近江高校の野球の特徴は次の四点に集約できると思います。守りから入る堅守の野球・飛び抜けた選手がいない全員野球・少ないチャンスを点に結びつける堅実野球。この三点だったら同タイプのチームは多いのですが、他のチームと異なっていたのが三人のタイプの異なる投手が「先発・中継ぎ・抑え」を分業するという選手起用でした(近江方式)▼最近は地方大会もテレビ放映があって、試合を観戦することができます。私の見た県大会での近江高校の戦い方は甲子園と全く同じでした。強かったけれども飛び抜けてはいない。ただ、三人の投手交代によって打者がボールに慣れる暇がないため、近江からはなかなか点を奪うことができませんでした▼その野球が甲子園で花開いたのがうれしい。(M)2001.8.24掲載


9月  秋・冬野菜の種蒔き作業、本番    2001.9.5(水)

 九月に入ってグッと秋が近づいてきました。八月の暑さがウソのようです。楽しみに見てきたNHK連続テレビ小説『ちゅらさん』もあと一ヶ月。今は次々にカップルが誕生して「実りの秋」を迎えています▼さて、お袋から約百坪の畑と野菜づくりを引き継いで四回目の秋を迎えています。今はちょうど秋・冬野菜の作業が忙しい時期でもあります。白菜は出来れば八月中に種蒔きして大きく育てたい。逆に大根は九月蒔きで十分間に合います。キャベツ・ブロッコリーは八月中に苗床で苗を育て、九月に移植する。白カブ赤カブは今が蒔き時です。ほうれん草・チンゲン菜・サニーレタスはこれからが育てやすい。干しネギを畑に差すのは丁度今です▼畑作業は種を蒔いたり苗を移植したりする作業自体よりも、そういった作業に入れる状態にするまでが大変です。夏に伸びた草を抜き、耕し、元肥を入れ、畝を立てる。いずれも力仕事です。我が家は鍬と備中が道具の全てですからかなりの重労働。土・日が主な作業日です▼家庭菜園は一回一回の経験が積み重なって身体で体得していく技術であるところが奥が深いと思う。そして一作物に経験は大抵年一度です▼農家の人に年輪の凄さを感じています(M)2001.9.6掲載

 

白木屋の3人女性組合が勝利和解    2001.9.12(水)

 白木屋(しろきや)といえば全国で九五〇店舗を持つ居酒屋業界最大手でモンテローザという会社が経営しています(従業員約二万人)。その会社の女子社員三人が労働組合をつくってたたかい、未払残業代約三八億円と休憩室などを勝ち取ったというビッグなニュースが入ってきました。今日は新聞から拾ったこの話題▼回覧板で月一万、二万の賃金カットを通告。電車が遅れて一分遅刻でも一万円カット。欠勤一回で八万円のカット、など。「ひどすぎる」と約七〇名が九八年五月に組合を結成しました。組合を嫌う会社側から陰湿な嫌がらせが続いたとあります。退職・脱退が相次いだ中、二十代の女性三人が分会の旗を守ってたたかい続けてきました▼地域からも熱い支援の輪が広がって、労連や地区労などと共にほぼ毎週新宿や渋谷などで宣伝や集会やデモを続け、会社を社会的に包囲していきました。そうしてついに@会社の謝罪A十四項目にわたる労働条件の改善B未払残業代の支払C解決金の支払、を勝ち取ったのです▼「辞めたいと十回は言ったが、三人いたから頑張れた。辞めざるを得なかった仲間たちにこの勝利報告したい。本当にうれしい。」何ともすがすがしい勝利談話です(M)2001.9.13掲載

庁内ネットワークの進展    2001.9.19(水)

 大阪府が九月十日よりホームページ(HP)で例規集の公開を行いましたので早速アクセスしてみました。検索窓に「例規集」と入れると総目次と五〇音のどちらかで目的の条例・規則などに到達できるようになっています。約一万nを収録。早くて便利を体感しました▼さて「庁内ネットワーク」化の準備が進んでいます。情報系のネットワークとしてグループウエアソフトを導入し、電子メール・掲示板・電子キャビネット・スケジュール管理・HPの更新・インターネット閲覧などに役立てようという計画です。今は目新しく聞こえるかも知れませんが、一年もした頃には、掲示板・メール・公開文書などはきっと必須の道具になっていると予想しています。その先には例規集の公開・文書処理簿の電子化・電子決裁システムなどが検討されているようです▼行政の電子化には@電子決裁A電子申請B電子調達が主要課題と言われています。その前提として個人・団体の認証システム(確かに本人か)の確立が欠かせません。地方税などの申告がネットを利用すること可となれば仕事の仕方も随分と変貌することが予想されます。まさに日進月歩の世界です▼電子メールの習得がきっと世界を広げます(M)  2001.9.19掲載

地方職員派遣法の概要と課題    2001.9.26(水)

 『公益法人等への一般職の地方公務員の派遣等に関する法律』という法律が平成十二年四月に成立し来年四月一日より施行されます。目的は派遣手続きの透明化、派遣職員の身分取り扱いの明確化など、派遣に係る統一的なルール化です▼概略説明すると、手続きでは、任命権者と法人との間で業務内容等について取り決めを行う・職員に内容提示・職員の同意。派遣期間は三年以内・五年まで延長可(再派遣は特例のみ)。派遣期間中の処遇は派遣先団体に係る制度を適用。復帰後の処遇は均衡を配慮する等です▼派遣手続き・派遣期間・派遣中の処遇などが焦点です。中でも「派遣期間中は派遣先の団体の制度を適用する」という統一基準が示されたことから、健康保険制度や労働者災害補償制度などが問題になります。市職員は市町村健康保険組合に加入(高槻市が事業者)していますが、派遣先の団体が事業者として市町村健保の会員になっていない場合には政府管掌健康保険が適用されることになります。保険料や給付の差など保険制度の変更は処遇としては大変に大きなウエートを占める問題です▼今後条例化に向けて取り扱いが具体的に議論されることになると思われます。今後の焦点の一つ(M)


10月  スポーツの秋とジョギング    2001.10.3(水)

 高橋尚子選手の女子マラソン世界最高タイム、イチロー選手の新人年間最多安打、巨人長島監督の引退(中日星野監督も)など日曜日はスポーツの話題で持ちきりでした▼雨が上がって10月。この時を待っていたかのように金木犀が一斉に花をつけ始めています。独特の香しさ。秋の到来です。今日は「スポーツの秋」について。自治会や連合自治会主催の運動会があったりして身体を動かす機会が増える時期です。私のところは14日(日)が学区大運動会です。15自治会から1500人以上が集まって競技します。大変なにぎわいです▼そのためか、最近自治会の人などが朝や夕方に数人がまとまってしっかり腕を振って歩いているのを見かけます。「歩く」運動をしてことがよく分かる独特の歩き方です。健保のパンフレットにも「一日一万歩を歩いて三百キロカロリーのエネルギー消化を」とありました。手軽に始められる歩くことの推奨。そして継続こそ力なり、と。皆さんも始められてはどうですか▼私は九月からジョギングを再開しています。一回4〜5qを軽く流しています。金木犀やススキに出会えるのもこの時間です。12年続いているのは季節を感じることができるからでしょう(M) 2001.10.3掲載

『仕事が人をつくる』(岩波新書)の紹介 2001.10.10(水)

 携帯電話の電池ケースは一枚の金属板から作られています。その技術は岡野工業(株)という東京・向島の六人の町工場から生まれました。金属板をプレスで絞る際にメッキがはがれず箱型に深く絞ることの出来る金型とプレス機の開発。しかも自前の特殊な潤滑油を使用するため熱することも不用です。代表社員・職人岡野さん▼F1レースの名門フェラーリ社が車の心臓部のシリンダーラインに使用している安田工業(株)の工作機械。「YASUDA」マークは製造工場のステータスシンボルとも。岡山県・里庄町にある従業員二五〇名余の工作機械をつくる工場です。工作機械を仕上げる研削工の児玉さんは〇・五ミクロン以下の精度をこなしています▼他には、三鷹光器という望遠鏡から超精密測定器・医療機器の工場の話、瓦職人、染色技術のデジタル化に挑む染色工、歯科技工士、大工の棟梁、椅子作り職人、高木剪定師など十名の職人が紹介されています。「ものづくりは大学では教えてくれない」と本のコピーにありました。ものづくり技術の習得と向上、そして継承という課題を職人の立場から語っています▼読書の秋の参考に、『仕事が人をつくる』(岩波新書)の紹介でした(M)。2001.10.10掲載

渋柿の渋抜き 2001.10.17(水)

 大リーグの試合がこれだけ身近で面白く感じるのは私だけでしょうか。新しい顔合わせとなった日本シリーズも頑張ってほしいものです▼さて、今日は収穫の秋の話です。秋の身近な果物の一つに柿があります。子どもの頃木に登って熟した柿を千切って食べた経験が誰にでもあるでしょう。甘いか渋いかは自分の家の柿の木の場合は分かっても「ちょっと拝借」分は一種の賭け、食べるまで分かりませんでした。柿の渋みは強烈で、口の中に何時までも残ります。その渋柿は専ら干し柿用でした。冬の貴重なおやつです▼当時は全く知りませんでしたが、家庭で簡単に柿の渋抜きができることを知りました。科学的には、柿の中に含まれる可溶性タンニンが渋みを形成しているとのこと。甘柿は樹の上で不溶化が起こり渋が抜けますが渋柿はそのままです。そこで炭酸ガスやアルコールを使って不溶化させるのです。具体的には三五%以上の焼酎を準備します。器に入れて渋柿のヘタ部分を二・三度漬けます。そしてビニール袋に入れて密封。これだけでOKです。一〜二週間で美味しい柿の出来上がり。手品のような話です▼今手に入れた渋柿の「渋抜き」を実験中です。うまく行きますか(M)2001.10.17掲載

団塊の世代の人事制度 2001.10.23(水)

 五十歳以上の職員が日頃どう考えているかを垣間見る機会として、人事制度に関するアンケート調査結果を興味深く見ました。▼現行の主任制度と係長級試験制度はQ二及びQ五で「現行のままでよい」が約一割しかないところから見て、改善が必須の状況です。その一方向としてQ一とQ七から見ると、スペシャリスト・スタッフ職としての新係長級制度・新主任級制度が浮かび上がってきます。Q三で若手職員の登用を半数以上が肯定しているのは注目されます。一方、Q六の管理職の降格について、本人希望・四四%、勤務実績・二三%の職員が降格制度を肯定していることは意外でした。本人処遇についての回答かどうかは不明ですが▼「自治体職員は行政職人たれ」とは蜷川京都府知事の鉄則でした。法令や財政を職人的な技量の高さで熟知し中央政府に負けないことが自治体職員に要求される能力である、の意です。「二一世紀はコーディネーターとしての能力を併せ持つこと」と宮本憲一氏は追加しています。公共政策に住民とのパートナーシップが不可欠となっている時代に必要とされる能力の追加です▼スペシャリストという言葉から行政職人・コーディネーターを連想した次第です(M)2001.10.24掲載

朝露と秋野菜 2001.10.31(水)

  日暮れが早く朝冷えが厳しくなって秋本番を迎えました。朝露に濡れた手がそれはそれは冷たいこと、体験ありますか▼六時過ぎに起床して竹かごを下げて家を出ます。朝日は未だ東の山の中です。五分ほど歩く道の途中で犬と一緒に散歩する人から「お早う」の声がかかります。あぜ道に出ると短く刈った雑草が長靴に触れてびっしょりと濡れます。めざすは我が家の畑▼白菜とキャベツは気温には敏感のようで、このところの冷え込みが幸いして巻き始めました。今朝の目的であるブロッコリーは今が穫り頃です。一度に沢山出来てしまうためお裾分けします。手袋をはめた手で花の元にナイフを入れて収穫。三つ四つと収穫するうちに手袋が濡れてしまいます。その冷たいこと。白カブとほうれん草と山東菜を抜いている間には手袋は露でベタベタです。ため池の端に移動して手袋を取り池で野菜を洗います。その水が随分と温かく思えるから不思議です。カブは洗ったあと根元を括って葉は途中で切り落とします。ほうれん草と山東菜は雑草と古い葉を取り除いて括ります。「朝飯前」の仕事が完了です▼農作業は土・日のみ。十一月の声を聞くとタマネギとエンドウの作付けが始まります(M)


11月  湖南アルプス・ハイキング    2001.11.7(水)

 文化の日は生憎の天候でしたがハイキングサークルの「湖南アルプスの旅」に同行しました▼カッパを準備して登山口バス停を出発。東海自然歩道にもなっている道の傍らは紅葉が始まって山柿がたわわに実を染めています。職場の話題に花が咲き足も滑らかです。『迎不動』まで小一時間、天神川に沿って登りました。降雨のため二手に分かれて健脚組は鎧ダムから堂山経由で新免に下るコースを選択しました。急峻な道無き道は山登りの雰囲気満点です。熊笹が衣服を濡らして閉口しました。堂山から琵琶湖一望のハズが四方霧の中。次回は山ツツジ咲く頃がいいと話し合いました。山水画のような景色の中、剥き出た山肌を一歩一歩人里まで下りました▼楽しみの昼食は雨を避けて急きょ教育キャンプ場の炊飯場を拝借することに。炭火焼き器を持ち込んでOGビーフステーキと自家製野菜のバーベキュー、ピーナッツたれの五平もちと自家製サツマイモの炭火焼きがメニュー。ワインの差入れもあってビールで乾杯する頃が最高の盛り上がで、外の雨がウソのようです。食事の後は冷えた身体を暖めるために「休憩歓迎」の南郷温泉へ▼地元の我が家が案内役を買って出た楽しい一日でした(M)


インターネット入札の波紋    2001.11.14(水)

 『談合が消えた?』と題して放送された番組が波紋を呼んでいます(過日のNHK「クローズアップ現代」)。見られましたか? ▼公共工事等の入札改善は種々の取り組みがなされてきていますが、決定打がありませんでした。今回の紹介は横須賀市の例でした。同市では、工事入札をインターネットによる入札に変更しました。行程・仕様書等はネットで公開し現場説明会は廃止、業者登録すればあとは業者が市役所に赴く必要がなくなりました。その結果、予定価格に対する入札価格の比率が以前の95〜98%から10ポイント以上低下し、年間84億円余が節約されたと紹介していました。「ネットでは談合できない」という業者の声や地元建設業協会の会員が半減したことなども紹介。一方、品質管理に不安が残るところから横須賀市は工事担当職員を増員して現場審査を強化、工事過程にも目を光らせているとありました▼ところで、国では国土交通省が平成15年度までに所管の全公共事業(約44,000件)を電子入札にすることを決定しています。電子入札が地方公共団体へ波及してくることは不可避の状況です▼電子入札の「光と影」をしっかり見極めて。(M)2001.11.14掲載


海山町の原発をめぐる住民投票    2001.11.21(水)

 十九日未明の「しし座流星群」の天体ショー見られましたか。我が家は午前三時過ぎに必死に起き出して東の空を見上げました。夏の花火のように筋を残す(「流星痕」と言うそう)流れ星が一分間に十個以上が次々に肉眼で確認できました。流れ星は一生に一度見られるか否かくらいに思っていた私にとってこの数は驚異でした▼さて、話は変わりますが原発誘致の賛否を問う三重県海山(みやま)町の住民投票が十八日実施され、八八・六%の高投票率の中、賛成三二・五%、反対六七・五%という圧倒的多数で「原発誘致反対」の住民の意思が示されました。町長は「これで四十年にわたる海山町での原発の議論は終わる」と表明しています▼原発をめぐる住民投票は今回で三度目です。九六年八月の新潟県・巻町では「建設反対」が六一%で町有地の売却が凍結されました。今年の五月には新潟県・刈羽村での「プルサーマル計画」賛否投票は反対一九二五人、賛成一五三二人で反対票多数の意思が示されました▼昨年、馬越峠に至る同町の熊野古道・伊勢道を歩きました。「目先の利益にとらわれず貴重な熊野灘と紀伊半島の自然を守る道を選択した」町の漁業・林業での町おこしに期待して。(M)2001.11.21掲載


草津ハーフマラソンに出場    2001.11.28(水)

 三連休は快晴が続き何をするにも絶好の天候でしたが、いかがでしたか。私は『草津ハーフマラソン』に挑戦しました▼低温・快晴・無風で絶好のランニング日和となった二三日。発着点は近江八景で知られる矢橋の帰帆島でした。親子づれや中学生・高校生が参加できる種目もあって、グランドにはテントが張られ、二千人以上で賑やかでした。「四十才以上男子」の種目は五五七名の参加でした▼号砲は十時十分。青空の下、色とりどりのユニホームが一斉に駆け出しました。湖周道路を琵琶湖博物館まで北上してUターン、同じ道を帰帆島にもどってくる平坦なコースです。琵琶湖の対岸がぼんやりと霞んで見えます。調子は上々で十四qまでは順調な走りで来ましたが、持病となっている膝の辺りが痛み始めてペースダウン。マラソンにぶっつけ本番のレースは考えられない中で、スタート線に立てたことで半分位は成功です。次の目標は完走。粘って完走をと願いながらの走りとなりました。何とかゴール。一時間四十分を切るタイムに大いに満足でした。順位も前から三十%弱でした。帰りには銭湯に寄るのが楽しみとなっています▼来年一月には高槻国際シティマラソンが開かれます(M)  2001.11.28掲載


12月  『医者井戸を掘る』と中村哲氏    2001.12.5(水)

『医者井戸を掘る』(石風社)を読みました。昨年アフガン一帯は史上最悪の干魃(かんばつ)に襲われました。川は干上がり、井戸は枯れました。田畑と牧草地は砂漠になり、廃村が続出、飢餓と水不足で約百万人が餓死寸前と報告されました。日本NGOであるPMS(ペシャワール会医療サービス)はパキスタン北部に二カ所、アフガン北東部に三カ所の診療所を持ち、年間十八万人の診療を行っている医療機関です。そのPMSが未曾有の旱魃対策として、命の水である「井戸」を掘るために悪戦苦闘する一年間の記録です。六六八井戸を掘削し、五六二が利用可能という大変な成果を上げています▼著者は中村哲氏。医師。一九八六年よりアフガン無医地区で活動を展開しています。PMS院長。日本で今、最もアフガンの現地事情に詳しく、耳を傾けるべき思想と言葉を持った発言者といわれています。過日の衆議院テロ対策委では『自衛隊派遣は有害無益だ』と参考人発言して注目されました▼その中村哲氏が八日(土)十九時から『アフガンは今』と題して講演されます。高槻現代劇場大ホールです(主催・北摂無所属女性議員ネット・事前申込不用)アフガンの実情を知るところから全てが始まる(M)2001.12.5掲載

NHK連続テレビ小説『ほんまもん』    2001.12.12(水)

師走に入って何となく慌ただしい日々。半年単位のドラマであるNHKテレビ小説『ほんまもん』は前半の山場にさしかかっています。主人公木葉の父親が病魔と闘いながら料理人をめざす木葉に自らの「味」を伝授しています。若干の私的感想を以下に▼今回のテーマの一つは「伝える」ことだと見ています。精進料理の庵主さまは人の心、作る人の姿勢・気持ち・有り様がそのまま料理にあらわれると木葉に説きます。熊野の山を守るお祖父さんは、山と共に生きることで自らを貫き、木葉の婚約者が熊野山の不思議な癒しの魅力に引かれて銀行員から転職してお祖父さんに続こうとします。そして、木葉は料理屋の大将である父親から料理の心と技を引き継ごうと必死です▼省みるに、親から子へ伝承するものが何か一つでもあるだろうか。ふっとそんなことを考えました。家業の技があれば幸い。米作りや野菜作りのノウハウであってもいい。あるいは生き方とかの「親の背中」であってもよい。自分が親から引き継いだと言えるもの、自らの子どもに伝承したいと思うもの▼物語の後半は、一人立ちした木葉が納得できる料理の道を求めて更に修行を続けることでしょう。登場する食材にも興味津々です(M)2001.12.12掲載

 

映画『ハリーポッターと賢者の石』    2001.12.19(水)

 映画『ハリーポッターと賢者の石』が封切られています。満員の観客に混じって早速観賞しました。以下は私的感想です▼原作の文字を目で追っていく時に味わうことのできるこの作品独特の表情・匂い・声・色・動き・味は本当に強烈です。それが映像によってどこまで表現されているかを注目して見ました。全体としては少年の冒険ファンタジー映画として楽しく気軽に見ることができました。ただ原作を知らないとストーリー展開の早さに戸惑うのではとの感想も持ちました。原作は世界中で読まれ愛されています。その映画化ですから、原作に忠実であろうとするのは同然の成り行きです。そこで盛り沢山のエピソードが埋まっている原作の中から、出来るだけ沢山の事件を拾って二時間半の長さに詰めようとしています。従って物語の連続性よりもドラマティック性が重視されています▼ もう一点は、映像の力が原作を活かしている場面も多くあったこと。例えば空中クリケットのようなスポーツ「クリディッチ」の寮対抗戦はリアルでよく分かりました。魔法界チェスの迫力はさすがでした▼魔法界という子どもがワクワクする世界での物語。七巻完結までブームは収まりそうもありません(M)  2001.12.19掲載

 

「バッドトランスウイルス」にご用心    2001.12.25(火)

 庁内ネットワークが本格稼働間近です。掲示板・スケジュール管理・メールなどの利用が時間とペーパーの節約になればと思います。さて、世間を賑わしている「パソコン・ウイルス」が急に身近な問題になった話題を以下に▼今警戒警報が出ているのは「バッド・トランス」というウイルスです。メールを開封するとそれだけで感染します(覚えのないメールは特に要注意です)。日本語入力やインターネットがどうもおかしい、と気づいた時にはすでに感染していました。全てを破壊する「ニムダ」とは別ですが、メールアドレスを読んで自力で感染を広げていくから始末が悪い。しかも駆除ソフトが効かない(駆除失敗と出ます)。私の場合はインターネットで対策を探して、指示に従ってシステムの書き換えをしました。大変でした▼防衛策としては@駆除ソフトを常駐させる(メッセージで教えてくれる)Aメールソフトの自動ビューを外す(開けないで削除するため)Bタイトルのないメールは即、削除するなど。この「バッド・トランス」の感染はメル友に多大な迷惑をかけます。メールは便利ですがウイルスが一緒ではたまりません▼インターネットは開かれた世界。くれぐれもご注意ください(M)2001.12.25掲載

 

「コラム動点」で振り返るこの一年    2001.12.27(木)

 時々の話題・風潮などを追ってコラムするコラム『動点』で取り上げた今年のテーマから、この一年を振り返ります。
 小泉政権が誕生して、「靖国神社への公式参拝を批判する」「『骨太方針』を批判する」と論じました。また、「田中知事の『脱ダム』宣言」が話題になりました。
 高槻市政に関しては「平成13年度施政方針大綱」「地方公務職員派遣法の概要と課題」「団塊の世代の人事政策」「公会計のバランスシート」のテーマを取り上げました。関連する地方の動きとしては、「法務局高槻出張所が消える?」「京都市が職員の過失を給与で弁済へ」ということもありました。
 経済・社会の動きでは「『総ユニクロ化現象』の警鐘」が経済空洞化を、「白木屋の3人の女性組合が勝利和解」がリストラに対する闘いを、「『まるホ』の解 明を」が外務省腐敗を象徴する出来事でした。
 今年はITが話題となった一年でもありました。「ホームページと情報リテラシー」「DVD」「住民基本台帳ネットワークの光と影」「メールマガジンとホームページ」「庁内ネットワークの進展」「インターネット入札の波紋」「ウイルス・バッドトランス」などの話題を取り上げ紹介しました。
 スポーツの話題では「全国高校野球大会で近江高校が準優勝」が印象に残りました。
 書籍紹介では、『だから、あなたも生きぬいて』『自分の国を問いつづけて』『チーズはどこへ消えた?』 『仕事が人をつくる』 『医者井戸を掘る』の五冊を紹介しました。 また映画・テレビの紹介では『オードリー』『キャスト・アウェイ』『郡上一揆』『ちゅらさん』『千と千尋の神隠し』『猿の惑星』『ほんまもん』『ハリーポッターと賢者の石』の八本を紹介しました。
 今年を表す漢字が『戦』。何とも殺伐としています。是非来年は『和』が代表漢字となる一年であってほしいものです(M)。
2001.12.27掲載

 

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