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2000年1月〜12月 コラム『動点』(週一回の連載)
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目次 12月  ○盲目のピアニスト梯剛之さん       〇『パソコン年賀状講座』
          〇しめ縄つくり講習会                        〇今年のコラムは46本
11月   ○第五次行革と人員削減            〇旧石器のねつ造事件に思う
        〇小倉寛太郎さん対談集『企業と人間』    〇内閣不信任案否決と小選挙区制
        〇野菜「お裾分け」の楽しみ
10月   映画『ミュージック・オブ・ハート』         〇島本町のタケノコが大打撃
      〇10年続いたものと、これからの10年      〇ハリー・ポッターの世界
 
9月   ○「地域自治体運動のためのインターネット入門」      〇帳尻合わせ
      
   〇「やる」スポーツに挑戦を              〇BSデジタル放送とパソコンとの融合
8月  ○上原公子・国立市長の話         ○NHKテレビ小説『私の青空』
       〇中学校の『ミレニアム同窓会』
7月  ○この夏 お勧め映画三題         ○牛乳配達屋さんと雪印乳業事件
        〇『生活習慣病を防ぐ』(岩波新書)
6月  ○海外旅行と映画鑑賞二題         ○タマネギの収穫と夏野菜
      ○地図情報システムの可能性        ○自治会でパソコン講座を開催
5月  ○『眼性疲労』に緑の休養          ○『インターネット術語集』読後感
      ○効率性の美徳は公共性の悪徳        ○変貌を迫られる銀行
4月  ○人事異動と団塊の世代           ○女流王将・石橋幸緒(さちお)さん 
         ○今年は当番で自治会役員に         ○学生の国民年金強制加入が免除制度に変更 
3月  ○閏年にまつわる算術計算        ○パラサイトシングルという言葉    
           ○宇都宮の子ども衰弱死事件を考える ○ホームページを立ち上げた
      ○米アカデミー賞の発表と日本映画 
2月  ○天神祭りと土人形               ○連続テレビ小説『あすか』
     ○野上弥生子賞と高校生              ○愛知万博とBIE 
1月  ○高槻シティマラソンと徳島市住民投票    ○大阪府知事選挙
     ○臨界事故の恐怖                  ○正月の流儀
 

2000年12月            目次へ戻る
盲目のピアニスト梯剛之さん   2000年12月6日(水) 

 梯剛之(かけはしたけし)さんは盲目のピアニストです。二才の時に眼の病気で失明。十一才の時再発しますが手術で乗り越えました。その彼が五年に一度開催される「ショパン国際ピアノコンクール」に挑戦する様子を伝える『人間ドキュメント・心の音を奏でる』(十六日NHK総合)は見応えがありました▼梯さんは小学校卒業すると声楽家の母親と一緒にウイーンへ旅立ちます。ピアノ留学。師事するピアノ教師の手の動きは母親が分身となって梯さんに伝えます。まさに二人三脚。鍵盤の位置は黒鍵に軽くタッチすることで知るといいます。三オクターブ以上のジャンプを難なくこなして曲を演奏しますが並の努力では出来ない技です▼一次予選は課題曲から四曲演奏しました。位置を知るための黒鍵が音を発してしまった瞬間もテレビは伝えていました。五十数名から三八名に絞った一次予選は見事に通過しますが、十八名に絞る二次予選で選外となりました。梯さんのピアノは一言で言えば「心の音楽」「語りかけてくるような音楽」「心の対話をしているような音楽」とNHKは評していました。同感▼特別賞のワルシャワ市長賞が贈られました(M)


『パソコン年賀状講座』     2000年12月13日(水)

 カラープリンターが廉価になって印字技術が向上した結果、仕上がりの綺麗な年賀状が気軽に作成できるようになりました▼過日、地元自治会で開いた『パソコン年賀状講座』は盛況でした。年賀状に特定したソフト(筆まめ等)が市販されているため、パソコン知識がほとんどない人でも画面を見ながら編集・作成できるのがミソです。年賀状は背景画とタイトルと本文とイラストと差出人で構成されているため、その各々を部品に見立てて、膨大なテンプレート(ひな形)から気に入った部品を選択して貼り付けていきます。差出人住所は郵便番号と連携していて入力も簡単です。電話番号や連名の有無等は自由に選択できます。本文は普通は入力が必要ですが、ひな形も豊富にあるため選択だけで済ますことも可能です。部品の配置と大きさと色彩は画面を見ながら後から変更します▼次ぎは印刷。自治会所有のもので一枚三〇秒足らずのスピードです。百枚の人や五〇枚の人やそれぞれの枚数を印刷しました。簡単ソフトとプリンター技術の向上で、市販のものと遜色ない出来映えで、受講者一同満足している様子でした▼人数の関係で宛名編集・印刷を行うのは無理でしたが、にぎやかな週末でした(M)


『しめ縄つくり講習会』      2000年12月20日(水)

今年もあと十一日間です。区切りとして正月を迎えるための諸準備というのは師走の名が示すとおり雑用含めて沢山あるものです。そんな中で私的にこだわりたいと思っているのが、玄関に飾る『しめ縄』を自作することです▼今年もお願いして「しめ縄づくり教室」に参加させてもらいました。しめ縄教室で最も大変なのが材料である藁を調達することです。第一、農家には藁がありません。その藁を紐で括って適当な柔らかさまで木槌で叩く前処理があります。枚方に住む師範代の講師が道具を含めてすべてを準備してもらえるのが最大の利点です▼講師を中心に車座に座って先ず束ねた藁を三等分します。その内の二本を巻きつけていきます。この時芯に藁を詰めて太くするのがミソ。そして残り一本を先っぽの細いところまで三つ編みの要領で編み上げていきます。この編み上げがうまくいけば八割がたは成功です。次ぎに稲穂を巻きつけて針金で止め豪華にします。そして裏ジロとユズリハとダイダイと御幣を飾り付け、最後に扇の飾りをつけると、非常に豪華な「しめ縄」の完成です▼我が家はここ五年ほど自家製「しめ縄」を飾っています。今年は三つ作りました。親元に自慢できそうです。(M)


今年のコラムは46本でした     2000年12月27日(水)

 一年で四六本の動点でした。その中のテーマから今年を振り返ります▼@臨界事故の恐怖・大阪府知事選挙・高槻シティマラソンと徳島市住民投票▼A愛知万博とBIE・連続テレビ小説『あすか』・天神祭りと土人形▼B米アカデミー賞の発表と日本映画・ホームページ開設・宇都宮の子ども衰弱死事件・パラサイトシングル・閏年の算術計算▼C学生の国民年金免除制度・女流王将石橋幸緒(さちお)さん・人事異動と団塊の世代▼D変貌を迫られる銀行・効率性の美徳は公共性の悪徳・『インターネット術語集』▼E自治会でパソコン講座・地図情報システム▼F『生活習慣病を防ぐ』・牛乳配達屋さんと雪印乳業事件・この夏お勧め映画三題▼G連続テレビ小説『私の青空』・上原公子国立市長の話▼HBSデジタル放送とパソコンとの融合・『地域自治体運動のためのインターネット入門』▼Iハリー・ポッターの世界・島本町のタケノコが大打撃・映画『ミュージック・オブ・ハート』▼J内閣不信任案否決と小選挙区制・小倉寛太郎さん対談集『企業と人間』・旧石器のねつ造事件・第五次行革と人員削減▼Kピアニスト梯剛之さん・年賀状講座・しめ縄つくり教室▼テーマが生命。来年もよろしく(M)

2000年11月         目次へ戻る

 第五次行革と人員削減          2000年11月1日(水)

 『広報たかつき』(十月二五日)の一面は第五次行財政改革に関する記事でした▼その中で「特に、職員定数の適正化については、前計画の実績(四年間で三〇五人削減)に引き続き、今回の実施計画でも三年間で五%(一四五人)の削減に取り組みます」の記事。まるで銀行やそごうがリストラの柱は人員削減とばかり削減人数を宣伝しているのと一緒に思えて、読んでいやな気がしました。実施計画に「五%」はあっても「一四五人」という人数はないし「目指す」がいつしか「取り組みます」に変わっています▼それと「職員数が多い場合、人件費が増加して新規施策などに振り向ける財源が圧迫されます」の記事。職員数=人件費と新規施策とを対立させる議論はマンパワーの理解がなく経常収支比率の理解が不正確で誤っています。その議論に乗れば、市民の権利・義務・財産・生活に関わる仕事をせずに専ら組織の運営に関わっている「間接職員」は、市民にとっては「必要悪」であり真っ先に削減の対象となるでしょう。市民千人当りの職員数が高槻は七人で北摂平均の九人よりも二人も少ない、というのは胸を張ってグラフ化する数値でしょうか▼私は職員数は行政水準の大事なバロメーターだと思っています(M)

旧石器のねつ造事件に思う   2000年11月8日(水)

 日本の旧石器時代を揺るがす大事件となりつつある『発掘ねつ造事件』には本当にびっくりしました。虚を突かれたというか、エッと言葉も出ない状況です▼発掘とか発見とか発明とかは、千に一、万に一の世界で、一人が一生に一回当たればラッキーではないかと思います。それが「連続」する不思議がいつしか「プレッシャー」となり科学者としての人間性を破壊したと思う。関与した発掘遺跡は十を超えるといいます。何時から悪魔の囁きに応えるようになったのか。この事件が日本の考古学への信頼を大きく揺がすことを心配する向きが多い。関係市町の文化財関係者の困惑が目に浮かびます▼それにしても、年代の決め手が『発見地層』のみとは何とも心許ない気がします。調べると、数百年から四万年前位までは炭素十四という物質の放射性同位元素を調査することでかなり精密に地層の年代が測定可能とのこと。また、別の物質によって百万年より前の地層の年代を特定できる。しかし、その間については信頼できる年代測定ができないそうです。そこに「発掘の神様」が自らの「発見」を強く主張できる余地があったのかも知れません▼古代史ブームに水を差す事件に、喝(M)

後日談 職場に「動点」読者なる人から電話が掛ってきました。今日の動点を読んでの感想でした。彼の意見では、前半がマア普通のことが書いてあるが、後半のC14の放射性同位元素のことが出てくるのがコラムとしては突っ込みがいい、とお褒めの言葉をいただきました。こういう意見は書くのに励みになって大変気分がいいものです。


小倉寛太郎さん対談集『企業と人間』」    2000年11月15日(水)

 小説『沈まぬ太陽』(山崎豊子作 全五巻 新潮社)読まれましたか。日本航空を舞台に企業と労働組合、労働者と経営者を正面から捉えた、昨年〜今年のベストセラー大作です。その物語の主人公・恩地元のモデルとされているのが小倉寛太郎(ひろたろう)さんです▼一九三〇年生まれ、東大法学部卒。五七年日本航空入社。六一年〜六三年日航労組委員長。すぐにカラチ・テヘラン・ナイロビと十年近く海外勤務。「現代の流刑の徒」と報じられる。その間に労働組合分裂。八五年の御巣鷹山墜落事故後、会長室部長に抜てきされる。九〇年定年退職。現在東アフリカ研究家・自然写真家。その小倉寛太郎と評論家の佐高信さんとの対談集を読みました(『企業と人間』岩波書店)▼印象に残った小倉さんの発言。「労働組合の第一の任務は組合員の生活向上、権利の擁護でしょうが、今の時代、第二の任務というのをみんなはっきり認識したほうがいい。企業のいいかげんな経営、安全を無視した経営、そういう経営に対する監視役という役割。労使関係というのは常にある程度の緊張関係を保たなければいけない」▼実践に裏打ちされた労働組合が果たす社会的役割の指摘です(M)


内閣不信任案否決と小選挙区制    2000年11月22日(水)

 二十日夜のテレビ中継を見ていた人の大半はがっかりしたのでは。「熱いフライパンの上で踊る猫」か否か自民党の加藤・山崎派が国会欠席となって「不信任案否決」の幕切れでした。森内閣の支持が一割台、不支持が七割台の中での不思議。国民感情との大幅な乖離は何故か▼私は今回の事態が、はからずも、今年行われた総選挙での「小選挙区制」がいかにひどいシロモノであるかを証明したと思っています。思い起こしてください。一八〇定数の比例代表区では、自民党五六人、民主党四七人、公明党二四人、共産党二〇人、自由党十八人、社民党十五人、保守党〇人でした。自公保が八十人、野党四党が百人、政治勢力は今と逆転しています。自民党は、他方の小選挙区で三百定数のうち一七七人、六割の議席を占有したのです。それも得票率では自公保の合計で四五%しかないにも拘わらず▼結局のところ、小選挙区制導入の大義とされた「政権交代の可能性が高まる」というのはまっ赤なウソで、今回の事態は、比例代表制ならば政権交代が課題となったにも拘わらず、小選挙区制のお陰で、自民党が派閥論理に終始しているということではないでしょうか(M)


野菜「お裾分け」の楽しみ    2000年11月29日(水)

 一通の絵手紙が届きました。野菜の絵が描かれ「ありがとう」と文字。気持ちが何倍も伝わって来ます。市労組十周年記念パーティにプレゼント商品『グリーンボックス』(野菜詰合)を提供して、当選者にやっと発送しました。そのお礼の手紙が届いたというわけ▼冬野菜が最盛期を迎えています。気候が暖かかった分、大根・蕪はよく生長していますが、早生白菜は青虫にやられました。キャベツとブロッコリーも虫との闘いです。無農薬を貫く葉っぱモノは特に苦労します。十株のうち人間八株・虫二株と虫との棲み分けができるよう虫を説得できないかと真剣に検討中!▼市民農園には「作る楽しみ」「食べる楽しみ」に加えて「お裾分けの楽しみ」があります。自分の姉妹や配偶者の親元、妹たち、一人暮らしの甥、恩師などに簡単な手紙とともに発送する、その数十を越えます。これが楽しい。畑で適当に収穫して池で洗い、新聞紙に包んで段ボール箱に詰めていきます。少しづつにして種類を多くします。発送費用がスーパーの購入価格と同じであっても「気持ちがこもっている」分美味しいハズと秘かに確信しています▼春野菜の種蒔き植え付け作業は終わりましたか(M)

2000年10月               目次へ戻る

 映画『ミュージック・オブ・ハート』  2000年10月4日(水)

 シドニーオリンピックが終わって「普段」に戻った十月。今日は実話に基づく物語で現在上映中の映画『ミュージック・オブ・ハート』を紹介します▼海軍兵士の妻ロベルタは二児を抱えて離婚。臨時雇いの音楽教師の職を求めて、セントラルパークの東にある公立小学校にやってきます。「白人が慈善で教えるバイオリン」という偏見にぶつかる彼女ですが、自前の五〇艇のバイオリンを子ども達に貸し与えます。情熱からの厳しい口調がトレードマークとなって、徐々に慣れていく子供たち。初めての演奏会では子ども達は輝き、親は拍手を送ります。音楽演奏を通じて努力すれば報われることを教えるロベルタ▼十年が過ぎて希望者を抽選するまでになった音楽教室ですが、市の予算削減で閉鎖の危機に立ちます。立ち上がる親たち。そして迎えるクライマックスの演奏は感動的です。ロベルタ役はベテラン女優メリル・ストリープです。彼女に演じられない役はないのではないかと思うほど堂々と難しいバイオリン演奏をこなしています。著名なバイオリン奏者アイザック・スターンも友情出演しています▼音楽教師の映画としては『陽のあたる教室』が名画だと思いますが、音楽好きには必見の映画 (M)


島本町のタケノコが大打撃    2000年10月11日(水)

 通勤の車窓からは、黄緑色に色づいて刈り取りを待つ稲穂が続いています。気候が暖かい性でしょうか京都から大阪に入ると刈り取りが未だのところが多くなります。反対側は天王山です。大山崎から島本町へ名神高速の天王山トンネルの増設工事が完成したのが九七年。その島本町で名産のタケノコが採れなくなって大打撃を受けていると聞きました▼京都・西山からこの附近まで、良質タケノコの産地として知られていますが、増設されたトンネルの附近では、いままで一トンあった収穫が三〇キロまで激減した農家もあるとか。土が砂のようにパサパサで竹林が所々枯れているといいます。竹枯れの原因が地下水・谷川の水の極端な減少にあることはほぼ間違いないところ。水分の多い畑は水はけをよくするために地下に水門を作るといいといいますが、トンネルが巨大な配水管となって地下水位を下げてしまったと考えるのが普通でしょう▼一方、道路公団は「トンネル工事はタケノコ畑に影響がない」という立場だそうです。三井寺の井戸が枯れたとして道路公団と裁判になった例を知っていますが、因果関係の立証責任は農家側です、ということではたまりません▼一日も早い農家の救済を望みます(M)


10年続いたものと、これからの10年    2000年10月18日(水)

 市労組結成十周年のつどいがあって参加しました。絵画・写真・仏像・陶芸・シャドーボックスなどの創作作品に触れ、南京玉簾・太鼓・影絵・琴・クラリネットなど職員の多芸な演奏に拍手した二時間半でした▼この十年続いてきたものを個人レベルで考えると、『動点』・昼休みジョギング・新聞切り抜きスクラップ・の三つでしょうか。「新聞スクラップ」は誰でもできる情報活用術ですので簡単に紹介します。切り抜く記事は個人によって様々。問題は整理法です。私の場合は、B五版三十枚ノート(十冊六百円位のもので十分)に日付と新聞名のイニシャルを入れて時系列に張っています。テーマ別に張るのは整理に時間がかかりすぎて結局うまくいきません▼おおよそ百個の切り抜き記事が入る一冊が一ヶ月で埋まれば、その月よく新聞を読んだ証です。一冊埋まったところで見開きのページに「目次」をつけます。これで完成。何に関心があるか一目で分かります。そうして十年間で九五冊が貯まりました。いずれも大切なニュースソースになっています▼そして三年前に市民農園、今年から『ホームページ』が加わって、今は都合五課題に増えています。これから十年、うまく維持できるでしょうか。(M)


ハリー・ポッターの世界    2000年10月25日(水)

 庁内ニュースに載った職員厚生会が購入した新着図書の中に『ハリー・ポッターと賢者の石』『ハリー・ポッターと秘密の部屋』がありました。なかなかお目が高い▼活字の大きなルビ付きの四六〇頁もある分厚い本を電車の中で広げると、回りの注目を浴びますが、物語の魅力が勝って夢中になります。何が面白いのか。ずばり親も子も楽しめるファンタジーのイメージの豊かさだと思う。登場人物の顔・匂い・声・色・動きが目の前で本当に展開されているように浮かんできます。作者J・K・ローリングさんはイギリス生まれで三五才のシングル・マザー。彼女が最初に書き終えたのが第七巻の最終章だったとか、着想から執筆まで五年を費やした地道な調査が元になっているとか、一九九七年に出版された第一巻は一杯のコーヒーの注文で幼い子供が眠っている間コーヒー店の片隅で書き続けたとかのエピソードは伝説化しています▼快調のハリー・ポッター・シリーズですが、日本では二巻まで翻訳されています。本国イギリスでは四巻目が発売されて瞬く間のベストセラー、今や二八カ国語に訳され一四〇カ国で読者を持っています。▼「ハリー・ポッター」の名前くらい覚えておくと子どもと会話できます(M)

2000年9月                目次へ戻る

「地域自治体運動のためのインターネット入門」 
2000年9月6日(水)

 「インターネットは、使わなければならないものでも、使えなければならないものでもありません.使わないと損なものです。インターネットの利用は義務ではなく権利です。そして極めて有効で面白いものです」著者の言葉です。元大阪・松原市役所職員の著書『地域・自治体運動のためのインターネット入門』(自治体研究社)はインターネットの仕組みから情報収集、発信に至るまで文字通り「かゆいところに手が届<」親切で実用性の高い本です(本の中にたくさんの可より情報が詰まっている)。ぜひ一読して活用あれ▼さて、日本の総ホームぺ−ジは(以下HP)数は三八五〇万(通信白書十二年版)と言われています。国民の三分の一の数。このおびただしい数のHPは今も増加中です。高槻市会議員では岡本茂さん二木さんなど五名が見つかりました。高槻の府会議員はなし。中心活動の一つにアピールがある議員などはHPを活用しない手はないと思う。労組もしかり▼我がHPは三月に開設してもうすぐ半年になります。最低週一回の定期杓更新がHPの生命だとの信念のもと、三二ウエブまで成長しました。仕事・地域・家庭の三方向座標軸が我がHPのコンセプトです(M)


帳尻合わせ     2000年9月13日(水)

 異常乾燥から一転して大雨。琵琶湖の水がどこまで回復するか。心得た自然が年間では平年並みになる帳尻合わせをしているかの如くです▼さて、白菜・大根・カブ・キャベツ・ブロッコリーなど秋冬野菜の準備は順調ですか。乾燥して堅くなった土地を苦労して耕して畝をつくり、種蒔き・移植作業が終わったところでしょうか。そこへこの豪雨。折角蒔いた種が流失したり幼苗が泥の跳ねを食って弱ったりしていないか、と心配です▼今年の畑ではちょっとした異変が起こっています。ナスが今になって最盛期を迎えています。普通だと剪定後になった小振り秋ナスの収穫時期ですが、今年は最初の木のままで大きめのナスが今頃採れているのです。ピーマンのゴールデンベルやシシトウの伏見甘長も同様に今が収穫シーズンです。オクラは天候に関係なく順調に採れています。お陰で、日が短くなって夕方の作業はなくなった分、朝の収穫作業が欠かせなくなっています。同じように肥料と手間をかけて育てた夏野菜が、天候が原因で真夏には殆ど収穫できなかった帳尻を今になって合わせてくれている、と思えば納得がいきます▼身体に無理したら休息で帳尻を (M)


「やる」スポーツに挑戦を      2000年9月20日(水)

 シドニーオリンピックが始まりました。時差二時間、南半球での開催です。生活リズムがほぼ一緒で中継で見られるのがいい。個人的には女子ソフトに肩入れしています。勝つに越したことはありませんが「メダル・メダル」と結果ばかり追い求めないで、ベストの挑戦を応援してほしいと思う▼ところで「やる」スポーツに何か挑戦していますか。年齢とともに「できる」スポーツの対象が減ってくるのは事実でしょうが、私論では、六十才時点でなお現役でプレーできる何かのスポーツを獲得しておくことが「やる」スポーツの目標だと思っています。ウオーキング・ジョギング・山歩き・卓球・テニス・ゴルフなどは「熟年パワー」が十分通用する分野といわれています▼私の場合はソフトボール。ポジションはピッチャーです。職域では以前からチームに加わっていましたが、三年前に地域チームに誘われてからは活動範囲が広がりました。年間二十試合を日曜・祭日に消化するのは大変なスケジュールですが、好き者同士の集まりは妙な連帯感があって「ユニホームを新調しようか」とか楽しい話が出ています。居住地域に知り合いが広がる副産物も得がたい収穫です▼何か「できる」スポーツを(M)


BSデジタル放送とパソコンとの融合    2000年9月27日(水)

 BSデジタル放送が十二月一日より始まります。秋の番組編成ではこのことが意識されています▼BSデジタル放送の利点を上げると、@多チャンネル(十のテレビ放送・十九のデータ放送・十の音声放送)A高品質な映像と音声(倍以上の走査線・ワイド画面)Bデータ放送C電子番組ガイドD個別管理可能、などが上げられています。対応テレビ受像機が三五万〜四五万円、受信用STBが十万円と値段が高めなのは最初だからと思う。CSデジタル放送は二〇〇一年にBSと共通化する、地上波は二〇〇三年に三大都市圏で、二〇〇六年には全国でデジタル化するなど、その波は止まりません▼私見ですが、私はデジタル化がテレビ放送とインターネットとの融合をもたらす可能性があることに注目しています。実現すれば格段に数量の多い端末になるからです。現在「テレビのパソコン化」が進み、データ記録用のHDD付・インターネット接続機能付受信機が発売されようとしています。一方では「パソコンのテレビ化」も進んでいて、年末にはBSデジタル放送対応製品が発売される予定といいます。▼著作権保護の課題が残っていますが、デジタル化の波は生活に入り込んで来ています(M)

2000年8月              目次へ戻る

上原公子・国立市長の話     2000年8月1日

国立市の市長・上原公子(ひろこ)さんの話を聞く機会がありました。東京初の女性市長であることや市民運動のリーダーが市長になったことなどで全国的に注目されている市長がどんな話をされるか興味がありました▼先ずはスライドを使った国立市の紹介でした。国立市のことは最もよく知っていると自負。国立駅から南へ大学通りと呼ばれる四四b道路、駅中心からの放射状道路、基盤の目のように配置された道路。学園都市として形成された町の成り立ち。一九五二年の「文教地区指定運動」や日本初の環境権裁判となった「歩道橋事件」。市民自治の歴史が誇りをもって語られました▼話のもう一つの中心は昨年七月就任早々に起こった十八階建マンション計画問題にいかに取り組んだかでした。市民運動ネットワークが七万人の街で五万人の署名を集めるとともに、都市計画・建設・法律の専門家集団を形成して対策を検討。そして高度制限を内容とした地区計画案の要望書が地権者の八割の同意書を添付して提出された。住民発意の地区計画が七万人の署名も添えて、わずか六ヶ月の取り組みで▼「私が最も国立市を愛しているから市長になった」の言葉が印象的でした(M)


NHKテレビ小説『私の青空』      2000年8月11日
NHK連続テレビ小説『私の青空』が高い視聴率を保っています。時間帯がいいのか歴代ここで放送される番組は視聴率がよい。今回のテーマは、未婚の母の子育て奮戦記。青森に住む主人公・なずながボクシングの夢を追って結婚式場を飛び出した「夫」を追いかけて東京・築地で子どもを生み、学校給食で働きながら我が子「太陽」を育てるストーリー▼主人公の前向きな明るさと取り巻く人々の暖かさはドラマにありがちなパターンですが、脇役にわけあり人物をちりばめて大仰な振る舞いをさせることでシリアス調と喜劇調とをうまくミックスさせ、飽きないように工夫されています。例えば、恋を語る時、いくつものパターンが用意されていて、見る人の年代などによって力点の置き方が選べるようになっています。子ども「太陽」の言動のどこかを自分の子どもに重ねて見ている母親も多いと思います。私の場合は、不器用な漁師であるなずなの父(伊東四朗)の言動と心情が気になります▼それとセリフを楽しむ見方もあります。十五分番組の中で登場人物に議論させるテーマが一つは必ず出てきます。動きのドラマではなく語りのドラマです▼あと一ヶ月半、未婚の母の行く末や如何に(M)


中学校の『ミレニアム同窓会』     2000年8月22日

お盆の帰省を利用した中学校時代の『ミレニアム同窓会』があって参加してきました▼団塊の世代は生徒数が爆発的に増えた世代で、学年で十クラスを超える中学校も珍しくなかった。学年やクラスが一緒と言われても十クラスでは覚えるのは無理、同窓会も難しいと思う。その点、我が校の三クラス九七名は全員の顔が分かる程良い人数でした。尤も団塊の世代が学年百名を切る中学校はその後ほとんどが廃校の運命をたどりましたが▼さて同窓会ですが、出席者四十名の七割強が附近三市で生活していました。生活の拠点として家を買い求め、その中で人間関係をつくっていく新興住宅地に住む私から見ると、既に昔から知っている人々の中で生活している彼(彼女)らは随分とうらやましい気がしました。それと、中学時代は学業やクラブなどでグループ分けがあったように覚えていますが、今会うと、誰もがその後の人生の試練を刻んで一角の人物になって、全くわけ隔てなく語ることが出来た点がなにより嬉しく思いました。三名の恩師との年齢差が随分と縮まっていることも実感しました。聞けば女性のうち七名が既に孫がいました▼子育てが一段落した団塊世代、同窓会は今後頻繁にありそうです(M)

2000年7月                目次へ戻る

この夏 お勧め映画三題     2000年7月5日

 この夏、活劇(グラディエーター)、痛快作(M:iU)、問題作(ボーイズ・ドント・クライ)などがありますが、今年は実話に基づく人物も企業名も実名の一連の力作が話題となっています▼先ず『エリン・ブロコビッチ』。バツ二の女性が三人の子どもを育てるために何とか弁護士事務所に潜り込む。そこである町の住民の健康被害が大手電力ガス会社工場からの六価クロムが原因ではないか、と調査を始めます。主演のジュリア・ロバーツが好演しています。彼女の早口で下品な英語が理解できればもっと楽しめます。徹底した現場主義で調べ上げたのが功を奏して三五〇億円強という米史上最高の賠償金をもたらします▼『インサイダー』。未見ですが、勇気ある内部告発者とテレビプロデューサー、阻止に暗躍するたばこ産業界・マスコミ上層部を描いています。アカデミー最優秀作品賞候補にもなった映画です。それと『ザ・ハリケーン』。チャンピオンボクサーが偏見ゆえに殺人罪に問われ終身刑に。彼は獄中から無実を訴え、勝利するまでの一九年間を描いています。公害裁判を描く『シビル・アクション』も実話です▼ハリウッド活況の一方で、邦画・大船撮影所の閉鎖は寂しい限りです(M)


牛乳配達屋さんと雪印乳業事件      2000年7月12日(水)

 私の家は子どもが小学校の時から宅配の牛乳を取っています。幸いというべきか別のメーカーですが、集金の時に状況を聞いてみました。すると開口一番「私の所でしたら倒産ですわ」の答えが返ってきました▼雪印乳業の食中毒事件は、被害者が一三八〇〇余名という数も前代未聞なら、次々明らかにされる事実も驚くような実態ばっかりで、これが業界最大手かと驚いています。丁度、最新鋭を誇る処理工場が人手によるバケツ作業で放射能漏れを起こした東海村の事件の時の「まさか」に似ています。厚生省の国際安全基準HACCP(ハザップ)認定施設で起こったことも深刻です。国際基準の認定は、資格試験に似ていて取得までは頑張るが、取得したのちは対外的な看板としてのみ都合よく使うことになっていないかということです▼今回の事態が関連する牛乳販売業者や酪農家や運送業者の経営に大きな打撃を与えていることに心が痛みます。バブル投資で破綻した「そごう」に税金を使うと金融再生委員会が発表してに大きな怒りの声がおこっています。同じ救済をいうなら、有珠山の噴火等を含め、自らの責任ではない危機に直面する人たちに支援の手を、と思います。(M)


『生活習慣病を防ぐ』(岩波新書)      2000年7月12日(水)

 この六月に岩波新書から『生活習慣病を防ぐ』という本が出ています。脳出血・脳梗塞・心筋梗塞・糖尿病合併症・痛風などの疾病は生活習慣が大きな要因といわれています。その生活習慣病とはどういう病気かから始まって、増加の一途をたどる現状と第一次予防が不可欠であること、激痛発作後命を取り留めての治療方針の実例、一次予防の実践のしかたまで、説得力を持って語られています。印象に残った点を以下に▼@いずれも無自覚な沈黙の病気であるため疾病確立期まで数十年の間全く自覚症状のない場合が多い。従ってその進行度合いは定期的な検査によって知る以外にないこと。その指標が肥満度・高血圧・高脂血・高血糖・骨粗しょう・高尿酸血などであること。従って検査値とその推移から自らの不健康度合いを診断することになる。各々の数値の具体的な説明もあってよく分かります。A食生活、運動、睡眠、喫煙、飲酒などについてそのあり方を個人思想として確立する必要を説いています。B人に寿命はあるわけだから出来るだけ長く健康寿命を保ち、生活の質を落とさないで済むようにすることが健康目標となること▼自己責任とはこのことだと思いました(M)

2000年6月                  目次へ戻る

自治会でパソコン講座開催    2000年6月28日(水)

 私が今住んでいる所は約三十年前に造成された六五世帯ほどの「新興」住宅地で、買い換えはあるものの大半の世帯主は熟年層になっています。そうした自治会の今年の活動方針に『無料パソコン講座』の開催を提案しました▼さっそく、過日アンケート方式で『無料パソコン講座』の参加希望を募ったところ、全部で十八名の応募がありました。世帯数からいって相当高い関心度だと感じています。講座は三段階をつくって超入門(全く初めて)入門(ワープロ経験はあるがパソコンは初めて)初級(かじった程度)としました。場所は自治会館を利用します。土曜日開催で、昼間の部と夜の部をつくって、全員がパソコンを直接さわって練習できるように一講座四人〜五人の少人数とします。今の希望人数だと四講座開講して三時間×三回組む予定です。講師は自治会自前で調達(実際には自治会役員が担当)。五台のノートパソコンを如何に確保するかなど課題は残っていますが、七月第二土曜日からスタートすべく、準備を進めています▼通信白書によると一九九九年度末でインターネット利用の世帯普及率は一九・一%になりました。五世帯に一の割合です。私が地域で注目しているのはセーフティネットとしての地域ネットです。必要情報が何時でも入手可能で何時でも発信できるように、出来れば自治会内をLANで結ぶのが夢です▼五年後の実現をめざして先ずは第一歩から(M)


地理情報システムの可能性      2000年6月21日(水)

 地理(地図)情報システム(以下GIS)の研修があって参加しましたが、相当有力な情報システムである印象を持ちました。以下は感想です▼GISは端的に言えば、行政情報を地図ベースで管理・活用するシステムです。今のプランだと、道路線に建物・地物などを追加した道路現況平面図(五百分の一)に住所・目標物等を追加した地図(ベースマップ)を先ず作成する。このベースマップが各課共通の基盤となって、固定資産情報や道路・河川情報、上・下水道情報、都市計画情報などが、担当する部署でシステム化されていく。そうして出来上がったシステムを相互検索・利用が可能とすることで、防災計画や施設計画などの市の意思決定支援システムとしても威力を発揮する。ざっとこんな構想です。位置と結びつけた行政情報の管理・活用プラン。▼市の財産ともいえるこれら行政情報がプライバシー保護の元で市民が自由に利用することができるようになれば、情報公開に果たす役割は大きい。課題としては、各種台帳の個人情報を如何に保守管理していくかという点。住民基本台帳などとのリンクは慎重でなければならないと思う▼地図をプラットホームとする考え方発展性は大きい(M)


タマネギの収穫と夏野菜     2000年6月14日(水)

 夏野菜は順調に生育していますか▼今年はタマネギの収穫が大変でした。梅雨入り宣言があって、先週の金曜日以降は雨になることが予想されていましたので、乾燥している木曜日までに収穫できるかが勝負でした。朝5時半に起きて、畑に「出勤」。シートを敷いてタマネギを並べます。一日天日干しするためです。そして夕方、急いで帰宅し収穫します。その際、根っこは取り去り葉っぱは途中で切ってその葉っぱを持って五個づつ紐で括ります。家に持ち帰って二束ずつやじろべえのようにガレージに吊すためです。そうして我が家には二〇個の「やじろべえ」が並びました。なかなか壮観です。ジャガイモはまだ花も咲いていますので梅雨の晴れ間をねらってこれから収穫です▼夏野菜は、ナス・キュウリ・トマト・シシトウ・ピーマン・マクワウリ・オクラ・インゲン・トウモロコシなどを栽培しています。本格的には三シーズン目ですが、今年はキュウリ・トウモロコシ・インゲンなどの時差植えに挑戦しています。時期をずらして種蒔きし三回収穫するという欲深い計画です▼雑草にとっても慈雨らしく草抜きには往生していますが、早朝の畑「出勤」は、夏野菜を収穫する間当分続きそうです(M)


海外旅行と映画2題2000年6月7日(水)

 「歴史的建造物の外観の変更を禁止」し「三b以上の樹木を行政府の許可なく伐採等をすることを禁止」して街並みと緑を守っている国を見て、その景観の素晴らしさに感嘆してきましたが、翻って日本の景観を考える時、京都など千年余の歴史都市ですらその変貌ぶりを嘆く声が上がるなど、日本国民の価値観が鋭く問われているようで、深く考えさせられました▼さて、今日は映画鑑賞二題。その一。『どら平太』。四騎の会がかって企画して実現しなかった脚本が唯一の生存者市川昆監督で日の目を見た痛快時代劇という触れ込みの映画です。原作は山本周五郎の「町奉行日記」で主演は役所広司。或る小藩の藩政腐敗を正すべく、江戸表から単身町奉行が乗り込み挑戦する話です。映画構成のカット数は多くないように思えましたが、殺陣の場面に市川昆流の映像処理がある気がします。脚本の妙もあり楽しめる映画です▼その二『ストレイト・ストーリー』。疎遠になっている兄が脳卒中で倒れたと聞いた主人公が時速八qのトラクターで六週間かけて訪ねるロードムービーです。途上の逸話と主人公の時々のセリフが宝石のように輝いています。ハートフル映画▼両方のお勧め度★四つ(M)

2000年5月                  目次へ戻る

変貌を迫られる銀行  2000.5.31(水)

 都市銀行が四大メガバンクに再編されるなど激変の渦中にある銀行ですが、今後の五年間で最も様変わりする業種の一つといわれています。バブルとその崩壊が幕藩体制(護送船団方式)の矛盾の激化とすれば、ペリー来航による外圧が金融業全体を揺るがしているのです。金融におけるペリーの外圧とは何か。以下は私論です▼その一。イトーヨーカ堂に代表される『コンビニバンキング』の設立。コンビニネットワーク店舗にATMを設置し預金・払出・振込・振替など決済業務を専門に行います。拠点数が桁違いに多くて二四時間営業のコンビニは利用者にとって大きな魅力です。その二。ソニーのネット銀行など異業種の銀行業参入。店舗を持たないで預金・振込・振替・融資などを行います。「プレステ」七千万台と「バイオ」等のネットワークサービスの一環としたい考えです。その三。ICカードの標準仕様化が決済手段を変えること。個人の認識機能を盛り込める安全性とクレジット・キャッシュ・デビット・プリペイドなどを兼ねられる多機能性を持つICカードは非常に有力です▼日進月歩の技術革新がお金に関わる私たちの生活を銀行と同様に根本から大きく変えようとしています(M)


効率性の美徳は公共性の悪徳  2000.5.24(水)

 第四次行革の達成率は九五%、効果額が百億円強と聞くと何か違和感を覚えます。きっと『効率性にとって美徳なものは公共性にとって悪徳に転化する』という話を聞いたからだと思う。どういうことか、以下その紹介▼自治体リストラで切り札となっている「公民間のコスト比較論」は、よく観察すると、コストあるいは効率という情報が比較基準になっています。ものごとを比較する場合、何を基準にしているかは大変大切で、例えば、人間の大きさを比較するとき、体重情報なのか、身長情報なのかで全く異なる。注意すべきは、仮に体重情報が基準になると、さしあたり身長情報は捨象されるということです。即ち、今回の公民のコスト比較論は、コストあるいは効率という情報を比較基準にすることで、コスト情報では尽くせない公務の質に関わる情報や公務労働の専門性に関わる情報をカットしているのです。だから、逆にカットされたこれらの情報を比較基準にした場合には、様相はガラリと変わってくるはずです▼違和感のもう一点は、ある年に施策変更で経費削減した場合、それはその年にカウントするのか、以降ずっと「効果」をカウントするのかという点。平成九年実施だと四倍の開きが出ます(M)
 

『インターネット術語集』(岩波新書)の読後感 2000.5.17(水)

 異動して一カ月半を過ぎた人、少しは仕事に慣れてきましたか。前任者のレベルにまでは早く達したいとの気持ちを大切に、無理なく努力を▼さて、最近読んだ本の中で『インターネット術語集』(岩波新書)は骨太でした。術語(言葉)を説明しながら、その対象となっている今のインターネットが織りなす情報化社会を「サイバースペース」と名付け、現実空間とサイバースペースとの相互交流が現実世界そのものを変化させていると捉えています。そのサイバースペースの世界の威力、光と陰などを、少し難解ではあるけれども、技術問題も含めて突っ込んで説明しています。じっくり解読しながら読む本です。かって『インターネット』『同U』(村井純・岩波新書)を読んでその世界の魅力に触れた思いがしたものですが、この本も魅力が多い▼情報関係の書物は私の場合、著者の年齢を重視しています。自分より上だと土俵が同じ気がして安心。余り下に離れていると不安です。著者の矢野直明氏は一九四二年生まれで『ASAHIパソコン』の初代編集長です。専門家でも技術者でもない編集者というのがミソ▼チャレンジの意味では、研修所の通信教育講座を受講するのも一考です。今日が締め切りとか(M)


『眼性疲労』に緑の休養      
2000.5.10(水)

  今年の大型連休どうでしたか。私は緑の中で眼の休養に専念した日々でした▼連休前に突然、めまいして眼の奥が痛くなりました。動く物体や光るものに極端に弱くなり、電車に乗ると立っていられない。テレビもディスプレーも見られない。これはどうしたことか、と昼間から布団にもぐって大層不安になりました。眼科に行くと、老眼が少し出て来ましたよ。耳鼻科に行くと中耳と内耳の間が詰まっているのでは。どれも一部は正しいものの、根本原因はパソコンによる『眼性疲労』でした。決算・自治会・ホームページ等、職場と家とで根を詰め過ぎました。眼は既に強くなく、酷使に耐えられなくなっていることを悟りました▼そこで、この連休の半分以上は畑で過ごしました。天気に恵まれて夏野菜の準備。ナス・トマト・キュウリなどの苗植え用の床つくりやトウモロコシ・三度豆・オクラ・ホウレンソウなどの種蒔き。ジャガイモ・タマネギの手入れなど。それとワラビ取り。今年は例年より一週間は遅いため、連休が最盛期でした。信楽の私専用の所は太いワラビが豊作でした。知人からタケノコのお裾分けがあって旬を食す贅沢を体験▼地元の春祭りの御輿担ぎに参加して直会(なおらい)という言葉を知りました(M)
  

2000年4月                  目次へ戻る

人事異動と団塊の世代  2000.4.5(水)

今回の機構改革と人事異動はかなり大幅でした。新しい業務に携わることになった人も多いはずです。一日も早い大勢把握と自らの役割の確認に奮闘を▼さて、団塊の世代といわれる昭和二一年〜二五年生まれの人がみな五〇路に入っています。役所人生が一桁となって何を思うか。団塊の世代の成長はそのまま社会問題の推移でもありました。戦後ベビーブームから受験戦争と学園紛争、そして高度経済成長の中、年功序列の上司に将来の自分を置き換えたモーレツ社員が時の言葉となりました。バブルが崩壊した今、真っ先にリストラの矢面に立たされたのが団塊の世代で、六〇歳からの年金もさっそく改悪されました▼憲法十五条は「すべて公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない。」と規定しています。住民に直接奉仕する職務を担うという公務労働に携わる私たちにとって、部署や組織ポジションはその役割分担に過ぎないと思う。住民の視線と同じ高さで発想しているか。目は常に外を向いているか。厳しく問われる地方自治元年の年でもあります▼今回の人事異動を機会に、これからの三・四年の間に一つの何かをやり遂げる団塊の世代の気概が求められている気がしています(M)

 

女流王将・石橋幸緒(さちお)さん2000.4.12(水)

桜が満開。今年は桜前線の北上が遅い分、大阪・京都・滋賀と長く楽しめる感じです。さて、『にんげんドキュメント-女流王将十九の春』を見られましたか(六日・NHK 今夜再放送があります)。女流プロ棋士である石橋幸緒(さちお)さんの講演と日常を追って重みのある番組でした▼彼女は未熟児で生まれてすぐ腸閉塞にかかり、小学校へ上がるまで流動食だったといいます。「初めて食べた食べ物が薬でした。仕事は『生きる』ことでした。」東京都立小平養護学校へ入学して十二年間を過ごします。そこで出会ったのが将棋の世界でした。「八十一の升目は無限の可能性を秘めている、私にとっての宇宙」。自らもアマチュア三段の腕を持つクラス担任の引間先生は「将棋の好きさ加減、集中力、負けたときの悔しがりよう、勝負へのこだわり。プロの素質があると思った」と語っていました▼昨年六月、師匠でもある清水市代女流四冠王に初めて挑戦し二連敗のあと三連勝でタイトルを奪取しました。その時の棋譜の紹介と棋士のコメントがあって興味深かった。五月には、同じ清水師匠が今度は挑戦者となって女流王将戦が始まります▼目が離せないタイトル戦となりそうです(M)

 

今年は当番で自治会役員に 2000.4.19(水)

 異動して一カ月半を過ぎた人、少しは仕事に慣れてきましたか。前任者のレベルにまでは早く達したいとの気持ちを大切に、無理なく努力を▼さて、最近読んだ本の中で『インターネット術語集』(岩波新書)は骨太でした。術語(言葉)を説明しながら、その対象となっている今のインターネットが織りなす情報化社会を「サイバースペース」と名付け、現実空間とサイバースペースとの相互交流が現実世界そのものを変化させていると捉えています。そのサイバースペースの世界の威力、光と陰などを、少し難解ではあるけれども、技術問題も含めて突っ込んで説明しています。じっくり解読しながら読む本です。かって『インターネット』『同U』(村井純・岩波新書)を読んでその世界の魅力に触れた思いがしたものですが、この本も魅力が多い▼情報関係の書物は私の場合、著者の年齢を重視しています。自分より上だと土俵が同じ気がして安心。余り下に離れていると不安です。著者の矢野直明氏は一九四二年生まれで『ASAHIパソコン』の初代編集長です。専門家でも技術者でもない編集者というのがミソ▼チャレンジの意味では、研修所の通信教育講座を受講するのも一考です。今日が締め切りとか(M)


学生の国民年金強制加入が免除制度に変更     2000.4.26(水)

  今年の大型連休どうでしたか。私は緑の中で眼の休養に専念した日々でした▼連休前に突然、めまいして眼の奥が痛くなりました。動く物体や光るものに極端に弱くなり、電車に乗ると立っていられない。テレビもディスプレーも見られない。これはどうしたことか、と昼間から布団にもぐって大層不安になりました。眼科に行くと、老眼が少し出て来ましたよ。耳鼻科に行くと中耳と内耳の間が詰まっているのでは。どれも一部は正しいものの、根本原因はパソコンによる『眼性疲労』でした。決算・自治会・ホームページ等、職場と家とで根を詰め過ぎました。眼は既に強くなく、酷使に耐えられなくなっていることを悟りました▼そこで、この連休の半分以上は畑で過ごしました。天気に恵まれて夏野菜の準備。ナス・トマト・キュウリなどの苗植え用の床つくりやトウモロコシ・三度豆・オクラ・ホウレンソウなどの種蒔き。ジャガイモ・タマネギの手入れなど。それとワラビ取り。今年は例年より一週間は遅いため、連休が最盛期でした。信楽の私専用の所は太いワラビが豊作でした。知人からタケノコのお裾分けがあって旬を食す贅沢を体験▼地元の春祭りの御輿担ぎに参加して直会(なおらい)という言葉を知りました(M)
  

2000年3月                  目次へ戻る

閏年にまつわる算術計算     2000.3.1(水)

昨日は二月二九日で閏日でした。以下は閏年にまつわる計算の話。気軽に読み流してください▼地球が太陽の周りを一周するに要する時間を一年としています。それが丁度三六五日なら問題はないのですが、実際は三六五日プラス五時間四八分四六秒かかります。小数点表示だと三六五・二四二一九九です。従って、閏年の話はこの小数点以下の端数をどう調整するかという数学の問題と同義です。あなたならどうルール化しますか▼先ず、四年に一回一年を一日長くします。四年に一日だから一年換算では〇・二五日です。差し引きすると〇・〇〇七八一だけ長くなり過ぎました。そこで今度は百年に一回閏年でなくします。〇・〇一の調整です。差し引き〇・〇〇二一九だけ今度は短くなりました。そこで、四〇〇年に一度閏年に戻します。〇・〇〇二五の調整。これで残ったのは〇・〇〇〇三一。時間に直すと約二七秒未だ長いという計算結果です。「閏年かどうかを決めるルール」を計算で示すと以上のとおりです。理解できましたか▼追伸一。未だ長いため二六二一年に一度は調整が必要です。追伸二。昨秋の情報処理技術者試験に前述のような閏年に関する表計算問題が出題されました(M)

 

パラサイトシングルという言葉     2000.3.8(水)       

パラサイトシングル』という言葉を知っていますか。パラサイトとは寄生すること、シングルは単身者。働いていても親元を離れない単身者を指す言葉です。どうも肯定的に使用されてはいないようです▼名付け親の話を引用すると「依存主義の台頭。召使いの代わりに親が世話をしている。自分の力ではなく親が経済的に利用できるかどうかで生活水準が決まる。功の部分はない。けしからんのはそれを許す親。親が子供に苦労させないことが愛情だと思っている」と手厳しい。自宅通勤のOLは「まる金」で一人暮らしは「まるビ」と分類した人もいる▼個人的にはこの考えには余り賛成できない。第一義的には家族の有り様の善悪は他人が決めることではないと思う。親と同居が可能ならばそれに越したことはないではないかとも思う。親も子も共に働いているのと共通認識のもとに、経済的負担を含む家族内での役割分担の話が最も肝心な点かと。あなたの意見は?▼追伸。前回の閏年の後日談。二六二一年に一日調整必要と言いましたがこれは日経コラム春秋から採った数値。私の計算は一日二六秒でした。これだと三二二五日になる。どちらが正しいか、現在『日経』に問い合わせ中です(M)

 

宇都宮の子ども衰弱死事件を考える   2000.3.15()

宇都宮市で二歳八カ月の子どもが衰弱死するという痛ましい事件がありました。生活苦で十分な食事を与えられなかったからです。ガス、水道が止められ食事もできない状態でした。今の時代に何故? この二九歳の母親が出したSOS発信に最後に応えるのは誰なのか。その後分かったことから考えました▼幼い時両親を亡くしていて、母子家庭で収入がありません。親戚・隣近所・地域に接点がないこの母子に自立のための援助の手を差しのべるべきは誰だったのでしょうか。母親が宇都宮市と接点を持ったのは合計六回ありました。@国保税滞納で短期保険証を発行したとき A二年遅れて出生届けをしたとき B戸籍がやっと登録され児童手当の申請をしたとき C母子健康手帳の交付のとき D仕事を探すために子どもを預けようと市の窓口や市内数カ所の保育園を訪ねたとき E水道を止められたとき▼家族形態が変化し、地域社会が希薄となる中で助けを必要とする市民が生まれて不思議ではない今の社会。難しくとも、窓口で発する市民の一言に込められた思いと意思を正確に受けとめる心構えと暖かさが求められていると思いました▼行政は市民にとって最後の拠り所と思うからです(M)

 

ホームページを立ち上げた   2000.3.22

かねてより懸案であった我が家と私の『ホームページ』がついに完成、十九日に公開の運びとなりました。この三連休を利用して精力的に作成、区切りまで創り上げることができました▼今のインターネット時代では、企業や団体が自らの『ホームページ』で情報発信することは極めて常識的なことになってきています。学生が就職情報を得る最初の手段は目的とする企業・団体のホームページです。入試合格者番号をホームページでも公表する大学が増えています。選挙の開票速報では高槻市も含め自治体のホームページが重宝さる▼そうして活用幅が広い『ホームページ』も、こと個人となるとさて何を発信するのか、迷います。独りよがりでは他人の鑑賞に耐えないし、いつも強い主張を持って生活しているわけでもない。考えた末、メニューになったのは家族新聞・コラム・映画・読書・家庭菜園・ソフトボール・ランニング・ひとりごとの八項目。そしてデータ高槻市を付け加えました。市のホームページを睨みながら独自性を出したい趣旨▼人が住所・電話番号に加えてEメールアドレスとホームページアドレスを持つ日は近い(M)関心ある方はhttp://www.page.sannet.ne.jp/family-m/を。(M)

 

2000年2月                  目次へ戻る

愛知万博とBIE              2000/2/23

二月二五日は天神さんの祭りの日です。高槻の上宮天満宮(宮司さんが北山さんだったことから北山天満宮とも呼ばれた)にも夜店が出て賑わいます。二月二五日は菅原道真の命日。九〇三年・五九才でした▼「学問の神様」「天神さん」で親しまれている天満宮は全国に一万二千社余りもあり、稲荷社や八幡社に並ぶ数といいます。童謡『とうりゃんせ』に出てくるのも「天神さまの細道」です。天神さんの梅鉢紋は道真の「東風吹かば匂い起こせよ梅の花」から来ているとか、牛乗天神は当時の農耕神からきているとかの説話があります。私が思い出したのは土人形。三月三日の蜷祭りに、今でもある内裏雛と並んで土で出来た武者人形や「天神さん人形」を一緒に並べて祝った記憶はありませんか。母親の実家の親が初節句を祝い贈るしきたり。昭和三十年代までは確実にあったと思う▼調べると「天神さん人形」は武家の内裏雛に対し、庶民の土人形として、江戸時代中期の伏見人形が起源だそうです。そこから全国に広まってその数、数千種。京都では「丹嘉」大西家一軒のみが現在でも伏見人形の制作を続けているとか▼郷土玩具・郷土人形として、柔らかさと温もりが感じられる土人形です(M) 



連続テレビ小説『あすか』       2000/2/16

NHK朝の連続テレビ小説『あすか』が佳境に入っています。題字のとおり奈良県・明日香村で生まれた主人公あすかが、母親の実家である古都・京都の老舗和菓子屋の和菓子職人となり、成長していく様子を描いています。視聴率もいいようです。タイトルバックにいろいろな和菓子が紹介されるのも楽しい▼物語の太い縦糸となっているのは、「京和菓子の伝統とこころ」です。茶の湯との関わりが深い和菓子の「伝統とこころ」。腕のいい和菓子職人で師匠でもある父親との葛藤を通じて、職人あすかが追い求めていくテーマとなっています。今後は、伝統のよって培われた和菓子の「一期一会のこころ」が解き明かされていくでしょう。そうしてテーマが内面的で静的な分だけ、物語に描くのは難しい。そんなとき、生活感がプンプンして存在感あふれる脇役が物語を盛り上げるのが常です。「のれん会」は個性豊かで面白いのですが、一心堂含め他は余り成功していません。各々のエピソードの時には輝くのですが、その後はどうも主張が通り一遍な気がします▼最近では前回作の『すずらん』が出色の出来だっただけに比較しがちですが、和菓子職人にスポットを当てたドラマとして『あすか』も楽しく見ています(M)


野上弥生子賞と高校生         2000/2/9

「高校生の部で受賞した武田裕藝さんの『或る女の話』は語彙豊富な抜群の文章力で選考委員全員を驚嘆させた。これまで何年かこの野上賞の選考委員をしてきた私も、これほどの文章に出会ったのは初めてで、これこそ野上賞に相応しいものが現れたと、心から喜んでいる。」選評を行った作家加賀乙彦氏の言葉です。まさに絶賛。▼大分県が主催する「野上弥生子賞読書感想文全国コンクール」は今年が十二回目で、全国から三三一二編が応募されたとのこと。その高校生の部(二五八一編)の入選作が桐朋高校一年生・武田さんの作品というわけです。テーマが野上弥生子作品の読書感想文で、原稿用紙五枚(二千字)と言えばちょっとまとまった長さの文章です。簡単には書けないテーマと分量▼彼の感想文は、野上作品には女性解放の強い意志が感じられるが、それを象徴せずに描き切るところに研ぎ澄まされた感性と冷徹な思索がある、といった主旨です(全文は『図書』二月号に)。感想文につられて早速『或る女の話』(一九二二年作)を読んでみました。一五才で結婚した主人公が戦死や病死、離縁などで五人の夫に仕える半生を描いています▼読書離れがいわれる昨今、高校生による久々のクリーンヒット(M)


愛知万博とBIE 
                   2000/2/2

愛知万博をめぐる博覧会国際事務局と通産省との会議録、読まれましたか。二二日付け新聞各紙に報道されています。痛烈な批判と警告。衝撃的な内容でした。論より証拠、さわりの部分を以下引用します(発言はいずれもフィリプソン議長)▼「これだけのアセスメントを博覧会に対してはするのにもかかわらず、愛知万博の後には、山を切り崩して土地開発をし、団地を建てるのではないか」「私たちは国際博覧会がこの新住計画のために利用されていると聞いている」「これは国際博覧会を利用した土地開発事業にすぎない」「非常に大規模な二十世紀型の土地開発であると私には見える」「このような計画こそ二十世紀型の開発至上主義の産物に他ならない」「それはあなた方のいう博覧会のテーマの対極にあるのではないか」▼「愛知博は自然破壊につながる大規模な開発の隠れみのである、というのが世界的な環境団体の主張だ。」「国際博覧会が環境破壊をしているとみている。これは博覧会国際事務局の哲学、モラルと完全に反するものだ」「あなた方は地雷の上に乗っていることをよく自覚すべきだ。たとえ登録ができても二三年後には爆発するぞ」▼開発至上主義の妖怪は退治されるべし(M) 


2000年1月                  目次へ戻る

大阪府知事選挙          2000/1/19

明日、大阪府知事選挙が告示されます。降って沸いた知事選挙。どんな知事を選んだら大阪の知事として本当にふさわしいか、大阪府民は何時になく真剣に考えていると言われています。今日は若干の私見を▼選挙の一番の争点に挙げられているのが「大阪府財政の建て直し」です。三兆八千億円強の借金。年間予算二兆九千億円よりも大きい。この四年間で一兆一千億円も増やした。府民の暮らしも大阪の経済も大変な時に、まさに三重苦状態です。この「全国最悪」の重病財政をどう診断し治療するのか、候補者の真価が問われる問題です▼三年半前の『日経』に「破綻前夜の大阪府財政」という論評記事が載りました。税収が減ったこともあるが、それだけではない。土地開発に全庁挙げて突っ走ったことが歳出カットの余地を狭め、財政運営の柔軟性を失わせた。「大阪湾開発計画」などの事業はいったん着手すると途中でやめられない。そこをあえてしがらみを乗り越えて思い切って大ナタを振るわないと破綻する。といった趣旨でした。ズバリ問題点を突いています。この警告は現実のものとなりました▼今回は府民自身が「大ナタ」の振いどころをしっかり見定めることが最も大切かと(M)


臨界事故の恐怖                2000/1/12

あす告示で、二三日投票。注目の吉野川の河口堰建設の賛否を問う住民投票が行われます。国の大型公共事業を相手にする初めての住民投票です。公共事業のあり方など今後への影響は極めて大きい。徳島市民の力で是非とも成功させてほしいと思う▼さて、福井県高浜町では住民から「原発プルサーマル計画等の是非を問う住民投票条例」が議会に請求され、一七日にも開催される臨時町議会で審議されるとのこと。こちらにも注目しています。臨界事故や燃料データのねつ造問題などで、原子力に対する不安の声が広がるなか、「町の未来は町民自身で決めよう」と始められた運動で、有権者の二〇%を越える署名が提出されています▼臨界事故で亡くなった大内さんの被爆状況が新聞にありました。被爆量の十六〜二〇シーベルトは、広島原爆の爆心から百b以内に匹敵。チェルノブイリ事故時に延命医療を受けた人が最高十六シーベルトでした。大内さんの被爆量がいかに多量であったか。治療にあたった医師は記者会見で「現代医療の限界が如実に示された」「責任ある立場の方々の猛暑をうながしたい」と▼日本国民が経験した三度の核被害。その意味を重く受け止めています(M)

 

正月の流儀          2000/1/4

ご家族お揃いで新しい年を迎えられたでしょうか。今年は「Y2K」で出勤の職員も多くいてご苦労様でした。新しい年の迎え方はそれぞれの家族の流儀があって面白い。その流儀の一例の紹介▼我が家は生まれた地方のしきたりのとおり、二九日が餅つきで、三一日が年越し、一日が雑煮で、二日が芋汁です。おせち料理は三一日の夕食に食べます。三段重に盛られた料理を一品ずつ全部に箸をつけるのがきまり。そして紅白歌合戦を見て、ゆく年くる年の除夜の鐘の音を聞く。就寝。そして早朝に起き出します。家族全員で近くの湖南アルプス・田上山不動寺(六〇〇b)に初詣に出かけます。ここ十年以上続けてきた家族の「習わし」です。山頂でご来光を迎えられるように登っていきます▼今年は出掛けには小雨がパラついていて途中には積雪もあったりして、初日の出は無理かな、と半ば諦めていましたが、それでも準三角点のある山頂へ。七時八分、それまで雲に閉ざされていた東の空が一カ所だけ途切れて、そこにオレンジ色の太陽が現れました。初日の出。一同思い思いに柏手を打って願い事をしました▼そうして明けた二〇〇〇年、どんな年になるか。一年お付き合いを(M)


高槻シティマラソンと徳島市住民投票              2000/1/26

二三日(日)は明・暗が合い重なった日でした。先ず「暗」から▼静かだが途切れない雨が朝からずうっと降っていました。迷った末、高槻シティマラソンの会場である芝生の総合体育館へでかけました。とにかく着替えはカッパを着てタイツを履いてと雨対策が第一です。ハーフは十時半に市長の号砲で雨の中を出発。時折横からの風も吹いて、寒い。沿道で給水や応援してくれたボランティアの人たちもカッパで大変でした。残り二qになって膝が痛くて足が上がらなくなる。冷えたのが原因。何とかゴールしましたが、タイムは昨年を下回り、おまけに膝の筋を痛めてしまって、散々でした。止める勇気も必要と実感。二年連続の雨は、十一月か三月くらいに開催時期を変更したらというシグナルかも▼続いて「明」の話。投票率が五〇%を超えて徳島市の住民投票が成立し「可動堰建設反対」が圧倒的だったことです。国の公共事業に初めて地元の「民意」が表明されたことの意義は大きい。新潟県・巻町が日本で初めて原発建設是非の住民投票を実現して今回が一〇例目。実績を重ねてきた住民投票は、各々の条例でなく法制化が検討されてよい段階にきていると思う▼建設省は撤回の勇気を(M)

 

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