Corona Oliva

Viaggi

LazioSettembre 2012

ガウガウ~!!!

昨晩は深夜まで目抜き通りの若者たちが騒がしかったものの、安眠できていい目覚めなり。

「カーニボーン、腹が減って死にそうですぅ~」
「ミヅーラさまは寝てるときとハナをほじっているとき以外、いつもそうおっしゃる」
ってんで、出発がてら提携バールで朝食を喰おうと向かうも日曜の朝だからか閉まっている・・・。前日宿主は「出発の頃なら開いてるよ」と言っていたのに・・・。やはりイタリア人の言うことはアテにならんとブツブツ言いながら、駅のバールでカップッチーノとコルネットをもっさもっさ。

さて、本日はローマを州都とするラツィオ州に戻り、その北部ヴィテルボという街を訪れるのだぁ。

ヴィテルボという街は有名な温泉保養地で、脱衣所もない無料露天風呂からエステが受けられるスパまである。神曲のダンテやミケランジェロ、ローマ教皇までもが浸かりにきたという温泉施設『TERME DEI PAPI(教皇たちの温泉)』に是非とも行こうではないか!というのが今回の訪問の趣旨である。

「ワタクシはこのまあるいお顔をとぅるんとぅるんにする所存ですよ、カーニボン」
「ではぁ、ワタクシはぁ、このまあるいお顔をとぅるんとぅるんにする所存でございますぅ」
・・・カーニボンは時々ヘンなオウム返しをする子である。

日曜とあって閑散としてるがこれが入り口の門
日曜とあって閑散としてるがこれが入り口の門

さてさて、ヴィテルボには2つ主要駅があり、コロナ隊はお宿へは遠く街に近いポルタ・フィオレンティーナ駅に降り立った。車がガシガシ行きかう駅前を歩き門をくぐると、噴水があちこちにある静かな街が現れる。昔は生活水として使われたこの噴水たち、旧市街には99か所もあるそうな。カーニボンの羽GPSや住民への聞き込みを頼りに入り組んだ路地を歩くと、結婚式真っ最中の教会発見。そして教会のお向かいが我らのお宿だった。

すると式の参列者か傍観者が「こんにちわ〜」と駆け寄ってくる。「今開けます、オーサカからおいでなすった方々」と言うその青年は、どうやらこの宿の従業員らしい。

お宿の向かいの教会にて結婚式なり。参列者が赤の衣装を選ぶあたり、イタリアなセンスですなぁ~
お宿の向かいの教会にて結婚式なり。
参列者が赤の衣装を選ぶあたりイタリアなセンスですなぁ~

ミヅーラさまがネットで一目ぼれした本日のお宿は『Medieval House』(中世の家)という名の通り、内壁も石造りの蔵のようで、それでいて日当たりもいいモダンで清潔なお宿であった。先程の青年はここの息子で名前をマッテオ君という。すぐに宿主である彼のお母さんもやってきた。

「小さい部屋の方ならすぐ入れるし、30分もしたら広い方の部屋も片付くけど、両方見てから決める?」とのご提案。大きい方が浴室も広くて立派!と判明、出されたカッフェなんぞいただき待ってる間、本日訪れる『TERME DEI PAPI』への行き方を聞いてみる。

イタリア人に公共交通機関のことを聞いて的確な答えをもらったことは一度もないが今回も当然そうで、わからないが、なんと、その温泉まで送迎してあげるよとのこと!しかも現場で買うより安い入場チケットをお譲りいただけるとのこと!

何時に出発か訊かれ、我が優秀な家臣カーニボンが「今からお昼ゴハンをいただいたのち、3時くらいで」と即答すると、シニョ~ラがおもむろにどこかへ電話、「リストランテに今からニホンジンが向かうと言っといた」とな!しかも宿の前にバンを停めたおっちゃんに「あたしは別の客の案内があるから、アンタ連れてってやってよ」と、他人に道案内を押しつけた!恐るべし女宿主!

おっちゃんもなぜか言われるがまま「こっちだ」とコロナ隊を先導。「アレがピッツェリアだ。しかし我々はこっちへ行く」とズンズン行くも「確かこの道なんだが」とブツブツ言いだした。すはっ!2分以内でもう迷子になってる!「普段は車なので感覚が・・・」と言い訳し出したので、「先程のピッツェリアで充分ですぅ」となだめると、ムキになったか更にモキュモキュ歩き出す。

途中、ヴィテルボ名物馬祭り?の大行進と遭遇!
途中、ヴィテルボ名物馬祭り?の大行進と遭遇!

「ああ~ここだここだ」とついに店を発見、「おーいニホンジン連れてきたぞぅ」。店から振る舞われたスプマンテをおっちゃんと共にごっきゅんごっきゅん、彼は「じゃあな」と去って行く。

昼はパニーニ屋でもよかったが、せっかくなのでラツィオ名物の白ヴィーノ『EST!EST!!EST!!!』でかんぱ~い!!ごっきゅんごっきゅん、うむ、普通にンマい!アンティパストに魚介のマリネ、プリモにヴォンゴレ・ビアンコをいただき、端数を切り落とした特別価格で満足に昼食を終えた。

この地方の名物が不明であったため、またもや海鮮ご注文~
この地方の名物が不明であったため、またもや海鮮ご注文~

宿に戻り3時に温泉へ連れてってくれるマッテオ君と合流。ちなみにこの宿はレセプションなどなく、客に鍵を渡したら母子は去るシステム。さて、マッテオカーに乗り込み郊外を走ること10分程で待望の『TERME DEI PAPI』に到着。しかも「帰りは何時?」と、なんと迎えにも来てくれるとのこと!

奥には25メートルプールくらいの大きさの湯殿が
奥には25メートルプールくらいの大きさの湯殿が
「今回の最大ミッションも見事コンプリートですねぇ」「それもこれもマッテオ君たちのおかげですねぇ」
「今回の最大ミッションも見事コンプリートですねぇ」
「それもこれもマッテオ君たちのおかげですねぇ」

脱衣所で準備完了、外に出ると広がる先はまるでプール!無料の浮輪(形状的には浮棒)で温めな湯に皆プカプカ浮いている。プールの手前は浅いが奥はなんと水深2メートル。温度も場所で差があり、湯が噴き出す一番熱い場所でも長時間のプカプカに耐えられる程度。

1時間半ほど湯を堪能し、羽から湯気を出しながら「お迎えの時間まで施設内のお写真を撮ってきますぅ」と消えたカーニボンがほどなくして昼ゴハンに食堂へ案内してくれたおっちゃんと戻ってきた。「お写真を撮っていたら、いきなり肩をグっとつかまれてビックリいたしましたぁ」とな。ここでもおっちゃんは温泉の受付の女性に「ニホンジン迎えにきた」とアピールしていた。

あまりにお宿一家にこき使われているので、車中「宿のマダムとはお友達で・・・?」と素朴な疑問を投げてみると、「友達以上じゃ。わしゃダンナでマッテオは息子」とな!母子が宿の経営を、オヤジはハムメーカー勤務だそうで、そういや宿の前に停めたバンもハムバンだった。コロナ隊を降ろすとオヤジはまたクルマでブーンと去っていった。

さて、降り出した雨の中街をパトロール、しかしあまりに日曜で平和すぎて開いてる店も少ない。

「カーニボーン、腹が減ってきまsh(以下略)」
「ミヅーラさまは食べてるときt(以下略)」
ってんで、夜ゴハンの計画をば。

「口コミ上々のこちらなんかいかがでしょうかぁ、ミヅーラさまぁ(楽)
「カーニボン、そういや昨日は口コミのエノテカがなくなっていたような(疑)」
「あ、ミヅーラさま、まさにこの看板の『Tre Re』(3人の王様)ではないですかぁ(楽)」

入ってみると給仕がまかないを喰っており、開店まであと30分と追い払われる。

バールで家臣にビッラを恵んでもらったのち、「先ほど追い払われた旅のかんむりと羽ですぅ。評判のメシを喰わせてくださいなぁ」。
「入り口でつっ立ってられては貧乏くさいのでとっとと席へ」
と、毎度のように丁寧に案内され、まずは赤ヴィーノでかんぱい、タリアッテーレっぽい何かとピチっぽい何かと、何かの肉(おそらく牛)をもっさもっさしたのであった。

なぜこんなにやっつけな書き方かと言うと、あまりミヅーラさまの記憶に残ってないからである。そんな時もあるのであります。

なんかのパスタ群
なんかのパスタ群
なんかの肉
なんかの肉

「ゲフ、帰って屁こいて寝ましょうかぁ~」と言ったかどうかは忘れたが、雨の中の歩き疲れと酔いでフラフラになりながら宿路についた。