s e (calc-edit-variable
) コマンドは、
変数にストアされた値を、
スタックに置いたり、簡単化したり評価したりせずに編集します。
このコマンドはプロンプトを出して編集する変数名の入力を促します。
もし変数に何もストアされていなかったら、
編集バッファが空の状態で開きます。
M-# M-# を押して編集を完了したときにその編集バッファが空だった場合、
その変数は void にされます。
一般的な編集の説明は、スタック項目の編集 参照 。
s e コマンドが特に便利なのは、
変数にストアされる書替え規則を作ったり編集したりするときです。
しばしばこのような規則は、
実使用される以前に evaluate されてしまったら困る場合があります。
(例えばその規則は、
`deriv(x,y)' (`x' を `y' について微分)を参照するかも知れません。
「x
は将来、y
を伴う式になる」前提があるはずですが、
定義するときに evaluate したら、x
自体は陽に y
を含まないので、
Calc は `deriv(x,y)' を 0 にしてしまいます。)
このように、つまり変数を呼出し -- ` で編集 -- 再ストアすると、
値をスタックに置いたときの副作用(evaluate)を受けてしまうのです。
特別な目的の変数編集コマンド群があり、 それらはプリフィックス s + 英大文字で呼出します。
AlgSimpRules
. 代数的簡単化 参照 .
Decls
. 宣言 参照 .
EvalRules
. デフォルト簡単化 参照 .
FitRules
. 曲線近似(Curve Fitting) 参照 .
GenCount
. 方程式を解く(Solving Equations) 参照 .
Holidays
. Business Days 参照 .
IntegLimit
. 微積分(Calculus) 参照 .
LineStyles
. データの可視化(グラフィックス) 参照 .
PointStyles
. データの可視化(グラフィックス) 参照 .
PlotRejects
. データの可視化(グラフィックス) 参照 .
TimeZone
. Time Zones 参照 .
Units
. ユーザー定義単位 参照 .
ExtSimpRules
. 「不安全な」簡単化 参照 .
これらのコマンド群は、単に s e の変種で、 変数名をプロンプトせず固定したに過ぎません。
s p (calc-permanent-variable
) コマンドは、
変数の値をユーザーの `.emacs' ファイルに永久的にセーブして、
次回以降の Emacs セッションでもその値を利用できるようにします。
あとで s p を再実行すると、セーブした値を更新できます。
しかし、変数値の削除には手動で `.emacs' ファイルを編集するしかありません。
(Calc に `.emacs' 以外のファイルを使うように指示する方法は、
一般モードコマンド群 参照 。)
セーブする変数名を指定しなかった場合(つまり s p RET) は、
特殊定数以外の全ての `var-' 変数が定義値とともにセーブされます。
セーブされない特殊定数とは、
pi
, e
, i
, phi
, gamma
;
それとTimeZone
, PlotRejects
;
FitRules
, DistribRules
,
その他の組込み書替え規則;
グラフィックコマンド群によって生成された PlotDatan
変数群です。
(これらの変数でも、
s p コマンドに明示的に変数名を指定すればセーブできます。)
s i (calc-insert-variables
) コマンドは、
全ての `var-' 変数の値を指定したバッファに書出します。
変数は Lisp の setq
コマンド文形式で、
その値を文字列型式でストアするように書かれます。
この文を `.emacs' バッファに書出すこともできますが、
その場合は s p RET を使う方が簡単です。
(s i は特定の(s p RET と同じ)変数を無視します。
両者の違いは、s i がどのバッファにも対応することと、
より読みやすい形式で書出すことです。)
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