Calc はユーザーが「お気に入り」の単位へ手軽にアクセスする方法と、 ユーザーが新しい単位を定義する方法を提供しています。
「お気に入り」の単位群を指定するには、
単位群の名前のベクトルを Calc 変数 Units
にストアします。
u 1 〜 u 9 コマンド群はこれらの単位へのアクセスです
(calc-quick-units
)。
スタック top の値が単位が付いてないプレーンな数ならば、
u 1 は指定した単位を与えます。
(基本的に、これは Units
ベクトルの第1要素をスタックに掛けています。)
もしスタックの数が単位を持っていたら、
u 1 はそれをお気に入り単位に変換します。
例えば、ベクトル `[in, ft]' が Units
に
ストアされているとしましょう。
30 u 1 と打つと `30 in' を生成し、
次に u 2 と打つと `2.5 ft' に変換します。
u 0 コマンドは、
Units
の10番目に登録されている単位へのアクセスです。
同時に定義できる「お気に入り」単位は最大10個までです。
Units
変数に何もストアされていない場合(デフォルト)、
またはその値がベクトルで無い場合には、
「お気に入り」コマンド群は機能しません。
s U コマンドは Units
変数を編集する便利なコマンドです。
その他の変数操作 参照 。
u d (calc-define-unit
) コマンドは、
スタック top の単位表現を新たな「ユーザー定義単位」として記録します。
例えば、スタックに `16.5 ft' を置いた状態で u d rod をタイプすると、
新単位 `rod' は 16.5 フィートに等しいと定義されます。
これで、単位変換や簡単化コマンドが rod
を
他の長さ単位と同じように扱うようになります。
このとき同時にユーザーは英語解説の入力も求められ(省略可能)、
入力すると Units Table に載ります。
u u (calc-undefine-unit
) コマンドは、
ユーザー定義単位を削除します。
しかし、組込み単位を削除することはできません。
もしユーザーの定義した単位が既存単位と同じ名前を使っていたら、 新しい定義が古い定義に取って替わります。 その単位が組込み単位の場合、組込みの定義は上書きされるのではなく、 隠されるだけです。 あとで u u で新定義を削除すると、隠された定義が復活します。
新規に基本単位を創る場合、定義式には 1 かその単位自身を使ってください。 それ以外には、ユーザーは好きな既存単位を何でも使って定義できます (ただし `mfi' のような複合単位はダメです)。 また、既存単位の和を定義式に使うと、新しい複合単位を創造できます。 これらに引続く(u c や u v のような)単位演算の際に、 unit table がユーザー修正を含んで再構築されます。 「注意」: unit table が再構築されるまで、 (2つの単位がお互いを循環定義したような)誤った定義は検出されません。 u v は強制的に誤りを検出させる便利な方法です。
温度の単位は Calc 内部で特別に扱われます。 新たな温度単位をユーザー定義することはできません。
u p (calc-permanent-units
) コマンドは、
ユーザー定義単位を次回以降の Emacs セッションで使えるように
`.emacs' ファイルに永久的に保存します。
あなたの`.emacs' ファイルに既にユーザー定義単位群が存在したら
新しい定義群に置換えられます。
(Calc に `.emacs' 以外のファイルを使うように指示する方法は、
一般モードコマンド群 参照 。)
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