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2007年(平成19年)6月9日(土)〜16日(土)

イギリス・ロンドンの約200Km西、車で2時間弱のところに「英国人の心のふるさと」と言われる、美しい緑あふれるコッツウォルズの田園風景が広がっている。その間にひっそりとたたずむ多くの村々は、地元産出の蜂蜜色(ハニーカラー)の石灰岩(ライムストーン)で造られた美しい家々が立ち並び、その伝統の建築様式は、古き良き英国のたたずまいを残し、まるで中世の時代に迷い込んだような錯覚にとらわれる。

コッツウォルズのコッツ(cots)は古英語で羊,ウォルズ(wolds)は丘を指す言葉らしく,文字通り古くから羊毛産業が盛んな土地だった。しかし,18世紀に起こった産業革命も,この地方で石炭が産出されなかったことから鉄道が敷設されず,したがって,工業化からも取り残される形になったのが幸いして、コッツウォルズの美しい自然と古い町並みが、そのまま現在まで保存されてきた。

コッツウォルズは北のストラットフォード・アポン・エイボンから南はバース、東はオックスフォードから西はチェルトナム辺りまでの丘陵地帯を云い、面積は東京都ぐらいの大きさである。
そのコッツウォルズには約145もの町村があり、その中には今年3月にNHKで「世界一美しい村」と紹介された
チッピング・カムデンその前年のNHKBSの番組「世界悠々・素晴らしき田園」で紹介されたスローターズウイリアム・モリスが「英国で一番美しい村」と賞賛したバイブリー骨董品の街ストー・オン・ザ・ウォルド、「コッツウォルズのベニス」と言われるボートン・オン・ザ・ウォーター、「英国で最も古い町並みコンテスト」で幾度も賞を得ているカッスル・クーム、ウィリアム・モリスの「アーツ・アンド・クラフツ運動」の聖地・ケルムスコット、ブレナム宮殿 ( 世界遺産)のあるウッドストック等々多くの美しい小村が点在している。

これらの地域は交通の便が悪く車で回るのが一番だ。今回、レンタカーでこのコッツウォルズ地方だけを目標に日程にもドライブにも余裕をもって、また毎日アフタヌーン・ティーを楽しむことを予定して回ってきた。この地方に特別有名な建築物やモニユメントがある訳でなし、また湖水地方のように多くの美しい湖があって国立公園に指定されてるわけでもなし、あるのは一面緑の丘陵地帯に、のんびりと草を食む羊の群れや、清らかな小川に白鳥やマスが泳ぎ、咲き乱れる花々やガーデニングに囲まれた蜂蜜色の古い家が立ち並ぶだけだが、その美しい田園風景を見ているだけで、心和み癒された気持ちになる。



日付 スケジュール 宿泊ホテル
6/9(土)  関西国際空港→ヒースロー空港  ホリディイン・ヒースロー
6/10(日)  ヒースロー空港 →ミケルトン  ニネヴェ・ファームB/B
6/11(月)  ミケルトン、ストラッド・フォード・アポン・エイボン、
 ヒドコット・マナー・ガーデン、チッピング・カムデン
 ニネヴェ・ファームB/B
6/12(火)  ブロードウェイ、スノーズヒル、スタントン、スタンウェイ
 ウィンチクーム、アッパー・スローターズ
 ローズ・オブ・ザ・マナー
6/13(水)  バーフォード、ケルムスコット、バイブリー  スワン・ホテル
6/14(木)  レイコック、カッスル・クーム  マナー・ハウス・ホテル
6/15(金)  カッスル・クーム、バース、ヒースロー空港 
6/16(土)                 / 関西国際空港

イギリスの交通事情について
イギリスの道路はM、A、B の3種類に分かれそれぞれに番号がついている。
M、は高速道路でMotorwayの略。すべて無料(最近有料の道路も出来たらしい)で制限速度は70マイル(112km)。
A、は日本の国道級の幹線道路、道路幅も広く整備されていてM並みの道路もある。制限速度は中央分離帯があれば70マイル,その他は60マイル(96km).
B、は地方道路で1車線のこともある。コッツウォルズの田園地帯はB道路が多いが美しい風景を楽しめる、制限速度は30マイル(48km)。
このM、A、Bの後に一桁から四桁の数字がつく。数字の桁数が多くなるほど田舎道ということになる。M4など一桁は3〜4車線の高速道路、B4081は農道並の道路もあれば、A並みの道路もあり、その分類は判然としない。
なおイギリスは日本と同じ左側通行・右ハンドルだから運転していても違和感はまったくない。
が、二つばかり大きく異なるところがある。
一つは車のウインカーとワイパーの位置が日本とは全く逆に付いていること。日本ではウインカーは右側、ワイパーは左側と決まっているが、イギリスではウインカーは左、ワイパーは右に付いている。だから注意していても、交差点で晴れているのに時々ワイパーが動くことになる。

二つ目はラウンドアバウトという交通システム。ラウンドアバウト(Roundabout)とは、信号機のないロータリー式交差点。日本にはない交通システムなので最初は戸惑うが、慣れればなかなか合理的なルールであることが良くわかる。

ラウンドアバウトの曲がり方
ロータリーの中は常に一方通行で時計回りの右回り、従ってラウンドアバウトに入る時は、右側だけに注意し、先にロータリー内を走っている車と、自分の車の右側にいる車が常に優先だ。
一旦ロータリーに入ってしまえば、自車に優先権があるから外で待ってる車は無視すれば良い。ロータリーから出て、自分の向かう道が判らない場合又は目的の道をうっかり通り越してももう一周すればいい。ロータリーの中は何周してもOKだ。

長所としては、信号機を使わないため省エネかつ自然に優しいということ。赤信号待ちによる運転者のイライラ解消、特に一台も車が走ってないのにジッと赤信号で待つ無駄な時間とイライラ解消、車両停車中のアイドリングも減るので大気汚染も減少、そして省エネ効果大。また信号機の維持管理費用がいらないから、予算の有効活用が出来る?

短所としては、一度渋滞を起こしてしまうと、その解消はなかなか難しい。信号機のような強制力はないから、運転者の自主性に任せた解決しかないため、なかなか渋滞の収拾がつかない可能性がある。そして何よりも交差点より広い土地が必要なこと。
だから都会よりも、地方にラウンドアバウトが多い。今回のコッツウォルズ旅行で、信号機のある交差点に出会ったのは2,3回ほどで他はラウンドアバウトのみだ。

最後にラウンドアバウトの回り方だが、自分の行きたい方向の地名を憶えるよりも、道路のM,A,
Bの区別と道路番号を記憶しておく方がスムースに目的の道路に進入できる。
地名だと知らない名前が出てきたりして混乱するが、標識には地名の他に必ずA350とかの道路番号は書いてあるので、それさえ憶えておけば間違いなく目的の道路へ行くことができる。




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