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★ 第6日目6/14(木) バイブリー→レイコック→カッスルクーム ★ |
午前6時前起床、前夜から激しく降っていた雨もいつの間にか止んでいる。 早速、バイブリー村の散策に出かける。朝早いので、まだ観光バスも来ておらず静かだ、スワン・ホテル前の道をコルン川に沿って南へ歩く。 スワン・ホテル前の清らかなコルン川には、沢山のマスが群れ、川面にはホテルの名前になっているスワン(白鳥)や鴨が泳いでいる。 歩き出して、すぐに右手先にアーリントン・ローの集落が見えるが、そのまま歩くと、教会がありその横を行けばマナーハウスの美しいバイブリーコートホテルの庭に出る。ところが前夜の雨で、水溜りが出来ていたり、草花や樹木もビショビショ、靴も濡れてしまって途中で引き返してしまった。 その先のフットパスをのんびり歩いてぐるっと村を回ってくる予定だったのに残念だ。 |
![]() バイブリーのコルン川 |
途中まで引き返し石橋を渡ってアーリントン・ロー(Arlington Row)の集落へ。この集落は14世紀に建てられた羊小屋や倉庫でそれがやがて織工小屋として利用され、今では人の住む民家に変わっている。 側の湿地帯とともに現在はナショナルトラストに管理され、バイブリーの象徴的な建物となっている。 アーリントン・ローの坂道を上りきればB4425の道路、近くにはPub and Inn のCatherine Wheelがある。 右へ下って行けばアーリントン・ミル・ミュージアム。20世紀初めまで実際に動いていた水車小屋だが、今では博物館となり、そのレストランではマス料理が食べれる。 すぐ近くのコルン川には大きなマスの養殖場「バイブリー・トラウト・ファーム」がある。 B4425の道路の真正面には、ツタが絡まった緑が美しいスワンホテルが見える。ウイリアム・モリスによって「英国で一番美しい村」と讃えられたバイブリーは、思っていたよりこじんまりとし、昼間は観光客で一杯になるのかも知れないが、朝晩は静寂に包まれている。 ホテルにもどってすく゜朝食に、もちろんフル・イングリッシュ・ブレックファーストだか、このホテルのフル・イングリッシュ・ブレックファーストがいままでで一番ボリームがあったように思う。 午前11時前スワンホテルをチェックアウト。 今日はレイコック(村全体がナショナル・トラストの管理下にある)と「英国で最も古い町並みコンテスト」で何回も賞を得ているカッスル・クームを訪問予定だ。 バイブリーからB4425→A429→A350と走ってまずはレイコックへ。途中、サイレンセスターという南コッツウォルズの商業と観光の中心となっている町を走り抜けたのだが、やたらラウンドアバウト(ロータリー式交差点)が多く、クルクル、クルクルと回らされ、しかも方角を示す標識の角度が、我々日本人の感覚と微妙に違い、ナビ役の家内と「あっちやいやこっちや」と進む道が別れ難儀した。 A429を一路南下、高速道路M4を跨いでA350につなぎチッペナムの町を通り越してようやくレイコック村に到着、車は村外れの原っぱの無料駐車場にとめる。このレイコック村は、理由は知らないが村全体がナショナル・トラストの管理下に置かれているらしい。村内は中世から18世紀に建てられた古い家ばかりで、英国内でも有数の美しい村の一つに数えられていて、そのためかTVや映画の撮影場所としても良く利用されている。 そして最近話題を提供したのが、村の東側にあるレイコック修道院(Lacock Abbey)で、1階の回廊は映画「ハリーポッターと賢者の石」が撮影されたところでもある。 またレイコック修道院の入口は、初めて写真のネガとポジを作った近代写真技術の父ウィリアム・フォックス・タルボットの博物館と併設されている。タルボットは元はこの修道院に住んでいて、彼の最初の写真はこの修道院の飾り窓を写したそうだ。 |
![]() レイコック修道院 |
![]() この修道院の回廊が「ハリーポッターと賢者の石」の撮影場所 |
![]() キング・ジョーンズ・ハンティング・ロッジ |
![]() King John's Hunting Lodgeのティールームでアフタヌーンティ |
レイコック修道院の見学を終わったら午後2時前、そのまま少し歩いて人気のキング・ジョーンズ・ハンティング・ロッジ(King Jone's Hunting Lodge)のティールームへ。この村一番の古い建物で、もとは狩猟小屋だったことから今でもHunting
Lodgeと呼ばれ、英国内でもTearoom部門で賞を得ている。fine home cooking,coffees,light lunches
and luxury teas方面で有名、B&Bでもある。 またここの経営者のおばあさんが、大阪で開かれた百貨店の英国展でティールームを開いて大変好評だったとか、日本の雑誌にも美味しい店と紹介されたとか。ティールーム入口はロッジ横手を裏庭のほうへまわったところにある。裏庭はガーデンで木のテーブルも置いてあり、美しい花を愛でながらお茶することも出来るが、パラパラと雨も降り出してきたので室内のティールームに入る。 このティー・ルームで昼食代わりにアフタヌーンティーを注文だ。 ところがここで失敗をやらかしてしまった、席に案内してもらって座る時、家内を庭が良く見える側に座らせるのがマナーであるのに、つい忘れてしまってこちらが先にそこに座り、家内は壁を向いて座ってしまった。途中でフト気がついて回りの英国人を見たら、当然のように男は全員壁を向いて座り、女性は皆壁を背にして座っている。コリャいかんと直ぐに交代したが、何となく微妙でうまく表現できないような不思議な視線・雰囲気を感じたと思ったのは気のせいかな?。 このティー・ルームで4、50分ほど過ごし、レイコック村をぶらっと散策、戸数にして100軒もないところだから、10分も歩けば一周して元の場所に戻ってくるような小さくて古い村だが雰囲気は悪くない。 雨も降り出してきたのでそのまま歩いて駐車場まで戻る。 次はカッスル・クーム(Castle Combe)へ、A350をチッペナムの町まで戻り、左折してA420→ B4039と走り30分ほどで村外れの広い無料駐車場に到着。ちょうど雨が激しく降ってきたのでしばし車の中で休憩だ。カッスル・クームの見学だけであればこの駐車場に車を置いて(観光バスは進入禁止)徒歩で村まで行くのであるが、我々は村のザ・マナー・ハウス・ホテル(The Manor House Hotel)に泊まるのでそのまま車を走らせたが、坂道を下ってだいぶ行ったようだから徒歩だと少し大変と思う。 |
そのザ・マナー・ハウス・ホテルは村の一本道The Streetを通り、バイブルック川に架かる石橋を渡って直ぐ右折、その先に鉄の大きな門扉が見える。この門は常に閉まっているが、車に乗ったまま近づくと自動的にギギギと開き、通り過ぎれば今度はギギギと閉まる。うっそうと繁った緑の木立の中を少し進むと、急に視界が広がりそのずっと先のほうに、14世紀に建てられたという古めかしいが豪壮なザ・マナー・ハウス・ホテルが見えた。 ホテル玄関前にさっそうと車を乗り付けると、中からいかにもイギリスの若者といった感じの大柄で凛々しい制服姿のボーイが出てきた。その彼にスーツケースを出してもらい、キーを渡して「明日まで頼む!」と言ったら「Certainly,Sir!」とビシッとした軽やかな返事が返ってきて、さすがマナー・ハウスだけのことはあって礼儀正しいなあと感心しきりだ。 後で玄関前を見たらすごい高級車が2台ほど止まっていたが、このような格式あるマナーハウスにはぴったりの感じがした。そして我々が乗りつけたレンタカーのアウディA6Avantでも、それほど引け目を感じることなくまあ何とかサマになっていたのではないかと思っている。 フロントで宿泊手続も済ませ、ついでにディナーを聞いたら空いてるのでいつでもと言われたが、どうも前夜のディナーを食べ過ぎたかそれとも体調がもう一つパッとしないのか判らないが、どうも食欲がない。 マナーハウスでのフルコース・ディナーを楽しみに、わざわざジャケットやネクタイ、革靴まで持ってきたのに残念だが身体のほうが大事と泣く泣く諦めた。 このホテルは本館の部屋と少し離れた別棟のコテージがあって、コテージの方がもちろん大分安い。じつは我々が予約した部屋はコテージで、同じホテルなら少しでも安く上げようとコテージの方を予約していたのだ。だから本館の部屋は関係ないと思っていた。 ところがボーイは何も言わず、スーツケースを二つ持ってスタコラと本館の階段を上り始めた。アレレ!と思ったがそのままついていくと2階東端のFOSSCOという部屋(各部屋は号数ではなく名前がついている)の鍵を開けて中に入り、スーツケースを置いてそのまま出て行ってしまった。 フロントやボーイから何も知らされずに何時の間にか無償でアップグレードしてくれたらしい。恩着せがましく言わずに黙ってアップグレードして宿泊客を喜ばせる、これこそ歴史と伝統を誇るマナーハウスの思いやりというものだろう、感心した。こんなことをされると、よし!また次回もこのホテルに泊まってやろうという気持ちになる。まぁ多分もう二度とここに来ることはないとは思うが。 改めて部屋を見渡せは゛、広い部屋にクラッシックで重厚なマホガニー調家具、大きな窓からは前庭の緑の芝生や花が美しい、洗面所も広く改装されたか現代風で、バスタブとは別にガラスで仕切られたシャワー室がある。ただ古い館だけに、廊下や部屋を歩くとギシギシと音をたてるが、こればっかりは仕方ない。豪華で近代的・機能的な部屋ではないが、何気なく随所にかけられた絵画、彫刻等の調度品は当時の貴族の生活様式がしのばれ、歴史と伝統とは何であるかを教えてくれるようだ。 部屋で少し休んで、早速カッスル・クームの村を見学に行く。部屋からは玄関を通らずに、すぐ横の階段を利用すればそのまま外に出て行くことができ、3,4分で村の中心の三叉路に立つことが出来る。。 |
カッスル・クームの村は本当に小さい、The Streetと呼ばれる一本の道の両側にライムストーンの民家、お土産屋1軒、パブと郵便局があるだけで、歩いても5分もかからずに端まで行ける。 村の中心には、かって市場が開かれていたことを示す石造りのマーケット・クロス(十字標)があり、その前にはバタークロスと呼ばれる、牛や馬を繋いだり、乗降りに利用した石造りの構造物が残っている。 この村は「イギリスで最も古い町並みが保存されている村」として賞も受けているだけに、ハニーカラーのライムストーンも渋く、村の風景は200年前から変わらず、まるで時間が止まったような感じがあり、コッツウォルズを代表する村の一つとして人気が高いのもうなずける。 村やホテルの周辺、庭園を散策して部屋に帰ってきたのは午後7時すぎ、ホテルのディナーは諦めたので、何か軽く食べるものをと探したら、お湯をかけるだけで出来るインスタントのおかゆがでてきた。 早速、部屋の電気ポットでお湯を沸かしておかゆを作り、持参の梅干で夕食だ。 マナーハウスのかっては貴族が住んだ格式のある部屋で、楽しかるべき旅行最終日の晩餐がおかゆに梅干だけとは泣けてくるよなぁ・・・(;_;)。 |