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デジタル時代の自動演奏ピアノの基本原理は、鍵盤一つ 一つにセンサーが組み込まれ
鍵盤を「押した、放した」 という情報を感知し、デジタル情報として記録 し
この記録にしたがって、ソレノイド磁石と組み合わされたコイルに電流が流れ
打鍵する という仕組みです。
ピアノ演奏における あらゆる制約を開放した自動演奏ピアノを使って
現代の作曲家たちは、両手だけでは 不可能だった演奏、人間には不可能だった精密なリズムや速さ
コンピューターとの共演など、色々な可能性を 考えた作品を発表することになります。
コンロン・ナンカロウ作曲 「ピアノのためのスタディ」 では
複雑な比率のリズムの組み合わせ、徐々に速くなる 声部と遅くなる声部の同時進行などを
ジャズ風の和音 進行で展開させています。
シュトックハウゼンは、電子音を使い12平均率ではない作品 「スタディ」 を作曲 しました。
人間には演奏不可能と思える作品の実現のために、自動 演奏ピアノを用い
コンピュータが生成するデータを 楽譜化する事なしに、直接 音にする装置として
自動演奏ピアノを 使い、ピアノがピアノでなくなった様相のなかで
今もピアノは 発展し続けている ようです 。
自動演奏ピアノ
今回のコンサートプログラムの中の 「東の歌」 は、2台の自動演奏ピアノを使用し
1台はピアニストの手によって 演奏され、もう1台はすべてコンピューターによって
無人演奏されるという、人間とコンピューターによるピアノデュオ のような演奏形態
になっており、そのピアノデュオに サンプリングされた声 〔日本民謡の合の手のような〕
が加わるという 、三者の共演によって成立した音楽でした。
また「クロマティスト」 は、自動演奏ピアノをゲーム盤のように使い
演奏家がゲームのプレイヤーとなり、 コンピュータを相手にプレイするという形の作品で
作曲者は 「勝負が終わるまでの過程が音楽である」 と 主張しています。
中央のオクターブから 目標とする2オクターブ上と下のゴールまで
半音階的による移動を重ね、どちらが早く到達 出来るかを競うもので
「親指だけが他の指をまたいでくぐることが出来る」
「親指は黒鍵を抑えることが出来ない」
など厳密な指使いの規則に従い、次に移動できる音が交互に決まってきます。
厳密なルールに従い、互いに依存し合いながら生み出されていく音響的なプロセスは
様々なスタイルの即興演奏を抽象化したモデル と考えられ、「記譜された音楽」 が
当然のものとは限らなくなっていることを この作品が示しているということでした。