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ヤマハC3L & CFVF

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〒651-2117 神戸市西区北別府2-6-1


さまざまに改良され楽器としても完成し、新しい楽器の為の演奏テクニックも編み出された
19世紀から20世紀初頭にかけて大流行したのが、
自動演奏ピアノ です。   

ロール紙に穴をあけ、空気の圧力を利用してアクションを動かす仕組み になっており
当時多くの ピアニストたちが、競って録音しました。 
また、ドビュッシー・ラヴェル・ラフマニノフなどの作曲家が 自作曲を録音したものも
数多く残っています。   

このロール式自動演奏ピアノは、その後のレコーディング技術の進歩により衰退していきましたが
ヤマハが ピアノ作りのノウハウと電子楽器製造で蓄積したエレクトロニクス技術の融合により
デジタル記録方式の自動演奏ピアノ 「 ピアノプレイヤー 」 を、開発しました。  

コンピューターの普及に伴い、コンピューターやシーケンサーなどの機器と接続し
MIDIデータのやり取りをすることで、コンピューターミュージックの世界に
アコースティック音の豊かな表現力を加えることも出来るようになった現代において
ピアノはさまざまな可能性を持つ ハイブリットピアノ に進化を遂げました。









西洋における自動演奏楽器の夢は、ピアノに限らず
オルゴールやストリートオルガンなど、様々な形で 試みられてきました。

それらは
当時の最新技術である時計技術 などから生まれた
精妙なからくりによって実現されました。

デジタル制御のピアノロボットもまた、最初の時計の時代から 今にいたるまでの
テクノロジーに見入られ、 盲目的に礼賛し続けてきた 西洋文明の象徴的な産物です。

1980年代半ば、オランダのデンバーグで マランツ社 が開発した 自動演奏ピアノ
古いベヒシュタインの 鍵盤部分の下に、無数の配線ケーブルが剥き出しでぶら下がった
ピアノで、
カセットテープにデジタル信号 を記録するシステム になっており
鍵盤の下部に カセットテープレコーダーそっくりのコントローラーが付いていたものでした。

ただ、これだけではピアノ演奏を記録再生する事は 出来ても
ピアノをコンピューターから直接制御することは出来ませんでしたが
アムステルダムの 「スタイム」というスタジオが、電子楽器の共通規格である
MIDI用のインターフェース を開発し、 コンピュータ制御の環境が整いました。





デジタル時代の自動演奏ピアノの基本原理は、鍵盤一つ 一つにセンサーが組み込まれ
鍵盤を「押した、放した」 という情報を感知し、
デジタル情報として記録
この記録にしたがって、
ソレノイド磁石と組み合わされたコイルに電流が流れ
打鍵する
という仕組みです。

ピアノ演奏における あらゆる制約を開放した自動演奏ピアノを使って
現代の作曲家たちは、両手だけでは 不可能だった演奏、人間には不可能だった精密なリズムや速さ
コンピューターとの共演など、色々な可能性を 考えた作品を発表することになります。

コンロン・ナンカロウ作曲 「ピアノのためのスタディ」 では
複雑な比率のリズムの組み合わせ、徐々に速くなる 声部と遅くなる声部の同時進行などを
ジャズ風の和音 進行で展開させています。

シュトックハウゼンは、電子音を使い12平均率ではない作品 「スタディ」 を作曲 しました。
人間には演奏不可能と思える作品の実現のために、自動 演奏ピアノを用い
コンピュータが生成するデータを 楽譜化する事なしに、直接 音にする装置として
自動演奏ピアノを 使い、
ピアノがピアノでなくなった様相のなかで
今もピアノは 発展し続けている
ようです 。



自動演奏ピアノ


今回のコンサートプログラムの中の 「東の歌」 は、2台の自動演奏ピアノを使用し
1台はピアニストの手によって 演奏され、もう1台はすべてコンピューターによって
無人演奏されるという、
人間とコンピューターによるピアノデュオ のような演奏形態
になっており、そのピアノデュオに
サンプリングされた声 〔日本民謡の合の手のような〕
が加わるという 、三者の共演によって成立した音楽でした。  

また
「クロマティスト」 は、自動演奏ピアノをゲーム盤のように使い
演奏家がゲームのプレイヤーとなり、 コンピュータを相手にプレイするという形の作品で
作曲者は
「勝負が終わるまでの過程が音楽である」 と 主張しています。

中央のオクターブから 目標とする2オクターブ上と下のゴールまで
半音階的による移動を重ね、どちらが早く到達 出来るかを競うもので
「親指だけが他の指をまたいでくぐることが出来る」
「親指は黒鍵を抑えることが出来ない」

など厳密な指使いの規則に従い、次に移動できる音が交互に決まってきます。  

厳密なルールに従い、互いに依存し合いながら生み出されていく音響的なプロセスは
様々なスタイルの即興演奏を抽象化したモデル と考えられ、「記譜された音楽」 が
当然のものとは限らなくなっていることを この作品が示しているということでした。




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