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スタインウェイ・CD-135 1925年・ニューヨーク

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〒651-2117 神戸市西区北別府2-6-1


1918年に第一次世界大戦が終結し、ヨーロッパ世界は異なった複数の文化に出会い
音楽家達も演奏旅行を通して、異文化体験をすることになります。
ヨーロッパで生まれた芸術音楽が、さまざまな異文化音楽と融合を始め
アメリカでは ジャズが生まれ、新たな表現や技法がヨーロッパに影響を与え始めます。

ピアノという楽器にとっても、この時代には色々な語彙や語法が生まれてきます。
強弱のコントラストをしっかりとつけることが出来るピアノフォルテは
発展を遂げ改良を加えられ、オルガンやチェンバロ・クラヴィコードとも異なった可能性
をもつ メディアとして捉えられ、その新しい楽器のための新しい演奏テクニックも編み出され
それが18世紀から19世紀・20世紀へとつながっていく作曲・演奏の発展と なりました。

室内楽やオーケストラのために書かれた作品が、ピアノの 独奏・連弾、2台のピアノ用に
編曲され、室内楽やオーケストラの オリジナル曲を容易に聴くことの出来ない人々へ
別の形で伝える という側面もピアノは持つ事になります。  








この時期日本では、鎖国を解きヨーロッパ音楽を教育に取り入れ、西洋人の音楽家が
日本を訪れて来ていました。

1925年に フランスのピアニスト アンリ・ジル=マルシェックス が、
日本に招かれた時、そこで披露されたのは バッハ や モーツァルト ・ ベートーヴェン
といった、古典派の作曲家のみならず、フランク や アルベニス ら19世紀後半の作品
ドビュッシー から ラヴェル、さらには ストラビンスキー や バルトーク ・ クープラン
までを含む「同時代」の風 を 伝えるものだったそうです。

音楽家が、生まれて間もない作品を演奏し、作曲家が作品を書き、初演・出版し、
それが遠くへ届けられる

といった それまでは ヨーロッパ内で起こっていた音楽の伝達も
交通の発達とともにヨーロッパ外へも届けられるようになりました。






鍵盤楽器に分類されるピアノは、内部に 金属の弦を張りハンマーで叩くという構造 から
打楽器的や弦楽器的な側面も持ち、 このようなところから
「内部奏法」という ものが
ヘンリー・カウエル によって開発 されたのが、1910〜20年代です。
手のひらや肘・腕を使いピアノの鍵盤を叩き 多数の隣り合った音を同時に鳴らす
「トーン クラスター」と呼ばれる奏法です。

1930年代 に入り、彼の弟子である ジョン・ケージ は、激しいリズムを必要とする
ダンスの付随音楽を ピアノ1台で 書くよう依頼され、その時に開発したのが
「プリペイド・ピアノ」でした。

グランドピアノの内部に硬貨やボルト・クギ ナット・消しゴムなどを差し込んで
ピッチを 変えてしまう というようなインスタントな ものでしたが
打楽器的側面と弦楽器的側面 を統合した という事がいえます。



スタインウェイのピアノ


最初にスタインウェイのピアノが作られたのは1853年。
ドイツからニューヨークに移住した 楽器製作の
シュタインヴェック一族
ドイツ語の本名を アメリカ風に変えた社名で売り出し
本格的な製造は1860年頃からで、
製品として 一定の完成を見たのは1880年頃 でした。 
ハンブルグに工場を作ったのも同じ頃です。

ニューヨークとハンブルグの楽器は基本的に同じ設計図に基づいていますが、
両者は徐々に 風合いの異なる性格を持つようになるようです。 
時代によっても音色や響きは異なりますが、 現在、
ハンブルグ製は渋めの音色 を持ち、
ニューヨーク製は明るめの音色 を持つ と言われているそうです。

スタインウェイピアノの特徴 は、当時の他のピアノと異なる思想で設計されている点です。
最初から頑丈な楽器を作り上げるのではなく、弦を張り、胴体やフレームに ある程度の負荷を
かけることで楽器を安定させ、共鳴板にも適度の弦圧をかけるなど、
ある種の緊張を楽器の安定に生かした という事です。 

楽器としての寿命が長いことも特徴で、20世紀前半に 作られた楽器はすぐれた弦楽器と同様
100年を超えて使うことが出来るそうです。




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