全日空雫石事故民事第2審判決の分析


東京高裁平成元年5月9日判決

(判例時報1308号28頁〜108頁)

外山智士(龍谷大学民法判例茶話会)

目次


はじめに〜平成16〔2004〕年5月大幅改稿に添えて〜


第1章 法廷における雫石事故


 第1節 事実
第1項 事故発生までの概略
第2項 当事者の請求及び抗弁

 第2節 争点
1.自衛隊機の飛行経路について午後2時直前に教官機訓練機が訓練空域を離脱し、J11L及び飛行制限空域に侵入したかどうか
2.全日空機の函館NDB通過後の飛行経路について
3.空中接触地点について
4.事故3分前から接触時までの相対飛行経路について
5.前記4について国の一度認めた後の否認行為について
6.接触時刻について
7.我が国の航空管制について
8.ジェットルート及び保護空域の意義について
9.航空情報としてのジェットルート及び保護空域の公示性について
10.ジェットルートJ11Lの飛行頻度について
11.機動隊形の飛行訓練の危険性について
12.機動隊形の飛行訓練の航空法規違反について
13.松島派遣隊の訓練空域及び飛行制限空域の設定について
14.松島派遣隊飛行訓練準則の法的効力について
15.有視界気象状態における飛行方式(IFR・VFR混在)における事故防止策について
16.ジェットルートJ11L近傍における見張り義務及び衝突回避義務について
17.編隊飛行訓練における見張り義務について
18.教官機から全日空機の視認可能性について
19.訓練生機から全日空機の視認可能性について
20.隈及び市川の衝突予見可能性及び衝突回避可能性について
21.機体交換価格について
22.全日空主張の信用毀損による営業上の損害について
23.全日空主張の事故処理関係費用相当の損害について
24.全日空主張の遭難者見舞金について
25.全日空主張の遺体収容所の修復費について
26.全日空主張の山林補償について
27.原告全日空の損害賠償請求権と保険会社10社の保険代位について
28.全日空機操縦者らの過失について
29.全日空機からの訓練生機の視認可能性について
30.全日空機操縦者らの衝突予見可能性について
31.全日空機操縦者らの衝突回避義務について
32.航空機の衝突回避操作による機体反応について
33.全日空機が衝突を回避するのに要する移動距離について
34.全日空機操縦者らの衝突回避可能性について
35.国主張の訓練生機及びその装備品の損害について
36.国主張の全日空機乗客遺族に対する補償について
37.国主張の全日空機乗組員遺族に対する見舞金について
38.国主張の地上損害補償と乗客遺族補償業務に要した経費について
39.国主張の県及び市町村支出金の弁済について
40.国家賠償法1条に基づく責任
41.国家賠償法2条に基づく損害賠償責任
 第3節 東京高裁判決
 第4節 検討と私見

第2章 雫石事故の実像 〜その内面にあるもの〜


 第1節 マスコミ
 第2節 割愛制度
 第3節 全日空苦悩の歴史に見る雫石事故

第3章 雫石事故 その後


 第1節 航空法改正
 第2節 自衛隊
 第3節 レーダー管制の整備
 第4節 TCAS(航空機衝突防止システム)

補遺〜ある航空関係者との対談〜



(C)1996-2004 外山智士

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