事実 日東航空(現日本航空ジャパン)の航空機が、昭和38年5月1日淡路島に墜落。乗員2名が重傷、乗客8名が死亡した。当時の日東航空の約款では制限額は100万円とされており、それに対し日東航空は350万円で示談を持ちかけたが、1名の遺族だけが示談に応じず、民事訴訟となった。
判旨 運送人の責任を制限することの経営上の必要性合理性、これを禁ずることで必ずしも一般旅客に有利とはいいえないこと、国際的にもこの考え方は広く承認されており、故に責任限度を制限すること自体を当然に違法、無効であるとまでは断定し得ない。
企業の保護育成という見地から見ても、100万円は必要な限度額とは言い難く、被害者の救済と企業の保護という2つの要請の妥当な調整という見地から見れば、合理性妥当性は有せず、最高限度額としてはあまりに低額に過ぎ、かかる条項の適用を強いることは公序良俗に反し許されない。