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社会保険労務士田村事務所        事務所便り  『のぞみ』               平成17年10月号

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パート社員に助成金制度導入へ

 2004年のパート労働者は約1,240万人となり、この10年で40%近く増加しています。厚生労働省は正社員への登用制度を設けたり、正社員と同等の教育機会を提供したりする企業を助成するシステムを導入し、パート社員の待遇改善を促す事業に乗り出します。

 

◆パート労働者の現状

 雇用者のほぼ4人に1人がパートで、そのうち約70%を女性が占めていて、一時的に正社員の役割を補完するだけでなく、継続的に重要な役割を担うパートも増えてきています。ただ、女性パート社員の労働時間あたりの給与は一般正社員の65%で、職業訓練の機会に恵まれないことや昇進・昇給の道が閉ざされているなど、正社員との差は大きくなっています。

また、年金などの社会保険制度でも、正社員との格差が生じています。パートなど低所得の働き手は増加傾向にあり、15歳から24歳の若年層でも30%を超えています。

 

◆新たに始める支援事業の内容

 これからの人口減少社会を控え、若年層の能力を底上げし、企業内の人的資源を有効活用するために新たに始める支援事業では、

@パートから正社員への転換制度

Aパートと正社員に共通の評価・資格制度B正社員と同じ教育訓練制度

などを設けて、実際に対象者が出た企業に助成金を支払う仕組みで、主に中小企業を対象に年間数十万円規模で助成し、パート社員の処遇の改善を促します。

 また、一律の時間給で設定されることが多いパートの賃金について、職務や成果に応じて正社員と同等にもなる時間給のあり方を有識者らの研究会で検討し、一部でモデル導入して効果を検証し、正社員との格差是正に向けた取り組みを企業に促します。

 厚生労働省は、来年度予算の概算要求にパート社員の処遇改善の事業費として約5億円を盛り込むことにしています。

 

太平洋ひとりぼっち

今年6月、66歳の堀江謙一さんが単独ヨット無寄港世界一周に成功しましたが、ほとんど話題になりませんでした。

43年前の1962年8月12日、当時23歳の堀江謙一青年が一人乗りのヨットで太平洋横断に成功しサンフランシスコ湾に入ってきたときは、大騒ぎとなりました。その年の暮れに『太平洋ひとりぼっち』という堀江青年の日記・手記が出版されると一種の社会的ブームとなったことは、もはや戦後史の一部です。

「なんて無謀なことをしたんだ」と否定的に受け止める者。やりたいことを断固実行する青春の特権を称える者。賛否両論の中を堀江青年は43年間生き続け、43年後にまた単独ヨット無寄港世界一周に挑み成功しましたが、今度は全く話題になりませんでした。話題になっていたのは、皮肉にも同姓の堀江貴文氏によるM&Aでした。

2005年版『国民生活白書』によると、若い世代に低所得者層が増加しています。パートやアルバイトに就いた2004年の大卒者の割合は全体の24%に達しています。これは、5年前に比べると10ポイントほど上昇しています。このパートやアルバイトを続ける層は年収が正社員の同世代に比べ、約3割減の120万円となっています。一方、一人の子供を育てる費用は1,302万円に上ります。

年収400万円未満で子供がいない家庭は、全体の2割を超えています。年収400万円超の所得層では1割前後にとどまっているのに対して、低所得世帯で子供を持てない若者夫婦が増加しています。

『国民生活白書』では、パートから正社員を目指せるような支援制度が必要であると提言しています。また、公的部門が子育て費用の一部を負担することも重要であるとしています。

貧しさの中で夢を見続けた若者がいた43年前と、低所得を理由に子供を生み育てることを断念してしまう若者がいる現在。

日本という国の青春時代も終わってしまったのかもしれません。

 

専業主婦も日本版401k対象に

 

全国銀行協会は、加入者ごとの運用成績で給付額が決まる企業年金の確定拠出年金(日本版401k)制度の改善要望をまとめ、厚生労働省に提出しました。会社員や自営業者だけでなく、会社員世帯の専業主婦も対象にするなど、制度を拡大することによって、銀行は運営管理受託など事業機会を広げるねらいがあるようです。

◆現在の確定拠出年金

 年金制度は、退職後の生活を支える重要な役割を担っていますが、少子高齢化や終身雇用制度の崩壊、運用環境の悪化など年金制度を取り巻く環境が大きく変わりつつあります。このような問題に対応するひとつの選択肢として、個人が老後に備えるために自己責任で資産を形成する新たな年金制度「確定拠出年金制度」が創設されました。

 確定拠出年金には企業が社員のために導入する「企業型」と、企業年金のない企業の社員や自営業者が入る「個人型」があり、どちらも加入者が自分の判断で年金資産を運用し、将来受け取る年金額はその運用の結果によって決まります。

 年金資産は加入者ごとに管理されるので、加入者は常に自分の残高を把握でき、転職するときに自分の年金資産を転職先の制度に移すことができます。

 

◆改善要望の内容

 現在の制度では、数年間加入した後に退職し専業主婦になった場合、結婚後は加入資格を失って老後に向けて拠出を続けることができない一方、長期間の運用を強いられるうえ、手数料差引き後は少額の給付しか得られないことが想定されることから、国民年金の第3号被保険者も加入対象に加えるべきであると主張しています。

 また、中小企業の退職金・企業年金の給付水準を考慮すれば、老後所得の確保に自主的な努力の支援が必要と考えられるため、企業年金のある企業の社員も個人型年金に加入できるようにすべきであると要望しています。


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                                       所長  特定社会保険労務士 田村 幾男


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