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投資価値

○割安銘柄の見つけ方





















投資価値

投資価値について

まずひとつ、前回のつけ加えです。私は個人の使う投資尺度はPERと
PBR(とROE)を中心に考えれば良いと書きました。
その理由のひとつに、PER、PBRはデータが手に入りやすい、というこ
ともあります。

PERについては日刊新聞の株式欄に毎日掲載されますし、PBRにつ
いてもインターネット上の株式サイトやネット証券のサイトで簡単に
データが手に入ります。PERやPBR以外の投資尺度を計算するのに
必要なデータを揃えるのは結構骨が折れるものです。簡単に数字が
手に入るということは実用面で重要なことです。

さて、これまで9回にわたって株式投資について再考するために投資
尺度に焦点を当てて説明して来ました。その骨子は以下のとおりです。

●株式売買において個人は投機を中心に考える方が良いし、事実多
くの個人はそのように行動している。しかし、より効率的な投機を実行
するためにも投資について再考してみる。投資の眼で株を見ることが
投機にも役立つはず。「投機妙味」を見つけるヒントが
「投資価値」にある。

●株式投資においては「割安に投資価値あり」と信じるしかない。
したがって個人の株式投資においてはより割安なものに投資すること
を基本方針とすると良い。

●株の割安・割高は「投資尺度ではかる」のが効率的で実用的。

●投資尺度はいろいろあるが、個人が使うにはPERとPBR(とROE)が
便利であり、極論すればこれらだけに注目すれば十分。

投資尺度としてPERとPBRを使うことにして、株価の割安・割高を判定
することを基本とすればストレスの少ない株式投資を実行できるはず
だ。これが私のお伝えしたいことです。

ところで、「株式投資は割安が報われる」、「割安に投資価値あり」など
は「信仰」と書いて来たのですが、このことには「意味」があります。
ポートフォリオ投資ではなく個別の会社への投資では、「投資価値」は
本質的に「探すと見つかる」というものではなく「創り出すもの」であると
いという点に実は注目しなければならないからです。

素質はあるが現時点で業績不振の企業に投資してリエンジニアリング
を実施して企業の価値を上げる、といったことを考えますと、こうした
「観点」がよく理解できると思います。本質的には、株式の投資価値は
「見つけるもの」ではなく「作り出すもの」なのです。というより、
実現するかどうか分からない投資価値を探すより、自ら主要株主と
なって企業の「投資価値」を創り出す方が「手っ取り早いし確実」
なのです。

どこの国でも大株主はそういう観点で企業を見て行動します。
投資ファンドなども同じように行動します。
(新生銀行への投資ファンドの投資などが典型です。)

個人の株式投資の大半は「小口」です。企業の経営に影響力を持つ
ほどの「投資」は普通しませんし、できないでしょう。
(設立まもない会社とか、グリーンシート登録くらいの段階の会社だと
そういうこともできるかもしれませんが。)

個人は株式売買にあたって「投資価値」よりも「投機妙味」に眼を
向けるべきである、と私がいつも言っている根本的な理由はここ
にあります。

個人が、本来「創り出すもの」である投資価値を、「創り出す」という
立場になることができないことを前提としてどう考えるか?
 この点が実に難しいのです。
企業は自ら企業価値を上げる努力をしていることを前提にして、
投資尺度で測った「割安株」に「投資価値がある」と「信じる」。
個人の普通の株式投資においては、このことを株式投資の「根拠」
としておくのだろうと思います。

そこで私は「割安には価値があるということを信じるしかない」と書い
たのです。おそらくこの「信仰」はおおむね正しいと思います。そして
割安は投資尺度を使って見当をつけることができます。それにあなた
自身の洞察力をプラスすれば、投資行動において納得の行く意思
決定ができると思います。








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