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その他の尺度

○割安銘柄の見つけ方





















その他の尺度

その他の投資尺度

ここまで投資尺度について、とくにPERとPBRについて書いて来ました。

株式投資では割安なものに投資するのが大原則→割安・割高は
投資尺度で測るのが便利→投資尺度の中ではPERとPBRが使い
やすい→PERとPBRのことをよく理解して使うと良い、という流れで
書いてきたのです。

では、PERやPBR以外の投資尺度の使い方はどうか?ということ
ですが、こと個人投資家の場合PER、PBR以外は全部無視しても構わ
ないし困らない、と私は思っています。

投資尺度はPERとPBR(とROE)を使うだけで十分、ということです。

しかし、それでは寂しいということであれば、使う投資尺度を常にPER
とPBR(とROE)に「翻訳」して使う「くせ」をつけておけば分かりやすい、
と言っておきましょう。

例えば、PCFR(株価キャッシュフローレシオ)であれば、
「減価償却コミのPERだな」と理解すればPERと同じ理解で使うこと
ができます。実際、償却負担は年々軽くなっていけば「本来」利益に
振り替わる性格のものです。

また、PSR(株価売上高レシオ)であれば、本当はPERを使いたいが、
赤字会社の場合は利益がマイナスでPERが使えないから、代わりに
PSRを使う。売上高利益率は10%あれば素晴らしい方、という感覚
からすれば、PSR1倍はPER10倍くらいに「換算」すべき数字かな?
といった具合に理解すれば良いのです。

その他の投資尺度でもおおむね同じ論理が通じます。EV/EBITDA
もPERの拡張版と見ることができます。

「投資尺度には予測力はない」と私は以前書きました。しかし、
世の中には「この独創的な投資尺度には予測力がある」と言って
「新しい画期的な投資尺度」を提唱して来るひとたちもいます。

リグレッション・ツー・アベレージ、拡散方程式、フーリエ級数から
トランジション・ステート理論、フラクタル理論にカタストロフィー
理論等々、「新しい画期的な投資尺度」の「ネタ」には事欠かない
ようです。

「錬金術」、「永久機関」、「占星術」、この三つは人類が創り出した
「三大ウソ」(いずれも「理論的根拠」が否定されている、という意味で)
として有名なものです。理論的に否定されているとはいえ実に良くで
きていまして、「占星術」などはいまだに多くのファンがいます
(少なくとも私のこの文章の読者の数より多くのファンがいるでしょう?)。
私は、「画期的な投資尺度」などというものは、この手のウソに付け
加えても良いモノと思っています。

ジョージ・ソロスの有名な著作に「アルケミー・オブ・ファイナンス」という
のがあります。直訳すれば、「金融錬金術」となりましょうか。
化学の上では錬金術は否定されたが、金融の世界(株の世界)では
錬金術が通用する、というのがソロスの言いたいことかもしれません。
「再帰理論」と称する投機理論をソロスは確かに提唱しています。
しかしそれは、ソロス一流の「皮肉」でしょう。ソロスの天才はソロス
の理論にあるのではなく、ソロスの「洞察に基づく投機」に
あったはずです。

私は相場における「洞察力」とか「予想する力」を否定しているの
ではありません。相場における洞察や予想は「あなたの頭の中」
にあるのであって、「投資尺度の中にあるのではない」と言ってい
るのです。株式投機における「魔法の杖」はあなたの頭の中にある、
そして「あなたの頭の中にしかない」のです。

投資尺度がそんな力を持っている「わけがない」でしょう?

ただ私は、株式投資においては「割安なものに投資すれば満足の
行く見返りがあるはず」という原則(信仰かも)は信じるしかないとは
思っています。
そしてその割安は「投資尺度で測るしかない」とも思っています。
考え方はいろいろですが、使えもしない道具をたくさん持つより、
使いこなせる道具をひとつ、ふたつ持つ方が仕事はうまく行く、
と思います。私のお勧めの道具が、PERとPBR(とROE)なのです。

怪しげな投資尺度の「新種」を提唱するひとがいても、気にしない方
が良いと思います。PERとPBR(とROE)を使いこなす方がはるかに
「建設的」で何より「簡便」です。ほとんどの投資尺度は詰まるところ、
PERとPBR(とROE)に「翻訳」できるのですから。






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