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第5話 大坂の “砂場蕎麦(そば)・うどん” 江戸進出! |
昔から、「東京の蕎麦(そば)、関西のうどん」、というのが一般的。
麺類を食べるとき、多くの人が、東京なら、蕎麦(そば)、大阪なら、おうどんを注文するのではないでしょうか?
でも、江戸の初期、つまり、徳川家康が江戸幕府を開いたころ(1600年代)は、江戸では、蕎麦(そば)よりも、うどんが好まれたと言われています。
なぜでしょうか?
当時、
・なんでも、上方(大阪・京都)のものの方が、江戸のものより、上等とされていた。
・ソバは、アワやヒエと同様、貧しさの象徴だった。ゆえに、ソバで作った麺(蕎麦)も、イメージが悪かった。
江戸 砂場蕎麦(そば)の隆盛と現在 | |
江戸時代随一のそばの名著といわれる『蕎麦全書』は、江戸の住人、日新舎友蕎子(にっしんしゃゆうきょうし)が寛延四年(1751)に脱稿した稿本である。日新舎友蕎子とは雅号だろうが、その人物については、まったく謎とされている。・・・略・・・自らそばを打つ著者が、ソバの産地からそば粉の品質、つゆの製法や薬味に至るまで吟味を重ねた専門書であり・・・略・・・。 |
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上記の『蕎麦全書』の出版されたころ(1700年代の半ば)には、江戸でうどんと蕎麦(そば)の人気は逆転していたようで、 |
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大坂で生まれ、繁盛していた“砂場蕎麦(そば)・うどん”が、江戸に進出したのは、いつのころだったのでしょうか? | |
江戸のそば屋として「砂場」が始めて登場するのは、寛延四年(1751年)の 『蕎麦全書』で、当時の江戸市中の蕎麦屋の名目のひとつとして「薬研堀(やげんぼり)大和屋大坂砂場そば」を挙げている。 「大和屋」についての詳しい説明などは書かれていないが、他店との違いを際立たせるために、「大坂砂場」とした名目から、このそば屋が大坂の「砂場」の流れを汲む店だということは明らかである。 蕎麦屋の系図 岩ア信也 光文社新書111 より |
南千住砂場の看板 |
上記から、遅くとも、1700年代の半ばには、江戸で、「砂場蕎麦(そば)」の店が、繁盛していたことは間違いなさそうです。 | |
さてまた陸には砂場そば、にしき団子に大仏餅、いくよ餅、蛇の目酢、ゆで枝大豆に唐もろこし |
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上記は、江戸の中洲(現・中央区)の食べ物屋の繁盛を記したもの。 また、下記からも、砂場蕎麦(そば)の人気がわかります。 |
「砂場」の系図 蕎麦屋の系図 岩ア信也 光文社新書111 より |
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幕末のころ(1860年ごろ)には、そば屋の数は、4000軒近くあったといわれ(屋台の夜売りそばを除く)、いかに、砂場そばをはじめとして、蕎麦(そば)が江戸の人々に好まれるようになっていたかがうかがえます。 | |
江戸の砂場蕎麦(そば)は、その後も発展を続け、「日本一歴史のある暖簾」を今も守り続けています。現在では、約150軒が「砂場会」に属しているそうです。 | |
右は、砂場の暖簾の系図です。 現在の砂場は、「南千住砂場」「巴砂場」「室町砂場」「虎ノ門砂場」「赤坂砂場」の5つがあり、「南千住砂場」 と 「巴砂場」は、江戸時代からの暖簾を受け継いでいます。 現在の「南千住砂場」蕎麦のレポートは、 → 砂場蕎麦(そば) 〜南千住 東京タイムスリップの旅〜 ← |
さて、江戸で、その後東京で、大いに繁盛した砂場蕎麦(そば)ですが、発祥の地 大阪では、どうなったのでしょうか? |
砂場蕎麦 「花の下影」より |
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幕末の大坂の食べ物屋の光景を描いた絵に 『花の下影』 という画帖がある。筆者は不明ながら、制作時期は元治元年(1864)ころと推定されている画帖で、取り上げられている食べ物屋は300余軒。料理屋からめし屋、菓子屋まで網羅されているが、そのなかに
「砂場蕎麦」 も出てくる。・・・略・・・ この絵を見る限り『摂津名所図絵』や『二千年袖鑒』の挿絵のような壮大な構えではないし、・・・略・・・
どちらかというと質素な造りで、他のそば屋(麺類屋は11軒掲載)の店構えの方がずっと立派である。 蕎麦屋の系図 岩ア信也 光文社新書111 より |
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第4話 東京の老舗 “砂場蕎麦(そば)” 発祥の地は、大坂 新町! に『摂津名所図絵』の「砂場いづみや」の店の内外を載せています。 |
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現在の大阪新町(もと砂場)の様子は、 クリック→ 砂場は、麺類店発祥の地!?! クリック→ 元祖???大坂 砂場の蕎麦(そば)屋さん |
砂場蕎麦(そば)の 発祥の地 大阪市西区の新町あたり |
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更新情報 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Last Update 2010/05/24 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
砂場蕎麦 南千住 |