感じて楽しむ合唱

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 合唱は、楽器などと違って音を作り出すための練習などをあまりしなくても、すぐに声が出せ、しかもその気楽に出した声が、 混じり合ったり溶け込んだりして、新しいハーモニーを作り出せるところがその楽しさの一つだといえます。 そして、その楽しさを知ると次により美しくハーモニーさせることを求めるようになるのは自然の流れでしょう。 最初は、ずれてぶつかりあい、うまく合わなかった声が、練習によって整理され、ブレンドされて味のある音色や、 表情豊かな音楽が作り出されていく時には、素晴らしい感動をともないます。そのブレンドされ、混ざり合った音のことを、 ここではサウンドと呼ぶことにします。ここからは、そのサウンド作りに役に立つノウハウです。 みんなで合わせる練習するときのコツのようなものをあげていきます。 このコツを使って、練習することが楽しくなり、なお、うまくなってほしいものです。

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1.合唱指揮

 現在、準備中。それまでは、「感じて楽しむ吹奏楽」のページに、指揮について項目がありますので、そちらをご覧ください。

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2.子音の長さ

 子音には、個々の言葉の使い方によって長さがあります。例えば、「ながいはな」(長い鼻)という文の、 最初の「な」と最後の「な」は同じニュアンスでは発音しません。歌うときには、同じ「n」の発音でも、音符のどの時点で、 「n」の発音を開始するのかによって、言葉として生き生きとして語感が出てくるかどうかが決まります。 オンビート(拍の頭)に母音が来るように声を出すのが基本ですが、 その母音のどれくらい前に子音をどんな長さで出すのかが、 言葉の表情つくりに影響を与えます。日本語という、子音と母音がほぼ1対1と言う特徴をもつ言葉でさえこれですから、 子音のたいへん多い外国語の曲を歌う時はなおさら気をつける必要があります。

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3.子音のスピード

 さらに、子音には、個々の言葉の使い方によってスピードがあります。例えば、「さっちゃんはさちこ」という文の、 最初の「さ」とさちこの「さ」は同じ早さでは発音しません。この例では「s」の次に撥音がくるので、 特にそのスピード感が異なります。歌うときには、同じ「s」の発音でも、 その子音によりスピードを変えて変化をつける必要があります。 もちろん、「1」と同じように外国語の曲を歌う時は、日本語よりスピード感の異なる言葉が多いので、さらに注意が必要です。

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4.母音は色、子音はタッチ 

 油絵を思い浮かべてください、描いてある物の表情は色合いとともに、筆使いやタッチで変わってきます。 この油絵で合唱を例えると、歌うときのメロディーが描いてある物です。そして色合いを決めるのは母音で、 筆使い・タッチを決めるのは子音です。やわらかな表情で描きたい時は、暖かな配色でソフトな感触が必要でしょう。 そんなイメージの合唱曲の場合の声は、よく響いた深みのある母音に、子音の立ち上がりを少し抑えた発音が必要です。 また、力強い表情を現したい時は、目立つ配色に盛り上がるような絵の具のタッチが必要です。 この場合の声は、若々しい音色を持った母音を、鋭く子音を発音して表現する必要があります。 母音をそろえること・子音をそろえることは基本的な音作りにはとても大切ですが、 音楽作りにはそれらをうまく組み合わせていくことが、もっと大切になります。

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5.位置を変えると意識も変わる

 いつもパート別に横に並んで練習するのだけでなく、たまには気分転換に並び方を変えてみませんか。 これは、ただ単に、パート位置を入れ替えるだけでなく、例えば、混声ならソプラノとアルト、ソプラノとテナーが向かい合って歌ってみるとか、 という風にです。いつも横から聞こえていた音が真正面から聞こえてくると、その声に対して合わせる感覚が変わります。 さらにおもいきって「フルーツバスケット」をやってみましょう。つまり、完全に並び位置をばらばらにします。 このとき、隣に同じパートの人がいないようにとか、同じパートの人と二人ずつ組んでばらばらになってみるとか、 いろいろなバリエーションが考えられます。この練習によって、他のパートの人と声を合わせる感覚が分かりやすくなります。

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6.歌詞と響き

 「発音と発声」の項目で、「発声が良くなったら発音が不明瞭になり、発音を直すと発声のバランスが悪くなるので、 両方に気をつけて」、と書きましたが、「歌詞」と「声の響き」にも同じようなことが言えます。 具体的には、歌っているうちに声の響きがだんだん薄くなってくる現象が起きます。これは、歌詞に表情をつけることに集中するあまり、 母音がちゃんと響かないで歌っている状態がおこってくるからです。こんな時は、歌詞を、 「母音」や「La」や「Ma」で歌う練習を追加して、声の響きを元に戻す練習が必要です。 曲を仕上げていく場合に、クリアな歌詞とよく響いた声の両方に気をつけましょう。

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7.階名唱をしよう

 歌詞と響きの問題を解決する別の練習方法として、階名唱で歌う方法があります。 全員で同じ母音を歌うことになるので、効果は5と同じようにあります。さらに、階名唱には別の効果もあります。 まず、「La」や「Ma」で歌うよりリズムを合わせやすいという点です。 幾つかの子音が入ることにより、一つの子音だけで歌うより、リズミカルに歌うことが出来ます。 さらに、「移動ド唱法」で歌うと、和音の流れや、他の声部との関係などもつかめてきます。 しかし、この練習の欠点は、ある程度練習時間と訓練が必要なことです。 「固定ド唱法」で歌う場合は、#やbがどの音についているのか音符に赤とか青の色をつけて練習すると、 音程をちゃんと認識しやすいでしょう。「移動ド唱法」で歌う場合は、楽譜に読み方を書き込みましょう。 このようにして、欠点である「練習に時間がかかる」こと工夫して乗り越えてください。 これが出来ると、必ず効果の上がる練習方法です。少し、練習が進んでいる団は、是非お勧めです。

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8.外国語の歌を歌おう(1)

 この話しは、コンクールに使えるようにという意味ではもちろんありません。いい響きの発声や発音を得る練習のために歌うのです。 ですから、曲としては、良く知られた歌いやすい曲がいいでしょう。選んだ曲を、次に点に注意してこの練習して下さい。 それは、決してカタカナ歌いをしないことです。カタカナ歌いをしてしまうと、 日本語で練習しているのと変わりはありません。出来るだけ、ネイティブの歌っている原語を聞いて、それの真似を してみましょう。その練習の時のコツです。一つは、口のまわりの筋肉をゆるめて歌うことです。 日本語の発声・発音の硬さを、この練習で緩めてみましょう。もう一つは、口の内部をしっかり広げておきましょう。 口腔内の共鳴を得る練習になります。外国語の持っている、やわらかい響きのある声を、外国語の曲を歌う練習から身につけてください。

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9.外国語の歌を歌おう(2)

 外国語の曲を歌う効果はまだあります。まず、外国語には、子音を発音するときに、息を沢山使う場合が多いのです。 このため、その息を多く使って発音をしようと、腹筋を動かして歌うことを行うと、息のための練習になります。 次に、外国語はアクセントがハッキリしているので、言葉に息の流れを乗せやすく、この点でも息の練習になります。 また、日本語のように子音と母音の数がほぼ同じではなく、母音が少ないので、その少ない母音を丁寧に歌う必要があり、 母音を大切にする練習にもなります。いずれの場合も、原語の発音に気をつけて歌い、普段、日本語の歌詞で歌っている時には使っていない、 お腹・口のまわりの筋肉などをしっかり動かしながら練習しましょう。

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10.歌う位置

 4で、練習方法としてパートの並び方を変える方法を書きましが、ここで取り上げる歌う位置とは、舞台上での並び方についてです。 発表の時など、いつも練習している場所とは違った所、特に初めての場所で歌おうとすると、環境の違いにまごつく事がいろいろあります。 始めて行く舞台で歌うと、いつもとは違う感じで声が響き、その聞こえ方もいつもと違っています。 歌っていてとても不安になるのです。ですので、他の団体が演奏をしているのを聞けるなら、それで会場の雰囲気を知っておきましょう。 よく響く会場なら、少し広がっても大丈夫ですが、あまり響かない会場なら、広がらず集まって歌ったほうが無難です。 とかく、幅広い舞台に立つと、会場の幅に合わせて立ち位置を広げてしまいがちです。しかし、広がってしまうと声が散ってしまい、 一生懸命に練習してきた成果をうまく伝えられません。見た目、少しこじんまりした感じにはなりますが、 会場の広さの雰囲気に飲まれないようにしましょう。

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11.言葉をそろえる

 喋っている言葉のイントネーションは、人それぞれにより微妙に異なります。出身地の違いにもよりますし、 話し方自体がゆっくりの人や早口の人もいます。それらの違いは、その人の個性を象徴するものですから、これを修正する必要はありません。 しかし、歌う時には、歌詞が不鮮明になる原因になります。歌詞をはっきり聞こえるようにするには、この微妙な違いを合わせる必要があります。 自分では、みんなと同じように歌っているつもりだが、他の人が聞くとその人の癖によってずれてしまっている、という点です。 これをそろえる練習方法の一つとして、音程を外して、言葉だけでリズムを取って歌う練習があります。 音符のリズムどおりに、音程つけないで言葉の発音をそろえることに集中します。この時に、発音をあわせるだけでなく、 言葉のスピード感もそろえましょう。さらに、ブレスのタイミングをそろえると、より効果的な練習になります。

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12.口のあけ方

 基本的なことなのですが、勘違いをして、せっかくの声を駄目にしている場合があります。それは、「口を開ける」という意味と 「ノドを開ける」という意味を混同してしまっている事です。幼稚園や小学校の頃に、「口を大きく開けて歌いましょう」と教えられます。 このことは、子どもたちのためには間違った指導方法ではないでしょう。しかし、これを過剰に行って、 口を大きく開けすぎて歌っているのを見かけます。大きく開けすぎるとかえって悪い影響が出ます。 その悪影響の第一点は、あごのちょうつがいの奥にノドが位置するので、大きく 開けすぎると口は開くけど、ノドはかえって閉まってしまいます。口を開けるより、ノドを開ける方が大事です。 また、二つ目の影響として、共鳴の響きを逃してしまいます。口を開けることによって、 共鳴のための片一方の壁を無くしてしまっている場合があります。 ですから、ノドは開けますが、口は開けすぎないようにしましょう。

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13.ア・カペラを楽しむ

 ア・カペラの曲を演奏できるようにするのは、音程を正し取れるようにしなくてはならず、発声法がちゃんとできて、 声の質もまとまってこないと、発表会などで演奏するのはなかなか大変なことです。そのため、 ア・カペラの曲はどうして選曲から外れてしまいがちです。でも、ア・カペラは合唱の基本。 純正律でハマった音の響きはとっても魅力があります。そこで、ときどきこのア・カペラを練習に取り入れましょう。 と言っても、一つの曲を完成させるのは大変です。そこで、簡単にア・カペラを楽しむ方法があります。 練習中に伴奏を外して歌ってみましょう。もちろん、最初のうちは、曲の中で和音がちゃんと鳴っている部分を 取り上げる必要があるのですが、今まで伴奏に頼って歌ってしまっていた部分や、ちゃんとハモりきってなかった部分などが、 伴奏が無くなることによって、しっかりハーモニーさせようとするいい練習になります。そして、なにより、 ア・カペラの美しさを体験するいい機会になります。

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14.伴奏の形を変えて練習

 前の項目で、伴奏を外してア・カペラで練習することを書きました。しかし、直ぐにア・カペラでちゃんとハモって歌うのは少し 難しいかもしれません。そんな時には、ア・カペラで歌えるようになるまで、伴奏の形を変えるという練習方法があります。 また、この練習は、通常の練習に取り入れても、なかなか効果的ですので試してみてください。ただ、これには伴奏者の協力が必要ですが! まずその一つの形は、楽譜どおりの伴奏を弾かずに、その伴奏で使っている和音だけを弾いてもらい、 その和音の響きに合わせて歌う練習。他に、伴奏が弾いている音のベースラインだけを取り出して、その音だけで 歌ってみる練習。その他に、伴奏の各小節の最初の音だけ鳴らして、それだけで歌う練習。 などなど。要するに、伴奏に頼らずに歌う練習をするのです。この練習により「自分たちが歌ってる声だけでハモる」、という習慣ができ、 そうなれば、合唱は一段と楽しくなります。

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15.カンニングブレス

 カンニングブレスとは、一息では歌えないような長いフレーズの中途など、ブレス記号のないところで行うブレスの ことです。これは、同じパートの演奏者が少しずつ場所をずらしてブレスをする方法で行われ、長いフレーズが切れずに繋がって聞こえてくるという 利点があります。同じ音を単に長く伸ばす場合には、カンニングブレスをする位置についてはあまり気にかける必要はないのですが、 音の動きのある長いフレーズでカンニングブレスを使う時には、少しコツがあります。絶対的な法則というわけではないのですが、 次の2点は守ったほうが、いい歌い方になります。1点目は、小節線の上ではカンニングブレスをしないこと。 もう一つは、フレーズの中で他の音に比べて長い音の後では、出来るだけ避けること。後者は、 多くの人がブレスをしたがるので、結局この位置でカンニングブレスをするとカンニングブレスにならない場合が多く生じるからです。 また、大人数で歌っている場合には割りと気兼ねなく、カンニングブレスの位置を決めることが出来るのですが、 少人数で歌っているときは、あらかじめバランスを考えて、みんなが安心してブレスが取れるように、 前もってカンニングブレスの位置を決めておくことが必要です。

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16.人数とテンポ

 演奏する曲のテンポは、本来は音楽表現上もっとも適したテンポを選ぶべきです。しかし、このテンポは演奏する人数を考えに入れて 設定されるべきでしょう。特に、合唱の場合は、歌う人の人数に演奏が大きく影響される場合があるからです。それは、どうしても、 人が増えると音程は濁り、発音は不鮮明になることが原因です。これでは、音楽的には適したテンポでも、 演奏するとその効果を挙げられないことになります。40名・50名を超える人数で歌う時には、少し遅めのテンポを設定して、 この音程の濁りや発音の不鮮明さを解消ようにするほうが、いい演奏につながるでしょう。

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17.並び方を決めよう

 4の「位置を変えると意識も変わる」で、パートの並び方を変える練習を紹介しました。この方法は、練習段階において、 声の色をブレンドし、よくハモった音質にすると共に、そうした音を聞く耳を育てるために効果的な練習です。しかし、 演奏会が近づいてきたら、並び方をちゃんと決めて練習しましょう。 特に、横に2・3列くらいで並ぶ時に、並ぶ順で声の質が変化する場合があります。それ以上の人数になるとそんなに問題にはならないのですが、 2・3列くらいの時には、前列に並んだ人の声の質が全体に影響を与えます。演奏する曲の雰囲気に合わせて並びを考えましょう。 また、歌っている人も、並ぶ位置が少し移動するだけで、声を合わせるバランス感覚がずれてしまう場合があります。 その意味からも、演奏会前には、並びをちゃんときめてからの練習が必要です。

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18.ブレスのスピード、発音のスピード

 レガートな部分を歌っていて、すぐ後にアクセントのある部分を歌う、または逆の時も同じですが、なかなか切り替えがうまくいかないですね。 そのような時に合わせる練習方法です。レガートの部分とアクセントの部分での技術的な違いは、ブレスをする息のスピードや、 発音のための息のスピードが違うのです。この息のスピードを直ぐに変えられないのが、うまくいかない主な原因です。 ですので、練習のときに、レガートの部分を歌い終わった後、いったん歌い止めて息のスピードを上げる準備をしてからアクセントの部分を歌う。 というように、完全に音楽を分けて練習してみましょう。そして、息のスピードを、コントロール出来るようにしてから、演奏を繋いでみてください。

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19.リズムを読む

 リズムがうまく合わない場合の、合わせ方です。よく行われているのは、リズムだけを読み直す練習でしょう。 リズムを、「ta」などの発音だけで歌っていく方法です。この方法は、リズムを合わせるのにいい練習になるので 是非やってみてください。ただ、一つ注意が必要です。それは、リズムの読み方を、 曲の表情に合った発音を選ばなければいけないという点です。 「ta」がいいのか、「la」がいいのか、「da」がいいのか、「za」などが効果を上げる場合もあります。どれでも同じように思いがちですが、 これが案外違うのです。強い言葉、細かなリズムの時は、大方「ta」がいいようです。柔らかな歌詞の部分などは「la」がいいでしょう。 ポップスやジャズなどのリズムは「da」が合う場合が多いようです。臨機応変に、歌詞の内容や、伴奏の形などから適切な「言葉」を選んでから、 このリズムを読む練習をしてみてください。

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20.口の開けたか(2)

 口の開け方で、声をコントロールする練習方法です。二つの方法があります。まず一つ目は、「ラッバ口」です。 口の先をトラペットの先端のようにまるく広げて歌う歌い方です。声を前に飛ばすのに効果があります。 声に伸びがない、遠くまで声が届いているのか不安だ、と言うような場合試してみてください。もう一つは、 「おちょぼ口」。文字通り、「おちょぼ口」で歌います。自分の声がよく響いているのがはっきり判らないときに やってみるといいでしょう。自分の声の響きが、自分の耳に帰ってきて響きを確かめられます。 ただし、両方とも、唇が硬くなる欠点があるので、このまま歌うと発音が不明瞭になったり、声の響きのポイントが分からなくなったり することがあります。ですので、この方法での練習のし過ぎには、注意しましょう。

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21.音色を変える

 いろいろな音色を作るための時の練習方法の一つです。ある母音を決めて、それを伸ばしてみましょう。そして、 その母音を伸ばしている間に母音の色を変えるのです。しかし、母音に対するイメージが自分の中にないうちは、 音色を変えること自体が難しいことです。こんな時には、和音を使って練習してみましょう。 例えば、ドの音を歌いながら、ピアノで長三和音の「ド・ミ・ソ」を4拍ならして、5拍目に短三和音「ド・bミ・ソ」に変えてみる。というような練習です。 もちろの、逆もいいでしょう。こうして、和音の響きの違いを使って、母音の色を変えるといい練習になるでしょう。

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22.スタッカートに注意

 スタッカートを歌うときの注意です。スタッカートの意味は、「音を短く切って演奏する」ですが、これを表現しようとすると、 息も一緒に短くなってしまう傾向があるようです。スタッカートの多い曲を歌っていると、息を短く使ってしまうため、 音の響きがなくなってしまい、硬い表情になりがちです。これを回避するためには、音は短くしても、それを歌う息はたっぷりと、 しかも声の響きを失わないように注意しながら歌う必要があります。練習方法としては、 わざとスタッカートを外してレガートで歌ってみてること。このことによって、息の流れと響きを しかっり確認したうえで、スタッカートの表情を出していきましょう。

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23.アクセントに注意

 アクセントの付いた音を歌うときの注意です。アクセントの意味は、「とくに強く演奏する」ことですが、これを表現しようとする時に、 息を荒々しく出して、声をぶつけるように出す傾向が見られます。アクセントを表現しようとして、息を使おうとするのはいいのですが、 息を声帯に当てて声を鳴らしただけで、強く歌ったように感じてしまっているのです。息をぶるけることにより破裂音が出て、 確かに強くはなるのですが、合唱で使う響きのある声には、なっていません。硬くて破裂したような音ではなく、 豊かな響きを持って強く歌うのがアクセントです。くれぐれも、響いていることが大切ですので気をつけましょう。

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24.連続下降する音形に注意 

 音が連続して下降していく音形を歌う時、下がっていく低い音はその前の音より緊張感が必要ないので、楽に歌ってしまいがちです。 ですので、最初の声はいい響きなのに、下がっていくうちに、どんどん声の響きがなくなることが習慣になってしまっている人を多く見かけます。 自分では楽に歌っているつもりはないのでしょうが、息の支えがなくなって、自然に音量も響きも弱くなってしまっているのです。 フレーズの最後が短くなって、音楽が尻切れトンボに終わってしまう原因の一つになったり、音程がぶら下がってしまったりする原因になります。 こんな傾向が見られる時は、3音くらいの短い下降形で、ゆっくり下がる練習をしましょう。その時の注意点は、下がると共に、 音の響きを明るく広げることです。また、しっかりした息を出し続けましょう。 こうして、下がる傾向を防いで下さい。

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