警察部隊の装備車両−2(ドイツ戦車編)

 警察部隊では装甲車/戦車部隊の編成にあたり、もちろんドイツ製戦車も装備していましたが、装備数はほんの限られたものでした。その中には旧式化した戦車のほかに、VK1801やVK1601のように陸軍では実戦向きでないと判断された車両も含まれていました。


1.T号装軌式装甲車
T号戦車A型 Pzkpfw.I AusfA
 1936年までに818両が生産されたA型ですが、1942年以降は第1線から退き本来の訓練用や後方での警備任務に転用されてゆきました。警察部隊で確認できるのは第8警察戦車中隊所属の1両(GP2000年4月号P97下段の写真)ですが、編成表には載っていないのが不思議です。GP誌の写真解説にもあるように無線機は1943年中頃に交換されて2mのロッドアンテナを持つFu2またはFu5が搭載されています。

第8警察戦車中隊−1両?


2.T号装軌式装甲車
T号戦車F型/VK1801 Pzkpfw.I neuer Art Verstakt
 1939年2月から開発が着手されたT号戦車の装甲強化型ですが、試作車の完成した1940年6月の時点で機関銃2丁の武装ではいくら車体前面80mmの重装甲でもどうにもならない時代になっており、12月に30両が発注され1942年末までに完成したものの計画は結局中止されました。
 完成した30両のうち10両前後は1943年に東部戦線で試験的に使用されましたが、結局使い物になりませんでした。警察部隊で合計何両が使用されたかははっきりしませんが、次の各部隊で使用されたようです。

第2警察戦車中隊−5両(1943年5月改編以降)
第3警察戦車中隊−5両(1943年10月改編以降)
第9増強警察戦車中隊−5両
・警察予備戦車大隊の戦車中隊−5両


3.U号装軌式装甲車
U号戦車J型/VK1601 Pzkpfw.II neuer Art Verstakt
 U号戦車の装甲強化型ですが、T号戦車F型/VK1801と同様にこのような軽戦車はすでに時代遅れとなっており、30両が発注されたものの1942年4月から12月の間に22両が生産されただけで生産中止となりました。
 22両のうち一部の車輌は第12戦車師団に配属されて東部戦線に投入されたようですが、T号戦車F型同様使い物にならなかったと思われます。警察部隊にも一部の車輌が廻されて次の各部隊で使用されたようですが、合計何両が使用されたかははっきりしません。

第13増強警察戦車中隊−6両


4.V号装軌式装甲車
V号戦車F型/G型 Pzkpfw.III AusfF,AusfG

第12増強警察戦車中隊−?


5.V号装軌式装甲車
V号戦車N型 Pzkpfw.V AusfN

第5増強警察戦車中隊−?


6.W号装軌式装甲車
W号戦車F型 Pzkpfw.IV AusfF
第13増強警察戦車中隊−4両


2001.1.10 新規作成
2001.6.1 車両のgif画を更新
2016.4.22 リンクを追加、修正

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