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10.アトピー性皮膚炎の一般的な治療方法

今や国民の3割がアトピー性皮膚炎、花粉症、気管支喘息などのアレルギー性疾患を持っているといわれており、これらの疾患はもはや国民病とさえいってよいと思われます。アトピー性皮膚炎については、特にステロイドの塗り薬に対する一部の偏った情報により、ステロイド忌避、拒否症の患者が増加し、さらに医学的根拠のない治療法が一部の医師あるいは医師以外のものによってなされ、患者を肉体的、精神的、経済的に苦しめている実情があります。

当院では、必要と判断する時にはステロイドの塗り薬(外用剤)やプロトピック軟膏(アレルギーを起こす免疫を抑える薬)も使用します。しかし、連日だらだらと使用してもらうのではなく、間歇使用(例えば、4日ステロイドの塗り薬を使用し、3日保湿剤のみ)をしていただきます。このような塗り方をすることで、皮膚がうすくなったり、にきびができやすくなるステロイドの副作用が出にくくなります。そして、漢方薬〔黄連解毒湯(おうれんげどくとう)、十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)、加減一陰煎(かげんいちいんせん)、消風散(しょうふうさん)、梔子柏皮湯(ししはくひとう)など〕と抗アレルギー剤も必要な場合は併用し、皮膚の炎症をできるだけ早く抑えるように心がけています。確かに、治り難い病気ですが、スキンケアと内服薬で身体の内と外から治療していきます。

注意:ステロイドの副作用と言われている、顔が丸くなったり、体重が増える、高血圧や糖尿病になりやすいなどの症状は、飲み薬のステロイドを大量に長期間使用した場合に出てくるもので、塗り薬ではそのような症状は出てきません。