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ベトナムの世界遺産

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世界遺産の名前 ベトナムの世界遺産の説明 登録年
フ工の建造物群 ベトナム中部のフエはグエン朝時代の都。19世紀初めに建てられた宮殿は中国風のつくり。19世紀後半にフランスの保護領となってからの建築物には,バロック様式が見られる。歴代皇帝の陵墓なども,それぞれの特徴をもつ。 1993年
バー・ロン湾 石灰岩が浸食されてできた,3,000あまりの島々が点在するベトナム北部の景勝地。
島の多くは無人島。島は大小様々に独特の形をなし,「海の桂林」ともいわれる風景をつくる。竜が舞いおりたという伝説が名前の由来。
1994年
古都ホイアン 15世紀から19世紀にかけての,東南アジアの交易のための港がよく残されている。この町の建造物や街路のならぴ方は,それぞれがよく調和した,この地方独特のもの。 1999年
ミーソン聖域 4世紀から13世紀に,ベトナムの海岸に栄えたチャンパ王国の遺跡。インドのヒンドゥー教から生まれたその精神的文化は,印象的な塔のある寺などによって表現されている。 1999年

フエの建造物群 ベトナム 1993 ベトナム最後の王朝の栄華をしのばせる建造物群

  最後のベトナム王朝の都
フエは,ベトナム中部に位置し,ベトナム最後の王朝グエン朝の都だったところです。
現在はトウアティエン・フエ省の省都です。
1806年,グエン・フォツク・アインは,フランスの援助を受けてベトナムを統一し,ザロン帝として即位しました。都をフエに定め,宮城の建設をはじめます。ミンマン帝のときに完成した宮城は,一辺が約2.2キロの正方形で,あつい城壁と濠(ほり)に取りかこまれています。中国の紫禁城(しきんじょう)をまねてつくられました。
フエ郊外には,グエン朝時代の寺院のほか,ミンマン帝やカイデイン帝など歴代国王の陵墓(りょうぼ)があります。
それぞれに中国様式,バロック様式などでつくられています。
19世紀未,グエン朝がフランスの保護下におかれると,フエはフランス保護領の首府として独自に発展,
ベトナムの民族文化とフランス文化の融合した町並みができました。

  中国から受けた影響
ベトナムは少数民族の多い国ですが,人口の大部分をしめるのは,現在の中国南部から南下したキン族を祖先とする人びとです。
ベトナムは,10世紀に独立王朝が成立するまで約1000年間にわたり,中国の支配を受けました。そのため,漢字・儒教(じゅきょう)・科挙(かきょ)制度など,文化やしてきました。
中国とは国境を接しており,近年でも何度か武力衝突がおきています。

  フランスによる支配
19世紀後半,ベトナム南部がフランスの統治下にはいると,中部・北部も植民地にされました。フランスの植民地支配に対して,ベトナム国民の間で反植民地支配の気運が高まりました。
第2次世界大戦がおこると,日本がインドシナに進駐(しんちゅう)し,ベトナムを占領しました。
革命家ホー・チ・ミンがひきいるインドシナ共産党は,フランスや日本の支配に反対する人びとを結集し,ベトミン(ベトナム独立同盟会の略称)を組織しました。
1945年8月,ベトミン軍はベトナム全土で蜂起(ほうき)し,9月にハノイで「ベトナム民主共和国」(北ベトナム)を建国しました。

ベトナム語とローマ字
ベトナムでは,ベトナム語の表記にローマ字がもちいられていますが,
これは17世紀にフランス人によって考えだされたものです。古くは漢字がもちいられていました。その後,13,4世紀には,独自の国字「字噛」(チュノム)がつくられましたが,一般には普及しませんでした。




美しい島々が浮かび,「降肯引云説」を伝える景勝地 ベトナム 1994年

   バー・ロン湾
  海に浮かぶ約3,000の島や岩
バー・ロン湾は,中国との国境近くに位置する,ベトナムきっての景勝地です。広さ約1,500平方キロの湾内には,3,000ほどのさまざまな形をした島や岩があります。
バー・ロン湾は,かつては中国南西部の石灰岩台地の一部だったものが,約1万5000年前からしずみはじめ,現在の姿になったと考えられています。島と岩の形は,長年にわたり海水や風雨などで浸食されてできました。切り立った岩や,断崖にかこまれて人をよせつけない小島,そして洞窟などは,すべて自然がつくりだした作品といえます。
「龍が降りてきた」伝説の地バー・ロン湾の「バー」とは「降りる」,「ロン」とは「龍」を意味しています。
伝説によると,天から降りてきた龍が,ベトナムを侵略する外敵を打ちたおしたとき,丘陵(きゅうりょう)がくだかれて,海に浮かぶように,たくさんの島ができたといわれています。この降龍伝説にぴったりの神秘的な雰囲気をもつバー・ロン湾は,岩や洞窟のほかに,滝などの見どころも多く,たくさんの観光客がおとずれています。

ゆたかな自然をむしばむ環境汚染
バー・ロン湾の多くの島は,人が暮らすのに適していないため,長い間,動植物にとって楽園でした。
マングローブの林やゆたかな湿地林がしげり,ムラサキサギなどの鳥類のほか,フローテックテナガザルなども生息しています。
しかし近年,この自然が危機にさらされています。
フランス統治下の19世紀末から,バー・ロン湾北端の町ホンゲイ周辺では,石炭の採掘が行われ,関連産業が発達してきました。その結果,泥が湾内に流れだして堆積し,水質を悪化させてきました。最近では漁獲量が減少し,サンゴ礁も死の危機に直面しています。
環境汚染をこのまま放置せずに,バー・ロン湾の自然を,なんとしても守っていかなければなりません。

  バー・ロン湾
波しずかな海にうかぶ島々。船が行き来し,美しい風景をつくりだしています。