角川書店 |
幻想の未来
角川文庫 1971年8月10日 |
初期の筒井作品の角川文庫は杉村 篤氏がほとんど一人でカバーイラストを担当していたが、1982年『腹立半分日記』からは他社の筒井作品でおなじみの山藤章二氏が担当。同時に杉村氏が担当していた過去の作品も山藤氏のモノクロイラストで統一された。 |
|||||
![]() 杉本一文 |
![]() 杉村 篤 |
![]() 山藤章二 |
◆1968年/南北社版単行本(『幻想の未来 アフリカの血』) ←短篇集。もとの単行本に『にぎやかな未来』(1968年・三一書房)からの短篇7作が加えられている。記念すべき筒井氏初の文庫本である。 |
||||
アフリカの爆弾
角川文庫 1971年12月30日 |
![]() 杉村 篤 |
![]() 山藤章二 |
◆1967年/文藝春秋版単行本
←短篇集。最初の杉村氏の表紙は、「角川文庫」の文字の入り方が、同時期のサイケな下地があるものと異なる。 |
||||
にぎやかな未来
角川文庫 1972年6月30日 |
杉村 篤 |
![]() 山藤章二 |
◆1968年/三一書房版単行本
←短篇集。もとの単行本から、『幻想の未来』(1971年・角川文庫)に加えられた短篇7作は削除されている。断筆宣言(1993年)の発端となった「無人警察」が収録されている。 1976年/徳間書店版単行本 |
||||
わが良き狼
角川文庫 1973年2月20日 |
![]() 杉村 篤 |
![]() 山藤章二 |
◆1969年/三一書房版単行本
←短篇集。もとの単行本に「下の世界」が加えられている。個人的経験では、なかなか古本の市場に出ない。 |
||||
筒井順慶
角川文庫 1973年9月30日 |
杉村 篤 |
![]() 山藤章二 |
◆1969年/徳間書店版単行本
←短篇集。 ◆1993年/新潮文庫 |
||||
ホンキイ・トンク
角川文庫 1973年11月30日 |
杉村 篤 |
![]() 山藤章二 |
◆1969年/徳間書店版単行本
←短篇集。 |
||||
革命のふたつの夜
角川文庫 1974年3月10日 |
杉村 篤 |
![]() 山藤章二 |
◆1970年/徳間書店版単行本(『母子像』)
←短篇集。私が学生の頃に最初に買った筒井本2冊のうちの1冊(最初の表紙)。 |
||||
脱走と追跡のサンバ
角川文庫 1974年6月10日 |
![]() 杉村 篤 |
![]() 山藤章二 |
◆1971年/早川書房版単行本
◆1996年/角川文庫(リバイバル版) |
||||
日本列島七曲り
角川文庫 1975年6月30日 |
杉村 篤 |
![]() 山藤章二 |
◆1971年/徳間書店版単行本
←短篇集。もとの単行本から「社長秘書忍法帖」が削除されている。この「社長秘書忍法帖」は単行本でしか読めない。 |
||||
時をかける少女
角川文庫 1976年2月28日 挿し絵:谷 俊彦 |
![]() 藤本 蒼 |
![]() 角川映画より |
![]() 角川映画より 写真:長濱 治 |
![]() 角川映画より 市川信勝 |
![]() フジ系ドラマより |
![]() 金子しずか |
|
角川文庫のジュヴナイル作品は藤本氏がカバーイラストを担当。ジュヴナイルとは少年少女向け作品という意味だが、どれも小さい子が見たらトラウマになりそうなイラストだ。(ま、子供は文庫本など読まないだろうが。)また、なぜかこのジュヴナイルシリーズには解説やあとがきが無い。 ◆1968年/盛光社版単行本 ↑当初は他のジュブナイルと同様に藤本氏の独特なイラストの表紙だったが、1983年に大林宣彦監督・原田知世主演で映画化されると、映画関連で複数パターンが作られた(2〜4番目)。古本屋で見かけるのはたいてい最初か3番目の表紙。5番目の表紙は1994年、内田有紀主演でドラマ化された際のもの。その後は最初の表紙に戻っていたが、その後6番目のものになっていた。 ◆1997年/ハルキ文庫(表題作のみ) ↑1997年に角川春樹監督で再映画化。ちなみに6番目の金子氏はハルキ文庫版でも挿し絵を手がけている。 ◆2006年/角川文庫(新装版) ◆2009年/角川つばさ文庫 ◆2013年/株式会社ジュンク堂書店(盛光社版の限定復刻) |
|||||||
緑魔の町
角川文庫 1976年6月10日 |
![]() 藤本 蒼 |
◆1970年/単行本(毎日新聞社)
←ジュブナイル短篇集。 |
|||||
筒井康隆全童話
角川文庫 1976年10月30日 |
藤本 蒼 |
←その名のとおり、それまでに発表された童話を集めたもの。この後発表された「ジャングルめがね」「イチ、ニのサン!」は当然収録されていない。
|
|||||
ミラーマンの時間
角川文庫 1977年10月20日 |
![]() 藤本 蒼 |
◆1975年/単行本(いんなあとりっぷ社)
←ジュブナイル短篇集。表紙、顔色ワルすぎである。 |
|||||
農協 月へ行く
角川文庫 1979年5月30日 |
![]() 杉村 篤 |
![]() 山藤章二 |
◆1973年/単行本(同社)
←短篇集。意外だが、角川書店から出た単行本がそのまま角川文庫になったのはこの1冊のみ。もとの単行本から「デマ」は削除されている。「デマ」は文庫本では『自選短篇集3 パロディ篇 日本以外全部沈没』(2002年・徳間文庫)に収録されている。杉村 篤氏の、筒井作品最後の表紙担当作。収録作「日本以外全部沈没」は第5回星雲賞(日本短編部門)受賞作品で、2006年に映画化された。 ◆2000年/大型活字本 上・下巻(社会福祉法人埼玉福祉会・角川文庫版が底本) |
||||
SFバカばなし
おもろ放談(共著) 角川びっくり文庫 1981年3月20日 挿し絵:米田 共 |
![]() 米田 共 |
◆1976年/いんなあとりっぷ社版単行本(『SF作家オモロ大放談』)
←FS作家の座談会。なかなか古本の市場に出ない。 |
|||||
腹立半分日記
角川文庫 1982年6月10日 |
![]() 山藤章二 |
◆1979年/実業之日本社版単行本
◆1991年/文春文庫 |
|||||
シナリオ
時をかける少女(原作) 脚本:剣持 亘 角川文庫 1983年6月25日 |
![]() 写真:滝島留一 |
←1983年に大林宣彦監督・原田知世主演で映画化された「時をかける少女」のシナリオ。なかなか古本の市場に出ない。『串刺し教授』(新潮文庫・1988年)に収録されている「シナリオ・時をかける少女」とは別のもの。「・」があるとなしでは大違いである。
|
|||||
ウィークエンド・シャッフル
角川文庫 1985年12月10日 |
![]() 山藤章二 |
◆1974年/講談社版単行本
◆1978年/講談社文庫 ←短篇集。以降4冊、講談社からの権利移行(?)本が毎月出ている。 |
|||||
乱調文学大辞典
角川文庫 1986年2月10日 |
![]() 山藤章二 |
◆1972年/講談社版単行本
◆1975年/講談社文庫 |
|||||
心狸学・社怪学
角川文庫 1986年3月10日 |
![]() 山藤章二 |
◆1969年/講談社版単行本
◆1975年/講談社文庫 ←短篇集。 |
|||||
霊長類 南へ
角川文庫 1986年4月10日 |
![]() 山藤章二 |
◆1969年/講談社版単行本
◆1974年/講談社文庫 |
|||||
鍵
自選短編集→自選恐怖小説集 角川ホラー文庫 1994年7月10日 |
![]() 田島照久 |
←2006年まで、角川では唯一の筒井作品再録本だった文庫本。角川ホラー文庫では、他の作家の自選集は「自選恐怖小説集」となっているのに、筒井氏だけ「自選短編集」となっている。恐いだけじゃないぞ、という自己主張だろうか。と思っていたらこれは初期の版だけ(初版だけかも。未確認)で、その後は他者と同じく「自選恐怖小説集」に変わっている。作者断筆中に出た1冊。
『バブリング創世記』『あるいは酒でいっぱいの海』『にぎやかな未来』『夜のコント・冬のコント』『幻想の未来』『革命のふたつの夜』より各2篇、『ウィークエンド・シャッフル』『アルファルファ作戦』『心狸学・社怪学』『最後の伝令』より各1篇 |
|||||
脱走と追跡のサンバ
(リバイバルコレクション エンタテインメントベスト20) 角川文庫 1996年12月25日 |
![]() 杉村 篤 |
◆1971年/早川書房版単行本
◆1974年/角川文庫 ←普通の角川文庫版も出ているが、こちらは1960年〜80年の角川文庫から20冊が選ばれ、リバイバルとして出たものの中の1冊。作者断筆解除後初の角川文庫。 |
|||||
時をかける少女〈新装版〉
角川文庫 2006年5月25日 |
![]() 貞本義行 |
◆1968年/盛光社版単行本 ◆1997年/ハルキ文庫(表題作のみ) ←2006年のアニメ映画化に伴い、角川文庫版が新装版化。表紙の貞本氏は、そのアニメ版のキャラクターデザイナーで、「エヴァンゲリオン」などのガイナックス作品でおなじみである。新しく追加された解説を書いている江藤茂博氏は、「『時をかける少女』たち‐小説から映像への変奏」(2001年・彩流社)という本を書いた人。『時をかける少女』をはじめとする筒井ジュブナイルの文庫本には“解説”が無いのが定番だったが、それを覆してしまった(大袈裟)。そして今回とうとう谷氏の本文イラストが削除された。 |
|||||
日本以外全部沈没
パニック短篇集 角川文庫 2006年6月25日 |
![]() 山藤章二 |
←新作ではないが、リバイバルや新装版を除くと実に20年ぶりになる筒井作品の角川文庫化。以降、合計7冊の再編短篇集が出版される。2006年、小松左京原作「日本沈没」が再映画化されるのに合わせて?パロディである表題作「日本以外全部沈没」を収録。作品が古く、当時の有名人が多く登場するため、平石氏による登場人物解説が付いた。同じ年に映画化(川崎
実監督)もされて、作者本人も出演している。「黄金の家」は1970年の作品だが、書籍初収録。解説の川又氏は講談社文庫版『ウィークエンド・シャッフル』(1978年)でも解説を書いている。表紙の山藤氏も20年ぶりに角川文庫の筒井作品を担当。
|
|||||
『農協 月へ行く』より2篇、『あるいは酒でいっぱいの海』『バブリング創世記』『にぎやかな未来』『日本列島七曲り』『筒井順慶』『馬は土曜に蒼ざめる』『アフリカの爆弾』『ホンキイ・トンク』より各1篇収録。 |
|||||||
陰悩録
リビドー短篇集 角川文庫 2006年7月25日 |
![]() イラスト:水江未来 装幀:鈴木久美 (角川書店装丁室) |
←角川文庫の再編短篇集2冊目。「睡魔の夏」は1971年の作品だが、書籍初収録。筒井作品に限らず、短篇集の場合表紙の絵(又は写真)が、どの作品をイメージしているのかわからないことがある。たいてい表題作なのだが、今回のようにテーマがある場合はそのテーマをイメージさせる表紙のこともあるのだ。これは“リビドー短篇集”⇒“性的衝動”⇒“禁断の果実”⇒“アダムの林檎”ということでリンゴのイメージだと思うのだが、間違いないとは思うのだが、タイトルが『陰悩録』だけに…ウーム。
『日本列島七曲り』より3篇、『ウィークエンド・シャッフル』『ホンキイ・トンク』『農協 月へ行く』より各2篇、『国境線は遠かった』『あるいは酒でいっぱいの海』『アフリカの爆弾』『革命のふたつの夜』より各1篇収録。
|
|||||
如菩薩団
ピカレスク短篇集 角川文庫 2006年8月25日
|
![]() 岡 達也 |
←角川文庫の再編短篇集3冊目。「傍観者」は1961年の作品だが、書籍初収録。
『にぎやかな未来』『バブリング創世記』『ホンキイ・トンク』より各2篇、『革命のふたつの夜』『ウィークエンド・シャッフル』『あるいは酒でいっぱいの海』『農協
月へ行く』『わが良き狼』より各1篇収録。
|
|||||
夜を走る
トラブル短篇集 角川文庫 2006年9月25日 |
![]() イラスト:小林孝亘 装幀:高柳雅人 |
←角川文庫の再編短篇集4冊目。「人類よさらば」は1961年の作品だが、書籍初収録。こりゃまた、えらく思い切ったデザインですな。
『にぎやかな未来』『アフリカの爆弾』『革命のふたつの夜』『ウィークエンド・シャッフル』より各2篇、『農協
月へ行く』『国境線は遠かった』『自選短篇集2 ショート・ショート篇 怪物たちの夜』『あるいは酒でいっぱいの海』『日本列島七曲り』より各1篇収録。
|
|||||
佇むひと
リリカル短篇集 角川文庫 2006年10月25日 |
![]() イラスト:岩崎智子 装幀:高柳雅人 |
←角川文庫の再編短篇集5冊目。今回は書籍初収録作品はなし。しかしこの高柳さんというデザイナーは、白いのが好きだなぁ。カバーイラストの岩崎智子氏は、実はなんと筒井氏のご長男・伸輔氏の奥様。画家夫婦なんですな。また解説の小池真理子氏は、『陰悩録』で解説を書いている藤田宜永氏の奥様で、こちらは作家夫婦。
『幻想の未来』『あるいは酒でいっぱいの海』より各4篇、『にぎやかな未来』『わが良き狼』より各3篇、『ウィークエンド・シャッフル』より2篇、『ホンキイ・トンク』『自選短篇集2
ショート・ショート篇 怪物たちの夜』『馬は土曜に蒼ざめる』『革命のふたつの夜』より各1篇収録。
|
|||||
くさり
ホラー短篇集 角川文庫 2006年11月25日 |
![]() イラスト:町田久美 装幀:鈴木久美 (角川書店装丁室) |
←角川文庫の再編短篇集6冊目。「大怪獣ギョトス」は1961年の作品だが、書籍初収録。ホラーという括りなので、同じ角川の『鍵』(1994年)と収録作がかぶりまくるのではないかと思ったが、意外に4篇と少なかった。まぁ『鍵』は絶版になっているから問題ないといえばないのだけど。
『にぎやかな未来』より8篇、『ウィークエンド・シャッフル』より3篇、『幻想の未来』『あるいは酒でいっぱいの海』『国境線は遠かった』より各2篇、『馬は土曜に蒼ざめる』『革命のふたつの夜』『アフリカの爆弾』『バブリング創世記』より各1篇収録。
|
|||||
出世の首
バーチャル短篇集 角川文庫 2007年3月25日 |
![]() イラスト:山口 晃 装幀:鈴木久美 (角川書店装丁室) |
←角川文庫の再編短篇集7冊目。2006年5月から11月まで毎月出ていた筒井作品の角川文庫だが、今回は少し間を置いている。7冊目ということで、各社から出ている再編短篇集のシリーズでは新潮文庫、徳間文庫の6冊を抜いて一番多くなってしまった。表題作は文庫初収録だが、『壊れかた指南』(文藝春秋・2006年)に収録されているのでそちらが文庫化されたときどうなるのか心配。心配してもしょうがないが。「傍観者」という題の短篇は同文庫の『如菩薩団 ピカレスク短篇集』(2006年)にも収録されているが別物で、こちらも1961年の作品ながら書籍初収録。
『馬は土曜に蒼ざめる』『日本列島七曲り』『わが良き狼』より各2篇、『ホンキイ・トンク』『ウィークエンド・シャッフル』『革命のふたつの夜』『バブリング創世記』より各1篇収録。
|
|||||
時をかける少女
角川つばさ文庫 2009年3月3日 |
![]() イラスト:いとうのいぢ |
←新しく創刊されたつばさ文庫の第一回配本の中の1冊。講談社でいえば「青い鳥文庫」のような位置づけか。文庫といっても新書サイズ。表紙イラストのいとう氏は「ハルヒ」シリーズのイラストレーターとして有名で、筒井氏とは「ファウスト」に連載の「ビアンカ・オーバースタディ」でのコンビ実績がある。
|
|||||
緑魔の町
角川つばさ文庫 2009年11月15日 挿画:白身魚 |
![]() イラスト:白身魚 |
←つばさ文庫2冊目の筒井作品。 |