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                  Eiji Oue 
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                  Elgar 
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                  | ヴォーン=ウィリアムズ作曲 | 
                  タリスの主題による幻想曲 | 
                 
                
                  | ブリテン作曲 | 
                  ヴァイオリン協奏曲作品15 | 
                 
                
                  | エルガー作曲 | 
                  エニグマ変奏曲作品36 | 
                 
              
             
             
              
             
            
              
                
                  大植はイギリス音楽が好きなのかもしれない。 
                  ドイツ音楽のように堅苦しくないし、フランス音楽のように軽くもない。 
                  どこか北欧を思い起こさせるような静けさやほの暗さを持つイギリス音楽。 
                  彼が大フィルと「スマトラ沖大地震」のチャリティーコンサートでも、アンコールとしてエルガーの“エニグマ変奏曲”の第九変奏<ニムロッド>を演奏しており、この曲をしばしば取り上げてるようである。 
                  また2004年の4月にドイツのハノーヴァーで、ヴェンゲーロフを独奏者に、ブリテンのヴァイオリン協奏曲をとり上げている。(FMで放送された) 
                  だからというわけではないけど、大植のイギリス音楽は期待していた。 
                   
                  まず、ヴォーン=ウィリアムズの「タリスの主題による幻想曲」 
                  弦楽合奏の曲だが、やや凝った編成にしてあり、弦楽合奏団と弦楽四重奏×2にコントラバス1という二つのグループに分かれている。そして弦楽合奏のトップ4人だけで演奏する部分もあり、いわば大・中・小の三つの弦楽アンサンブルによる曲、ということになる。 
                  聴いた印象は、弦楽合奏のエコーとして弦楽四重奏の響きをうまく使った音楽になっていたようだ。 
                  大フィルの弦は今や非の打ち所がないくらいうまくなっている。 
                  コンサート・マスターの長原幸太クンの音だけが突出することもなくなってきて、安心して聴くことが出来る。 
                   
                  ブリテンのヴァイオリン協奏曲。 
                  独走ヴァイオリンが非常に活躍する曲で、やや長いという印象を受けるが、北欧音楽をイメージさせるような暗さと激しさが交錯する。 
                  途中、ラフマニノフの交響的舞曲(4月に大植英次がとり上げた)を思わせる部分もあった。 
                  ホープのヴァイオリンは、とにかくうまい。テクニックは抜群だし、音楽も心地好く流れる。 
                  ただその音色が艶やか過ぎて、この曲には少しミスマッチングではないかな、もう少し厳しさがあればいいのに、と感じてしまう。 
                  前述のヴェンゲーロフのヴァイオリンのほうがこの曲の演奏にはあってる。 
                  ギドン・クレーメルがこの曲を弾けば一番ぴったりするのでは・・・・? 
                  ただ、このホープというヴァイオリニストは素晴らしい演奏家だと思う。 
                  モーツァルトやメンデルスゾーンの協奏曲を聴いて見たいと思う。 
                  それにしても大植英次のサポートはよかった。 
                  協奏曲の伴奏者として非凡な才能を持ってるとつくずく感じる。 
                   
                  そしてこの日の後半は、エルガー作曲「エニグマ変奏曲」(変奏曲「謎」)。 
                  メインテーマは、身構えることなくゆったりしたテンポで入る。ごく普通に音楽が静かに始まるので、時に物足りない気もする。 
                  でも変奏が始まると、少しづつ表情が着いてきて、音が物語を始めるようになる。 
                  第2変奏から音楽が大きく動き出して、物語を音で表現する交響詩のよう。 
                  この曲の一番の聴きどころは、第九変奏で「ニムロッド(Nimrod)」と呼ばれる曲。そしてこの曲に至るまでの2つ、第7&8変奏がその性格を際立たせる。
                   
                  第7変奏では、ティンパニーが躍動的な気分を作り、第8変奏ではクラリネットが穏やかな気分を作る。 
                  そして第九変奏は、夢見るような美しさと穏やかな中にも内に秘めた情熱を表現するような感動的な音楽。 
                  この部分をエルガーはこう語っている。 
                  「この変奏はある長い夏の夜の話を記録したものである。そのときの私の友人は、ベートーヴェンの音楽の荘厳さ、特に緩徐楽章のそれについて、実に堂々と雄弁に、彼ならではの話し振りで語ったのだった。」 
                  大植英次の演奏は、実にたっぷりとオーケストラを鳴らすだけでなく、入る前に一呼吸置き、ゆったりしたテンポで優美さとパッションを兼ね備えたものだった。 
                  そして、最終変奏(第14変奏)を圧倒的なオーケストラの力を見せ付ける迫力で締めくくった。 
                   
                  やはりこの曲には相当な思い入れがあったのだと思う。 
                  普段演奏会のメインのプログラムにする曲ではないと思うけど、前半のプロが結構充実したものだったから、これはこれでよかった。 | 
                 
                
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