本文へジャンプ XX月XX日 
MENDELSSOHN

RESPIGHI
第418回 定期演奏会

指揮 ドリアン・ウィルソン
ヴィオラ アントワン・タメスティ

メンデルスゾーン作曲 交響曲第1番ハ短調作品11
バルトーク作曲 ヴィオラ協奏曲
レスピーギ作曲 バレエ組曲「シバの女王ベルキス」



全く初めての指揮者で、名前を耳にしたこともない。
大フィルが決めた指揮者(音楽監督の大植が関与しているのかな?)、実力のある人なのだろう。
そんな不安も少し持ちながら聴いてみた。
若いメンデルスゾーンの曲は取り立てて魅力的というほどでもなかったが、演奏は悪くない。ごくオーソドックスにまとまった演奏と言える。
第2楽章の第2テーマはオーボエのチャーミングなメロディーで、大フィルの浅川さんの音はいつもながら心に沁みこんでくる。

バルトークのヴィオラ協奏曲は、第一楽章が非常に厳しく暗い音楽なので、全体としてはやや重い感じの曲。
ヴィオラという楽器自体、ヴァイオリンのような華やかな高音が無く、チェロのような重厚さも無いというやや中途半端な位置づけになりやすいが、このタメスティという人、演奏がうますぎて逆にインパクトが小さくなってしまう。
暗い音楽まで明るくしてしまうような感じだった。音が少し軽いと言う表現がいいかもしれない。
ただこの曲、古い録音のものを引っ張り出して何度か聴いてみたが、非常に厳しさのあるいい曲だと思う。バルトーク最晩年の作。
アンコールにこのタメスティーが弾いたのは、ヒンデミットのヴィオラ・ソナタから。圧倒的なテクニックに唖然とさせられた。
“舌を巻くような演奏”とはこれを言うのだろう。

最後のレスピーギのバレー曲は、オーケストラの醍醐味を味わわせてくれた。
大編成のオーケストラの威力を遺憾なく発揮させ、木管楽器も輝かしく活躍。
初めて聴く曲で、オーケストラの迫力を堪能するには最適の曲。
でも、圧倒的な迫力も、これでもかこれでもか!となってくると、少ししんどくなってくることも事実で、<定期演奏会>に組み入れるべき曲かどうか・・・・・?