トイレの水漏れ

一口にトイレの水漏れと言っても場所が問題です。
密結洋式トイレ(手洗い付・手洗い無し)・隅付ロータンク式洋式トイレ(手洗い付・手洗い無し)・隅付ロータンク式和式トイレ(手洗い付・手洗い無し)・ハイタンク式洋式トイレ・ハイタンク式和式トイレについて説明します。ブローアウト式のトイレについてはここでは述べません。
■水漏れの場所
1.水が便器外あるいは、床に漏れている時。
 A.パイプから水が漏れている。
  a.水道のパイプ(外径13mm)または、水道の止水栓(普通はアングル止水栓という物が付いています。)付近から漏れている。
   @水道のパイプ(外径13mm)の両端のねじ(ユニオンナットといいます。)からの水漏れ。
    @.タンク側のねじ部分からの水漏れ。――――→対処T
    A.蛇口側からの水漏れ。―――――――――→対処U
   A蛇口(アングル止水栓といいます)からの水漏れ。
    @.アングル止水栓の付け根付近からの水漏れ。→対処V
    A.アングル止水栓の回して止めるところ(回す取っ手が付いていなくて切れ込みのみが付いているのもあります。)
      の付け根から水が漏れる時。――――――→対処W
  b.太い管(外径32mmまたは38mm)の管から漏れている。
   @便器側のねじ部分からの水漏れ。―――――→対処X
   B途中のねじからの水漏れ。――――――――→対処Y
   Aタンク側のねじ部分からの水漏れ。――――‐→対処Z→対処XIII
  c.もっと太い管(外径100ないし120mm程度)から漏れている。→対処[
 B.便器と床の隙間から漏れている。――――――‐→対処\
 C.タンクから水があふれている。――――――――→対処]
 D.密結式タンクと便器の間から漏れている。―――→対処XI
 E.便所が詰まってあふれている。――――――――→対処

2.便器内に水は漏れている時(一般的に水が止まらないという時)。
 A.激しく水が便器内に流れ止まらないとき。―――→対処XII
 B.少しずつ流れ止まらない時。
  a.タンクの蓋を開けると中に水がいっぱいたまっている時。→対処XIII
  b.タンクの蓋を開けてみると中の水は、ちょうど良いぐらいか、
     ちょっと少しぐらいの水の量の時。――――→対処]W

   対処法一覧
 対処法の一般的注意事項
○修理を始める場合は、水道元栓(メーターボックス等にある水栓)を、閉めること。
○ねじ部分は、古い場合、錆や汚れのために回らなくなっている場合があります。無理に回すと破損してしまいパッキンゴムだけを交換する予定がすべて交換しなければならない場合があります。注意して固い場合は、破損のおそれのある部品を手元に置いて始めてください。下記にも述べてありますが洗浄管部分は、固着程度がひどいので注意ください。
○ねじ部分を破損しないようにしてください。プライヤーをねじにかけないようにしてください。
○修理に用いる道具は、ウオターポンププライヤーが要ります。モンキーレンチでも良い場合がありますが、挟める径が大きくなるとウオターポンププライヤーが必要です。通常2丁必要な場合が多いです。

■対処T
 ボールタップ付け根のユニオンナット部分の水漏れです。対処方法としては、先ずボールタップ付け根の取付ナットを、増し締めした後ユニオンナットを増し締めします。古い場合あるいは、水漏れが永い場合は、増し締めでは、止まりません。
ユニオンナットを外しパッキングゴム(以下パッキンと略します。本当は、ガスケットといいます。)を取り替えます。
パッキンの詳細及び取り替え方法は、ここを参照こと。
■対処U 
 蛇口に取り付いているユニオンナットからの水漏れは、まず増し締めしてください。古い場合あるいは、水漏れが永い場合は、増し締めでは、止まりません。パッキンを取り替えて下さい。 パッキンの詳細及び取り替え方法は、ここを参照こと。

■対処V 
 アンクル止水栓の付け根からの水漏れは、水道のメーター付近の止水栓を完全に止めた上、一度取り外し再度取り付けなければなりません。取り外したアングル止水栓のねじの部分にシールテープを右回りに8回ぐらい巻き付けます。それから有れば良いんですけど、ペンキ状のシール材を塗りつけ取り付けます。給水管との接合部は、パッキンを取り替え復旧ください。パッキンの詳細及び取り替え方法は、ここを参照こと。

■対処W 
 回すところの付け根から漏れている時は、そのねじを増し締めします。通常は、これで止まります。極めて古い場合あるいは、過去に強く増し締めされた場合は、止まりません。その場合は、対処法Vの方法に従って取り替えて下さい。

■対処法X 
 この管を洗浄管といいます。便器に取り付いている金具をスパッドといいます。スパッドが極めて新しい場合は、スパッドの便器側の取付ねじを先ず増し締めし、後に管側のユニオンナットを増し締めします。しかし少しでも古い場合は、この方法では、止まりません。取り替えなければなりません。先ずねじをゆるめて取り除くのですが、古いと固着して取れません。取れないからと言って無理やり取ると便器が割れてしまいます。金切り鋸で慎重に取り除いて下さい。スパッドの取付は、最初に組である順番にしたがって行って下さい。ゴムは、ゆっくりと締め水漏れがない所を適正圧とします。締め付けないようにして下さい。

■対処法Y 
 この部分からの水漏れは、少ないです。洗浄管のつなぎ部分のユニオンナットからの水漏れは、先ず増し締めを、行って下さい。しかし改善されない時は、パッキンゴムを、交換しなくては、なりません。その際には、対処法X・Y・Zを併せて行わなければなりません。ゆるめて交換下さい。しかしながらその際には、洗浄管も交換した方が良いと思います。洗浄管は、多少長めに売っていますので金切り鋸(本当は、銅管用のパイプカッターを使う)で切って下さい。変形させないように注意下さい。尚応急処置的に水止めのエポキシパテあるいはテープを使うことも出来ます。これが使えるのは、この部分の水漏れのみです。

■対処法Z 
 この部分の水が漏れる箇所は、2カ所あります。洗浄管とサイホン管との継ぎ目のユニオンナットからの水漏れは、先ず増し締めです。それでなおらない場合は、パッキングゴムの交換です。もうひとつの場所は、サイホン管とタンクのつなぎ部分です。この箇所から漏れることは、まずありませんが漏れていれば増し締めそして次ぎに交換です。

■対処法[ 
 トイレ自体にこの部分があることは、希です。継ぎ目の形式も種々雑多です。この部分の水漏れは、専門家に任せて下さい。

■対処法\ 便器と床の隙間から水が漏れるのは、深刻な問題です。床に付くフランジと便器の排水口の間には、不乾性ガスケットが挟み込まれています。不乾性ガスケットは、極めて優秀で漏れが起きることは、希です。しかしながら便器に異常な力がかかったりすると、水漏れする時があります。一日程度様子を見て下さい。自然に不乾性ガスケットがふくらんでなおることがあります。なおらない場合は、フランジが割れている場合や、種々の理由がありますので専門家に依頼ください。
 よく、便器と床の間にシーリングをされる方がいますが、無効です。

■対処法] 
 タンクからの水漏れは、大きくふたつの問題があります。
  ○手洗い付タンクの場合水の出し過ぎです。アングル水栓を、調整して適当な水量にしてください。
  ○ボールタップ(タンクに水がなくなると浮き球が下がり自動的に水が出る用にした装置)の故障です。浮き球が何かに引っかかって水が出っぱなしになってしまったためか、あるいは、ボールタップの内部に何か引っかかりが出来て止まらない場合に起こります。まずアングル水栓を止め、蓋を開けてじっくりと観察ください。浮き球が何かに引っかかっていないかどうか確認ください。
引っかかりが解れば改善ください。又極端な場合浮き球が、はずれていることもあります。ボールタップ内部の引っかかりの場合は、ボールタップを分解し、観察し引っかかり部分を改善することが出来ますが、多くの場合錆によるものです。初心者の方あるいは、又故障すると困る方は、交換下さい。交換の際は、パッキンの詳細及び取り替え方法は、ここを参照こと。

対処法XI
 密結式タンクと便器の間から水が漏れたことを、経験したことがありません。極めて大きなゴムがついており十分に密着しているために起こらないものと考えられます。しかしサイホン管本体を交換するためにこれを一度外した時、新しいゴムと替えなっかたばあい起こるかも知れません。対処法XIVで、サイホン管を替える場合は、入念に施工ください。
対処法XII
 この場合は、ボールタップの故障が考えられます。この場合の故障は、対処法X後段のボールタップの浮き球の引っかかりか、あるいは、ボールタップ内部の引っかかりが考えられます。→対処法Xを参照のこと。ボールタップの故障については、ここを、ご覧ください。
対処法XIII
 この場合も、ボールタップの故障が考えられます。浮き球が上がってピストンをてこの原理で押し上げ、座にゴムを押しつけて水を止めます。ゴムが経年変化で劣化して、うまく止まらなくなってしまう場合がこの故障です。ボールタップの故障については、ここを、ご覧ください

対処法XIV
サイホン管の故障です。ハイタンク以外は、サイホン管全体を替えることは、ありません。それについているフロートバルブを交換下さい。フロートバルブは、全体がゴムで出来ており経年劣化のため、サイホン管の”座(フロートバルブが当たるところ尾根状に丸くとがっている)”との密着性がなくなったために起こります。通常”座”は、プラスチックスで出来ていますので、フロートバルブ交換の時に目視・触診で”座”に欠損がないかどうか調べて下さい。普通は、傷があることは、ありませんのでフロートバルブだけの交換で済みます。

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