私が、柔構造プレハブ配管工法を学ばせていただいたプロジェクトの全景。
「芦屋浜シーサイドタウン竣工記念写真:1979/03」より
(現在の兵庫県芦屋市高浜町・若葉町)

ここでは、屋内外のタンクレス給水管・消火水管・排水管などの工事を担当。
阪神淡路大震災にも耐え、柔構造配管システムの耐震性が評価されています。
昭和基地にプレハブ配管を持ち込むに当たってこだわったのは、やはりその工法です。
満足しなければならない条件は、次の5項目です。
1.組立て時の工数が少ないもの。
2.可とう性を有するもの。
3.回転不漏であること。
4.現地で調整管を作る必要に迫られた時に、特殊な道具や器具,及び技能を必要としないもの。
5.メンテナンス時に容易に各パーツの交換が可能なもの。
・・・ということから、ハウジング形管継手(リングタイプ)を使う工法を採用しています。
ハウジング形管継ぎ手
昭和基地向けには、管端にC型鉄線リングを溶接し施工するタイプのハウジング形管継ぎ手を使用しています。
呼び径20Aから200Aまでの各サイズが用いられています。
内部流体に応じて、次のようにゴムリング材質を使い分けています。
■ EPR(エチレンプロピレンゴム):冷温水、不凍液
■ NBR(ニトリルゴム):燃料油、エンジンミストガス
ゴムリングの識別のため、ハウジングの色分け(EPR:青、NBR:赤)をすると共に、ゴムリング自体にもマーキング(EPR:白、NBR:黄)を施しています。 |

CDU型ジョイント |
CDU型ジョイント 接続断面図
■接続時に管同士に重なりがない。
⇒ 伸縮・曲がり・回転が可能である。
■管端の加工に熟練を要しない
⇒ C型鉄線リングの溶接は漏洩に関係が薄い。
⇒ 専用ゲージで位置決めし、簡単な一層盛りで可。 |
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TN継手とTNバルブ
バタフライ弁については、接続形状がC型リングのものがシリーズ化されているので、それを使用しています。
エルボやチーズといったフィッティング類もC型フィッティング(商品名:TN継手)として合理的に寸法設計されたものがシリーズ化されています。
計画当初は、防食を配慮してナイロンコーティングTN継手を採用の予定でしたが、管本体(ステンレス鋼鋼管)と仕様を合わせるために、通常の突合せ溶接継手を採用しました。
但し、TN継手との互換性を保つために、標準のフィッティング類は突合せ溶接継手に短管を足すような形でTN継手寸法に準拠させています。


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