![]() ▲ TOP PAGE 石川虚舟 俳句作品集 松尾芭蕉と老荘思想/朱子学 ▼ 夏炉冬扇 不易流行 不知利害 大弁若訥 色即是空 空即是色 阮宣杖頭 石川虚舟《 僊窩 》 |
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![]() 落ちる水 |
槌打てば岩にとけ込む春の風 蜂須賀や花散り行くも石碧し 春雨や岩の根萌ゆる小道哉 蜜蜂や桃李の花を梯子酒 花を添え若葉芳し山桜 柴山に雅いざなふ山つつじ 手のひらに凱旋門の薔薇の艶 藪陰や真気の炎ゆるさつき哉 野の苺侘しさこそが風味なり 落ちる水ゆるり緩りと夏の風 足竦む茨の花や細道に 椎の木や頼む思いは夏木立 きりぎりす吟うすすきに花簾 高砂のその名がゆかし山の百合 |
明日来れば虚になりなん木通哉 なにげ無く秋風抜ける蜘蛛の罠 岩さびて空即色の桔梗哉 秋雨や砂のせせらぎ石の間に 山澄みてあれに見えるは野菊哉 窩を出て蛇もそろりと萩の塵 野分きて爪痕残すこまざらい とぐろ巻く野分恐るる蝮哉 八咫烏奈良へいざなふ落葉哉 秋深し小鳥も食べぬ無名の実 遠路来て戯けてみせるジョウビタキ |