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石川虚舟/作品集
 
  
 
南郭子綦、隠几而坐、
仰天而息、・・・
 
南郭子綦が、肘掛けにもたれて坐り、
天空を仰いで太い息をはいた。・・・
 

『荘子』 内篇・斉物論篇・第二
 
 

  石川虚舟『天籟』2023 
 
  
子游曰、地籟則衆竅是己、
人籟則比竹是己、敢問天籟、
子綦曰、夫吹萬不同、而使其自己也、
咸其自取、怒者其誰邪、
 
子遊がいった、「地の簫(ふえ)はつまりもろもろの穴がそれですね、
人の簫はつまり竹管がそれですね、どうか天の簫のことをお教え下さい。」
子綦は答えた、「(地の簫も人の簫も、)そもそも吹きかたはさまざまで同じではないが、
(それらは、すべての穴や竹管)みなそれぞれ自分で音を出しているのだ。
すべてそれ自身で音が選ばれている。音を出させる者はいったい何者であろう(そんな者はありはしない)。」
 
  
『注』 音の出る原因を追求するのは世俗の立場である。 そうした因果の世界を超え出て、音の出る当体それ自らで鳴ると悟るとき、 そこに天籟の世界が開ける。天籟は、人籟地籟の外に別にあるのではなく、 それら現象の万籟の中に鳴りひびいているのであり、 それに耳を澄ます境地が坐忘の世界である。
 金谷治訳注『荘子』第一冊「内篇」(岩波文庫)
 
The wind, Nature's flute, sweeping across trees and waters, sings many melodies. Even so, the Tao, the great Mood, expresses Itself through different minds and ages and yet remains ever Itself.
Kakuzo Okakura, The Ideals of  the East, 1903, London.
 【註】 wind = 気/ Mood = 理
 ⇒ 岡倉天心 『理気説』
 
⇒  松尾芭蕉 「不易流行」
 
⇒  《幽闕園》