飛花落葉 松尾芭蕉と老荘思想 ▼ 夏炉冬扇 不易流行 不知利害 大弁若訥 色即是空 空即是色 阮宣杖頭 石川虚舟/俳句集 ![]() H O M E |
|
![]() 八咫烏奈良へいざなふ落葉哉 虚舟 |
|
師の曰、乾坤の変は風雅のたね也といへり。 静なるものは不変の姿也。 動るものは変也。 時としてとめざればとヾまらず。 止るといふは見とめ聞とむる也。 飛花落葉の散乱るも、 その中にして 見とめ聞とめざれば、 おさまることなし。 その活たる物だに消て跡なし。 ・・・ 句作に な(成)る と、 す(為)る とあり。 内をつねに勤めて 物に応ずれば、 その心のいろ句となる。 内をつね勤めざるものは、ならざる故に私意にかけてする也。 服部土芳 『 三冊子 』 (あかそうし) 『去来抄、三冊子、旅寝論』岩波文庫、p.103-104 問題は「その中にして」の一語にある。 飛花落葉を外から写すのではない。 ・・・ 物が物として見えてくるということは、 「物に応ずる」ということである。 唐木順三 『無常』 (ちくま学芸文庫)、pp.236-238 庭掃て出ばや寺に散(ちる)柳 芭蕉 先ほど掃き清めたばかりなのに、寺の庭に柳が散っている。 入れかわり立ちかわり宿泊する旅人は、落葉に似る。(虚舟) |
|