折り返し鍛錬
日本刀の材料である玉鋼を真っ赤になるまで熱し、叩いて薄く延ばします。
薄く延ばした玉鋼を積み上げゆっくりと加熱し個々の鋼の表面が融けてきた時に
叩くと鍛着して一つの塊になります。この塊を叩いて延ばしある程度の長さになっ
たら、タガネで切れ目を入れ二つに折り返してまた鍛接しては折り返すことを10〜
12回くり返します。
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造り込み(固め)
日本刀は硬さの異なる鋼を組み合わせて作っています。
これは“折り返し本三枚”という組み合わせ方です。
まず、心鉄(芯鉄)に刃鉄を鍛接して板状にし、その上に皮鉄を乗せて
鍛接して直方体にし、刃鉄と心鉄が内側になる様に折り返して
じっくりと沸かして一つの鋼塊にします。
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素延べ 火造り
刃金、皮金、心金(芯金)を組み合わせ鍛接した塊をバランスが
崩れない様に細心の注意を払いながら延ばしていきます。
所定の長さになったら刃を打ち出して刀の形にしていきます。
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荒地
火造りの終わった刀身はいったん全体を750℃まで赤めゆっくりと冷まし
その後ヤスリ掛けへと移ります。
刃→棟の順にヤスリをあてラインを整えます。
次に鎚で叩きねじれを取っていきます。
刀身をセン台に固定し鎬→刃の順にヤスリを掛けます。
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土置き
刀身の刃先にだけ焼きを入れ硬くする為に焼き刃土と呼ばれる粘土と粉炭と砥石の
粉を混ぜた物を刃先は薄くそれ以外は分厚くぬります。焼きが入って硬くなった組織
と焼きの入っていない軟らかい組織の境目がちょうど刃文となり土の塗り方によって
変わってきます。
これは関の孫六で有名な「三本杉」の土置きの様子です。最初、腰の開いた互の目
に塗り足土により小さな山を描いていきます。 |
焼き入れ
鋼は750℃位に熱し急冷すると硬くなる性質があります。
焼き刃土を塗ってよく乾かした刀身を750℃位まで熱し水(温度は皆違います)
に入れ急冷いたします。
焼き入れが済むとすぐに刀身を火床(ほど)にかざし粘りを出す為に焼き戻し
をします。
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これは、私が作った刀を使っての据え物斬りの様子です。
斬り手は薩南塩釜流居合道錬士七段の平山さんです。
茣蓙と竹の前半は全く固定しておらず、台に乗せているだけです。
刀は南北朝期の太刀を磨り上げした体配で長さが2尺1寸5分反りが5分2厘です。
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