回路がシンプルで電源がバッテリーだったりする金田明彦氏設計DCアンプの製作記事を「無線と実験」誌で見つけて作ってみたら、これが良い音のアンプとの出会いだった。アンプでこんなに音が変わるとは! 以来、製作記事が出るたびにいくつか作ってきた。これらDCアンプはスピーカーを変える! スピーカーをしっかり「ドライブ」しているから良い音がするのだろうと思っている。安いスピーカーでも音源の情報が溢れ、よい音楽がより良く聞こえる=より良く楽しめる。これは作るのも聴くのも癖になる音楽アンプだ。

自作オーディ オアンプ
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B級8W DC パワーアンプ

オーディオDCアンプシステム上巻

 バッテリードライブ式

 (完成:1991年)

終段トランジスタ:2N3055/MJ2955

電源: ±15V(Nationalネオ黒単一×20個)、レギュレータなし。

 

現在も現役活用中。寮生活の時は車の中でポータブルCDと直結して使っていた。

刺激が少ないクリアな音。長時間聞いても耳が疲れない。これこそ音楽に没頭できる最高のアンプかもしれない。(電池の消費だけが気になるが)

今となっては2SC9592SA606はもう入手困難なので、再製作は不可能だろう。

名機といわれる2SA649/2SD188が手に入れば終段を換装して聞いてみたいものだ。

 

ケース内部

 

電源トランスレス6C33C-B DCパワーアンプ

(No.125)

無線と実験1994/12

 

終段管:6C33C-B×4 (OTL

 

初段EF86に安い代替管を使ったため安定度が悪く、短命に終わった。オール真空管でDCアンプは難しい。(ペアマッチングを厳密にとる必要があるのだろう)

FET+6C33C-BハイブリッドDCパワーアンプ(No.140)

無線と実験1995/12

 

 

終段管:6C33C-B×4 (OTL)

No.125をつぶして製作。比較的安定していて一時期はメインで使っていたが、発熱がすごいので冬季専用だ。

ある日、バチッ! と片chの真空管が飛んで、直後に電圧増幅段も引きずられて昇天 した。

(真空管内部でカソードのリードが切れていた。グリッドに入っている75Ωが焼け切れていた。凄まじい壊れ方をするものだ。幸いなことに、このときの6C33C-Bにスピーカーを飛ばす力は無かったようだ)

 

UHC MOS-FET DC パワーアンプ

(No.143)

無線と実験1996/9

 

終段FET: 2SK851

電源:+50V/±36V (3電源)

 

パワー段の調整が難しかった。すぐにバランスが崩れて、まだ音を出す前の2SK851がことごとく飛んでしまった。ドライブ段を慎重に調整した後、パワー段に電源をかけることが必要。

さすがにパワフル。オールFETらしく全体的にクリアな音ではある が、やや冷たい感じ。

 

悲劇は起こった。家の者がつけっぱなしにしていたら、片方のスピーカから音がしなくなっていた。

2SK851が飛んでいた。しかも、スピーカまでも・・・・

 

CDラインアンプ

(No.168)

無線と実験2002/6

 

(完成:2005年4月29日)

 

 

後に2Way用チャンネルフィルタを内臓

初段:2SK246BL

2段目:2SC959

電源:±27V

 

昔作ったバッテリードライブDCアンプの残骸から貴重な2SC959やV2Aコンデンサを取り出して使用。ゲイン可変VRは指定外だが手持ちの100kΩ ALPUSデテントを使用。製作記事は別電源構成だが、 一回り大きいケースにして電源もまとめた。いま使っているプリアンプ(コントロールアンプ)からの出力をバイパスする入力を設けて、ラインアンプ出力とリレーで切り替えるようにした。電源オンでラインアンプ出力に切り替わる。

【製作履歴】

 

6C33C-BハイブリッドDCパワーアンプ

 

オーディオDCアンプ製作のすべて(下巻)

 

(完成:2005年5月17日)

 

  

初段:2SK117BL

2段目:2SC1967

終段管:6C33C-B×4 (OTL)

 

電源:+207V/-290V(ドライブ段)、±160V (パワー段)

DC検出保護回路付き

 

No.140を作り直した。粘り強い低音を備え、なかなか良い雰囲気を出す。暑い夏季に使うとアイドリングの上昇が不安。

 

 

 

 

【製作履歴】

 

 

Tr. DC パワーアンプ

No.143+No.139参考)

 

(完成:2005年11月5日)

  

初段:2N3954A/カスコード2SC1775A/定電流2SC1775A

2段目:2SA606 (2SA606カスコード付)

ドライブ段:2SC959

終段:2SD217

電源:+50V/±36V (変更なし)

 

 UHC MOS-FETでなくてもバイポーラTr.でもよい音は得られるのでは? と思い、No.143を改造して作った。古いTr.が完全対称回路によってスピーカの強制ドライブ力を得て絶妙の響きを作る。一方で、熱暴走という暴れ馬がいつ現れるか怖いアンプ。

  

【製作履歴】

AQ-1004

 (Antique Sound Lab 製)

 

 2006年1月5日修理

 

 

  

初段、ドライブ管  12AU7 

終段管 EL34 pp

 

思いがけず、ある人から譲り受けた。

ただしもらったときは電源トランスなし、EL34片ch分なしであり、レストアした。この回路が面白い。終段は普通のプッシュプルだが、初段とドライブ段は双三極管による差動増幅回路。これこそ形の上では完全対称回路だ。

 

 

 

【修理記録(restoration record)】

 

バイポーラTr出力段 DC パワーアンプ

No.186 + No.188

無線と実験2006/2 & 2006/7

 

 

(完成:2008年1月20日)

 

 

初段:2SK177BL/カスコード2SC1775A/定電流2SC1775A

2段目:2SA606/定電流2SC4578

ドライブ段:2SC1161

終段:2SC681

電源:+100V/-120V(初段&2段目)、±36V(出力段)


秘蔵(?)のメタルCANトランジスタの出番だ。コストダウンのために電源を既設から分岐して足りない分だけを作る。

 

オリジナルからの変更点

・ 電源はダイオード整流。+100Vにはレギュレータを入れた。6AK5による誤差アンプなので立ち上がりの時間遅れを考慮して、終段電源の供給に電子式オンディレイ回路を使用。

 初段と2段目のマイナス電源は共通化し-120Vとする。

  MFB-Controlの省略

 
詳細

 

MCイコライザアンプ

(完成:2008年12月29日)
 

MC初段:2SK97/カスコード2SK246/定電流2SK246

MC2段目:2SJ103, 3段目:2SK117

 

アナログレコードの音を金田式で聞いてみたい。とりあえずMCイコライザをつくって、CDラインアンプにつないでみた。CD入力時のフラットアンプは反転入力だが、CD入力は非反転入力とする。


レコードプレーヤに組み込んだ。


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DAコンバータ

無線と実験2008/3&4

   

(完成:2008年7月26日)

 

DAI: CS8416 , DAC: PCM1794

IVC出力: 2SA606

DSC出力: 2SC959

 

アンプではないが、デジタル処理後のアナログ出力にDCアンプを使っている。

デジタル部は既製の配布基盤を使用した。

詳細

ハイブリッド DC パワーアンプ
(No.197mod)
無線と実験2008/6&7
(完成:2008年10月13日)

初段:5702WB/定電流2SC1775A

2段目:2SA606/定電流2SC4578

ドライブ段:2SC11612N1893 2SD297

終段:2SC618 2SD218

電源:+100V/-120V(初段&2段目)、±36V(出力段)


初段に真空管(サブミニチュア管)を使ったもの。真空管らしい柔らかい音とTrの緻密な音が合体した。オリジナル回路から2段目定電流を廃した代わりに温度補償を工夫した。

詳細

真空管DCパワーアンプ
(No.193)
無線と実験2007/7&8

(完成:2009年8月12日)

初段:404A/定電流2SC1775A

2段目:2SA1967/定電流2SC4578

終段:6C19P-Bパラ

電源:+200V/-16V(初段)、+200V/-330V(2段目)、±160V(出力段)

All TubeのDCアンプ。Tr.アンプに劣らず緻密な音を出す。OTLだが安定している。

電源は別シャーシ。GZ34、6BY5Gの整流管を使用。

詳細

ヘッドフォンアンプ
(No.204)
無線と実験2009/10

(完成:2009年10月4日)

初段:FD1840/定電流2SK246BL

2段目:2SA872

ドライブ/終段:2SC1478/2SA606

電源:±6V (乾電池)


詳細
真空管プリアンプ
(No.194変)
無線と実験2007/10&11

(完成:2009年11月21日)

初段:5670W/定電流2SD756

2段目:2SA1967

終段:5670W

電源:±120V

初めての真空管プリアンプ。双3極管のGE製5670Wを使ってみた。

詳細

MCイコライザーアンプ
(No.198より)
無線と実験2008/9

(完成:2010年5月30日)

初段: 2SK97, 初段定電流 2SK246BL,
2段目: 2SJ103BL
出力段: 2SC959
電源:±24V

レコードプレーヤに組み込んだMCイコライザアンプを改造して独立ケースに入れた。

詳細
6BQ5pp 全段差動パワーアンプNEW
Made in U.S.A.

(完成:2010年11月6日)


初段: 6DJ8, 終段 6BQ5

赴任先のアメリカで手軽に使える真空管アンプが欲しくなり、作ってみた。
部品は国内の通販で調達した。
シャーシの材料はデパートで購入した「まな板」(アカシア材)。

日本から持ってきた道具はドライバーとニッパーとワイヤストリッパーだけ。そのほかに必要な道具はこっちで調達した。

USB入力のDAコンバータを内蔵したので、PC音源の再生も可能。

詳細

 

 

 

 

3Wayスピーカシステムの製作】

Triangle(仏)製ユニットによるスピーカシステムキットを利用。エンクロージャは添付されている推奨図面に基づき別途材料調達し製作する。クロスオーバネットワークはユニットに付属。

構成: チタンドームツィータ×1 + 15cmスコーカ×115cmウーハ×3

製作過程詳細

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【2Wayマルチシステム化の試み】

高音: B8W DCパワーアンプ(バッテリー駆動)+ツィータ(Fostex: FT90A

低音: Tr.DCパワーアンプ+ウーハ(JVC: SX-500DE20cmユニットのボスコイル端子からダイエイ30芯を引き出し)

 

ツィータ(FT90A)の推奨クロスオーバが7kHだが、SX-500DEはカタログによるとクロスオーバ設定は3kHzである。しかもフィルタが-6dB/octと緩慢特性なので到底まともにはつながらないがクロスオーバを4kHzに選んだ。

 

ツィータは安くてもホーン型が良いということなので価格が手ごろなFT90Aにしたが、スーパーツィータなのでウーハとの組み合わせは本来の使い方ではない。しかし、SX-500のツィータとは比べ物にならないほど音が3次元的になった。しばらくは高音のレベルあわせで試行錯誤がいりそうだ。バッテリー駆動アンプの再登場だが高音専用にしたことで電池の持ちが良いことに期待している。Vnの高音が艶っぽくなったが、音量を大きくするとTpffはうるさい。ウーハがどこまで高音を出せるか未知だが、ツィータに負担がかかっているようなのでクロスオーバfはもう少し上げたい。

2005/12/12

しばらく聞いていたがどうも不自然だ。力強さがない。かといって音量を上げるとうるさい。試しにもとのシングルアンプに戻すとこっちのほうがよっぽど良い。スーパーツィータとのつながりが悪いのだろう。 そこで、低音側のスピーカをウーハ単体から2Wayネットワーク式に戻してみた。(それから低音のフィルタのクロスオーバf7kHzに上げた。) 高音側のアッテネータは、CDを聞きながら高音がやかましく鳴り出す少し下にセット。それから、スーパーツィータの位置を前後させると、明らかに音圧が豊かになるポイントがある。高音と低音(中音)の波が絡み合うような感覚とでも言えようか。結果、Vnの高音がやかましくならずに滑らかに響くようになった。全体の躍動感もある。これは気に入った。

 

 

 

 

 

初段FETの静特性測定】

   VDSNPN Tr.によるカスコードにて約6Vに固定。ゲートに直列に抵抗を入れてゲート漏れ電流を制限する。(測定回路

 

        測定結果

 

         2SK30GR  

         2SK246GR         K30と似た性特性

         2SK117BL  

         2N3954A            もともとのIdssがかなり小さい。

         FD1840      22N3954Aと似た静特性

 

 

 

 

 

 

【7本より線の作り方】

  1. モガミシールドケーブル2497の外皮を1015cm剥く(短いほうが失敗が少ない)
  2. シールドの素線を一本ずつ端をラジペンでつかんで 引っ張って伸ばす(数ミリ伸びてピンとなる)
  3. まっすぐになった素線7本を切り離し、束ねて端をねじって半田めっきする。
  4. ダイエイ30芯を3cmくらい切って端を5mmくらい剥いたものを作り(ヨリハンドル)、上記素線のねじり端に半田付けする。(お互いの中心線をあわせてくっつけること)
  5. ねじっていない素線端の長さをニッパーで切りそろえる。(先が曲がっていると、よっているときに絡みつく)
  6. 素線の根元を左手でしっかりつかみ、ヨリハンドルを右手で回しながら徐々に左手を根元から先に向かって滑らせていく。
  7. 全体に均等なヨリができたら、先端を引っ張りながらさらにねじりをかける。
    (中心の一本だけが飛び出して後の6本がきれいにねじれると成功。うまくできると快感になる)

 

 

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