交流回路
正弦波交流
≪正弦波交流≫
正弦波交流を通常sin関数で表現される。
正弦波交流=A sin(ωt±θ)
A : 最大値 ω : 角周波数 t : 時間 θ : 位相差
≪周波数 f≫
1秒間に繰り返される波のサイクル数。
単位は、Hz(ヘルツ)
≪周期 T≫
繰り返される波1サイクルに要する時間。
単位は、s(秒)
≪周期(T)と周波数(f)の関係≫
![周期[T]と周波数[f]の関係](../me2/img/syuuhasuu01.gif)
≪振幅(最大値) Vm≫
基準となる0[V]から一番大きい値。
≪尖頭値 p-p≫
正の最大値から負の最大値までを尖頭値または、ピークピーク値という。
尖頭値=2×最大値 で表される。
≪実効値≫
電力を計算する時に直流と同じ計算で求められるよう定めたもの。

≪平均値≫
正又は、負の半サイクルのどちらかの面積を平均化した値。

≪角周波数 ω≫
1秒間に円周上を進む角度。
単位は、rad/s(ラジアン毎秒)
1秒間に回転数を表す周波数fと1回転の角度が2π[rad]より、
角周波数ω=2πf で表される。
≪位相差 θ≫
2つの交流波形の間にある時間的なズレ。
直流と交流
正弦波交流
インピーダンス
交流電流の流れにくさをインピーダンスという。
≪抵抗・コイル・コンデンサの関係≫
| 抵抗 | コイル | コンデンサ− |
直流(低周波) | 一定 | 電流通しやすい(|Z|=小) | 電流通し難い(|Z|=大) |
交流(高周波) | 一定 | 電流通し難い(|Z|=大) | 電流通しやすい(|Z|=小) |
位相(電圧と比較) | 同相 | 電流は90°遅れる | 電流は90°進む |
リアクタンス [Ω] |  |  |  |
インピーダンス
LR直列回路とCR直列回路
LR直列回路 | | | CR直列回路 |
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|  |
≪回路全体の電圧 (ベクトル図を用いて)≫ | ≪回路全体の電圧 (ベクトル図を用いて)≫ |
| ※ 直列回路のため電流を基準


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| ※ 直列回路のため電流を基準


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≪回路全体のインピーダンス≫ | ≪回路全体のインピーダンス≫ |
|  | |  |
≪回路内の電流≫ | ≪回路内の電流≫ |
|  | |  |
≪時定数≫ | ≪時定数≫ |
|  | |  |
LCR直列回路
≪回路全体の電圧 (ベクトル図を用いて)≫
直列回路のため電流を基準
(∵直列回路に流れる電流はLとC、Rのインピーダンスに関係なく等しい)
 

≪回路全体のインピーダンス≫

≪電流≫

≪共振周波数≫
『 XL=XC 』の状態を特別に共振と呼び、その時の周波数を共振周波数と呼ぶ。


≪共振時のコイルとコンデンサの電圧≫
共振時のコイルとコンデンサの電圧は、位相は180°異なるが大きさは等しい

LR並列回路とCR並列回路
LR並列回路 | | | CR並列回路 |
|  |
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|  |
≪回路全体の電圧 (ベクトル図を用いて)≫ | ≪回路全体の電圧 (ベクトル図を用いて)≫ |
| ※ 並列回路のため電圧を基準


|
| ※ 並列回路のため電圧を基準


|
≪回路全体のインピーダンス≫ | ≪回路全体のインピーダンス≫ |
|  | |  |
≪回路内の電圧≫ | ≪回路内の電圧≫ |
|  | |  |
LCR並列回路
≪回路全体の電流 (ベクトル図を用いて)≫
並列回路のため電流を基準
(∵並列回路に流れる電流はLとC、Rのインピーダンスに関係なく等しい)
 

≪回路全体のインピーダンス≫

≪回路全体の電圧≫

≪共振周波数≫
『 XL=XC 』の状態を特別に共振と呼び、その時の周波数を共振周波数と呼ぶ。

微分回路と積分回路
微分回路 | | | 積分回路 |
| ≪CR回路≫ |
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| ≪RC回路≫ |
| 微分回路のひとつに抵抗(R)とコンデンサ(C) を直列につなぎ抵抗(R)を出力とするCR 回路がある。
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| 積分回路のひとつに抵抗(R)とコンデンサ(C)を直列につなぎコンデンサ(C)を出力とするRC 回路がある。
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≪微分回路≫ | ≪積分回路≫ |
| 入力の時間微分(変化、傾き)を出力する回路を微分回路という。 |
| 入力の時間積分(面積)を出力する回路を積分回路という。 |
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≪CR微分回路の周波数特性≫ | ≪RC積分回路の周波数特性≫ |
|  低周波成分では、コンデンサ(C) のインピーダンスがほぼ∞に増大し、コンデンサに電圧が大きくかかり、出力の抵抗(R)には電圧の出力は小さくなる 高周波成分では、 コンデンサ(C) のインピーダンスがほぼ0に近くなり、コンデンサにかかる電圧が小さくなり、出力の抵抗(R)には電圧の出力が大きくなる。 つまり、低周波成分では入力に対する出力は小さくなり、高周波成分では出力は大きくなる。
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|  低周波成分では、コンデンサ(C) のインピーダンスがほぼ∞に増大し、出力のコンデンサから大きな電圧が出力される。 高周波成分では、 コンデンサ(C) のインピーダンスがほぼ0に近くなり、出力のコンデンサから電圧が出力されなくなる。 つまり、低周波成分では入力に対する出力は大きくなり、高周波成分では出力は小さくなる。
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≪時定数 (τ)≫ | ≪時定数 (τ)≫ |
| 微分回路に直流定電圧を入力し、時定数(τ)に相当する時間が経過したとき、出力波形は、立ち上がった後、37%まで下がった高さにある。 @ τが短い(小さい) : 急激に立ち下がる →応答が速い A τが長い(大きい) : ゆっくりと立ち下がる →応答が遅い
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積分回路に直流定電圧を入力し、時定数に相当する時間が経過したとき、出力波形は、63%まで立ち上がった高さにある。 @ τが短い(小さい) : 急激に立ち上がる →応答が速い A τが長い(大きい) : ゆっくりと立ち上がる →応答が遅い
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≪フィルター≫ | ≪フィルター≫ |
| 微分回路は、低周波成分をあまり通さない特性を持つため低域遮断フィルタあるいは、高域通過(ハイパス)フィルタでもある。 ここで、出力が入力の となる周波数を低域遮断周波数flといい、時定数τとの間に以下の関係がある。


時定数が大きい程、低域遮断周波数が低くなる。 →低域周波数を拾いやすい。 時定数が小さい程、低域遮断周波数が高くなる。 →低域周波数はカットされる。
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| 積分回路は、高周波成分をあまり通さない特性を持つため高域遮断フィルタあるいは、低域通過(ローパス)フィルタでもある。 ここで、出力が入力の となる周波数を高域遮断周波数fhといい、時定数τとの間に以下の関係がある。


時定数が大きい程、高域遮断周波数が低くなる。 →高域周波数はカットされる。 時定数が小さい程、高域遮断周波数が高くなる。 →高域周波数を拾いやすい。
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時定数
時定数 (計測機器的)
微分回路
積分回路
微分回路(オペアンプ)
積分回路(オペアンプ)
フィルター
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