電気回路編 その3

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  未熟な左手が作った第2種MEの電気回路に関するノートです。
誤りがございましたら、ご連絡下さい。


パルス波形

パルス波形

  広い意味では、非正弦波を示しますが、ここでは、基本的な方形パルスについて説明します。
この方形パルスは、高周波成分(急激に上下に変化している部分)と低周波成分(上下の変動が小さい分)をあわせもつため、回路の周波数特性を知るのに適しています。(右図参照)



時定数 τ

時定数とは

  時定数とは、回路の応答の速さを表す一つの指標です。

≪単位と記号≫

  記号は“τ (タウ) ”、単位は“ s(秒) ”で表されます。


≪抵抗とコンデサの直列回路と時定数≫

  抵抗(R)とコンデンサ(C) を直列につないだ回路では、RCが時定数(τ)となります。
   時定数(τ)=R(Ω)×C(F)
これが大きい(長い)と回路の応答が遅く、逆に小さい(短い)と回路の応答が速いといえます。
計測機器の時定数



微分回路

  入力の時間微分(変化、傾き)を出力する回路を微分回路といいます。
微分回路のひとつに抵抗(R)とコンデンサ(C) を直列につなぎ抵抗(R)を出力とするCR 回路があります。

CR微分回路の周波数特性


CR微分回路の周波数特性

CR微分回路の周波数特性

  直列回路であるため、インピーダンスの大きさに比例して電圧は分配されます。
直列回路内での電圧

≪低周波成分≫

  低周波成分を入力するとコンデンサ(C) のインピーダンスがほぼ∞に増加するため、コンデンサ(C) に電圧が大きくかかり、出力の抵抗(R)には電圧の出力は小さくなります(∵抵抗(R)のインピーダンスは一定でそれ程大きくないため)。

≪高周波成分≫

  高周波成分を入力すると コンデンサ(C) のインピーダンスがほぼ0に近くなるため、コンデンサ(C) にかかる電圧が小さくなり、出力の抵抗(R)には電圧の出力が大きくなります(∵抵抗(R)のインピーダンスがコンデンサ(C)のインピーダンスに比べると大きくなるため)。


微分回路

  この抵抗を出力とするCR 回路にパルス波形を入力するCR回路の周波数特性よりと立ち上がり(変化の大きい)の高周波成分では、入力電圧のほぼ100%出力されますが、平らになった(変化の小さい)低周波成分では、出力は低下していきます(下図参照)。
このようにこの抵抗を出力とするCR回路は、入力の時間微分(変化、傾き)を出力する回路といえます。
  CR微分回路

CR微分回路の時定数

時定数 τ

  微分回路に直流定電圧(例えば、電池)を入力(Vi)した時、出力波形(Vo)が急激に立ち上がった後、37%の高さまで下降するまでの時間が微分回路の時定数(τ)に相当します。

≪時定数τと応答≫

 @時定数(τ)が短い(小さい) : 急激に下降する    →応答が速い
 A時定数(τ)が長い(大きい) : ゆっくりと下降する   →応答が遅い
  (右図参照)


フィルター

  この微分回路は、変化の小さい低周波成分をあまり通さず、変化の大きい高周波成分をよく通す特性を持つため低域遮断フィルターあるいは、高域通過(ハイパス)フィルターでもあります。

≪低域遮断周波数 fl≫

  出力が入力の1/√2(−3dB)まで低下した周波数を低域遮断周波数flといいます。
◎低域遮断周波数flより小さい周波数

  入力電圧と比較して出力電圧低下(Vo/Vi<1)して出力されていることから、低域周波数時の出力電圧を抑える低域遮断フィルターとして働いていることがわかります。(下図参照)

◎低域遮断周波数flより大きな周波数

  入力電圧がそのまま出力電圧(Vo/Vi≒1)となっていることから、高域周波数時の出力電圧をそのまま出力する高域通過フィルターとして働いてることがわかります。(下図参照)

低域遮断フィルター

≪低域遮断周波数flと時定数τ≫

  低域遮断周波数flと時定数τとの間には以下の関係が成り立ちます。
   fl=1/2πτ=1/2πCR
これは、
  時定数が大きいほど、低域遮断周波数が低くなる  →低域周波数を拾いやすい。
  時定数が小さいほど、低域遮断周波数が高くなる  →低域周波数はカットされ、低周波雑音が入り難くなる。
ことを示します(下図参照)。
このことから、心電図などの計測器では時定数を大きくすると低周波雑音が入りやすくなります。
逆に、時定数を小さく(低域周波数カット)すると雑音は少なくなりますが、小さくしすぎると低域の周波数をカットしすぎ低周波波形(例;T波、ST波等)が歪みます。

低域遮断周波数flと時定数τ


積分回路

  入力の時間積分(面積)を出力する回路を積分回路といいます。
積分回路のひとつに抵抗(R)とコンデンサ(C)を直列につなぎコンデンサ(C)を出力とするRC 回路があります。

RC積分回路の周波数特性


RC積分回路の周波数特性

RC積分回路の周波数特性

  直列回路であるため、インピーダンスの大きさに比例して電圧は分配されます。
直列回路内での電圧

≪低周波成分≫

  低周波成分を入力するとコンデンサ(C) のインピーダンスがほぼ∞に増加するため、出力のコンデンサ(C) の出力電圧が大きくなります(∵抵抗(R)のインピーダンスは一定でそれ程大きくないため)。

≪高周波成分≫

  高周波成分を入力すると コンデンサ(C) のインピーダンスがほぼ0に近くなるため、出力のコンデンサ(C) の出力電圧は小さくなります(∵抵抗(R)のインピーダンスがコンデンサ(C)のインピーダンスに比べると大きくなるため)。


積分回路

  コンデンサーを出力とするRC 回路にパルス波形を入力するRC回路の周波数特性よりと立ち上がり(変化の大きい)の高周波成分では、入力電圧は、出力されませんが、平らになった(変化の小さい)低周波成分では、出力は徐々に増加していきます (下図参照)。
このようにこのコンデンサーを出力とするRC回路は、入力の時間積分(面積)を出力する回路といえます。
  RC積分回路

RC積分回路の時定数

時定数 τ

  積分回路に直流定電圧(例えば、電池)を入力(Vi)した時、出力波形(Vo)が立ち上がり、63%の高さまで上昇するまでの時間が積分回路の時定数(τ)に相当します。

≪時定数τと応答≫

 @時定数(τ)が短い(小さい) : 急激に上昇する    →応答が速い
 A時定数(τ)が長い(大きい) : ゆっくりと上昇する   →応答が遅い
  (右図参照)


フィルター

  この積分回路は、変化の小さい低周波成分をよく通し、変化の大きい高周波成分をあまり通さない特性を持つため低域通過(ローパス)フィルターあるいは、高域遮断フィルターでもあります。

≪高域遮断周波数 fh≫

  出力が入力の1/√2(−3dB)まで低下した周波数を高域遮断周波数fhといいます。
◎高域遮断周波数fhより小さい周波数

  入力電圧と比較して出力電圧(Vo/Vi≒1)となっていることから、低域周波数時の出力電圧をそのまま出力する低域通過フィルターとして働いてることがわかります。(下図参照)

◎高域遮断周波数fhより大きな周波数

  入力電圧がそのまま出力電圧低下(Vo/Vi<1)して出力されていることから、高域周波数時の出力電圧を抑える高域遮断フィルターとして働いていることがわかります。(下図参照)

低域遮断フィルター

≪高域遮断周波数fhと時定数τ≫

  高域遮断周波数fhと時定数τとの間には以下の関係が成り立ちます。
   fl=1/2πτ=1/2πRC
これは、
  時定数が大きいほど、高域遮断周波数が低くなる  →高域周波数はカットされ、高周波雑音が入り難くなります。

  時定数が小さいほど、高域遮断周波数が高くなる  →高域周波数を拾いやすくなります。
ことを示します(下図参照)。

低域遮断周波数flと時定数τ





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