娘の事 

NO.7

写真には元気に写っていましたが 式の間中 ほとんど花嫁さんの
控え室にいて 食事もほとんど食べられなかったんです。
写真の時だけ 出てきて写っていました。
でも、無事に出席できて 本人も私達家族もホッとしました。

有馬、岡山と小倉の3回の旅行で ずいぶん自信がついてきました。
電車と地下鉄に乗って 大阪の本町にあるイトキン本社のバーゲンに行ったり
お昼のランチに行ったり 少しづつ行動範囲が広まってきました。
5月の末には 息子一家が来て 結婚式には来てもらえなかった 親戚の方たちとの
お食事会もありました。 5日ほどの滞在でしたが 間近で赤ちゃんに接する事がなかったので
とまどいながらも  優衣ちゃんの世話をこわごわしていました。

少しづつ 社会にも出て行けるかなぁ・・・と 思い始めた頃 鍼の先生に
「もう、仕事を探して 働いても大丈夫ですよ。」と言われました。
娘は不安もありましたが 社会に出て行きたいという気持ちも 大きくなっている頃でした。
寝ている間に取った 医療事務の資格を使って仕事を探し始めました。
3件ほど履歴書を出して 面接にも行きました。
午後からの診療が終るのが 皆遅い時間で 自宅からバスと電車を乗り継いでいかないと
いけない所ばかりだったので 帰りが遅くなって 自分の体のリズムをうまく取れないといって
鍼の先生や アロマの人に相談していました。

二人とも 医療事務にこだわらないで 自分の出来ることから
始めたら良いと アドバイスしてくれました。
できるだけ 生活のリズムのとりやすい仕事が良いといってくれました。
それで9時〜5時の仕事を探し始めました。

新聞の折込に載っていた 小さな不動産屋さんの事務の仕事の面接に行きました。
週5日の仕事を 週4日にしてもらえるように頼んできたと 娘は帰ってきました。
そこは家からバスで 20分ほどで 後は歩いて23分くらいのところでした。
週5日でないとダメと一度は断られたんだけど 週に4日でも良いからと
電話がありました。 電話があったのが ちょうど主人が定年になって会社をやめる
その日でした。「なんということでしょう・・・・」という感じで そこに行く事にしました。
鍼の先生に報告すると 23分の歩きが ちょうどリハビリにもピッタリとのことで
6月17日から 働き始めました。毎日お弁当とお茶を持って通っています。

6月21日に 私はネット友達とのオフ会がありました。
詳しくは Bell Treeのオフ会レポートの"大阪ミニオフ会"に載っていますが
そこへ行くのに車で 娘の仕事場の前を通った時に
「ア〜〜いま、娘がここで仕事してるんだぁ・・・
トイレに行くにも つたいながらやっと行けてたあの子が働いてるぅ・・・・」
と思うと もう涙が出て 運転するのも危ないので 道の隅に止めて
しばらく涙が止まりませんでした。

娘にとって2年10ヶ月ぶりの世間なので 緊張の連続でしたが
ゆっくりお風呂に入って リラックスしながら 頑張っています。
この頃は 「良かったね」 「良かったね」の言葉が毎日のように
娘からも 私たちからも出ています。

改めて先生に娘の病名を聞いて見ると <自律神経失調症>とのことで
少しづつ肝臓も腎臓も悪かったそうです。
でも、数値には出てこなくて 今悪くならなくても 必ずいつかは
今みたいな状態になるんだそうです。

結婚してからとか 子供を産んでから 今みたいな状態になったら
ゆっくり寝ている事も出来ないし もっと治りは遅くなると言われました。
本人も学生の間だと 学校を休むのは嫌だし いい時期に病気になったと
よかった!よかった!といっています。

娘が言うには 「今まで 体が一杯いっぱいだったから(自覚してなかったけど)
いろんなことに 感情も薄くて 感激したり本気で怒ったり 泣いたりもなかった。
旅行したい所もなかったし 映画に行きたいとも思わなかった。趣味もなかったし
本も本気で読みたいとも思わなかったし 勉強したいとも思わなかった。
いまは、行きたい所もでてきたし 映画やミュージカルの舞台も見てみたい。
ゆっくり自分のしたいことを探して ずっと続けられる趣味も持ちたい。」
こんな風に 言うようになってきました。
 

長い間調子の悪かった顔の肌もきれいになってきて
今まで肌を隠すために化粧をしてたけど ファンデーションも
薄くていいようになってきたと とても喜んでいます。
まだ、手の調子が悪くて ひび割れたようになってたり 爪の生え際の肌が
荒れてると爪もでこぼこになって 指も太くなってるんだけど
顔が良くなっただけで もう充分と娘は言っています。
鍼の先生は あと少しで手も綺麗になるといってくれています。

食べ物の好みも ずいぶん変わってきました。
もともと好きだった ご飯に 野菜をよく食べるようになってきました。
匂いも 味も ずっとよくわかるようになったそうです。

まだまだ完璧に治ったとはいえないんですが 何とか調子を整えながら
働いています。 今も、鍼の先生には週に一度診てもらっていますし
(ちょうど仕事の帰りに病院の前を通るので) アロマの人にも 週に一回
マッサージに通って 相談したり 話し相手になってもらってます。
どちらか一方だけではここまで来れなかったねーと鍼の先生と アロマの人に
感謝している毎日です。

最後まで読んでくださってありがとうございました。

その後

2003.7.