娘の事

NO.4

出産は10月末という事で その前に 先ずお相手のご両親に
ご挨拶に 行く事になりました。
小倉に日帰りで 主人とご挨拶に行き 快く了承してくれて 
ひとまずホッとしました。

娘にとって 結婚式が何時なのか 自分は出席できるのか
それが何より心配でした。

この頃から少しづつ 散歩に出られるようになってきていました。
私とだと わがままがでて 「こんなにしんどいのに 行かれへん!」と言って
すぐに止めてしまうので アロマの人が 「散歩に行ってからマッサージをしようね」
と言って 誘い出してくれていました。

車の運転も 少しづつし始めました。
でも、長い間 家の中でずっと寝てたので <スピード>に
慣れなくて 30キロ出しても しんどくなってしまいました。
それにとても 緊張していました。
家の周りの15軒ほどのブロックを 一回りするだけが
やっとでした。

2002年3月頃
少しづつ良くなってくると 本人も欲が出てきます。
すると、思うほどのことが出来ないから 落ち込みます。
この頃から ずーとその繰り返しです。

寝てばっかりのが 少し起きられるようになってきた・・・・ホッ
起きてる時間が長くなってきた・・・・・ホッ
この辺りはいいんですが 以前<健康な時>はこんな事 軽く出来たのに
何でこんなに出来へんのやろ・・・
もう少しできてもいいのに・・・・
こんな事でお兄ちゃんの結婚式に行けるんかな・・・

「先生やお父さん、お母さんの期待が重過ぎる!」
よくこんな風に言ってました。
先生から もっと出来るはずと言われていたし  
体の調子からみると このくらいは出来ます・・・という事も聞いていたので 
決して無理強いしたり 口に出して言ったりしなかったんだけど
敏感に娘は感じてたんだと思います。

倒れる前に比べると いろんな感覚が 鋭く敏感になっていました。
娘は自分の中の葛藤と 戦っていました。
その間も 鍼の先生は週一回の往診にきてくれていて
アロマの人は 週に1〜2回来てくれて 散歩に行ったり 
マッサージをしてくれたり 色々と話を聞いてくれていました。

アロマの人は 高校生と中学生の子を持つお母さんで
メンタルな面のサポートも 勉強していました。
アロマテラピーを受けに来る人は 体も疲れてるけど 
心がもっと疲れてる人が多いので 大学の心理学を聴講したり
心理療法の勉強もしていて 娘にとって 本当にいい出会いでした。

鍼の先生と アロマの人以外は 誰とも会わないし
親戚の人が来ても 2階から下りてこないし
近所の人とも 顔をあわせることがなかったので
4月20日に 私の中学の同級生が来て 一階で喋ってる時に
娘が出てきて 挨拶したので ビックリしました。
「あ〜〜、良くなってきてるんやわ!!」
信じられないほどの 感激でした。

それから2〜3日して 娘が昼に本を見ながらパンを焼いてくれました。
その後時々 クッキーを焼いたり ケーキを焼いたりと
少しづつ変化がでてきました。
急に会社へ行けなくなって 一年半以上経っていました。

4月24日 アロマの人と 初めてバスに乗れました。
たった一駅だったけど 娘は大感激していました。
何台もバスを見送って やっと乗れたとのこと。
でも、とてもとても疲れていました。
アロマの人も 本当に長時間付き合ってくれて 
感謝の言葉もないくらいでした。

5月に入って お嫁さんの腹帯を用意して 戌の日に間に合うように
小倉へ送りました。
息子は6ヶ月船に乗って 2ヶ月休み という感じで仕事をしてるので
この次に陸に上がるのは 出産の1ヶ月前との知らせがきました。

結婚式は その次に陸に上がる時にという事になって
娘も私も 本当にホッとしました。
「まだ、時間がある!」

少しづつは良くなってたんだけど まだまだ食事を一緒にはとれませんでした。
途中で休憩したり 食べる事と 喋る事を同時にできないと言って
ずっと自分の部屋で ひとりで食べていました。
冗談を言い合ったり 笑ったり なんてことは まだでした。

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