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午前中はイルカの餌付けを見られるはずだ。
チェックインの時に「イルカの餌付けは朝8時頃から」と聞いていたのでのんびりしていると、7時半頃、桟橋の付近に人が集まっているのが見えた。駆けつけると、既にイルカが4頭も波打ち際のそばまできている。
またたく間に見物者が増え、数十人が扇状に拡がって膝の上あたりまで水に浸かりながらイルカを囲む。
ガイドは説明しながら、扇状に拡がった見物者に沿ってゆっくりと移動する。移動するガイドに従って、餌を期待してじゃれるようにガイドに添っているイルカも移動する。
だから、イルカに手から餌をやることができるのはガイドが任意に選ぶ一部の人だけだが、見物者の全員が手で触れられるほど(触れるな、と注意されている)近くでイルカをじっくりと観察できる。
しかし、素足で水に浸かっているのは寒い。おまけに、昨日の暑さに慣れて真夏のような格好で部屋を出てきてしまった。いまは春なのだ。朝晩はやはり衣類をしっかり身に着けなければ。
餌をもらって満足して沖に引きあげたイルカは、9時前に再び現れた。結局、午前中に4度も現れた。イルカが現れる度にガイドが出てきて見物者に説明する。回を追う毎に見物者の数はまばらになってくるが。
昼食は、レストランのテラス席でToday's Soup とケーキ。
午後はクルーズで海に出る。Shotoverの午後1時発のジュゴン・クルーズを予約していたのだが、乗り場に行ってみると、強風のため中止だという。船体がカタマラン(ヨット)なので強風に弱いのか。あわてて、もう一つのクルーズ会社である Aristocat の1時半発のWildlife Adventureに空きがあったので申し込む。クルーズ料金はShotoverと同じ$54。クルーズ時間もShotoverと同じ2時間半。Aristocat の方の船体もカタマランだが、大勢の客を乗せて出航した。
ほどなく、イルカの群れが現れる。今朝見た、じゃれながら餌をもらっていたイルカと違って、
こちらのイルカは実に躍動的だ。
イルカの方がこちらの船を眺めながら、数頭で踊るようにして遊んでいる。
数頭のイルカがヨットの先端部の真下で水を蹴立てて疾走して、風を切って疾走するヨットと競争する。ヨットの先端部に立ってそれを真下に見ていると、イルカは本気でヨットと競争しているのが分かる。
船が向きを変えた。ジュゴンをさがしに行くようだ。
沖の方で、強い風に泡だつ白い波に混じって、茶色のものが木の葉のように舞うのが見える。
そちらの方向に船はゆっくり進む。やがてジュゴンの群れに出会った。十数頭くらいか。
さっき遠くからは海面から跳ね上がったりするのが見られたが、近くに来ると、静かに泳いでいる。というより、船から遠ざかろうとしているようだ。船は遠ざかろうとするジュゴンのスピードに合わせてゆっくりと、しかしいつまでも後を追う。
そのうち、ジュゴンの方も少し船に慣れてきたのか、2,3頭が群れから少し離れて、
船の近くを泳ぐようになる。私たちを見ようと、海面からヌッと顔を出すジュゴンもいる。
身長はイルカと同じくらいだが、身体の幅がイルカよりは1回り(2回りか)は大きい。ちょっと見た感じだけだが、肌は皺だらけでザラザラ、ゴツゴツ。身体の色は土色。イルカが流線型で肌も滑らかに美しいのに比べると、ジュゴンはお世辞にも美しいとは言えない、と私は思った。ジュゴンさん、失礼! しかし、滅多に見られないというジュゴンを、こんなにゆっくり見れるなんて。
夕食はレストランでと決めていたわけではなかったのだが、昨晩味わった料理が美味しかったので他の料理も、と今夜もやはりレストランで。
今夜の注文はシーフード・ジャンバラヤ(シーフードのアジア風リゾット)と、
一口大のラム肉のソテーと生ほうれん草をあえた料理(料理名を忘れた)。どちらも非常に美味。殊に”ラムとほうれん草”は上品かつ深い味。高級フランス料理などあまり味わったことのない私は、高級フランス料理の味ってこんなのだろうか、と思った。このレストランにはよほど腕のいいシェフがいるのだろう。
レストランを出て見上げれば、今夜も、満天の星。今日一日、一片の雲もない快晴だった。
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