eoさんの旅ノート  ワイルドフラワーの旅
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初日
 9月12日関空発、マレーシア航空便で、クアラルンプール経由、13日早朝5時20分、定刻通りにパースPerth着。

 空港1Fロビーにあるレンタカーのハーツ・オフィスは朝6時30分にオープンということだったが、6時前に行ってみるとすでにオープンしている。ありがたい。レンタカーの手続きをし、キーを受け取る。車種は日本車のホンダ・カムリ。
 道路地図をもらったが詳細地図ではないので、空港売店の書店で探したがこれという詳細地図は売っていない。途中で詳細な道路地図を買おう。

 7時10分、空港からいよいよドライブ出発。小雨模様。4号線から3号線へ、3号線を北上して1号線へ、間もなく Brand Highway を北に向かって走る。

 今日はジェラルトンまでほぼ500kmのドライブになる。モンキー・マイアの宿を明日14日から予約してあるので、そのためには今日中にジェラルトンまで進む必要がある。
 飛行機で充分には寝ていない身体・神経に、初めての地で早朝から500kmのドライブはちょっときつい。おまけに雨は時折ザ〜ッときて、気持ちまで鬱陶しい。モンキー・マイア滞在をもっと後の日にすれば良かったと後悔。今日のジェラルトンの宿を予約してあるので、せめてその分だけは気が軽い。

 ジンジンGinginへ到着。Ginginと書かれた小さな標識があったのでここと分かったが、町らしきものは見えない。 ワイルドフラワー探訪の最初の目的地であるCemetry(墓地)は何処? Information Bay(案内板)にGingin Scenic Routeとあり、そのコース中にCemetryがあるようなので、 Brand Highway から脇道へ、Gingin Scenic Routeへ入る。
 雨のなかに、ゆるやかに続く丘陵を背に広々とした牧場が見える。確かにScenic なRouteである。しかし、Cemetryの場所は分からず、結局どこにも停車することなく1号線(Brand Highway)に戻った。

 2番目の目的地Red Gulley Reserveも分からない。とにかく案内の標識がない。政府観光局がモデルプランとして推奨するところなら案内の標識くらい出してくれよな、と言いたくなる。
 次のMoore River National Parkは小さな標識があった。車を停めて車窓からその方向を眺めてみるが、花らしき色彩は何も見えない。霧のように煙る小雨。沈んだ気持ちで、パスする。

 Regan's Ford  Road Houseに着いたころ、雨がやんだ。雨がやむと同時に明るい陽が差し始めた。

 Road Houseのテラスで、朝食代わりのミルクコーヒー、ホットチョコレートを飲みながら、 明るくなった周りをゆっくりと眺めていて、突然、気付いた。
 あれはなに!?

wau wau
 

 道に沿って大きなピンク色の塊りがある。
 1号線からRoad Houseに曲がるあたり、私たちの車もそこを通ったが、 そのあたりがピンク色に大きく盛り上がっているのだ。背の高い潅木がピンクの花で覆い尽くされている。黄色も見える。  

 そこに近づこうとカメラを手にテラスを出て数歩歩いて、足元にある花に気付いた。そこここに、 花々が色彩を見事に散りばめている。「きれい!きれい!」を連呼しながらカメラを向ける。
 風があって、静止画の撮影がなかなかできないのが残念。

 日本でいうところの野の花、ひっそりと野に咲く花のイメージとはまるで違う。
 色彩が実に鮮やかだ。
 花の種類も多い。

wau wau
 

 さすが、これが西オーストラリアのワイルドフラワーか。
 今日はまだ旅の初日。これからが楽しみだ。

 Badgingarra National Park 、Coomalls Creekはそれらしい標識を見ることなく、パス。再び雨、しかし、ほどなく止む。

 Eneabbaでは、すでに陽が差して明るい。牧場の柵の向こうをびっしり埋めている黄色い花を眺めながら、Road Houseで買ったアイスクリームを舐める。
 Road Houseで Lake Indoon の場所をきき、脇道に入って教えられた方向にむかう。それらしい場所に、道路からは離れているが真っ青な水の小さな湖が見えるが、それに向けた標識には違う湖の名が書かれている。もっと先だろう、と進むが行けども行けども湖は見えず、結局、そのままHigh Wayに引き返した。最初に見えた、真っ青な水のあの湖がLake Indoon だったのかも知れない。
 ワイルドフラワー探訪のポイントになっている地名など殆ど載っていないような道路地図しか持っていないのだ。もう少し詳細な地図がほしい。

 ドンガラへ向けBrand Highwayをひた走る。少し前まで雨だったのが嘘のような快晴。真っ青な空。そして、暑い。

 車のなかで何となく妙な匂いがしてきた。むせるような匂い。臭い。「何かの糞でも踏んだんじゃないか」というツレアイの言葉に、靴の裏を見てみるが靴の裏はきれい。匂いを逃がそうと車の窓を開けると、なんと、車の中の匂いが猛烈に強くなる。
 これは、まわりにある草の匂いだ。気温が急に上昇したため、雨で濡れた葉の水分が急激に蒸発して、空気中に草の匂いが充満しているのだろう。窓を閉めて時速100km超で走る車の中にまで匂いの塊りとなって侵入してくる草の匂い。 そうか、、、、これが草の匂いというものか。

 遠くに、なだらかにのびる丘陵。輝くような黄緑色に染まった草原が延々と続く。
 路肩に咲く白い花、薄赤色の花などの群生が、猛スピードで走る車の窓からもはっきり見える。

風景

 今日は身体も神経も疲れている。ドライブは無理できない。宿泊地であるジェラルトンに遅くない時間に到着して、早く休養したい。ゆっくりできるのであれば、車を何度も停めてゆっくり花を眺めるのに、と残念だ。

 ドンガラ Dongara に到着。
 小さな町だが銀行があった。これまでRoad Houseで使えなかったトラベラーズ・チェックを やっと現金化。パース空港の両替所は手数料が高い、とケチなツレアイは空港で現金化しなかったのだが、Road Houseではトラベラーズ・チェックもクレジットカードも使えず、やむを得ず、 数年前のオーストラリア旅行で残った手持ちの僅かのオーストラリア・ドルだけでこれまで凌いで来たので、現金を手にしてホッとする。
 Tea Houseで昼食。Today's Soup とカプチーノ・スコーン・セット。Today's Soupに付いたパンがとても美味しい。 ホーム・メードのスコーンは優しい懐かしいような味。気持ちがほぐれる。
 モンキー・マイアからの帰り18日ころにドンガラに宿泊する予定なので宿を物色するが、 宿らしい宿は目に付くところにない。 ここより海沿いにあるDongara Port Denisonの方が大きな町のようなので、帰りにはDongara Port Denisonの方に行ってみようか、と話しする。何となく、ドンガラが気に入ったのだ。

ジェラルトンGeraldton

午後2時ごろ、ジェラルトンに到着。宿はBatavia Motor Inne。室料$79.50。ホームページに city center に位置するとあったのでここを選んだのだが、町外れではないがcity centerの端の方だ。駐車場が広いのは良い。

 観光案内所Tourist Bureau で道路地図を物色する。1枚もので詳細な地図があったが、カバーしているのはこのあたりの地域Batavia Coastだけだ。その地図に記されている範囲は、 南北はCervantes(ピナクルズ近く)からカルバリまで、東西は海岸線から辛うじて モーラまで。モンキー・マイア も、 ニュー・ノーシア からムレワに至る、いわゆるワイルドフラワー・ロードも一部しかカバーしていない。
 おそらく、それぞれの地域ごとの詳細地図がシリーズとなっており、この地図はその1つなのだろう。ここの観光案内所 には、この種のものはこれしか置いてないという。とりあえずその地図を買う。
 ほかの地域の詳細地図は、その地域に行けば入手できるのだろうと考えていた。しかし、それ以後、立ち寄った全ての観光案内所で道路地図を物色したが、詳細地図はどこにも無かった。結局、このドライブ旅行で私たちが頼ることができた道路地図は、Batavia Coast地域だけをカバーするこの詳細地図と、ハーツ・レンタカー・オフィスでもらったおおまかな道路地図だけだった。

 ジェラルトンはロブスターで有名であり、食いしん坊の私たちとしては多少の期待もあったが、 いま春はその時期ではない。残念だが仕方ない。夕食は、スーパーマーケットで出来合いのものを買って宿の部屋で食べよう。宿の部屋にはコーヒーや紅茶の設備があるので、美味しい惣菜など買えれば、これでも充分満足できる。
 スーパーマーケットでカレーパイ、ミートパイ、ソーセージパイ各1、ポテトサラダ、ジュース大ボトル1本、ミルクコーヒー小1本を買う。しめて$19.20。
 売り子のおばちゃんが「Japanese?」と聞くので「イエース」。"こんにちわ"という日本語を知ってるわ、と言うので、Thank You は日本語で"ありがとう"だと教える。知ってる日本語が増えたわ、とおばちゃんはニッコリ。

 宿の近くのガソリンスタンドで給油。精算の時、オフィスのおっちゃんが「ホンコン? シンガポール? 」と聞くので「ジャパニーズ」と答えると「オ〜オ」。「オーストラリアにフレンドがいるのか?」に「ノー」と言うと「フ〜〜ン」。「Business?  Holiday? 」に「ホリデー」と答えるとニッコリ。ここでは日本人を見ることはまだまだ少ないのだろうか。しかし、何だかとてもフレンドリーな人たちだ。

 町なかに アイリッシュ・バー があった。アイリッシュ・ウィスキー、ギネス、アイリッシュ・シチューなどアイルランドづくしの店。そういえば、私たちの宿には Scotish Bar がある。この町は、またはこの地域はアイルランドやスコットランドと特別な関係があるのだろうか。

 宿から海岸は近い。夕方、海岸に出て夕陽が海に落ちるのを眺めた。町に人通りはほとんどない。

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