Magma

Kobaia Story



   


地球よ
これはお前に関わることなのだ。
お前の天体系は崩壊し、お前の公転は、暗殺を犯す - 
実際のところお前は自ら理解し得ないもののみを破壊しているに過ぎないのだ。
お前も又、破壊されるだろう。


我々の音楽は、お前が踏みにじろうとする美しきものの為に、
そして、忌まわしいお前の進化への憎しみの為にある。
時と所を越えて、一つの惑星が待っている我々、コパイア星人を。
我々は、何万年も前、目を開けたその日から、この世界を知っている。
ここの下であえぐ者は皆、我々に続け。
しかし、偽善者には、甲斐無き望みを!
地球よ! お前は、もはや忘却以外の何物でもない。

   


(1st)

 物語は、宇宙の植民地化が現実となった遠くない未来に於いて幕をあける。地球文明は悪化状態が進み、人類のことを懸念した幾人かの者が宇宙船で脱出する。危険な、しかし希望にあふれた旅の後、彼らはコパイアと呼れる惑星を発見する。
 そこに、彼らは技術開発と社会的統合の高度さを誇る文明を築き上げる。数年後、彼らは遭難した宇宙船から救出した地球人から、地球と全宇宙的調和の達成は破局に直面していると聞かされる。生存者達はコバイアの哲学・思想・社会組織を信奉するとともに、コパイア人の使節団を地球へ送るように説得し、彼らも祖先である地球人と交流を持つことを同意する。

(2nd)

 コバイア人達の到着と共に1001℃計画という第2の運動が開始され、彼らは地球人の温かい歓迎を受ける。しかし、地球文明の抱かえる問題解決のために教えを説いたコバイア人達は、地球の上層部の反感を買い投獄される。母星からの救出活動が始められ、地球人はコバイア人の最終武器による絶滅を迫られ、最終的に捕虜は解放される。もう決して戻るまいとして彼らが去った後も、彼らのことは永く記憶に刻まれた。



(3rd)

 「Mekanik Destruktiw Kommandoh」の開始に於いて、人類を救いに導こうとする救世者Nebehr Gudahttが悩める地球に与えられる。彼は”神聖な成就をとげるためには、人間達の地球に於ける集団的存在は終局を迎えねばならない”と説く。 「呪われし地球人よ、おまえ達に課す罰は、理解の限度を越えるものだ・・・ 孤独の涙が流れる。お前達の良心の呵責と苦しみの涙が。純粋で清い涙、その中にお前達の最後の運命が見える程。浄化、聖性の国家、忠実と荘厳、柔和、絶対的な知恵、絶えざる知恵・・・ 」  このメッセージは理解されず、怒りにあふれて人間達は混乱し暴徒と化す。しかし、森羅万象の聖霊の影響を受けた幾人かの人々は「光の天使を見た」と言い始める。彼らはKreun Kohrmanこそが創始者であると説える。
 地球人は徐々にこのメッセージを受け入れ、Nobohr Gudahttと転心した彼の追従者達は、一人また一人と神々しい行進に入り、入神没我の境地に於いて自らの命を全宇宙の精神的生贄として捧げるのであった。


(4th)

 「Kohntarkosz」に於いて物語の進行は不明瞭になる。
 不明確な解説が「Emehteht-Re、墓に入る」の場を明らかにするにすぎす、Orkの人々とZeuhl Wortzの人々との戦闘準備については、もう解説はない。



   



 以上、Fool's Mate Vol.16およびMarquee Vol.48に掲載されていたコバイア・ストーリーである。(ひとつにまとめる為、若干手を入れてはいるが、ほとんど無断転載である。) 誤訳と思える部分もあるが、大まかな粗筋が判れば良いお話なので問題はないだろう。原文は3rdアルバム内ジャケに乗っているChristian Vanderの解説文である。
 はっきり言って狂信的というか誇大妄想的というか、あまり面白味に欠ける宗教的SFチックなお話である。粗筋程度の話なので小説ほどの面白さが無いのは当然であるが、つまらな過ぎるとも思える。コバイア・ストーリーを知らなくてもMagmaの音楽は素晴らしいし、知っていたところでアドバンテージがあるとも思えない。私も含め多くの人たちは、コバイア・コーラスを音響的に楽しんでいるのが事実だろう。刺身のツマ程度に知っておくぐらいが、良いのではなかろうか。