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新たに取り付けられたブレーカーから先は、玄関先の電力メーターに繋がるケーブルと接続される。
元々の引き込み幹線は先々、家電製品が増えても十分賄える38平方mmと工事屋泣かせの硬くて太いケーブルである。 その接続端子にソーラー側の幹線を繋ぎ止め、次は、計量メーターの取り付けに移る。
電気メーターといえば、電力会社が付けるものと思っていたが、ソーラー発電の計量器は自前で調達しなければならない。 実際には、業者が用意することになるが、持ってきたのは今では使わないような誘導円盤型のアナログ式の電力量計だ。 最新のシステムを導入した積りが、出口でこんなレトロな器械を使うとは思いもよらなかった。 今なら「シンプル・イズ・ベスト」という選択だろうが、何れ太陽光発電が本格的に普及すれば、ネットに接続できるスマートメーターが必要になってこよう。そのときは、誰が交換することになるのだろうか。
新たに用意された2個用のメーターボックスにオール電化用のデジタルメーターとソーラー発電の計量器が並んで取り付けられた。
さあ、これで漸く発電開始と思いきや、メーターの接続は電力会社の立会いがないと出来ないと告げられる。 考えてみれば、買電のメーターは電力会社のものだ。勝手に繋ぎ変えては使えない。 至極当然のことに気がつく。
この日の作業は、ここまで。またまた、楽しみは先に延びてしまった。
「電力会社の立会いは、平日になる。あとは任せろ」との監督の言葉を疑うことなく、無事、開店を迎えることを待つことにした。
その日、仕事を終えて帰宅すれば、こちらから聞き出すより先に「今日も駄目だったみたい」と呆れ顔で家人が言う。
どうやら、その日は雲が多く日照不足で十分な発電ができず、メーターの作動確認ができなかったらしい。
人間がどれだけ利口になっても、いつまでたってもお天道様には敵わない。 天気を恨んでみても、始まらない。 業者も電力会社も早々に仕事を片付けないと、他の商売に障りがある。 業者の「この次は大丈夫だ」との言葉が電話の先で空しく聞こえた。
これが最後の勝負か。 折角だから、検査の内容を見せて欲しいと、今度は休日を選らんで、お天道様の機嫌を損ねないよう大人しくその日を待った。
精進のお陰か、関係者が顔を揃えた時、雲間から初冬にしては力強い太陽の光が注ぎこんだ。
しかし、真新しい売電用メーターの円盤はピクリともしない。 どれほどの日差しでどれだけの発電量があるのか、まだ感覚すら分らない。
しかし、当然、自家消費が多ければメーターは回らないことは想像できる。 予め、家中の目ぼしい電化製品の電源は切っていたが、冷蔵庫やポットの電源が残っていた。 早速、分電盤のメインブレーカーを落として、メーターを見に駆け戻ったが、やっぱり何事もなかったかのように静止したまま。仕事柄、電気の理屈は承知しているつもりであるが、ソーラー発電を扱うのは初めて。この事象は、客観的に分析すれば、配線のミスかシステムの故障である。
当然、その場に居合わせた関係者は、その道のプロ達であるから、態々、口にしないが、同じように考えていたに違いない。 その日は直ちに修理できる一番のベテラン電気工は来ていない。
こうしてまたしても、オープンの日は持ち越された。 ソーラー発電の施工業者のノウハウもまだまだ十分でないということを改めて実感した出来事であったが、業者も現場を放り出す訳にはいかない。 責任をもって直すとだけ告げて、肩を落として引き上げていった。
それから数日、遂にあのレトロなメーターの円盤が回り始めた。帰宅後、「やっと終わったみたい」と家人から伝えられ、ようやく長く続いた悶々とした日々から解放された。
この仕事を請け負った業者もやっと晴れてお役御免となった訳だが、果てさて元は取れたのだろうか。 ノウハウのない新参の業者には、手強いビジネスかも知れない。
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