第4幕  肝心要の契約書 
   
それなりの抵抗をした甲斐あって相場より相当コストを抑える約束を取り付けたものの、本当にちゃんとモノが付くのか、未だ半信半疑。件の振り込め詐欺よろしく手付金や工事代金を先に要求するような手口を使ってくれば、愈々危ない。

 しかし、こうした心配は、直ぐに杞憂となった。こちらから気前良く現金で先に払うなどと見栄を張らなければ、基本的にソーラー発電用の低利融資を組む場合は、工事が完了しなければ資金の提供を受けられないことになっているから、金だけ持ち逃げされる心配はない。

当然、こうした事情は業者側から説明を受け、その業者がその事実を理解していることが前提であるが、業者から、補助金の申請やローンの借り入れを自分でやってくれと言ってきたら、手間賃を抑えるといった明確な理由がない限り、大いに怪しい。
専門的な知識を要する電力会社への系統連係の申し込みは勿論、補助金やローンの段取りも業者がするのが常識らしい。

 ようやく承諾を取り付けた営業マンは、早速、契約書を作成し、補助金の申請書類を携えて程無く我が家を訪れた。
契約書は、意外とシンプル。生命保険の約款のような紙面を埋め尽くす文字の羅列はない。
社会通念や一般常識に委ねることを前提とするなら、契約当事者が負うべき義務、権利を一々書かなくても良いが、どちらかに優位性がある条件は契約書にきっちり書いておかないと後々権利の主張ができないことは分かっている。 先ずは、パネルの仕様と金額に偽りがないか。 そして駄目元で言った10年以内のパワーコンディショナーの取り換えが記載されているか確認する。相手にとってもインパクトのある条件だったのか、契約書の冒頭に付帯条件として書き込まれていた。
パワーコンディショナーの交換が本当に実行されるのか当時も確証はもっていなかったが、いざとなれば裁判でも争える契約書の存在は大きい。
 しかし、この約束は果たされそうにない。こんな割に合わない仕事を簡単に受けるような会社は、長くは続くまいとその時から予感していたが、既に店を畳んでしまったようだ。

兎も角、当初の予定通り工事が完成するかどうかがその時の唯一の関心事である。 まぁ、元々出来なければ金を払う事もないと高を括っていたので、それほどの気苦労もなかったが、本気でやる積りなら、しっかり契約の履行条件と支払い条件を抑えておくべきだろう。


 
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わが家のソーラー発電・顛末記