第1幕  怪しい訪問販売には、ご用心!
   

 温暖化の煽りか、リーマンショックに喘ぐ日本経済の浮揚策か知らんが、最近、俄かにブームに火が点いた太陽光発電。 国や自治体もCO2削減とGDP引上げの一石二鳥を狙っているらしいが、補助金の復活に加えて電力会社に強制的に買取価格を倍にせよと、ちょっと常識外れの政策を出したりするもんだから、住宅メーカーも電機メーカーも遅蒔きながら漸くやってきたブームに乗り遅れまいと矢鱈にエコ、エコと薄っぺらな宣伝合戦を繰り広げている。
 まさに猫も杓子も・・であるが、ソーラー発電の功罪を彼らはどれほど理解しているのだろうか。
 勿論、今は取り敢えず国や電機メーカーは、せっせと造ったソーラーパネルを国民に買わせて一気に普及させてしまおうという魂胆だから、多少心配事があっても、エコだの光熱費がダダになるだのと聞こえの良い事しか言わない。

 こうした浮かれた世間の状況に、何かしら不穏な空気を感じている御仁もいることだろう。


さて、我が家がソーラー発電を始めて彼これ5年。

そもそも何故、我が家がソーラー発電を始めたのか。今にして思えば、偶然降り掛かった災難か、それとも神様仏様の御利益か、未だ答えは分らない。

   

 その日は、我が家を囲む山の紅葉が色づき始め、秋らしい青い空が広がっていた。 その筋の商売のプロは、季節や天気も計算しているのだろうか。まさに発電するには、もってこいの天気。そういう因縁の一日だった。 

 その怪しい訪問者は、休日、土曜の買い物で留守にする時間を見抜いたかのように昼時を狙ってやってきた。
普段なら、新聞勧誘や塗装工事の訪問販売の類は、こちらの関心事ではないからインターホン越しに適当にあしらうのだが、彼はオール電化の話を持ち出した。
 こちらも、しがないサラリーマンではあるが電気を生業としている。商売柄、オール電化の話ならこちらに分がある。休みの暇潰しにちょっと付き合ってやろうと邪念を出したのが運の尽き。 結局、次第に彼の術中に嵌まっていった。

 彼は、門扉越しに素性を名乗り、当然のように、怪しいものではないと訴える。確かに、世間に名の通った社名ではなかったが、それらしい会社の名刺を差し出し、隣町にある支店長の肩書に合わせたような風体と物腰であったから、疑心は少々遠退いた。

 早速、彼はこちらの顔色を窺うようにゆっくりと話始めた。「オール電化に興味はあるか。そしてこれからの時代、太陽光発電を使えば、もっと光熱費が少なくできる。コストも下がり十数年で元が取れる。」そして、常套句「今なら、このエリア住まう客だけ特別に安くサービスする。」と続ける。

 オール電化の勧誘のつもりが、直ぐにソーラーの話に移って少々こちらの思惑と違ってきたが、これも守備範囲とそのネタから相手のボロを引き出そうと試みた。
通常、彼らはマニュアル通りに営業トークを進めていくのだろうが、さすがにいつ終わるか分らん話に付き合うのも面倒臭い。途中で彼の話を遮り、彼には唐突だったろうが「で、幾らでやってくれるの?」とこちらから切り出した。
ここで行き成り「では、このくらいで・・」などと適当なことを言い出せば、即刻、追い返すつもりだったが、彼は当家の屋根を見上げながら「先に見積もりをさせて欲しい。容量やパネルの種類によって価格が違う。」とすこぶる真っ当な答えを返してきた。

ちょっと予定した展開と違ってきたなと感じつつも、一時興味をもってソーラー発電の投資効果を勘定したことを思い出し、もう少し成り行きをみることにした。

 
         
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わが家のソーラー発電・顛末記