子育ての相談  回答は向井です。掲載に関してはご本人の許可を得ております.

質問「過保護」と「いい子」は要注意

16歳の長女の事で相談させた頂きました。高校に入学したころから食事をしなくなり、理由を聞くと「ダイエット」というのです。心配になり、娘を説得して病院へ行くと「摂食障害」と言われました。病院の先生は、私が「過干渉」の傾向があり、カウンセリングを受けることを勧められました。
私は、娘が失敗しないように、先回りして着る洋服から、友だち、テレビ、読む本、すべてを決めていたように思います。娘はいつも私の目を気にしながらに物事を決めてきた為、自分の判断基準を育てられなかったと言われました。娘は先生に自分の事を「『空っぽなできそこない』と思っていて、自分がやりたいこともよくわからなくない。そんな『できそこのないの自分』を人にバレてしまうのが不安なんだと話していました。いい子で来たのにどうなってしまったのと思っています。

名古屋市在住  45歳 主婦 夫 50歳 会社員 長女 16歳

回答  「過干渉」と「いい子」は要注意
子供の自己肯定感を育てていくにあたって注意したいのが「過干渉」です。
大切にしすぎているように聞こえるかもしれませんが、子供の自己肯定感を育てる上では全く逆です。過干渉というのは、親が先回りして正解を教えてあげたり、親の願う子に育てようとコントロールしたり、代わりにやってあげたりする事を言います。これは、子供の為にやっているように見えますが、実は、大人が「子供がするのではないか」という自分の不安をコントロールできない結果として起こります。その為、あるがままの自分ではダメなんだと思い、自己肯定感が育たない為、傷つきやすい人間になってしまうのです。子供が自己肯定感を育て、自信を持てるようになる為には、試行錯誤をする事が必要です。傷ついたらかわいそうだからと傷つく前にいつもコントロールしていたら、自立心は育ちません。自己肯定感の低い人間になってしまいます。挫折に弱い、傷つきやすい、自分は人の役に立てないと思ってしまうのです。
子供が失敗することに不安を覚えるのは、親としては当然ですが、ちょっと心配だと思うような場合でもぐっとこらえて試行錯誤できる「見守り」を作ってあげ、育っていくのを待つことにエネルギーを投入しましょう。明らかに援助が必要な、危険な事や一線を越えた場合には介入する必要がありますが、そうでない限りは、傍で見てはいるけれども、見て見ぬ振りをするような態度が、子どもの自己肯定感を育てる為には必要です。
精神的な自立をさせるには、「子供の課題」「責任分担」に介入しないことが賢明です。
「いい子」というのはあくまでも大人から見たときの「いい子」です。
本人の側から見てみれば、要は試行錯誤をすることもできなかった、ということなのです。
「この子はずっといい子で、手がかからないのです」というケースはむしろ要注意でしょう。

質問「物の与え方は、各家庭のルールを決めて」

5歳、3歳、1歳の子供がいるのですが、物を買うときに必ずもめることになります。コロナウイルスで家にいる事が多いので、先日、絵本を買う事になり「1人1冊だけ」と選ばせると、何故かみんな同じものを欲しがり、だったら別の本を1冊ずつ買って交代で読んだらと思うのですが、それは絶対に嫌がります。帰りにスーパーで、「アイス買って」と言われたのですが「今日は絵本だけ」と言っていたのですが、余りにぐずるので結局は買ってしまいました。
断固として「ダメ」と言おうとしたのですが、根負けして買ってしまいました。
「物を欲しがる子は心が満たされていないことがある」と聞いたことがありますが、そうなのでしょうか?
           名古屋市在住  主婦 32歳 夫35歳  子供3人 
回答  「我が家のルールを決めましょう」
買い物でぐずったりした時は、買わない方がいいです。それは、「欲しいものはダダをこねたらいい」と躾けてしまうからです。冷静に「買って欲しい」と言ってきた時は、なるだけ買ってあげたらいいと思います。我慢させる事ばかりが必ずしもいいことだとは思いません。
今回の絵本の件ですが、親としては、せめて別のものを買おうと思いますね。
子供って不思議なもので、最初に一人がどっちかを選ぶと、もう一人も同じものを欲しくなってしまうんですね。
大人でも他の人が選ぶものは何故か魅力的に見え、同じものが欲しくなる時があります。バイトで一生懸命お金をためて、「友達と同じ」ものを追いかけたい女子高生。流行もののブランドのバッグを欲しがっている女性。
「よその家はこうだから」「みんなが持っているから」ではなく、家計の余裕や親の教育方針の中で、物をどう与えるかが大事です。そこで、親が方針を決める、「わが家の憲法」を決めるんです。
「今日は買わない」という日を決めたり、「買うのは1つだけ」「いくらまで」と決めたり。「その家庭なりのルール」を決め、欲しいものがもらえなかった子は泣くこともありますが、それはしょうがない。泣いたことを叱る必要もないと思います。
その中で「今日は一人一つ」と親が決めたのであれば、兄弟が同じものでも仕方がない。「違うのを買って交代で使う」といきなり言われても、憲法違反ですから、子供も納得いかないでしょう。いつか大人になった時「あの時、3人とも同じ本を買ったんだよ」というのも語り草になると思います。「それでも、母さんは笑いながら買ってくれたんだ」とか。
次に、「物が欲しい」と思う子は.愛情が足りない」ということでもありません。「物で愛情は伝わらない」と思います。
愛情は、手や目や心をかけることで伝わるものであって、お金をかけることでは伝わらないのです。
買い与えることで満たされるのは、親の自己満足にすぎません。

質問「母性.父性、と言われてもピンときません」

私の母は私が小学生の時離婚し、母と祖父母の元で生活してきました。母が祖父母と母の兄夫婦の目を気にしていたからだと思うのですが、「ああしなさい、これはしてはいけない」と厳しく育てられました。それだからか分かりませんが、事ある毎に「00でなければいけない」という思いが強くて、夫に対して、ちょっとしたことでも許せなくなります。子供には、私が親にしてもらえなかったことを満たしてあげたいと思っているのですが、子育ての本で母性の大切さを読んだのですが、ピンときません。
       岸和田市在住 28歳 看護師 長男 2歳 夫 32歳 運送業

回答 子どもが人間らしい健全な心を育てるためには、豊かな「母性」と「父性」が両方必要だと思います。幼児期までは絶対的に母性的な関りが重要です。母性というものは、子供を「ありのままでいい」と包み込む「承認」の愛情です。抱っこといえば抱っこを、遊んでほしい時には十分な遊びを与えてあげるのが母性です。そうやって、子供が願う事を叶えてあげ、安心感を与えてあげるのが「母性的な愛情」で、幼児期までは絶対的に必要なのだと思います。しかし、あなたのお母さんは「しつけよう」「ちゃんと育てよう」と一生懸命になるあまり、非常に「父性的」になっていたのだと思います。
確かに社会的ルールを伝える「父なるもの」は必要ですが、それは十分な母性が与えられた基礎工事の土台があって初めて子供の心に入っていくものなのです。
母性とは、子供をありのままで包み込む「承認」の愛情、「保護」の気持ちです。
将来、子供が豊かな人間関係を育める人になる為には、家族が信頼関係で結ばれていなくてはなりません。そしてその土台を作るのは、母子の信頼関係、母子の絆である愛着に他ならないのです。
おなたには是非とも、母性的なものを十分に発揮して、子供を受容して頂きたいと思います。「こんな子に育ってほしい」という願いはあるでしょうけれど、それはできるだけ見せないようにして、「子供はどんな親を求めているのか」を考えて育児をされるといいと思います。子供がして欲しいことをして欲しい時にやってあげるようにすれば子供は、「今度はぼくがママの言うことを聞いてあげよう」と思うものです。それが母親の醍醐味かもしれません。親の願う子に育てようとせず、子が願う親になる事に心のエネルギーを注いでください。とはいえ、母親の力は母親が頑張るだけでは発揮されません。
母親は育児の主役ですが、協力者が必要で、それがお父さんであれば最高です。
欲を言えば、おじいちゃんおばあちゃん、ご近所や友人知人の支えというマンパワーがあれば、あったらなお結構。どうぞ、周囲に沢山の味方を作ってください。

質問「親の前では手がかかる子は、親に安心感があるのです。」

4歳の息子の相談です。家ではとても駄々っ子で手がかかる子なのですが、保育園の保育士さんの話ではそうでもないというのです。家でもいい子だったらいいのにと思うのですが、どのように捉えたらいいのでしょうか。 子育ての基本という事がありましたら教えて下さい。 
         岡山市在住  29歳 主婦  夫 会社員 長男 4歳
回答  子供が健全に育っていくには「母性性」を必要なだけ十分に与えてあげる事が大切です。その上で「父性性」が機能する事が重要です。つまり、順番があるという事です。これはカウンセリングにも通じる事です。
十分な傾聴がなされ、信頼関係の上に、問題解決の為の提示がなされることが大事なのです。自分の樹道を理解してくれない、安心感の持てないカウンセラーからいくら立派なアドバイスをされても、中々受け入れにくいものです。「母性性」というのは、家庭の中で、子供や家族を受容、許容、承認する力です。
これは母親だけとは限りません。「そのままでいいよ」「ありのまま」を受け入れてもらい、安らぎ、憩い、くつろぎの体験を十分にさせてあげる事です。
子供が「見守られている」という安心感を実感できるものです。
親の顔色を伺いながら、ものを言うような子供ではなく、安心して本音で話せる子にしてあげる事が、子供の成長過程で「自信」を持って生きていけるための心の「拠り所」となるのです。
10歳くらいまでが特に大切な期間です。ことの子を「基本的安心感」「人生の基礎工事」と言います。それとは逆に、親の前では「いい子」に見えても、園では保育士さんが見ると、と手の手のかかる子がいます。大人もそうですが、家庭と家庭から出た時と同じ状況という人はあまりいませんに、いると異常なのです。ただ、その変わり方が、親の前では「いい子」だけれど、園では「手のかかる子」という子は、10年後には、高い確率で大変な子になります。社会適応できない、つまり、社会では手のかかる子になり易いのです。その反対の子はとてもいい子という事です。
親の前では「駄々をこねる」「手がかかる」。でも縁ではそうではない。こういう子は将来、社会的に安定した成長、発達をしていきます。つまり、家に居るときはリラックスしていて、我がままを言っている。気を許しているのです。家を出ると「シャキッ」としている。その点、あなたのお子さんは、健全に成長されているという事です。家ではお母さんに気を許しているのです。信じている、安心しているのです。
ですから「自分の愛情が行き届いている」と思われたらいいと思います。
親の顔色を見ている子は、独裁者の周りにいるようなもので、気を許せないのです。ですからどこかで羽目を外さないと精神が病んでしまいます。ですから、そうならないために、問題行動を起こしたり、いじめをしたりするのです。親から見ていていいい子でない方がいいのです。
外から苦情が来て「うちではいい子なんです」と言っている様では、心配です。

質問「子供に、友だちができない。思ったことが言えない」

小学1年生の長男は自分を表に出せない子供です。学校でも中々友達ができません。担任の先生から「気をつけていないと、1日何も話さずに終わってしまう。伸び伸びしていない。おとなしいです」と言われ、すべて思い当たりました。学校であった事は殆ど話さず、聞けば嫌がります。私に心配をかけたり、自分の弱みを見せたりすまいとしているのかも。
周囲の子は子供らしく泣いたり笑ったり、騒いだり、伸び伸びしているのに、自分の思いを口や態度に出せないなんて、絶対に損する人生だと思うのです。
何か、人より優れている部分があれば自信もつくと思うのですが、今の所それも見当たりません。
このままの息子を「そのままでいいんだよ」と受け入れてあげればいいのでしょうか?
広島市在住 33歳主婦 夫 公務員 小1男児


回答「『ありのまま』を受け止めるという事」
学校の先生に色々言われて、ご自分でも気になさっているのに、必要以上に不安にさせられてしまったようですね。先生の言葉をあまり深刻に捉える必要はないと思います。「君はそのままでいいんだよ」という親の姿勢を崩してはいけないと思います。「こうすればいい」「ああすればいい」と、助言したり干渉したりする方が、親は楽なのです。でも、あれこれ言えば言うほどお子さんは萎縮し、自信を失います。それは「ありのままのあなたではダメだ」というメッセージだからです。
親の願う子供を育てようとせず、子供が願う親になる事こそが、親が出来る事ではないでしょうか。友達を作る事を焦らず、いつかできる日をゆったり待ってあげて下さい。人を信頼して、心の内を話せるようになるには、まず「親を信頼して話せる」という段階が大切です。親に安心して心の内を 語れるようになって、友達にも「安心して」ものが言えるようになるのです。人に対して安心出来ない子には、親は他の子の何倍もの時間をかけて、親自身に対する安心感と信頼感を培っていく必要があります。その基本が、「君はそのままでいいんだよ」という親の姿勢なのです。もし、お子さんが希望や欲求を余り言わずに我慢してしまう傾向があるようでしたら、お子さんの希望を可能な限りかなえてあけることから始めてはいかがでしょう。
「人より優れている部分があれば自信がついて友だちとも交われるようになるかもしれない」と考えているようですが、それはどうでしょうか?
自信というのは、親や仲間に承認されて、一目置かれて初めてつくものです。
先ずは親子の信頼関係を強くすること。親に対して言いたい事を素直に言えるようになること。そして親戚の人や先生、友人と話せるようになるのです。
長所は2倍言い、欠点はなるべく言わず、ゆったり待ってあげてみて下さい。



質問「なぜ子どもは思春期につまずくの」

中学生の息子が最近、「僕はなぜ生まれてきたの」とか「生きている価値があるのかなあ」と食事中に何度かふっとつぶやいた事が気になって仕方がありません。教頭先生に相談したら「自分探し」「アイデンティティ」について話してくれ、とても大事な事だと思いますが、どうしてこうなっていくのか、親としてどう接していけばいいのか、アドバイスをお願いします。
          奈良市在住 主婦 40歳  長男 中一  夫 会社員
回答 「存在意味、価値を見いだす時期」
健康で幸福なライフスタイルのモデルを検討した精神分析家のエリクソンは、思春期に解決しなくてはならない発達課題を「アイデンティティ」と説明しました。未成熟で未完成なのに、何か確かなものを自分の中に求め、様々に思い惑う悩み多い人生の季節であり、自分という「人間探し」にさまよう季節、つまずきやすい時期です。自分が生まれてきた「意味」を知りたい、自分が生きていく「価値」を実感したいという強い願望があるからです。思春期の子供は、自分のやりたい事を目指すという欲求、将来の夢を実現する為に、社会の為に自分の役割を果たしたいという意欲も含め、しっかりした助走を始める事に憧れを抱きます。
やりたい事とやれる事の間にある葛藤、その差を埋めあわせる自己形成過程の不安や苦悩こそ正常な思春期の姿であり、誰もが通らなくてはならない、大人になるための猶予期間なのです。
その思春期を経て、大人になっていくには、親や周りの大人から大切に育てられたという実感が必要です。その実感が、自己肯定の気持ちを大きくし、将来の夢や希望を大きくし、健全な大人になる為の意欲の源になっていくのです。
つまり、子供時代にやるべき事を全部すませてからでないと、しっかりした大人になる事はできないのです。この年代の子供に身につけて欲しい事は、どんな困難な状況に直面しても自分の価値を信じて前向きに対処できる「自尊心・自己肯定感」と、人に支えられながら問題を乗り越えていける「コミュニケーション力」です。健全な大人へと成長していくには、依存と反抗は避けて通る事ができない必須条件ですから、幼少期から依存と反抗を繰りかえしながら、自立と発達の過程を歩んでいきます。先ずは、子供の要求に出来るだけ応えてあげ、適度な甘えとわがままが許される場が家庭だと信じて子供を見守ってください。そして、子供との関係は「対等」なやり取りにしていきましょう。また、自分の存在の意味や価値は、人間関係を通して見いだしたりします。思春期をより円滑に迎える為に必要なのは、価値観を共有できる話が合う友達です。
友達関係から、社会で生きていく為の準備力を育むのです。
深い交わりを通して、共感や尊敬の対象となる人を求め、確認しあっていく事が、アイデンティティの形成に役立つのです。

質問「いい子の問題」

10歳の娘の事で相談しました。殆ど手のかからないいい娘です。ところが、最近のコロナウイルスで休校になり、弟と二人で過ごしていたのですが、2人が今までにない喧嘩をしたのです。その時私の母が娘を叱ると、娘は母を怒鳴り、それを帰宅後私が注意したら、今度は母に物を投げて怒ったのです。私の前では絶対そのような事はした事がありません。聞き分けのよい子に育っていて、学校でも先生の評価は高いので安心していました。普段、私が厳しいので反抗できずに、私の前ではいい子で我慢していたのではと気になっています。「いい子」の問題について教えてください。
(主婦パート37歳 夫会社員 夫会社員 40歳 母67歳 長女10歳 長男8歳 
回答 『「ありのままでいいよ」と愛されて、愛着感情は育ちます。』
親の期待通りの行動をする子供の事を「いい子」といいます。親の顔色をみて、やるべき事、何をしなければならないかという事にいつも関心を寄せていますから、自分のやりたい事は後まわしにしてでもやりますから、周りの人からはいい子にみられます。
親の期待に過敏になり、叱られて傷つく事が恐くて、知らず知らずのうちに自分の気持ちを抑えてしまい、自分でものを考える習慣、自分が何をしたいかという事がお留守になり、自分の意思や意欲、想像力などの個性的な力、創意工夫する力のない子供に育ってしまいがちです。
親の喜びが自分の喜びみたいになってしまうのです。
現代の親は、「自分が望むような子供」「親の喜びを自分の喜びにしようとするいい子」になってもらおうとし過ぎなように思います。
思春期までは、親の保護の世界で生きられますからやってこられますが、心配な点は大きくなった時です。自分の本当の気持ちがよく分からなかったり、他の人に自分の感情や欲求を素直に表す事ができず、友達と自由に交わる事、臨機応変に適応していくのが下手になりやすいのです。
子供が健全に育っていく為に心がけたいのが「ありのままでいいよ」という安全感、包みこまれている安心感、見守られているという安らぎを実感させるもの・・心の拠り所、人間性の基盤とされる愛着感情、母性性です。それは、ありのままをOKとされ、安心して本音でものが言えるように育てられて初めて子供の心に育ちます。愛着感情を育てる重要なポイントです。
親が望む子どもに育てるのではなく、子どもが望んでいる親になるという気持ちを忘れず、育ててやりたいものです。 くつろげる場があるから、親に本当に気を許し、安心して自分の弱点、欠点を中々話せるのです。いつも親に自分の欠点や弱点をだしているような子供の方が安心です。

質問「落ち着きがなく忘れ物も多い」

小2の次男は1年の頃から学校によく忘れ物をしてきます。
提出物を出さずに帰ってきたり、給食当番のあと給食服を持って帰らなかったり…。
「まだ子供だし」と思うのですが、担任の先生は、そう思っては下さらないようで、連絡ノートに「困ったことです。他の生徒さんはみんなできています」と書かれたり、電話で「気が散りやすい、集中できない。家庭での指導をお願いします」と言われました。
参観日に息子の様子を見ると、確かに落ち着きがなく、授業中に鉛筆や消しゴムで遊んだりしています。どうすればいいのでしょうか。 
岐阜市在住 29歳 主婦 夫 会社員 小2と4の才男児

回答 「母性のあとに父性」
子供が健全に育つには、「母性」的なものと「父性」的なもの、両方が必要です。父性性は、子供の成長に従って、様々なルール、約束、義務、努力といった事を教えていきます。母性性とは、家庭の中で子供や家族を受容、許容、承認する力です。「そのままでいいよ」という安らぎ、憩い、くつろぎの体験を充分にさせてやるものです。子供に、包み込まれている安全感や見守られているという安心感を実感させるものです。親の顔色を伺いながらものを言うような子供ではなく、安心して本音で話せる子供にしてあげましょう。
両者がバランスよく子供に働きかける事が大事なのですが、大切な事はまず母性的な養育を充分にした後、父性的な、しつけ的な育児をするように心がける事です。母性性が豊かに与えられていない子供には、学校でも父性的な教育が出来ず、母性的な保育からやり直しをしてやるくらいの気持ちで当たらなくてはならないのです。子供が何歳になっても、必要ならば必要なだけ、母性性を充分に与える事、その後徐々に父性性が機能していく、そんな育て方をする事が重要です。それが子供の社会性や人格の成長に影響するからです。
「皆が出来る事を同じように出来るようになりなさい」と望む事は、評価される事であり、幸福な事ではありません。自尊心が傷ついてしまいます。弱い部分を補強するのではなく、得意な部分を伸ばすという発想をしませんか。「気が散りやすい」「集中できない」と言われますが、それは単に「大人が集中して欲しいと思っている事に集中していない」という事です。
得意な事を見つけ他の弱い部分の事など帳消しになってしまうほど伸ばしてあければいいのです。
素晴らしい集中力を見せますよ。
出来ていない事について、「こうしちゃダメ」と厳しく叱り過ぎない事です。少ない言葉で、手短に、穏やかに話しかけ、「こうするのがいい」と具体的に教え、出来ない所は出来るまで手伝ってあげてください。言ってすぐに動かないからといって怒るのではなく、何度も穏やかに。ゆっくり待ってもらう時間が、この子には必要なのです。必ずいい子に育ちますよ。

質問「離婚したことで子どもが寂しい思いをしている」

私は2年前離婚し、実家に戻って、両親と妹と同居し、パートをしながら子供を育てています。
元夫と子供は会わせない事に決めていますが、子供は元夫の事が大好きで、突然パパがいなくなった事に泣く事もしょっちゅうです。「もう会えないんだよ」と説明しても会いたがり、寂しくて仕方がないようです。
両親と妹は息子の事をとても可愛がってくれています。でも、私は毎日仕事で、しかも現在は体調を崩してしまい、以前のようにかまってあげる事ができません。コロナウイルスで保育園が休みになる事が多く、「ママ遊ぼう」とやってきても、イライラして追い返してしまうこともあります。離婚前は専業主婦で、近所には同じくらいの年齢の子がたくさんいました。何組もの親子で遊ぶことも多かったのですが、今は近所に小さい子もいません。母親の愛情が足りない、寂しい子に育っていくのではないかと心配です。
福岡市在住 パート  31歳 息子 4歳 

回答 「大事なことは、いまの生活に満足すること」
お父さんに会わせた方がいいのか悩んでいらっしゃるのかもしれませんが、お父さんに会えれば満足できるというものではないと思います。
息子さんは今の生活に満足していないのではないでしょうか? 不足しているものは父親だけでなく、お母さんと過ごす時間、友達など色々あるのだと思います。幼いので自分が「何が不満なのか」分からないので、とりあえず「お父さんがいない」という不満を口にしているかもしれません。
大事なことは、今の環境でどれだけこの子の欲求を満たしてあげるか、なのです。その中で満足出来るようになれば、きっと「お父さんに会いたい」とは言わなくなるはずです。仕事を減らして時間をかけなくては子供を満足させてあげられないとは思わないでください。必要なのは、「この子が喜ぶ事をしてあげることが自分の喜びなのだ」という気持ちをしっかりと持つことです。子供の喜ぶ顔を見て、自分が嬉しくなるような時間を作る事が大切です。喜びを分かち合う時間を是非作ってください。子供が楽しむ姿を見て、お母さんも楽しい。そうでなくては、子供だって、心の底から楽しいと思う事は出来ないです。人間にとって、喜びを誰かと分かち合う経験は非常に大切です。もしもお母さんの心の中に、子供の存在を負担に思う気持ちがあれば、子供が「パパに会いたい」と願う気持ちは消えないでしょう。
お母さん自身、離婚で沢山傷ついてきた事でしょう。体調も崩されて辛い事も沢山あるでしょう。でも元気になる為の一番の近道は、わが子の幸せそうな笑顔を見る事です。どうぞ、たった一人のわが子を愛し、幸福にしてあけてください。そうすればきっと、あなた自身が心から幸福になれると思います。

質問「生徒同士のもめごと」

小学校の教師をしています。生徒同士の喧嘩がいじめに発展してしまいそうで悩んでいます。
もめごとの多くは、「A君が僕の悪口を言った」「B君が先に叩いた」などという事ですが、ちょっとしたことが拡散してしまう事を心配しています。日常的にみられるもめごとの解決方法があれば教えてください。
大阪市 在住  32歳 小学校教師

回答 「双方が言い分を十分話せるように中立的に援助」
調停とは、何らかの問題で対立関係にある当事者間に第三者が入って、話し合いで解決できるように援助する方法です。話し合いの調停の進め方のコツを紹介します。
先ず入り方としては「ちょっと話に入らせてもらってもいい?」と頼みます。
その時、二人に3つのルールを提示します。それに合意してもらいます。
① 正直に自分の気持ちを話す事 

② しっかりと相手の話を聴く事 

③相手が話している時には、遮らない事。

それがうまくいかない時は、ルールを守るように注意します。
「どっちから話を聴こうかな?」「A君から言ってもらってもいいかな?」
まず、A君に「何があったの? A君から話してごらん」と中立の立場で聞きます。もし、そこでB君がA君の発言をさえぎってきたら、3つのルールを話して「君には後で話してもらうから、言いたい気持ち覚えておいてね」とねぎらいます。守れたら褒めて「よく守ってくれたね」とねぎらってあげます。
大切にされていると思うとその事で双方に受け入れが起こり、次に安心して素直に自分の気持ちを話せるようになります。双方の感情を受け止め、自分の言いたい事が言えた、平等に聞いてもらえた、それが解決につながります。
二人が不満を言ってきますが、お互いが「どうしたいのか」を聞くようにします。もめている内容、何で腹を立てているのか、相手にどうして欲しいのかを引き出します。注意したいのは、「どうしてそんなことをしたの? こんなことをしたらダメだと思わなかったの? 自分が悪いと思わないの?」などの「心を閉ざす質問」は避けます。それより、「何が起きたの? その時、何を考えていたの? うまく解決するには何が必要だろう?」などの自省を促す質問を行います。
思いこみや良し悪しを単純に決めつけないで、お互いの言い分、文句をしっかり聞いてやる事で自分の行為を振り返ろうとするのを待ちます。
相手の言った事を繰り返し、「A君は00と言っていたけどどう思う?」と振り分けます。自分の言い分を話し、「事実」「感情」「願い」を出し合って食い違いをはっきりさせていきます。言い分を聞いてもらえないという不満を抱かせないようにしましょう。最後は解決していくのにいい方法はないか、「どうしたらいいだろうか」と投げかける事で、自分達で解決しようとする意欲が表れてきます。

質問「娘を見るのがつらい」

「娘を見るのがつらい」
私の父は厳しい人で、母は父の言いなりの人、兄とも仲良くありません。私は父の顔色を伺い乍ら生きてきました。必死で勉強して成績はよく、先生からも評価されて目立つ存在でした。ただ、小4の時、ある男子に「赤毛」と言われ続けた事がありました。とてもイヤだったのに誰にも言えず、髪の毛の事なんて気にしていないフリを続けました。けれど娘を産んだ直後、周産期センターの看護師さんに「髪が赤っぽくてかわいいわね」と言われた途端、その苦しみがよみがえったのです。娘の誕生を喜べず、娘も大きくなったら私と同じように苦しむんじゃないかと娘の髪を見ては苦しくなります。子供が生まれるまで気にしていなかったのに。どうすれば「生きていてよかった」と母娘ともに思えるのでしょうか。
      奈良県在住 29歳 主婦 夫 会社員 32歳  娘 1歳    
回答  「自己肯定感」の育て直し
幼い頃に親から自己肯定感(自分はこのままで十分価値があるという自信)を育ててもらえなかった方に共通する苦しみです。
親の目を気にして育つと、ありのままの自分では愛されない気がするようになります。
自分を誇りに思えない、自分を好きになれない人間になってしまうのです。
人間は、仮面をかぶった自分ではなく、誰かにありのままの自分を認めてもらい、好きになってもらう事で自分を好きになれるのです。周囲の顔色をうかがって優等生を演じていた時、あなたは「相手を喜ばせることが自分の喜び、幸せ」とは感じられなかったのではないでしょうか。
あなたは、そんな中でも、何とか頑張って優等生として生きてこられたのですね。わが子を無条件に愛する事が出来ずに苦しんでいるとすると、お子さんの髪の毛の色が問題なのではなく、あなた自身の問題です。
あなたは「我が子のありのまま(髪が赤い)を入れられないのは、子供時代に受けた心の傷が関係している」とお子さんを通して気づかれたのです。それはあなたの心の傷の回復の第一歩です。そういう事は心の深い部分に抑圧されている為、気づく事が出来ない人もいます。克服する為には、幼い頃に満たせてあげられなかった「自己肯定感」を育てていく事が必要になってきます。ささいなことでいいですから、相手が喜ぶことをしてあげて、相手の喜ぶ顔を見ることで自分も喜ぶ、そんな体験を積み重ねてください。
夫や子供の喜びが自分にとっても喜びだと思えた時に、基本的信頼関係(愛着)が成立するのです。家族の喜びを自分の喜びにしていくのです。
家族を幸せにすることで、自分が幸せになる。それが「自己肯定感」の育て直しです。お子さんに、絵本を読んであげたり、お風呂でゆったり遊ぶとお子さんは喜ぶでしょう。その笑顔を見て、心から「ああ、わたしは幸せだな」と感じることができればいいのです。ご主人と一緒に、何か楽しめる趣味を持つのもいいですね。二人で楽しく笑って「幸せだな」と実感するのです。

質問「毎日繰り返される兄弟喧嘩」

1才違いの男の子2人が、最初は仲良く遊んでいるのに、ちょっとしたきっかけで喧嘩になります。カードゲームをしていて負けた、ゲームを貸すと言ったのに貸してくれない、泣くのは殆ど弟です。泣くと、兄がからかうので、余計に泣きわめきます。
私は見かねて「もう、やめなさい」と叫びますが、収まるはずはありません。ひどい殴り合いにはなりませんが、こんな時どうしたらいいのか困っています。
 福岡市在住 31歳 会社員  夫 35歳 自営業  長男 5歳 次男 4歳

回答 「自然な仲直り」
兄弟喧嘩はいいも悪いもない。お相撲と同じです。親の役割は、行司審判です。介入も仲裁もなしです。
下手にどっちが正しい、良くないと判断するとこじれるだけです。
兄弟喧嘩をしないほうが問題です。お相撲ですから強いほうが勝つし、何度負けてもまたやりたがります。負けた方を必要以上になぐさめる必要はありません。
「勝敗」は大抵、どちらかが泣いた時点で決まりますから、取り組みの経過を見守って、泣き声が聞こえたなら「ハイ、おしまい」と試合終了の宣告をするだけです。叱ったり、お説教しないようにしましょう。ラグビーワールドカップで試合終了のことを「ノーサイド」と言いってましたがが、どんな理由で喧嘩になっても、終わったらもう敵も味方でもない。兄弟ゲンカもその精神です。どちらも悪くない。イヤだったら一緒に遊んだりしません。あとは、気分転換させること。二人を呼んで「ケーキでも食べようか」。それだけです。ひどいなぐり合いにならないという事は、お兄ちゃんなりに手加減しているんです。兄弟喧嘩してもまた一緒に遊び始める、「ごめんなさい」がなくても「自然な仲直り」を学べることを経験する事に意味がありますよ。素晴らしい事です。それは、兄妹だから、家族だからできるんです。そんな経験の積み重ねがあると、その後の友達づきあいが上手になります。
仲直りができず、人間関係につまずいてしまう子が増えている中で、仲直りを自然に上手にできるとどんなに生きやすいでしょう。
喧嘩した時、親が怒ったり、善悪を判断して余計な介入をすると後々までしこりを残す事が多いです。親の愛情を求めて、恨みになってしまうのです。
「弟が悪い」「いや兄ちゃんが悪い」と言っていたら、両者の話を「う~ん、そうか」と口を出さず聞いてあげればいいのです。それだけです。二人はいつの間にか笑顔になり、一緒に遊んで、また喧嘩を始めます。喧嘩はお相撲ごっこですから。そしてもう少し成長したら、二人は全くといっていいほど喧嘩しなくなります。その時までの事なのです。付け加えて言いますと、その子だけの話を聞いてあげる、一対一の時間が大切です。
親の愛情は、一対一の時に伝わりやすいもの。そんな時間が子供には必要です。
そういう時の方が、教えたい事とか、しつけとかがうまく伝わると思います。

質問「一人遊びが好きな子」

4才の娘は、一人で遊ぶことが好きです。保育園ではー人で遊ぶことのほうが多いようで先生にも「いつも-人で遊ぶか、本を読んでいるんです」と言われました。家でも本を読んだり、おもちゃで遊んでいて、私と遊ぶ事はほとんどありません。一人が好きなのは、もっと小さい時に私がちゃんと遊んであげなかったせいなのではないかと、とても気になります。
       岡山市在住 薬剤師 32歳  夫 自営業 長女 保育園年中

回答「『一人より友だちと一緒がいい』という体験を」
テレビやゲーム、おもちゃなどが家庭に充実していて、子供が飽きずに一人遊び出来る環境が整いすぎているのが現代の家庭の特徴です。
昔のように兄弟姉妹が沢山いて、その友達が家にやってきてワイワイ遊ぶというような事は、もはやありえません。おまけに、外には子供が自由に遊べる場所がありませんし、習い事も増えて友達と関わる時間も自然と制限されてきています。でも、人は、必ず人と一緒にいたい本性があるのです。
「一人遊びが多い」という子でも、「いつも一人の方がいい」と思うはずはありません。
子供は、友達と遊ぶのが好きです。お子さんは「友達と遊ぶ事が楽しい」と実感した経験が乏しいのかもしれませんね。「一人より、○○ちゃんと一緒の方がずっと楽しい」と思える為には、そんな楽しい遊びを繰り返し体験する事です。そんな環境を沢山作ってあげたいですね。
子供の頃に友達と遊んで楽しかったという経験は、健全に育っていく上でとても必要な事です。
「子供を育てる」ということは、「自立」「社会性を身につけさせていく」という事なのです。
では、年齢にふさわしい社会性を教えてくれるのは誰でしょう。親も幼稚園の先生も少しは教えられるかもしれませんが、同世代の子供達にはかないません。友達を観察しながら自分を振り返り、「友達の意見は自分の意見とは違う」「自分に期待されている役割はこれだ」「助けられたり、助けたり」というような事を、子供は友達と遊ぶ事で学び、その中で社会性を身につけていくのです。
最近は、親自身も、家庭内に他者を入れない傾向があります。
「そういうおつきあいは苦手」と感じるのであれば、あなた自身の兄妹や従姉妹などの親戚家族を誘ってもいいですし、家を子供の友達に開放してあげるという方法もあります。
その中で育んであげればいいのです。「小さいころに自分が一緒に遊んであげなかった」と気にされているようですが、過去の自分を責めるよりも、お子さんの為に今、これから出来る事をしてさしあげることが大切ではないでしょうか。




質問「「育てにくい子」

子供を心から大切に思い、幸福を願っているのですが、どうしてもよその子と見比べて、「どうしてうちの子だけこんなに手がかかるのか、どうしてこんな事が出来ないのか」と思ってしまいます。
他の子に比べてあまりに集団になじめず、我慢が出来ず、迷惑をかける行動が目につきます。
私は子供の頃から自己肯定感が低いと思っているからか、「ありままのわが子」を受け入れられず不安を感じてしまいます。自立した子に育ててあげたいのですが、どういう点を大切にしていったらいいでしょうか。
和歌山市在住 38歳  パート  長女 5歳


回答 ある心理学の教授が「100冊の本を書くよりも、一人の子供を育てる事の方が偉大だ」と仰った言葉を思い出します。
一生懸命わが子を愛している思いが伝わってきます。子供は思い通りになりませんよね。かといって、手のかからない子がいい子というのは違うと思います。
「比較される」ということは、「ありのままでは愛されないんだ」というメッセージが伝わり、子供にとってこれ以上の不幸はありません。
あなたは不安感が強いようですので、お子さんのそのままの姿に安心できないのだと思います。子供に自分の望む姿になってもらう事で、安心したいのではないですか。お母さんの不安はそのまま子供に伝わり、子供まで不安定になります。「あなたが00だらかお母さんは不幸なのよ」というメッセージが伝わるのです。これが一番という子育てはないと思いますが、今のあなたにとっては、「親が望むような子にしよう」と思うのではなく、「子供が望むような親」になるという事、子供がして欲しい事を出来得る限りしてあげ、子供が望まない事はなるべくしないようにするだけでいいと思います。
子供を変えようとしないことです。そんな子育てが出来るようになると楽になってきます。そして、自立とは、誰にも迷惑をかけない事ではなく、依存している事に感謝出来、頼り頼られ、お互いさま、そんな関係を作れる事です。
成長や発達の早い子も遅い子もいいます。その子なりのペースで自信をもって育っていけるようにしてあげたいですね。今の年齢のお子さんにとって何が必要なのかというと、安心感と母子一体感です。
最後に一言。自己肯定感とは、自分を大切にすることです。身近な人を尊重し、大切にすることが自己肯定感を高める第一歩です。
そして、「ありのまま」を受け入るというのは、無条件に受け入れること。そこから出てくる思いは、「存在してくれるだけで有難い」「愛おしい」「本当によく頑張ってるね」というねぎらいです

質問「子供を冷静に叱れない」

子供は大好きなのですが、子育ての難しさをつくづく感じています。長男は、弟が遊んでいるのにおもちゃを横取りしたり、「テレビが見えない」とけったりして、弟が嫌がるような事をよくします。そんな時は長男に優しくしようと抱っこしたりもするのですが、ダメなものはダメと言うようにしています。けったらいけない、勝手に取るのはいけない・・・。そして弟に対して痛いことをしたら、私がやり返してしまいます。自分がやられたらどう思うかと教えたいのですが、怒りすぎて自分が嫌になります。
冷静に叱るなんてできません。こんな叱り方はいけないのでしょうか。
静岡市在住 31歳 主婦パート 夫34歳 会社員 長男5歳 次男2歳 

回答 「お母さんの心のゆとりが子供の心にゆとりや優しさを生む」
攻撃は、満たされていない心の表れです。弟の代わりにやり返すと上の子の意地悪はおさまらず、弟に優しく出来なくなり、拍車がかかるだけです。
子供を叱る事は仕方がないですが、自尊心を傷つけないようにしましょう。
お子さんに「たたいてはいけない」と教えたかったら、お母さん自身が叩く事を我慢しなくてはなりません。もしも叩いてしまった時は、お子さんに丁寧に謝ってください。そうする事で子供の自尊心は救われます。兄弟喧嘩は叱る必要はありません。弟が叩かれて泣いても、上の子を責めたり叱ったりしなくていいのです。弟は、お兄ちゃんが好きだから、叩かれてもお母さんが上の子ばかり叱る事がなくなれば、自然に乱暴もおさまり、一緒に遊びますよ。上の子は、欲求不満が大きいのかもしれませんね。
保育園でも、乱暴な子や意地悪な子は何か心に傷を抱えていて、屈折している事が多く、その欲求不満が乱暴な行動を生むのです。「あなたが悪い」と言われるほど、欲求不満は大きくなります。
出来るだけ上の子を大事にしてあげるといいですね。そうすれば上の子はどんどん自立していって、「ぼくはいいから、弟にやってあげてよ」って言うようになります。今のような状態がこれ以上続くと、上のお子さんの「母親への基本的な信頼感」が揺らいでしまう可能性があります。基本的な信頼感(母子の愛着)を幼児期にちゃんと築けない子は、攻撃性が強くなったり、ひきこもったりしてしまう傾向があります。いまが非常に大事な時です。
ところで、お母さん自身が孤独なのではないでしょうか?あなたにとって、家庭はくつろぎの場になっているのでしょうか?
お母さんが夫との関係でくつろぐことが出来ないと、子供に厳しく当たってしまう傾向があります。
もしそうなら、是非ともご主人とちゃんと向き合って「私の苦しさに耳を傾けて」とご主人に助けを求めてください。それが難しいのなら、ご友人や専門機関でもいいでしょう。

質問「過保護と過干渉」

「抱っこしてほしい」「遊んでほしい」「今日は00が食べたい」そのすべてを満足させると過保護になり、そんなに育てると自分ばかりを大事にして、他人をないがしろにする子になるのではないかと
思っています。「子どもの言いなりになると、親を召し使いのように扱う子になるんじゃないか」という心配があります。過保護についてどう考えたらいいのでしょうか?
      大阪市在住 32歳 パート  夫 会社員 長男 4歳 次男 1歳
回答 「過干渉は子どもの自立の芽を摘む」
子供がして欲しいと願う事なら、出来る事はやってあげてもいいと思います。
過保護と過干渉は全然違います。過保護になる事は悪い事ではありません。
過保護になってしまうんじゃないかと心配する親のほとんどは、過干渉です。
人は、保護してもらえる、いつでも守ってもらえると思うと、伸び伸びでき自分らしさを発揮できます。過保護は自主的になる子を育てますが、過干渉は自立の芽を摘みます。過保護にされる事で、自分は大事にされているんだと思えるのです。その自信が自立の原動力になるのです。親に愛され、大切にされて「自分は価値ある存在だ」と自覚できるのです。
過保護に育てられた子は自分ばかりを大事にして、他人をないがしろにする子になると考えるのは間違いです。誰かに大切にされた経験のない子が、どうして他者を愛したり、大切にしたりできるでしょうか。
自分を大切に思えて初めて、人は人を大切にできるのです。
一方、過干渉は、子供がやりたいと望まない事をやらせすぎる事です。
子供に「こうなってほしい」という気持ちが強く出すぎると過干渉になってしまうのです。子供をダメにし、自立心が育たなくなるのは、過干渉で育てるからです。自主性や主体性というものは、やりたい事を伸び伸びとやっていく事で育つものです。けれど、「やらなくてはならない」事ばかりやらせすぎると、子供は「自分が本当は何がしたいのかが分らなくなってしまう」のです。過干渉の親は、うまくいった場合に過剰にほめる傾向がある為、子供は親の目を気にして、自分のやりたい事とは別の「仮面の行動」をするようになります。
そのまま思春期になると、自分らしさを見失い、「何をしたいか分からない」「自分がない」という状態に苦しむ事があります。過干渉が自主性の芽を摘んでしまったのです。勿論、しつけは親の義務です。やらなくてはならないことをさせる事も必要です。けれど、しつけの為とは言いながら、親の都合で干渉してしまう事も多いです。「時間がない」「将来のために」と大人の理屈で考え、その子のペース以上に急がせてしまう、それが多すぎるから過干渉になるのです。
「出来るようになったら、自分で決めていいよ。それまで待ってあげるね」とゆっくり待ってあげられるといいですね。

質問「保育園でPTSDになった」

先週保育園にお迎えに行くと娘が急に泣きだし、担任の先生に「お弁当も残し、おやつも吐いた」と言われました。何があったのかと帰ってから娘に聞くと、吐いても怒られるし、泣いても怒られるし、先生は怒ってばかりで幼稚園が楽しくないというのです。その数日後、担任のA先生から「また泣いて吐いて私の服にかかった」と聞かされました。先生は、私が謝っているのに、娘にもう一度謝らせました。帰宅後、娘は先生に「背中をたたかれた。怖い」と話してくれました。翌日、園長と話しましたが園長は謝るばかり。
担任はその月末に退職しました。でも、娘の状態は悪くなる一方で、毎朝お弁当の用意をするたびに吐き気で泣くのです。毎日朝から帰りまで娘のそばに付き添っていますが、少しでも私が離れると涙ぐみ、ぐずったり。もしかしてトラウマになっているのでしょうか?
   神戸市在住 主婦 34歳 夫38歳 自営業 長男 小2 長女 3歳

回答 「子供のSOSを受け入れてください」
この先生のやった事は非常に不適切です。園長が謝ったそうですが、シラを切り通すようであれば、この園そのものが教育の場としても不適切だと言えます。
人間は辛い記憶を無意識の奥に押し込めるのですが、消えた訳ではなく、余りにも辛い場合には、忘れる事ができず、折に触れて思い出して苦しむ事になります。これをPTSD(精神的な外傷を受けた後のストレス障害)と呼びます。お子さんの状態も、小さなPTSDと言えると思います。
担任の先生は退職してしまったようですが、もしも残っているとすれば、お子さんを転園させる必要があると思います。一緒にいるとPTSDは消えません。
「先生がそんな事するはずない」「あなたがいけないからだ」などとおっしゃらずに、お子さんの話をちゃんと聞いて対応された事は大変良かったと思います。
中には、担任の先生は「あれは背中をさすっただけ」と言うかもしれません。でも、大切な事は、頭ごなしに否定しないで「怖い」と感じた子供の気持ちをしっかり受け入れてあげて「そうか、怖かったのね。ママから先生にたたかないでくださいってお願いしようか?」と言ってあげればいいのです。
「なぜそう思ったの?」と聞いてあげ、「でも、こうなんだよ」という部分は、ゆっくり時間をかけて納得させてあげてください。子供の心を受け止めてあげる応援団になる事です。
そして、お母さんに話してくれた事をほめてあげて下さい。
子供が「心に負った傷」を忘れるためには親がしっかり聴いてあげる事と、友だちと楽しく遊ぶことが一番です。苦しさは一人では乗り越えられない。でも、手をつないで笑い、遊びを一緒にできる友だちがいれば、少しずつ辛い記憶を忘れていくと思います。そういう「楽しさを共有する友だち」とのかかわりが、いちばんの治療です。

質問 「口元のくせ、ちょっと気になります」

3歳の息子は、いまだに咀嚼(そしゃく)がうまくできません。
もともとしっかりかんで飲み込むことが苦手な子で、1才後半頃からようやく上手にかめるようになってきましたが、最近また口の中に食べ物をためることが多くなってきました。特に、怒られたり不安になったりすると、口の中に指を入れるような行為まで見られます。「赤ちゃんの頃に指しゃぶりなんてしたことがないのに?」と心配しています。母乳をやめたころから、寝る時は必ず口の中に食べ物を何か入れて、チュウチュウ吸いながら寝る習慣がついてしまいました。仕事をしているので、土日くらいしかゆっくり接してあげられないので、淋しい思いをしているせいではないかということも気になっています。
このようなクセは、やめさせたほうがいいのでしょうか。
神戸市在住  30歳パート 夫35歳 会社員 長男3歳

回答 「眠る前はママとのふれ合いの時間に」
欲求不満やさびしさを感じたときに口元のくせ(=習慣)として表れやすいです。以前はしなかった指しゃぶりが始まったり、口に食べ物を入れないと寝られないなどのくせが出始めているのですね。私達人間は、欲求不満や淋しさというものを、口元で発散しようとする傾向があります。小さな子なら指しゃぶりや爪かみをしますし、大人でもタバコを吸ったりします。拒食症や過食症も一種の口元のくせではないかと思います。優しい言葉をかけてあげ、自然にそのくせから離れられるのを待ってください。それがお子さんの発達を促す一番大事な事だからです。子供は、依存と反抗を繰り返しながら自立していきます。どんな自分でも、親は無条件に近い愛情を注いでくれるという絶対的な信頼があるから、子供は安心して依存したり反抗したりできるのです。口元のくせは「怒られたり、不安になった時にやる」との事ですが、多分、寂しさや不安が原因の赤ちゃん返りでしょう(退行=取り戻し)。大事な事は、このくせをやめさせる事ではなく、この子に安心させてあげる事です。どんなクセがあっても、お母さんは僕の事を見捨てないという、絶対的な安心感を与える事です。具体的には、子供が喜ぶ事をしてあげる事です。
働いていらっしゃっても、短い時間に愛情を注ぐ事はできます。一緒にお風呂に入って遊んだり、子供の好きなものを作って食べるだけでいいです。そんな時間を十分とる事ができれば、お母さんもいつの間にかお子さんのくせが気にならなくなります。手をつないだり、髪をなでたりするふれ合いは、口元のくせよりもはるかに子どもの心を落ち着かせるはずですよ。
喜びを親子で分かち合うという事です。

質問「「優しい子なのに、カッとなると手が出てしまう」

息子はとても気弱で優しい子なのですが、言葉で表現することが苦手で、口でかなわない相手には手が出てしまいます。その為、周りからは「乱暴な子」というレッテルを貼られています。一人っ子ということもあり、もしかしたら甘やかして育ててしまったのかもしれません。悪いことにはその都度「いけないことだよ」と言って聞かせているつもりです。自分でも「分かっているけどたたいちゃうんだ」と言うのです。今はまだ、相手の子も翌日にはあっけらかんとしていますが、このままだとそのうち友達に嫌われて一人ぼっちになってしまうかもしれません。どうすればいいのでしょうか。
    横浜市在住 31歳 主婦  夫 29歳 会社員  長男 保育園
回答 「子供が最も必要としている事」
心が満たされない子は攻撃的になりがちですので、乱暴してはいけないと言うよりも甘えさせてあげる事の方が大事です。お子さんは気弱で優しいというより、自信をなくし、臆病になっているのではないでしょうか。
人間は欲求不満が強いほど攻撃性も強くなります。子供なら、赤ちゃん返りをしたり、ひどいダダをこねたりする事もあります。母親に分かって欲しい事があるのに言えない。だから乱暴になる。すると母親は叱る。欲求不満は増々強くなる。また乱暴する。そういう悪循環に陥っているのではないでしょうか。「悪いことは悪い」と伝える事は、必要な事ですが多すぎてませんか。
誰だって、正しい事ばかり言われると、自信をなくして欲求不満は募りますよ。
悪い事をした時ほど温かく包んであげ、本当の意味で甘やかしてください。
「甘やかしているのかもしれません」とありますが、その逆です。この子にとって大切なのは、本当の意味で「甘えさせてもらう事」だと思います。甘やかすという事は、子どもの願いをできる限り沢山叶えてあげる事です。それは物を買ってあけたり、好き放題させるという事ではなく、お母さんの時間を、子供が望むままに与えてあげるという事ではないでしょうか。お子さんは、ゆっくりママと遊びたい、添い寝をして欲しい、それともひざにすわって甘えたい?「赤ちゃん時代に甘えが足りなかった」ということの表れです。子供に要求する事を減らし、要求を聞いてあけてください。乱暴された子の悲しみは、その場限りの悲しみです。少しのフォローで立ち直れますが、乱暴する子、友達を泣かせてしまう子は、もっと悲しいのです。その心を癒やさないと、その子の乱暴はやみません。
乱暴しても、子供に「謝れ」と言って満足するのは親だけです。愛情が試される場面だと思って、親が相手の子に心から謝るだけで子供は、自分のやった事は謝るべき事なのだと理解します。それだけで十分伝わります。それが、子供が最も必要としている事だと思います。

質問「学童クラブに行きたくない」

小学校1年の息子の事で相談があります。夫婦共働きのため、息子は放課後は学童クラブで過ごしています。小学校へ入ってから「まっすぐ家に帰りたい」「学童には行きたくない」「ママ、仕事辞めて」と大泣きするようになりました。仕事を早めに切り上げたり、祖母に協力してもらって2週間ほど学童を休ませたら、2日ほどスム-ズに行きましたが、3日目の朝、今度は「学校に行きたくない」と泣きました。学童に行くときも、泣きながらだったそうです。家では「なぜママは仕事してるの?」「なぜ僕は学童なの?」と責めてきます。子供の気持ちは痛いほど感じるのですが、今の仕事は辞めたくはありません。どのようにしたらいいでしょうか?
          千葉市在住 看護師 夫 会社員  長男 小学校1年
回答 「短い時間でもいいので、家庭ではで十分なかかわりを」
保育園では楽しそうに通い、親と離れられていたのに、小学校に入学した途端、集団生活になじめず、学校がイヤ、学童がイヤと言い始めるケースは、少なくありません。
保育園と学校、学童は違います。小学生になったら、家庭での安らぎが今まで以上に重要なのです。
保育園は、学びの場ではなく生活の場なのです。保育士さん達は、意識的に一人一人と関わる時間をもつようにしてくれますが、学校は一人の先生が集団に勉強を教える一対多数の関りです。社会化、学びの場ですから、家庭的くつろぎの場ではありません。
学童クラブは子供の数は多く、職員は少ない為、現実には保育園のような関りを望む事は、難しいでしょう。そういう意味で、入学後、家庭はこれまで以上に家庭らしさ、一対一の愛着関係(愛着=心の絆)が望まれます。仕事で忙しいお母さん方は、「私が働いているから、子供に寂しい思いをさせている」と言いますが、短い時間の中でも、しっかりと向き合ってあげられれば問題ないと思います。大事にして頂きたいのは、食事の時、おふろの時、眠る時です。この3つの場面で子供と十分関われば、それで足ります。食事の時、「00ちゃんの好きなものを作ったよ、おいしいね」と言いながら、一緒に食べたり、おふろは、触れ合いの時間と割り切って、出来るだけゆっくり一緒に入りましょう。水遊びをしたり、楽しむ事が一番。そして、寝つくまでそばにいてあげてください。眠るのが好きじゃない子が多いんです。子供にとって、眠ることは不安だし、怖いし、寂しいし、つまらない。そんな時、親がそばにいてくれたら、どれだけ安心できるでしょうか。忙しくて全然時間がとれないなら、寝つく時だけでもそばにいてあげるといいです。それだけで子供は、くつろぎの場と思えるのです。家庭で十分くつろげれば、子供は外で頑張れるんです。お母さんが働いている事も、受け入れる事ができるのでは。短い時間でも、子供を喜ばせてあげる事に幸せを感じたいですね

質問「乱暴、すぐどなる、友だちに怖がられる息子」

息子は小さい頃から言葉が遅かったためか、自己主張が強く、すぐに手が出る子でした。保育園に入ってからは手が出る事は少なくなりましたが、今度はすぐ怒鳴るようになり、周り子から怖がられているようです。遊びに行けなくなってしまった家もあります。トラブルが起きるたびに言い聞かせてきましたが、聞こうとしないので、結局わたしも怒鳴って悪循環になってしまいます。
岐阜市在住 主婦 32歳 夫 会社員 35歳 息子 保育園

回答 お子さんは、衝動のコントロールカが弱いお子さんだと思います。
これは感情を扱うことが器用か不器用かということなんです。
衝動のコントロールが上手にできない子は、集団生活で苦労します。
叱られたり嫌われたりすることが増え、自分への自信や肯定的なイメージをもてない子になってしまうことがあります。
こういうお子さんを、怒ったり、しかったりして反省させるのは、かえって自信をなくさせ逆効果です。
まず大事なことは、お母さんが怒らなくなることです。
勿論、言って聞かせるのは大事な事です。
でも、言い聞かせたらすぐに言うことを聞く子になるなんて、そんな期待をしてはいけません。
聞く耳をもたないときもあるでしょう。それでも怒らないのです。
穏やかに、何日も、何カ月もかけて、何度も何度も言うのです。どれだけ続いたとしても、いつも穏やかに言うのです。ある時、「そういえば、息子に対して怒鳴ったりしなくなってきたなあ」と気がつく頃、息子さんも怒鳴らなくなってきていたというのがいいのです。気長に言って聞かせてください
育児とはそういうものです。
それに、どんなに穏やかに言い聞かせても、最後にどなってしまっては意味がありません。
「これはダメ」「こうしてはいけない」と言うのではなく、「こうするといいよ」と短い言葉で具体的にいう表現を意識して使ってください。
否定的な言葉は極力避けて、くどくど言うのもよくありません。短い言葉でこちらが期待すること、してほしいことを具体的に言うのです。
がんばってみてください。そしてもし、どうしてもどなりたくなったら、息子さんの前から逃げてもいいんです。トイレに入って少し深呼吸するといいと思います。息子さんといっしょに遊ぶ時間を増やす
いっしょに遊び、おふろにゆっくり入り、お子さんの好きな夕食を作ってあげ、お子さんの言うことをたくさん聞いてあげてください。そうすれば必ず、お母さんの言うことを聞いてくれる子に育ちますよ。本当にいい子になります。やってみてください。


質問「保育園に迎えに行っても1時間以上帰ろうとしない」

保育園に子供を迎えに行くと1~2時間も園庭で遊んで帰ろうとしません。これは帰りだけで、朝は夫が連れていくと、あっさり離れるようです。
子供の言うことを聞いてあげようと思っているのですが、私の仕事帰りの為、家事もあり、いつも1時間以上遊ばせるわけにはいきません。なかなか帰ろうとしないので最後はキレて怒ってしまうことがしょっちゅうで、帰りは「あ~またやっちゃった」と後悔の連続です。
どうしてすぐにかえろうとしないのでしょうか?また、どうすればいいですか?
 福岡市在住  29歳主婦 会計事務所経理 夫31歳 公務員 3歳 娘

回答 お子さんは、お母さんと一緒にやりたい事、お母さんにやってほしい事が沢山あるんですね。
お母さんと遊び足りていない子は保育園から帰りたがらないものです。
お母さんとの遊びや、関りが足りていないと、基本的安心感が不足しているため、お母さんから離れられないものです。こういう子ほど保育園から帰りたがりません。
仕事をもっていらっしゃるのでお忙しい事だろうと思います。でも、どうでしょうか?家事は多少手を抜いてでも、その時間をお子さんと遊んであげることに回してあげられないでしょうか?
母子で十分遊ぶことができれば、保育園に長くいることもなくなると思います。
お子さんがお母さんといっしょにしたがっていることなら、どんな遊びでもいいんです。
ひざに乗せて絵本を読むとか、積み木を積んで遊ぶとか、おふろで遊ぶのがいいですね。狭くて、ゆったり温まり、お母さんに抱かれてやすらぎを感じられる場所です。ここはスキンシップのたいせつな場所になりますよ。子どもが満足するまでつきあってあげてください。
遊びは何でもいいです。お母さんとどれだけ一緒にいい関係で遊べるかが大事です。
そして、いちばん大事なことはキレない事。どんなに待ってあげても最後に怒ったら意味がありません。最後の最後まで叱らない。どんなに言うことを聞いてあげたとしても、楽しく遊んだとしても、最後の最後でキしてしまったら意味がありません。
態度から、言葉で感情表現できない感情のメッセージを読み取ってあげる事が大事です。
すべて分かるわけではありません。どうしてそういう行動をするのか、関心を持ってあげ、分かろうとする事が大切だと思います。

質問「ほかの子のことが気になってしかたがない」

4才の息子は、服装や持ち物にこだわりがあり、その為、朝保育園に行くのが遅れます。
「好きな服でなくちゃイヤ」というのではなく、「お友だちは何を着てくるのか」が心配でしょうがないのです。「みんな長靴かな」「みんな半そでかな」などなど、キリがありません。
暑いので半そでで行ったら、他の子が長袖だったので、園の前で着がえることもあります。
周囲の目など気にせず、「自分は自分」という子になってほしいのです。
母は「手をかけさせようと甘えてるんだよ」と言います。そうだろうなとも思うのですが、基本的には上の子優先にしてきたし、妹をとてもかわいがって、遊んでくれたり、優しくしてくれてます。
息子にどのように接していけばいいでしょか。
新潟市在住 30歳 主婦  夫 自営業  4才男児 2歳女児

回答 他の人の目が気にならない子は親にアレコレ言われずに育った子が多いです。
お子さんは、「いい子になろう」とする気持ちがとても強いお子さんなのでしょう。
「お友だちの服を気にする」という事ですが、家にいる時から、他者の目、つまりお母さんの目を気にしているという事はありませんか?もしそういう傾向がおありなら、お母さんからほめられる行動をとっている可能性が大きいです。いい子になろうと頑張りすぎているのかもしれません。
「自分は自分」「誰に何を言われても平気」という生き方ができる子は、親に口うるさい事を言われていないんです。人の目を気にする子の多くは、親に「ああしなさい」「こうするべき」と言われている子に多いものです。ほめられすぎている子もそうです。「ほめる」という事もまた親の価値観を伝えるメッセージですから、子どもをコントロールしてしまいます。あまりほめ過ぎない事、叱り過ぎない事、正しい事を言うのもほどほどに、を心がけてみてください。
親はつい、失敗すると叱る、うまくいくとほめる、という事をしてしまいますが、子育てが、賞罰に傾き過ぎると、子どもは自分の判断で行動できにくくなります。親の顔色が気になり、自分で判断できず、
自分の心の声が聞こえなくなるのです。そういう評価に従ってしか動けなくなってしまいます。
正しい事をたくさん言えば、正しい事ができる子になるかというと、そんな事はありません。
そこのところを、親が判断できると、適量がわかってくると思いますよ。わからなければ、単純に減らすだけでもいいでしょう。多く言いすぎている人がほとんどですから。
家の中で伸び伸びと、失敗しても大丈夫だと思えたら、友だちの評価が気にならなくなります。
たっぷり甘えると早く自立するものです
子どもから「○○して」と言われたときだけ、やってあげるといいです。その子にとって必要な時に、必要な量だけ、手をかけている事が大事です。息子さんがしてほしいことをやってあげてください。満足するまでやってあげてください。

質問「次女に対して大人げなく怒る夫」

二人の娘と夫との関係が気になります。娘たちが赤ちゃんのころは、毎日おふろに入れてくれたり、週末は公園に連れていったりと「優しいパパ」だったのですが、子どもたちが幼稚園に入ったころから変わり始めました。とくに次女は我が強く、素直に「ごめんなさい」を言わないため、夫はどなりつけたり、ののしったりすることがあります。わたしがそのことについて夫に意見すると、「自分のことは棚に上げて、わかったよ
うなことを言うな」と言われ、ケンカになってしまいます。娘たちは「ママ大好き。パパはいなくてもいい」とまで言うようになりました。このままではいけないと思いますが何から変えていけばいいのでしょうか。             埼玉在住 主婦 32歳  夫 会社員 34歳 長女小1 次女年中

回答「相手を受け入れられる事は、成熟の証し」
ご主人とお子さんがぶつかり合う時、親子の「絆」が問われる場面です。
娘さんは恐らく、お父さんに自尊心を傷つけられるような叱られ方をしているのでしょうね。人は自尊心が傷つけられた時、謝る事なんてできないものです。自分の自尊心を守る為に、子供はウソをつかざるをえなくなるのです。子供が素直に「ごめんなさい」を言えないとすれば、その責任は親にあります。そして、「謝る」という事は、大事な事ですが、そこで終わりになるのです。深まらないのです。
ただ、そんなふうにお子さんを追い詰めてしまうご主人も、自尊心が傷ついているように思えます。
仕事で何か辛い思いをしているのか、職場で上司から、または、家庭で奥さんに受け入れてもらっていないと感じているのかもしれません。いずれにしても、ご主人は孤立無援なのかもしれません。
自分が満たされていない、周囲に認められていないと感じる時、人は欲求不満になり攻撃的になりやすいです。
カッカしている当人同士は、中々引っ込みがつかないものです。そんな時、あなたが娘さんの代りに謝ってあげ、間に入って「引っ込みがつくように」してあげればいいのです。
気になるのは、ご主人が「子供が幼稚園に入った頃から変わり始めた」という点です。
自我が芽生えた子供は親の望むような反応をしなくなります。親が「こうすれば喜ぶだろう」と思っても喜ばない、親の指示に反抗もするでしょう。未成熟な親は、「意のままにならない」子供を受け入れる事ができないのです。それは「自分が望むような人しか愛せない」という事です。
相手を受け入れられる事は、成熟の証しです。小さな子供は相手を受け入れる力が弱く、自己主張しかできません。しかし、中には子供以上に受け入れる力の弱い親がいるのです。
成熟した親というのは、親の気に入らない事を言ったりやったりする子を「かわいい」と思えるものです。


質問「姉が弟を思いやれない」

5才の姉は周囲の状況が見えにくいタイプで、「スーパーの中では静かにしようね」と言っても騒いでしまったり、絶えず必ず動いている感じ。弟は逆で、落ちついているタイプです。最近、2人で遊ぶようになってきたのですが、姉が弟のジャマばかりして、弟が「やめて」「どいて」と言っても知らんぷり。
最後には弟が姉をたたいたりしてケンカになります。弟が姉の邪魔をするのは理解できますが、なぜ姉が弟の邪魔をするの、と思うと「育て方を間違えたのか」という気持ちになります。何かにつけ「私だけ見て、見て」と叫ぶ上の子。私は上の子ばかりを叱っているわけではありませんし、いいことをしたときにはしっかりほめるようにしています。4才の子には無理かもしれませんが、相手を思いやれる子になってほしいのです。 発達に課題があるのではないかと心配しています。
東京都在住 34歳 主婦 パート  夫 34歳 会社員  長女 長男

回答 上の子が下の子を思いやれないのにはどうしようもない理由があるのです。下の子はまだ何もできない為、親が余計に手をかけますね。お母さんは「公平にしている」と思っていても、上の子には、お母さんの気持ちが、弟ばかりに向かっていると思っているのでしょう。
親を奪われたと感じて、やきもちをやいたり、ジャマをしたりしてこのようになる傾向があります。この場合、上の子を優先させてあげる事も必要です。「まずお姉ちゃんね」と優先してあけると、「弟が先でいいよ」と言うようになります。いつも「見て見て」というのは、実は欲求不満のサインである事が多いです。
ただ、「周囲の状況が読めない」「絶えず動いている」という点が気になっているようですね。この点のみでは判断できませんので、あくまで情報としてですが、マイペースすぎる、状況を判断したり、他者の不満に気づいたりしにくい、衝動の抑制が下手という傾向は、ADHD(注意欠陥多動性障害)の特徴でもあります。ただ、もしもこのお子さんにADHDの傾向があるにしても軽いものだと思います。不安や苦しみを与えないような気配りをしてあげると、年齢と共に徐々に軽快していく事が多いのです。「思いやりのある子に育てたい」と仰るお母さんはとても多いです。「思いやり」は放っておいても育つものではありません。「こういうことをしてもらうと、人は嬉しいんだ。だったら私も、誰か他の人にやってあげたい」と、思うから育つのです。思いやりのある子に育てたいなら、思いやられた態度に触れる必要があります。親がその子をたっぷり思いやってあげる事が、「思いやりの心」の芽生えになるのです。
子供達はどうすればいいか、何が自分のよくない事なのか、言われなくてもわかっています。大切な事は心から「悪い事はやめよう」「人を喜ばせよう」と思う事です。その感情を育てる為にも、たっぷりの思いやりと愛情を注いでください。

質問「離婚したことで子どもが寂しい思いをしている」

私は2年前離婚し、実家に戻って、両親と妹と同居し、パートをしながら子供を育てています。
元夫と子供は会わせない事に決めていますが、子供は元夫の事が大好きで、突然パパがいなくなった事に泣く事もしょっちゅうです。「もう会えないんだよ」と説明しても会いたがり、寂しくて仕方がないようです。
現在は私の両親と妹が同居していて、息子のことをとてもかわいがってくれています。でも、わたしは毎日仕事で、しかも現在は体調を崩してしまい、以前のようにかまってあげることができません。「ママ遊ぼう」とやってきても、イライラして追い返してしまうこともあります。離婚前は専業主婦で、近所には同じくらいの年齢の子がたくさんいました。何組もの親子で遊ぶことも多かったのですが、今は近所に小さい子もいません。母親の愛情が足りない、寂しい子に育っていくのではないかと心配です。
福岡市在住 パート  31歳 息子 4歳 

回答「大事なことは、いまの生活に満足すること」
お父さんに会わせた方がいいのか悩んでいらっしゃるのかもしれませんが、お父さんに会えれば満足できるというものではないと思います。
息子さんは今の生活に満足していないのでしょう。不足しているものは父親だけでなく、お母さんと過ごす時間、友達など色々あるのだと思います。
幼いので自分が何が不満なのか分からないので、とりあえず「お父さんがいない」という不満を口にしているのだと思います。
今の環境でどれだけこの子の欲求を満たしてあげるかなのです。その中で満足出来るようになれば、きっと「お父さんに会いたい」とは言わなくなるはずです。
時間をかけなくては子供を満足させてあげられないなどと、は思わないでください。
必要なのは、「この子が喜ぶ事をしてあげることが自分の喜びなのだ」という気持ちをしっかりと持つことです。子供の喜ぶ顔を見て、自分が嬉しくなるような時間を作る事が大切です。喜びを分かち合う時間を、是非作ってください。
子供が楽しむ姿を見て、お母さんも楽しい。そうでなくては、子供だって、心の底から楽しいと思う事は出来ないです。人間にとって、喜びを誰かと分かち合う経験は非常に大切です。
もしもお母さんの心の中に、子供の存在を負担に思う気持ちがあれば、子供が「パパに会いたい」と願う気持ちは消えないでしょう。
お母さん自身、離婚で沢山傷ついてきた事でしょう。体調も崩されて辛い事も沢山あるでしょう。でも元気になる為の一番の近道は、わが子の幸せそうな笑顔を見る事です。
どうぞ、たった一人のわが子を愛し、幸福にしてあけてください。そうすればきっと、あなた自身が心から幸福になれると思います。

質問「怒りだすとコントロールできなくなる」

私は自分の思い通りにいかないとイライラと怒りっぽくなり、必要以上に子供を叱ってしまいます。
特に疲れている時などはひどい状態です。
手を上げたりはしませんが言葉でいろいろ言ってしまい、後で「またやってしまった」と落ち込みます。
こんな母親に育てられてちゃんと育っていくのか不安になります。
子供は食べるのが遅く、何回言っても同じ事をするので余計にイライラします。子供なんだから仕方がないと分かっているのですが、怒りだすと歯止めがきかなくなってしまいます。
娘は時々顔色をうかがうようにチラっと私を見ます。わたしはスキンシップも苦手だし、子供とどのように遊んでいいのかもわかりません。 子供には私のようになってほしくありません。
仙台市在住  28歳 主婦 パート 薬剤師  夫32歳 自営業 3歳6か月

回答 「あなた自身がまず受け入れてもらう必要があります」
分かっているのに怒りや衝動、イライラした感情が抑えられない背景には幼少期の体験があります。自分の感情や欲求をコントロールする自制心、自律心は3〜4才頃に育まれるものです。この頃の子供は、やりたい気持ちがあってもうまくいかない事が多いものです。そんな時、親が見守って「こうするんだよ」と穏やかに教えてくれ「できなくても大丈夫。いつかできるようになるよ」「自分のぺ―スでやったらいいよ」と待ってあげ、子供に「決定権」を与えるという事が、自律心を育てる上で重要です。親が待っている間に、子供は自分で「できる」「できない」を自分に問いかけ、できる事をし、できないことはやめます。それは「自律する、自制する」という事です。その中で、自己コントロールする力を育てていくのです。「何やってるの」「早くしなさい」といつも怒られている子には、自制心や自律心が育つ暇がありません。親の顔色を伺い、親の望むような行動をとっていると、人にどう思われているのかに捉われ、自分の気持ちが分からない、自分が何をしたいのか分からない人間になります。
あなたはいつもロやかましく叱られ、失敗を許してもらえず、怒りをぶつけられて育ったのではないですか。スキンシップも遊びも苦手と感じるのはその為です。
いい育児というのは、子供をありのままで受け入れられる育児です。子供に「こんな子になってほしい」と望むのではなく、子供の望むような親になろうとする事です。このような育児をすんなり実行できる人は、「ありのままの自分」を受け入れてもらえている人です。その為には、あなた自身がまず受け入れてもらう必要があります。一番いいのは、ご主人です。ご主人がムリであれば、カウンセラーを訪ねてもいいと思います。どうにもならない感情を誰かに聞いてもらう事です。生き方を見直していくチャンスと考えましょう。

 

質問「上の子をかわいいと 思えないのです」

3才の女の子と1才の男の子がいます。上の子をかわいがる事ができずに苦しんでいます。長女は神経質で消極的、遊びに行っても「お母さんやって」「そら(娘の名前)はいい」と言います。好き嫌いが激しく、何をするにも遅く、私のいう事を中々きいてくれません。姉に比べて弟は何をするのも積極的で、テキパキします。私に似たタイプだと感じるためか、手がかかっても、そこがかわいく感じられるのです。そのためか、下の子とお風呂に入っていると、「そらも~」と甘えてきて、体にまとわりついてきます。優しく受け止めなくてはと思うのですが、どうしてもできません。先日、保育園の先生に「最近、元気がないんです」と言われ、私のせいではないかと悩んでいます。ほめてあげればいいとは思うのですが、ほめたくても、ほめられるような行動をしないんです。
 福島県郡山市在住 主婦 29歳  夫 公務員 31歳 3歳女子 1歳 男子

回答 上の子に早い成長を期待してしまうのでしょうか?
下の子が小さくて手がかかる時期、ついつい「上の子には手がかけられない」となってしまいがちになります。それが続くと、いつの間にか「お姉ちゃんなんだから、自分の事は自分でやってほしい」という気持ちに変化するのです。けれど、上の子だってまだ幼いのです。甘えたい気持ちをお母さんに満たしてほしいのです。なのにお母さんは、「早くお姉ちゃんらしくなってね」と要求します。
それで上の子の心は、欲求不満になってしまいます。
欲求不満は、退行(赤ちゃん返り)や攻撃性といった形で表に現れてきます。それが母親の目には「お姉ちゃんのくせに、赤ちゃんっぽくて困る」と映ります。
次第に「上の子のいい部分」が見えなくなり、かわいいと思える場面がどんどん少なくなってしまいます。上の子に対して益々厳しくなり、子供は退行や攻撃性を強め、悪循環になります。
お姉ちゃんを「神経質」と書いていますが、神経質というより、意欲がわかないのです。
お姉ちゃんは自信がなくて、自分で決める事ができないのです。その為、積極的に動く事ができないのです。「自分はこれでいいんだ」という「自己肯定感」が育っていないのです。
自分が母親に愛される価値のある人間だと思えるように、自尊心を育ててあげてください。
「ほめたくても、ほめられるような行動をしないんです」と書かれていますが、行動をほめる必要はありません。「そらちゃんかわいいね」「お姉ちゃんから先にね」「お姉ちゃんだから特別だよ」と、たったそれだけでいいんです。それだけでグングンお姉ちゃんらしくなってきます。それだけで、人格すべてをお母さんに肯定されたと思うんです。「かわいい子だからかわいがる」のではなく、かわいがる事で
かわいい子になります。


質問「「子供のために専業主婦でいた方がいいのでしょうか? 」

看護師として働いていて、娘の出産を機に専業主婦になりましたが、いつかは看護師として復職したいと思っています。私は小学生のとき、運動会や参観日に母がきてくれたことがなく、休日もいっしょに過ごせない事が多くて寂しい思いをした為、子供とは一緒にいたいと思っています。
でも同時に、休職が長<なるともう復帰できないのでは、という焦りもあります。
子供の為に、このまま専業主婦でいたほうがいいのか悩んでいます。また、仕事に復帰するとすれば、どんなタイミングがいいのでしょうか。
大阪在住 32歳 看護師  夫 会社員  男子5歳 女子3才

回答 「子供に責任転嫁しない」
仕事と子育てを両立させるか、子育てを優先させるかは人それぞれだと思います子育ては素晴らしい仕事ですし、看護師の仕事もまた、価値ある仕事です。
あなたは看護師の仕事にやりがいを感じていらっしゃるのですね。
復職すると子供の発達や心に悪影響があるとは、全く思いません。
復帰する時は子供と過ごす時間を心から大事に考えてあげて下さい。
ただ、絶対に気をつけなくてはならないことがあるのです。
仕事を終えてお子さんを迎えに行く時に、『私はもう看護師じゃない、ママなんだ』と気持ちを入れかえてください。子どもは「ママ」を待っているのです。職場の顔、職場でのストレスは、決して子供のいる場所に持ち込まない事です。
一番よくないのは、「お母さんは働いて疲れているんだから、あれこれ要求しないで」という気持ちになることです。働く事を選んだのはあなたです。そのしわ寄せが子供にいってはいけません。子供と接する時間が長ければいいというわけではありませんが、短ければ短いほど、その時間の充実度が重要なのです。また、子どもを預けた場合、そこのスタッフと親はどうぞ仲よくしてください。
預け先が祖父母など親戚であっても同じです。赤ちゃんでも、親が保育園や預け先の人を信頼していればしているほど、子供はのびのびと子供らしく育っていると感じます。
復帰する時期については、ご自分で考えて「いま戻ろう」と思った時が、ベストなタイミングだと思います。
専業主婦のままでいる道を選んだ場合、守ってほしい事があります。それは、「本当は働きたかったのに、子供の為に仕事をあきらめた」と、子供に責任転嫁する事です。そんな風に言われたら子供がたまらないですね。専業主婦でいるのも、看護師に戻るのもすべてあなた自身の決断です。「子どものせい」にだけはしない事です。もし、迷うのであれば決断を急がず、何年か後に復帰してもいいでしょう。いつであっても、遅いという事はありません

質問「感情が爆発すると1時間以上泣きやまない」

2才5か月の息子の事です。とにかくよく泣きます。
先日もオモチャ遊びをしようとしたらに姉に横取りされて泣くので姉が渡してくれたのに泣き叫び、わめ<といった感じです。
服を着る時も「ママやって」と言う事が多く、「お靴は自分ではけるよね」と言っても「ママやって」の一点張りで泣き叫びます。泣くと「おてて」言うので手をつないであげると「おめめ」とうので目をふいてあげるのですが何回ふいてもきりがありません。毎日この繰り返しです。-度泣き始めると、どんなになだめても泣き叫び、わめき続けます。こんなことが1日に何度もあり、もしかして病気なのではないかと心配になります。   
福岡市在住 30歳 主婦 夫 自営業 4歳女子 2歳男子

回答 「人生の基礎工事、基本的安心感」
母親は、子どもにとって「世界」そのものなんです。子どもが育つ上で体験する母子一体感は、大事だと思います。心理学では、この頃にお母さんを通じて、この世界への基本的信頼感というのが作られると考えられています。つまり「大丈夫なんだ」という安定感です。絶対に助けてもらえないという体験は困ります。「親に守られてる」と感じる事はすごく大事で、絶対的と言ってもいいくらいの「守り」です。
この子はお母さんと色々な楽しい事がしたい、してほしい事が色々あるのです。でも、思いつかない。だから、泣いてダダをこねるんです。大事な事は、面倒がらずにやってあげる事です。
この子は「自分が何をしてもらいたいのか」がわからない。絵本を読んだり、お絵かきしたり。そういう事がしたいのに、思いつかないんですね。
もっとお母さんに甘えたいのに、うまく甘えられない。言葉にできない時事だと思います。
きっと、手をつないでもらいたいわけではないのだと思います。だから、「ママやって」とムキになって頼んでいるのでしょうね。この子がしてほしい遊びをいろいろやってあげてみてください。
「自分で出来るよね」とか「早くを終わらせよう」とめんどうがらずにやってあげるという事です。
泣き叫び始めると1時間以上泣き続けてしまうということですが、そういう時は、「ママの大好きな○○ちゃん」と抱っこしてあげるのがいいと思います。それだけを言うのです。その後「そんなことしないで」とか、「いい子になって」とか言わないようにしてくださいね。
泣かない子になってほしいと望んでいると思いますが、わが子が何を望んでいるのかなと思いながら子育てをしてください。沢山喜ばせてください。必ずいい子に育ちますよ。

質問:自分の課題と向き合う

中学2年の息子の事で相談があります。中学に入り、半年してから不登校になり、現在は引きこもり状態です。不登校になったきっかけは、校内ダンス大会が企画され、各クラス毎に練習して出場することになったのですが、息子が休んだ日にクラスのダンス委員の一人に息子が選ばれたのです。登校してこの事を知った息子は、ショックの余りキレてしまったのです。以来登校しなくなりました。担任の先生が何度も訪問してくれたのですが、私や先生に「うるさい」と怒鳴り、家族にも口を利かなくなったのです。
小学校の時から、ちょっとしたことでキレてしまう事が多く、クラスで孤立していたようです。
小学校3年の頃、拒食症で入院したこともありました。
私は、息子の生後間もなく離婚し、私の両親と4人で生活してきました。両親はお互いを非難し合う事が多く、私も離婚した元夫への憎しみが消えず、息子にぶつけてきたことを反省しています。
そういう事も影響しているのでしょうか? それも含めて今後何をどのようにしていけばいいかヒントをお願いします。   

長野県松本市在住  病院勤務 37歳 主婦  息子 中学生2年

回答:「親の心も傷ついている」
引きこもっている事は、息子さんにとって何がいいるのでしょうか? もしかしたら、安心感があるのかも知れませんね。ここで考えてみたいのは、子供はどんな時に傷つくのかという事です。私は、その子に、誰も守ってくれる人がいない時に傷つくのではないかと思っています。安心できる人、守りがない時です。
あなたには離婚された元夫との間に、複雑なご事情があった事と思います。
ただ、あなたが、相手を憎む気持ち、辛い、悲しい、悔しい気持ちとしっかり向き合ってこられていない事が残念でなりません。親が自分の問題(あなたの場合は、深い傷つきかもしれませんね)を解決出来ていないと、その傷つきを子供に背負わせしまう事があるのです。
自分では気づかずに(無意識的に)その問題を子供に植え付けてしまうのです。私達は日常生活、社会生活を生きている中では様々な傷つきに遭遇します。思い通りにならない事が多いです。そんな時、誰かに聞いてもらったり、好きな事をしたりして、いつの間にか回復していくのですが、
息子さんは、自分の力で立ち直る事が困難なくらい、深い傷つきを抱えていると思います。引きこもるのは、集中治療室に入る事で回復しようとしているのです。息子さんの傷つきを癒すのは、家族(人間関係の原点)という支え、守りです。しかし、ご両親はお互いに非難し合い、あなたは今も元夫を憎んでいます。あなたの家族の大きなテーマは、「怒り」「憎しみ」の問題ではないでしょうか。息子さんはその課題を一人背負わされているのです。
自分と向き合うためにカウンセリングをお受けになられることをお勧めします。
先ずは、あなたの課題、自分の内側から湧いてくる怒りと向き合ってください。

質問:子供の話をきちんと受け取るためには

小学4年生の男児の母です。先日、息子の担任の先生から学校に呼ばれたのです。息子が友達3人で同級生のA君をいじめたというのです。先生の話によると、A君は発達に課題のある子で、周りの子供たちとコミュニケーションを取りにくいらしく、その子に息子たちが「お前、変やな」と言ったらしく、A君はとても傷ついたというのです。私は胸が痛くなり、夕方、「どうしてそんな事をしたの?」「そんなこと言ったらダメだと思わなかったの?」「そんなこと言って自分が悪いと思わないの?」と問い詰めたのです。
私としては反省して欲しかったのですが、息子は泣きながら「イジメてなんかいない」というので、素直に認めない息子に「A君があんたらにイジメられたと言ったんだからイジメなのよ」と決めつけてしまいました。
翌日、A君とお母さんに息子と二人で謝りに行きました。A君のお母さんは「大丈夫ですよ」とは言って下さったのですが、帰りに息子は「お母さんなんか嫌いだ」とポツリと言いました。息子に、心の傷を作ってしまったような気がします。今後息子にどのように寄り添っていけばいいですか?
       大阪市在住 主婦 夫 会社員 長男14歳  次男10歳

回答:「言葉の向こうにあるものへの理解」

寄り添うというのは、相手の話を聞こう、理解しようとする姿勢です。
子供の話をきちんと受け取るためには、どういう姿勢が大事なのか、私なりにお伝えしたいと思います。先ずは、自分の考え方や感じ方の癖を知る事、自己理解です。あなたは、子供の話を聞く時に「待てない」という傾向はありませんか?
もしおありなら、「待てない」という癖は、「何とかしてやりたい」と焦ってしまって、自分の考えを伝えたくなると言う事です。
その為、相手の話を聞けなくなるのです。自分の考え(感情)が湧きおこって、それに支配されてしまい、聞けなくなるのですが、ある意味、「丁寧に聞こうとしていない」という事です。そんな時は、自分の考えや感情を少しだけ横においておきしましょう。相手よりも先走らない事、結論を急がない事です。次に、子供の「言葉にならない言葉」を聞く事、言葉の向こうにあるものへの理解です。つまり、共感的理解、相手の身になって感じるという事です。子供を思い通りにコントロールする事は出来ないという事を認めましょう。
「言葉の背景にあるものへの理解」とは、「お母さんなんか嫌い」の後ろに「お母さん、黙って僕の気持ち分かってよ」が潜んでいるという事です
大人の思い込みで子供の気持ちを決めつけないよう、相談しやすい雰囲気を作り、「あなたの力になりたいので、何かあれば言ってね」など辛さや願いを語る事が出来る安心感のある関係作りを心掛けたいですね。
まず、自分の事を分かってくれる人の話は受け入れ易いですね。

質問:子供が乱暴して困ってます

子は以前から言葉が遅く、その為か周りの子供達とのやり取りがうまくいきません。度々、園長から「お子さんはすぐ怒鳴るので、他の友達から怖がられています」と言われて、友達に乱暴するたびに「乱暴してはいけない」「相手の子に謝りなさい」というのですが、いう事を聞いてくれません。どうしていけばいいか行き詰まっています。
      奈良県在住  32歳主婦  夫 34歳会社員  息子4歳

回答:「親が変わるとは」

感情を言葉にしにくいのは子供の特徴です。その言葉の下にある本心を分かってあげたいですね。息子さんは、お母さんや友達に伝えたい事があるのに、言葉に表現できないので、欲求不満がますます強くなり、乱暴するという悪循環になっているようです。息子さんは臆病なとろこがあり、自信をなくしているのではないでしょうか。欲求不満が強いと攻撃的になりやすいのです。
大人でも攻撃的な人がいますが、そういう人に限って、臆病で葛藤に耐えられない、感情のコントロールが出来ない幼さ、弱さがあります。
注意しないといけない時は、言い聞かせる事は必要ですが、言い聞かせたらすぐに子供が変わる、いう事を聞くというわけではありません。
そんな時は「怒り」を使わずに、伝えたい事を短く、冷静に言ってあげてください。怒りのアイメッセージは「私は正しい、あなたは間違っている、だから謝りなさい」です。これを事ある事に使うと、人は離れていきます。
社会生活では自分のした事で迷惑をかけたら「謝る」事は常識です。しかし、今のお子さんの年齢の場合、相手の子供と親に謝るのは、お母さんの役割です。
自分の子供が他の子に乱暴した時、子供に「謝りなさい」と言いすぎないようにしてください。子供に謝らせて気が済むのは親だけです。
しんどい事ですが、何度でもその度に謝るお母さんの姿を見て、息子さんは「僕のした事は謝らないといけない事なんだ」と分かってきます。それだけで十分です。むしろ、あなたにできる事は、息子さんとの関係性を変える事です。あなたがご自分の在り方、態度を変える事が、息子さんが最も必要としている事、してほしい事なのです。
自分をどのように変えるのか。それは、息子さんが何をしてほしいのか、どんなおかあさんになってほしいのかを考えてそのようにしてあげる事です。
怒鳴らない子に育てたければ、お母さん自身が怒鳴るのを減らす事です。
「乱暴してはいけない」というよりも、今の息子さんの場合は、どっぷりと甘やかせてあげる事が大事です。子供に正しい事を言いすぎると自信を無くしてしまいます。
温かく包み込んであげてください。本当の意味で甘えさせてあげてください。

質問:子どもをちゃんと育てていけるか不安です

私の母は働きながら私と弟を育ててくれました。私は母の願いをよく聞いてきたので、母からみたら育てやすい、いい子だったと思います。しかし、母の顔色を見て育った私は、ある意味で「自分がない」ことに気づきました。あらゆる場面での対人関係で、「ノー」と言えないのです。否定されるのが怖いのだと思います。ですから、自分が子供を育てる時には、母のようにはしないと思っていました。ところが、現実は子供に対して「こうしなさい」「あれをしてはいけない」とまるで母が乗り移ったかのような態度で、不安を感じて子供に接している自分があるのです。
どうしてわが子に不安を感じてしまうのでしょうか。子どもをちゃんと育てていけるか不安です。子育てのいい方法はありませんか?
  京都市在住  38歳 会社事務 夫 38歳 会社員 息子 5歳

回答:「人間としての土台を作る」

子供は可愛いと感じながらも、子育ては難しいと思っていらっしゃるお母さん方は多いです。余りにも急激に世の中が変わっているので、子育てだけに限らず、いま日本人全体が不安なのは、仕方がないのです。
戦後、大家族から核家族が定着し、日本人が昔からやってきた「支えあう」というやり方が無くなってきたので、どこからの支えもない。そのしわ寄せが、今、子育ての中で生じてきたのだと思います。
子供を心から大切に思い、幸福を願っていらっしゃるからこそ、どうしてこんな事が起こるんだろう、できないんだろうと悩むのだと思います。
子供に、親が望むようになってもらう事で、安心したいと思ってしまうのかも知れませんね。
「親が望むような子にしよう」と思うのではなく、「子どもが望むような親」「子供が信じられる親」になる事が先だと思います。
子供がしてほしい事をしてあげて、子供が望まない事はなるべくしないようにする事で、子供はいきいき笑顔になる事ができます。決してわがままになる事はありません。親に安心感を持て、親を信じられる事で、自分に自信をもって育っていけるようになります。
親にとっては、幼児期は手がかかります。手間をはぶいて、手がかからない、何でも早くできる事がすごいと思うのかもしれませんが、育児の面で言えば、「早く」「手間なく」は一番よくないのです。
手をかけ、時間をかけ、子供が成長する、「育ってくるのを待つ」事がいい育児なのです。親が楽できる育児に、いい事なんてめったにないです。
子供は、親が自分に喜んで手をかけてくれる事で、「基本的安心感」「信頼」「思いやり」という、人間としての土台が出来るのです。最後に、すべての子どもに共通の「よい方法」なんてないですよ。

質問:母から受けたトラウマ

私は息子が3歳の時離婚し、その後両親と同居しています。私は仕事に出て、家事や息子の面倒を母が見てくれました。私の両親は私が幼い頃から喧嘩が絶えず、未だにやっています。子供の頃に「喧嘩は止めて」と言ったら「余計な事は言うな」とか「あなたなんか生まなければよかった」と言われた事が今もトラウマになっています。それが原因かどうかは分かりませんが、小学校の頃から対人不安を抱えていて、友達が出来ず、人の目が怖いところがあります。会社でも上司から注意されるとひどく怯えてしまいます。
子育てに関しては、母のようにはならないと決心していたのに、母が子供の頃にしたのと同じように息子に「ああしろ、こうしろ」と指図してしまっています。息子は小学校から友達付き合いが下手で、高校に入ってからは毎日マスクをして登校し、授業中もしていて、先生に注意されても止めません。とても心配しています。
私が母から受けたトラウマと子育てが関係していると思うのですが、どのようにしていけばいいでしょうか。
           大阪在住 会社員  40歳 離婚  息子高3

回答:自分が傷つけられ、また、いつ傷つけられるか分からないという時には、人間は自分を危険から守る事に集中します。これ以上傷つけられないようにする反応が起こってきます。
幼少期の子供は、無防備であり、自分で親との関係をコントロールする事が不可能ですから、ただただ衝撃を受けるしかありません。
ですから「対処する事ができないほど大きな心の傷」を作りやすいのです。
普通のトラウマの多くは、最初の数ヵ月のうちに自然に治っていきます。これは普通の怪我と同じです。これが出来ないと、症状は長引く事になります幼い頃のあなたにとって安全基地である母に対して安心感がなかったので、次なるトラウマ体験となってあなたを更に傷つけてきたのでしょう。
母と子供の心の絆を「愛着」つまり、人間としての土台なのですが、この点もあなたのテーマのように思います。
トラウマに関してはここでは語りつくせませんので、ここでは当面の概要をお伝えします。あなたのトラウマは消化されないまま存在しているので、様々な症状が起こってきたのでしょう。
先ずは、感情や気持ちを安心して話せる人に何度も聞いてもらう事です。
自分を傷つけた出来事を、何度でも語る事ができると、それは辛い体験を乗り越えていく重要な手立てとなります。
「自分、身近な人、周囲への信頼感」を取り戻す事によって、また、そういう場面に遭遇しても「自分も前とは違う対応ができるだろうし、身近な人も助けてくれるだろう。まあ何とかなるさ」という感覚を持てるようになる事を当面の目標にしたいですね。

質問:母子家庭の子育て

昨年離婚しました。今回相談したいことは、母親一人で2人の子供を育てる上で、どういう事を大切にしたらいいかという事です。育児書を読んで、父性、母性の両方が必要と言われると心が痛みます。父親がいないので私が父親役もしなといけないと思い、ついつい厳しくしがちです。厳しくしたり、甘えさせり、どこにポイントを置いたらいいのか迷っています。
     京都市在住  30歳 会社事務  長男 3歳  長女 1歳

回答:おっしゃる通り、子供が健全に育つには、母性的なもの、父性的なもの両方が必要です。それは、父親が父性で母親が母性というよりも、母親一人の家庭でもその両面を子供に与える事ができ、健全に育児する事は可能なのです。両方がバランスよく子供に働きかける事が大切ですが、もっと大切な事は、まず、母性的なものが基本的に与えられている事です。
父性というのは、社会性、つまり、生きていく上でのルールや規則、約束を守る事。そして、自分の責任、義務を果たす事、努力をする事を教える事です。しかし、それは父親だけが行う事ではないのです。
さて、今のお子さんの年齢に対しては、母性を十分に与えてあげる事です。
人間が幸福に生きていく上で、最も大切なもの、それは「安定した愛着」です。人との関係がいつも安定し、信頼関係が育まれ、親密な関係を楽しむ事が出来る人がいる一方で、対人関係が不安定だったり、表面的だったり、関係が出来にくかったり、出来ても長続きせず、親密な信頼関係が築かれにくい人もいます。こうした違いの根底にあるのが、「愛着」なのです。
愛着とは、人と人との絆を結ぶ能力であり、人格の最も土台の部分を形造っているものです。
「基本的安心感」「人生の基礎工事」「親と子の心の絆」と言われる「愛着」を安定したものに作ってあげる事です。求めた時に、変わらずに応えてくれる存在、困ったら助けてくれる存在に、人は信頼でき、安心感を抱き、愛着するのです。その後、順番に父性を与えてあげればいいのです。先ずは、今のお子さんには、「安らぎ」「安心感」「心のよりどころ」を作ってあげましょう。そのようにしてあげる事が、自信を持って生きていく基礎になるのです。もう少し、具体的に言うと「子供が望む事、してほしい事を何でも叶えてあげる」ことです。決して付け上がるという事はありません。もし、付け上がるような事があるなら、まだ愛着が不足しているという事です。これがしっかり与えられていないと(育ちそこね)父性としての「教える」「しつけ」が中々出来ないのです。これが子供の発達、人間性の成長に大切なのです。


質問:子供が友達と遊ぶのが苦手

4歳と1歳半の子供の事で相談があります。
先日、4歳の娘の保育園の保母さんから、「いつも一人で絵本を読んでいて、一人で遊んでいる事が多いです」と言われました。家でも一人で遊んでいる事が多いので、このままだと将来いじめにあうのではないかと心配です。
どうして一人遊びするのか、私に何か問題があるのか考えてみたのです。
私は母からいつも「自分の事は自分でしなさい」「人に迷惑をかけるな」という事を口やかましく言われて育ったせいか、人に頼ったりする事を好ましく思いません。
職場でも「私はあなたに迷惑をかけませんから、あなたも迷惑をかけないでください」というような信念があります。いままでこれでいいかと思っていたのですが、この態度が娘に出ているのかもしれないと思っています。
  福岡市在住 32歳 公務員  夫 35歳会社員 4歳 長女 1歳半 長男

回答:ここでは、愛着という観点と具体的な対処についてお伝えしたいと思います。「愛着」とは、人と人との絆を結ぶ能力であり、人格の最も土台の部分を形造っているものです。お腹がすいたらおっぱいをもらえる。おむつが濡れて気持ちは悪いと代えてもらえる。不安で泣くと抱っこしてもらえる。つまり、困ったら助けてもらえるという経験を通して、基本的安心感が作られ、「愛着」が形成されます。
求めたら応えてくれるという関係が、愛着を育むうえでの基本なのです。
母親との愛着の絆が形成され、十分な安心が得られる「安全基地」が碓保されていると、母親がそばにいなくてもあまり不安を感じる事なく、安心して活動拠点を広げ始めるのですが、母親との愛着が不安定で、安全基地として十分機能していないと、子供は安心して探索行動を行う事ができず、その結果、他の子との関係において、無関心になったり消極的になったりしやすくなります。必要な時に助けを与えてくれるという安心感があれば、いつもそばにいなくてもいいのです。次に、他者への共感力、相手の立場に立って理解するという事です。これは、幸せな人生を歩む為の必須条件です。
共感の能力は、まずは自分が人から共感してもらった経験から身についてきます。親に共感してもらえた経験が他者への共感力の基礎になり、他者との関係性に喜びを感じるようになっていくのです。
親や友達と遊びながら、達成感を味わったり、教えたり教えてもらったりする喜び、他者を大切にしたり、されたりする喜び、ルールを守る事の必要性を学んでいきます。友達から認められるという事は、自分が価値ある人間と認められる為に大切な要因です。
その為には、親自身が外に向かって家庭間の交流など人間関係を開いていく事が大切です。頼り、頼られる関係、困ったら助け合う関係づくりです。
子供がお世話になったら感謝する、そして、こちらも他の子を受け入れる。そんな関係を作りたいですね。

質問:子どもをしかるたびに自信を失います 

4歳の男の子の事で悩んでいます。一度泣いたら中々止まらないのです。例えば保育園からの帰り「家に帰ったらアイス食べたい」と言うので、私が「これからごはんだから、ごはん食べてからアイス食べようね」と言うと「やだ-、アイス、アイス」と泣き叫び、わめき続けます。
「ごはんを食べたらアイス食べていいよ」と言っているのに聞きません。
お風呂に入るときも、自分で脱げるのに「お母さん、脱がせて」と言うのです。大抵の場合は言うことを聞いてあげますが、用事で手が離せないときなどは夫に頼むことがあります。そうすると火がついたように泣き叫び、1~2時間泣き続けます。「また始まった」という感じです。
自分が思ったとおりに私がやらないととにかく腹が立つようで、困っています。このままでは社会に適応できない子になるのではないかと不安がつのり、たたいたこともあります。

姫路市在住 32歳 主婦  夫会社員  長男4歳

回答:「不快な感情を受け入れることは難しい」

叱られても「お母さんなら、必ず応えてくれる」という信頼感があるからこそ、泣いて、わめき続けるのでしょう。この子にとって自分を救ってくれるのはお母さんだけです。お母さんのそばから離れようとはしないとか、いつまでもダダをこねる、ささいな事で泣き始めて止まらないなどは、お母さんにとって苦しいでしょうけれど、一番苦しんでいるのはこの子なのかもしれませんよ。不安や恐怖、抑うつなどの感情は取り除こうとしても簡単に出来るものではありません。出来ない事をするよりも、出来る事をする事が大事です。つまり、不快な感情を取り除こうとするより、受け入れる事です。それが感情のコントロールなのです。
感情のコントロールが苦手な子供がどのようにして感情をコントロールする力を身につけていくのかというと、母親と感情を分かち合う体験,愛着の絆(母子一体感・安心感)を深めていくという事を積み重ねる事から始まります。お子さんにとって、今一番必要なのは、お母さんと喜びや悲しみを共有する体験なのです。「子どもが喜ぶ事をしてあげることが私の喜び」という事が伝わっている子は、早い時期から感情のコントロールができるようになるのです。可能な限り、お子さんの言う事を聞いてあげて下さい。勿論できる事と出来ない事がありますが、出来る事は精一杯してあげ、できない事は、困ってあげたらいいんです。手をかけた分だけ必ずいい子になるのだと信じてください。ゆっくり気持ちを聞いてあげて、じっくり待ってあげてください。手のかかる子には、思う存分手をかけてあげてください
穏やかに接すれば、穏やかないい子に育ちますよ。
子どもを「私の都合」に合わせようとしているうちは、感情をコントロールできるようにならないのです。逆に、子供主導にしてあげてみてください。

幼児の頃は穏やかだった長男が反抗期に入り、長女は過敏で、1時間泣きやまないこともしょっちゅうです。マイペースな長男を「早くして、早くして」とイライラしてしまい、せかしてばかりいます。イヤイヤ盛りの長女には「それをしたらダメ」「いい加減にして」を連発しています。ふとわれに返ると「ダメなのは自分だ」と落ち込み、自信がなくなります。母親が安定していないといけないとは分かっているのですが、どうしたらいいでしょうか?
東京都在住  主婦  3才男の子、2才女の子の母

回答:「過敏な子には抑圧しないように」

イライラしてしまうのは、親がどこが不安になっているのです。子供にとっては良くない状況です。「早くして」「ダメダメ」というのはいい事だとは思っていないという事です。
子供にわがままを言われて、「自分は子育てが下手だ」「ダメなママだ」と落ち込む人は少なくないと思います。お母さんになってまだ3年。落ち込む必要はありません。不安症の人は、出来ないことをしようとします。つまり、子供をコントロールしようとか、泣かないようにしようとか。大事な事は出来る事をする事。あなたにして頂きたい事はやり取りを変えるという事です。親子関係の悪循環をつくらないという事です。例えば「早く早く」という言葉を減らす事。「早くして」と言っても、早くはならないのではないですか?「早く」とか、「いい加減にして」とかは、具体性がない言葉なので子供には分りにくいんです。
子供にとっては、ダメと言われても、どうすればいいのかは分らないものです。「ダメ」と否定するよりも穏やかに「~したらいいよ」と教えてあげてください。具体的な提案がいいのです。「ズボンははけたね。じゃ、お靴をはこう」。そうすれば、お母さんが落ち込むような言葉を使わなくてすむのです。いつも「早く早く」と言われて育つと、子供は最初はお母さんが怖くて急ぐでしょうが、そのうち聞き流すようになるものです。反抗するようになるかもしれません。
次にして頂きたい事はお母さんとゆっくりできる時間を作ってあげる事です。
ゆっくりお風呂に入るとか、お風呂におもちゃを持ち込んで遊びましょう。
眠る前には、子供の気がすむまで絵本を読んであげるのでもいいです。
お母さんが「我が子はかわいいなぁ」と感じるゆったりとした場が大事です。そういう時間を持ってあげる事で、昼間の寂しさを少し取り戻す事ができるかもしれません。
叱らないで育てるとあなた自身が楽になり、今よりもっと子育てしやすくなると思います。過敏な子には不安症にならない為にも、出来るだけ抑圧をしない事。悩みを乗り越えるためには、「できること」を地道に続けて行く事です。「できない事」は放っておくしかありません。

質問:わが子とほかの子を比較してしまう

息子が英会話に通い始めた3月カ月後、同じ保育園のママ友の子3人も入会しました。1ヵ月に一度の進級テストで、彼らは毎回進級しますが息子は中々進みません。ママ友に「よかったね」と言う自分の顔がひきつっているのが自分でも分ります。その日、息子に「どうして出来なかったの?」と厳しく言ってしまいました。それでも息子は「ママ、次は頑張るよ」と私の顔色を見ているのです。気をつかわせている自分がイヤになります。
私は以前から、他の人がどう思うか、自分は変に思われていないかと周囲の反応を気に病み、「自分はダメだ」と思う人間でした。その為か幸せそうにしている他者を心から祝福する事が出来ません。
自分の子供にはそうなって欲しくありません。息子への態度を変えたいです
広島在住 主婦 34歳 6才男の子、1才女の子の母

回答:自分を縛ってしまう「べき」主義

様々な事に対して「~であるべき」と思い込んでいると素直に生きる事が出来なくなってしまいます。「~であるべき」という考えを貫き、理想に近づこうとする努力は、賞賛に値する場合もありますが、理想と現実はしばしば食い違うものです。理想と、現実とのギャップに苦しむ事が悩みの元になります。「べき」主義の強い人は、子供に理想の子供像を追い求め、何でもコントロールしようとしがちです。
自分の力ではどうにもならない事にまで、頑なに理想を守る事は、悩みを拡大させる元にもなります。
お子さんが他の子に比べて進級が遅いという事ですが、あなたの感じる「劣等感」それ自体は、何も悪いものではありません。問題は、常に自分と他者を比べ、負けたと感じると「どうせ私なんてダメなんだ」とあきらめてしまう劣等感コンプレックスです。
幸せそうにしている他者を心から祝福する事が出来ないのは、対人関係を競争で考え、他者の幸福を私の負けであるかのように捉えているからなのです人生は他者との競争をする事ではなく、今の自分よりも前に進もうとただ前を向いて歩いていこうとする事にこそ価値があると私は思います。
競争の図式から解放されれば、他者の幸せを心から祝福できるようになるし、他者の幸福の為に貢献出来るようになるでしょう。
比較して、人より優れていると思う事もあるかもしれませんが、それは根拠のある自信であり、非常に薄っぺらな自信であって、本当の自信にはなりません。あなたは自分と他人を比較して自分を責める傾向がある為、その気持ちがわが子にも向かってしまうのだと思います。
子供が一生懸命やればそれでいい、結果は問わないと心に決め、子供に「自分はどんな自分でもいいのだ」という根拠のない自信、自己肯定感を育ててあげるためにも、「結果が良くても悪くてもママは僕の味方なんだ」と子供から認められるようになれたらいいですね。
子供に努力を強いるのではなく、親がそうなれるように努力したしたいですね。

質問:忘れ物が多く片付けられない息子を叱ってしまう

悩みは小4の息子のことです。息子は小さい頃から「やることが遅い」「忘れ物が多い」と周りから言われていましたが、今も宿題をしなかったり、忘れ物もしょっちゅうです。担任の先生から、あまりに片付けが下手で、おたより類も机にため込んでいると言われています。妹が几帳面で何事もきちんとやる子なので、余計に息子のことが気になって叱ってしまいます。比較してはいけないと分っているのですが、「忘れ物などがないように」と毎日言うのですが、手がかかる息子にどうしていけばいいかアドバイスを下さい。
滋賀在住  主婦 37  夫 会社員 38歳  子供 小4  小2

回答:忘れ物が多く、片付けが下手、それに色々な事が遅いので「手がかかる」お子さんなのですね手のかかる子には十分手をかけてあげて下さい。決して楽な育児ではありませんが、出来ないなら手伝ってあげて下さい。いつか必ず出来るようになります。お母さんに助けられて育った子供は人を信じ、人を大切に出来、優しい人に育ちます。
具体的には、子供が困った時、親が必要な場面で手を貸してあげるのです。
片付けられないのであれば、一緒に片付けてあげてください。
忘れ物がないか、宿題は何か、毎日見てあげ下さい。怒らずに、丁寧に、教えながら一緒にチエックしましょう。そうやって育てられたからといって、いつまでも人に頼り続ける事はありません。必ずいつか、自分でやるようになります。
あなたには、まだ下のお子さんがいますから、時間的な余裕もなく、だからこそ「自分の力でやってほしい」「手をかけさせないでほしい」と思ってしまうのかもしれませんね。「この年齢だから、この位の事は出来るはず」と思ってしまうのかも知れません。でも、小学校卒業くらいまでは個人差が大きいものです。「お母さんは自分を大事にしてくれる」という自信がもてると、妹に優しくなります。自分に自信がない人間は、人に優しくできません。中には、「子どもの為に、~ができるようにさせてなくては」と子供に期待をかける事が、親の愛情だとはきちがえている親がいます。
親が子供に沢山の期待をかけすぎると、子供に自信を与えられなくなっています。過剰な期待は子供を萎縮させ、自信をなくさせてしまいます。
過剰な期待は愛情どころか、今の自分ではダメなんだ、認めてもらえないのだと捉えるのです。
誰しも、自分の弱い所を責められると萎縮します。逆に、「それでも大丈夫」と言ってもらえると安心します。そう言ってくれる相手を信じるようになります。母親への信頼感は、人間の基礎工事です。
自分や他者への信頼感は、母親を信じる事から始まるのです。
それは、自分の弱点を克服しようとする力になり、自分のいい所を発見する力にもなります。

質問:下の子にやさしくできない長男に困っています

10才の長男の事で悩んでいます。
下の子二人は自分が思った通りにならないとお兄ちゃんの大事にしているゲームやカードを投げたりします。そのため長男は頭にくるとすぐに手を出し、弟妹をたたいたりするのです。
そのたび、「たたくのはやめなさい」と注意していました。
ところが、最近になってからは、私に注意されると「いつも自分ばかり怒られる」とイライラしたり、激しく泣きわめくようになりました。
先日も夕飯の支度中にケンカになり、3才の弟が「痛い痛い」「お兄ちゃんがやった」と泣いていました。こんな長男にどう接したらいいのでしょうか。私は3人に平等に接しているつもりですが、長男は私の態度にも不満があるようです。
横浜市在住 32歳 主婦  夫 自営業 10才、3才男の子、5才女の子

回答:「家庭は情緒安定機能を持つ事が大切」

どの家庭でもお母さんが下の子に優しく接すると上の子は「不平等」に感じる事があります。
お母さんは三人の子供に平等に接していると思いますが、実際には、下の子に手をかける場面が圧倒的に多いのではないでしょうか。その事にお兄ちゃんから見たら、やはり不平等感じているのでしょう。お兄ちゃんは同じように手をかけて欲しいと思っているのではなく、その分、別の「何か」が欲しいのです。
お母さんが下の子に優しくしているのに、なぜ自分まで弟に優しくしなくちゃいけないのかという気持ちになるのかもしれません。お兄ちゃんを少しだけ特別扱いしてください。
少しだけお兄ちゃんの味方をしてあげてほしいと思います。
お兄ちゃんに優しい言葉かけを意識なさるだけで、お兄ちゃんは下の子に優しくなりますよ。10才というのは自分を客観的に見られる年頃で、「課題」が増える年頃です。
学校での人間関係は複雑になってきますし、勉強も難しくなります。転換期です。そんな時期は、家庭での安心感が必要です。
この時期こそ家庭を安らげる場にしてあげて下さい。
お母さんからの「目に見える」優しさが必要な時期かもしれません。
家庭での安らぎがあるからこそ、学校での活動がのびのびできるのです。
これから思春期に入ると、それがもっともっと重要になってきます。
健全な人間関係の土台は(愛着)親子関係です。親にどっぷり甘えて依存させてあげると、その安心感を土台にして子供は外に出ていきます。
家庭が本当の意味で依存の場になると、子供は自立の方向に向かっていくのです。
それをしばらく続けていくと「最近妹や弟をたたかなくなったな」と気づくはずです。

質問:「ひっこみじあんの息子が心配

小10の長男は人の気持ちに敏感で、他人に対して構えてしまうためか、友達をつくるのにエネルギーのいる子です。私も以前は何かと口出しして、助言のつもりが責めるような事ばかり言った事もありました。でも、「家の中が平穏なのが一番」と思うようになり、「今日は何かあったかな」と思っても、聞いてしまうと私の方が不安になってしまうので、聞かないようにしています。また息子は、「何かを決める」という事が出来ません。書店で本を選ぶのも、誕生日のプレゼントを選ぶのもいつも辛そうで、私が決める事も少なくありません。たまに息子が欲しい物を言うと、「これを叶えてやれないと、次からまた願いを言えなくなるのでは」と思い、主人も私も必死で願いを叶えるようにしています。
息子にどのように対応していけばいいかご提案をお願いします。
浦和市在住 主婦 夫会社員 小1 長男

回答:「自分の人生を自分が決められる子に育てましょう」

人の気持ちに敏感になり過ぎて構えてしまうというのは、現代の若者に特徴的な傾向です。まずは親が家庭の中でリラックスしている事が大事です。
挨拶の出来ない学生も沢山います。人に対して不安が強く、軽い気持ちで言葉交わす事が出来ないのです。本来、「人は怖くないんだよ」という安心感は、家庭の中で自然に学んでいくものです。
それは、まずお母さんに対してくつろげる事から始まります。
その基礎がしっかり固まっていないと他者に対して安心する事が出来ないのです。
どうすれば子供がお母さんに対してくつろげるかというと、それはお母さんがくつろげていることです。家事や子育ても忙しいでしょうが、ご主人といるとホッとするとか、自分の親とは何でも話せる、おしゃべりするだけで安心できる友人がいるとか、そういう人間関係を持ちたいですね。
子供を問い詰めない、気になってもなるべく触れない、見守ってあげる・・これが子供に必要な親の態度だと思います。親があまり気を使い過ぎない事です。「この値段なら買えるけれど、それ以上はダメ」など、普通のルールに従って返事をすればいいのです。
また、「選ぶ、決める」を練習するには、本を選ぶ時などは、「あなたの好きそうな本を4つ見つけてきので、この中から1つ選んでごらん」というように、少ない物の中から選ばせてあげるのもいいです。そういう事をしていると自由に選べるようになると思います。食事のメニューを決めさせるのもいいと思います。毎回でなくても、「ハンバーグが食べたいの。じゃ、夕食に作ってあげるね」と、そういう姿勢でいてあげればいいのです。息子さんのようなタイプの子には、とにかく短期間に成果を上げようなんて思わず、気長に向き合っていきましょう。「この子にはこの子のぺースがあるんだ」という態度を続けていけば、きっといい方向に行くはずです

質 問 :手のかかる子

二歳半の娘がいます。言い出すと聞き分けがありません。
この前もズボンをはかせようとしたら、わざわざ短いスカートを出してきて、これじゃなきやいやだと泣きわめき、1時間近く、声がかれるまで泣き続けるんです。
何とかなだめようするのですが、そのうち私のイライラも頂点に達して手を引っ張ったり突き飛ばしてしまいました。娘を可愛いと思う事も勿論あるのですが、憎らしく思う気持ちがこみあげてきて、こんな自分が恐ろしくてたまりません。母親失格です。どうすればいいですか?
               千葉市在住  28歳  主婦  夫自営業

回答:「手がかかる子には手をかけてあげて!」

わが子を憎らしく思う気持ち自体は、恐ろしいものでも、母親失格でも決してありません。親というのは、子どもを自分の所有物みたいに思いがちなんです。
幼児期は絶対的に母性的なかかわりが重要なのです。
「お母さんは、必ず応えてくれる」という信頼感、基本的安心感が大事なのですお子さんは、お母さんが自分のために動いてくれるということにこだわっていると思います。
自分のお願いを喜んでやってほしいと願っているのです。
お母さんは出来る限りの事をやってあげていらっしゃると思いますが、お子さんにとっては、それでも足りないのです。
この子はまだ3歳になっていないんです。沢山喜ばせてあげてください。
小さい時に手がかかった方が大きくなった時にしっかりします。
要求の強い手のかかる子なら十分手をかけてあげる事が大事です。
手をかけてあげれば上げるほど、自立していきます。どっぷり甘えさせてあげてこそ、自立していくのです。満たされたら言わなくなります。
泣き始めたら30分も泣き続けるという時は、抱っこしてあげるといいと思います「お母さんは00ちゃんが大事だよ。大好きだよ」とだけ言ってあげてください大好きだからズボンをはいてね、と絶対言ったらダメです。
あなたは「泣かない子、いう事を聞く子」になってほしいと願っていると思いますが、それは横に置いておいて、「この子は私にどんな母親になってほしいんだろう」と考えて下さい。
子供がしてほしい事をしてあげるのです。
子供を自分の都合に合わせようとしている間は、子供は自分の感情をコントロールできるようにはなりません。子供が感情をコントロールする力をどのようにして身につけていくかというと、お母さんと感情(喜び・悲しみ・感動など)を分かち合う体験を積み重ねることから始まります。子供が喜ぶことをしてあげることが親の喜びなんだという事が伝わっている子は、早い時期から感情のコントロールができるようになるのです。可能な限り、子供のいう事を聞いてあげましょう。わがままになるなんていう事はありません。手をかけた分だけいい子に育ちますよ。

質 問 :しかりすぎて子どもを責め立ててしまう 

お兄ちゃんは妹をたたいて泣かせるし、妹はしょっちゅうダダをこねて、物を投げたり壊したりします。
私は子供達を事ある毎に叱りすぎてしまいます。
毎日、何度も「何でそんな事するの?」「していい事と悪い事が分らないの?」などと子供が謝るまで責め立て追い詰めてしまいます。心の中では「傷つけてしまっている、このままだといつか大変な事になる」と分っているのですが、どうにもなりません。
大阪在住 パート 36歳 長男8才、長女6才

回答:「子供が願う親になる努力が先」

お子さんは、毎日何度も叱られ、怒鳴られ、謝っているのですね。このままだと自尊心は傷つき、強い劣等感を植えつけてしまいかねません。あなたは子供を叱る事で変わってもらおう、叱らないで育てるなんて出来ないと思っていませんか? 育てるのは、何も正しい事を言えばいい訳じゃないんです誰でも、正しい事ばかり言われたらしんどくなります。
正しい事を言ってたらいいと思うのは、その方が楽だからです。
親中心の子育ての方が親のエネルギーが少なくてすみます。辛抱しなくていいからです。逆に子供主導にしますと、待ってやらないといけません。子供の方から育ってくるもの、出てくるものを待つのは、すごく心のエネルギーが必要です。情緒が安定して育ってきた子供の母親の子育ての仕方は、子供主導型です。
子供主導型の母親は、泣くからおむつを替える、お乳をやる、というふうに子供が出す要求のサインに応じてやるのです。子供が先にサインを出して親がそれに従うのです。
なぜ親と子供の絆(愛着)が何故強くなってゆくかと言いますと、親が子供にとって「して欲しい事」をしてくれる存在だからです。だから子供は親を信頼し好きになります。
時には子供にとって不快な事を言う必要もありますが、これは最終的には子供にとって為になるからです。
「早くしなさい!」「それはダメッ!」とか言いたくなった時、子供に言うのを、ちょっと待つだけで違います。とにかくひと息待って見ていたら、少したってから子供は、叱られるような行動をしなくなってきます。親は「子供が叱られるような行動をやめてくれたら、私も叱らないですむ」と思いがちです。順番は、親からです。親が叱らなくなって初めて、子どもの行動が変わっていくのです。
叱らないで穏やかに伝えるのです。叱り続けているうちは、子供は叱られるような行動を決してやめません。怒鳴ったりするよりも、「こんな事はしないでね。こうしたらいいよ」と言う方がいいですね。
「こんな言い方をすればよかった」と気づけたらいいですね。
親が願うように子供を育てようとする前に、子供が願う親になる事が先だと思います。

:子育てと躾

生後6か月の子供の母です。初めての子育てでちゃんと育てていけるか不安ですどういう子育てがいいのか、どのように躾けていけばいいのか,大切なポイントがあれば教えてください。
また、躾は何歳から始めたらいいでしょうか?

神戸市在住 24歳 公務員 夫 27歳 会社員

回答

子育てで大切な点はひと言で申し上げられませんが、私は「~であるべき」とか社会のルールなどの躾(父性愛)の前に、母子の信頼関係、基本的安心感(母性愛)が築かれる事が重要だと思います。
教える事と育てる事は違います。躾は教える方に近いです。「育てる」とは「心を育てる」事です。
自分で自分を律する力を持ち、社会のルールを守れるように躾け、そして他者を思いやる心をはぐくむため子供を育てる事が大切ではないでしょうか。ここでは思いやりと自律についてお伝えします。
他者を思いやる気持ち、相手の痛みを分る気持ちは「共感する力」といわれます。これは生後半年くらいまでに育つといわれています。赤ちゃんはお母さんの顔を見てにっこり笑いますが、これはお母さんの心の奥にある幸福感や喜びに共感しているのだといわれています。
生後6カ月でも、人は「誰かと喜びを共有したい」と思うのです。
お母さんに「いつも私のそばにいてほしい、私を喜ばせてほしい、私が喜ぶ事をお母さんも喜んでほしい」と思うようになります。喜びの共有、悲しみを共感してもらえる事が共感力、思いやりの原点なのです。つまり、母親と喜びを共有したり、悲しみを共感してもらえた体験が他者を思いやる気持ちの基礎になるのです。学校で友だちをいじめる子がいます。彼らには、他者の痛み、悲しみが分りません。彼らは幼い頃、親に共感してもらえた経験が非常に少ない為、悲しみも共感出来ないのです。
教えられても、叱られても、人の悲しみは理解できません。悲しみや喜びを親に共感してもらい、共有してもらう事で思いやりの「心が育つ」のです。
次に、「自律」についてですが。自分で自分を律する力、つまり、自分の事を自分で決める力です。
それはいつ頃身につくのかというと、幼児期前半だといわれています。
この時期の子供は、出来ない事、失敗する事も多いですが、大事な点は、親の方が「待つ」事です。焦らず、怒らず、そして、何度でも繰り返し根気強く教えてあげて下さい。親が「ああしろ、こうしろ」と口を出していては、自律心が育ちません。そして、自分で出来ない時には手伝ってあげ、出来るようになったら、その子自身に任せてあけるのです。その一つ一つを、親はただ見守りながら待つのです。待っている時間に、子どもに自律心が育っていくのです。
このように、共感力、自律性は、幼児期のお母さんの優しい思いやりが育てるのです。

質問:保育園の年長の息子は、保育園に行く前から、あいさつもできないほどの恥ずかしがりやで、とくに保育園では先生やお友だちとほとんど話せません。歌やお遊戯などは大きな声でしっかりやっているし、家にお友だちを呼んだりお友だちの家に行ったりした時には、大きな声でおしゃべりして楽しそうです。先生から「どうして幼稚園ではしゃべらないの?」と不思議がられるくらいです。
家では私について回り、保育園でもお友だちについて回っていて、これからどうなるのか心配です。依存が強いのでしょうか?
                     (年長と3才女児の母)
回答

お子さんは「場面緘黙」といわれる症状だと思います。
緘黙症とは言語や知能に問題がないのにも関わらず、話す事ができないというもので、ある場面では話せるのに別の場面では話せなくなる状態をいいます。
場面緘黙の子の多くは、外で話す事ができず、家庭では話す事ができるのです。そこで「家庭では安心できるから話せるんだ」と思いますが、そうではないのです。家庭で十分安心できていないので外で話せなくなるのです。緘黙の子には感受性の鋭い子が多いですから、親の期待に敏感になります。
大事なことは十分甘えさせてあげることです。
保育園でお友だちのあとをくっついて歩くというのは、主体性が出ていないので、人について歩いてしまうのです。依存がよくなくて自立がいいと思っていませんか? どっぷり依存(甘えさせてあげる)出来たら自立していくという事を覚えておいてください。
実は依存の強い子というのは、依存経験が足りていない、つまり、甘えが足りていない子に多い傾向なのです。甘えさせてもらった(したいことを十分させてもらった)経験の少ない子ほど依存型の子になりがちです。人は依存と反抗を繰り返しながら自立します。お母さんへの依存や反抗が十分足りている子ほど早く自立するのです。「歌やお遊戯ならできる」というのは、パターンが決まっているから不安なくできるのです。逆に「会話」は思った事を言葉に出す事ですから、パターンがありませから不安になり、話せなくなるのです。感受性の強い子だからこそ、親が自分に何を望んでいるの分かってしまうので甘えられず、不安になりやすく、対人場面で回避してしまうのです。「しっかりした子に育てよう」とするお母さんほど、「甘やかしてはいけない」「人に迷惑をかけない子にしなくては」と子どもに厳しくなりがちです。
子どもに「ああして欲しい」「こうなって欲しい」と願う事をなるべく少なくして、子供がどんなお母さんになって欲しいと望んでいるか、出来るだけそれに近づこうとしあげてください。お母さんの前で安心できるように、十分甘えさせてあげてください。

質問: チックかもしれない

4歳の娘の事で相談があります。指しゃぶりがひどいのです。
家でも保育園でも、顔をしかめたり、目をぱちぱちさせたり、指しゃぶりが続いています。ネットで調べたら「チックかもしれない」と書かれていたので心配です。何か心因性があるのか心配しています。やめさせるにはどうすればいいですか?
  横浜市在住  28歳 パート  夫 25歳 会社員  息子 3歳

回答

「十分にかまってあげてください。心配いりません」
乳幼児の爪かみ、指しゃぶりは、空腹だったり、不安や心細さを感じていたり、退屈だったり、眠る前などに見られます。不安なので自分で自分を紛らわすという点でも、発達過程での大切なステップと言えます。三、四歳になってもまだ続く場合は、愛情や関心の不足、ストレスの存在を示す兆候であることが多いです。また、母子分離する時期に起きていることもあります。多くの場合、スキンシップの不足であることが多いです。幼児期の満たされない衝動からきていることが少なくありません。
子供によって求めている愛情も必要とする関わり合いも違いますが、その子に必要な愛情を、必要な分だけ注いであげる事が大事です。やめさせるために、怒ったりする必要はありません。
また、お子さんがどんな時に指をしゃぶるか見てあげ下さい。
テレビを見る時に指しゃぶりするなら、テレビを消して、抱っこして、ゆっくりおしゃべりするといいと思います。眠る時に指しゃぶりをするなら、そばで手を握ってあげるといいです。
治るまでには時間がかかりますが、不足していた分を取り戻そうと決めて取り組まれるといいと思います。3、4歳頃に、度々顔をしかめたり目をぱちぱちさせたりするようなチック症状が出たりする事があります。ストレス信号ですが、気にして、やかましく言う必要はないです。
親から離れて幼稚園や小学校に行く頃など、新しい段階に入っていく頃もそうです。
次の成長段階に変わっていく時期です。そんな時は、寂しさに気づいてあげ、早い段階で、十分関心と愛情を注いであげてゆっくり見ていよう、という気持ちで待っていたら、そのうち消えてしまいます。
「いまちょっと大変なんだな」と思って。子供がおかしくなったと思う必要はありません。
この時期、こんな事があるのが当たり前で、親の方もある程度それにつきあった方がいいぐらいです。
むしろ信号を出す方が安心です。信号を出す力がない子もいるし、親が受け取ってくれないから信号を出す事をあきらめている子もいます。だから、ある時期にストレス信号を出すのは当たり前だから、そこでビクビクしないことです。ちょっと気をつけるだけでいいんです。普通なら怒るところを怒らないで見てやっているとか、ちょっと大目に見てやる、というぐらいで十分です。

質問:自分の母を許すことができない

私の母は介護施設に入っています。周囲の人に文句ばかり言い、気に入らない事があると人のせいにし、「正しいのは自分だけ」というような人で、そのせいか、施設で友達がいません。
昔から、私は母から父の悪口を一方的に聞かされて、ずっと父をひどい人と信じ、父に心を許すことなく育ちました。でも結婚して優しい夫と巡り合い、温かい家庭を築く事ができた今、正しかったのは父の方で、母が間違っていたのだと気づくようになりました。母は今でも父の悪口を言います。それに飽き足らず、私や、私の子育てについても批判します。父や弟は「もう母の性格は直らない。適当にあしらえばいい」と言いますが、適当にあしらう事も、完全に無視する事もできません。とは言っても、「あのときあんなこと言われた」と過去を思い出して許す事もできず、自己中心的な母を恨んでしまい、苦しくなることもあるのです。どうすれば苦しまずに生きる事が出来るでしょうか。  
名古屋市在住  29歳 主婦  夫 31歳会社員 4才男子  1歳 女子

回答「心の絆を大切に」
人間関係に不満と絶望を感じている人は、人に優しくできないものです。
自己中心的で幼い人は、幼い頃に愛着(基本的安心感・母子一体感)を得る事ができなかった人が多いです。愛着とは特定の人と結ぶ、情緒的な心の絆の事です。
人は誰しも、乳幼児期、児童期、青年期、壮年期、中年期、老年期という順序で成熟していきます。そして、その時期その時期に獲得すべき経験というものが重要です。もし乳幼児期に十分受容されなかったとしても、成長の過程で親や親に代る人や配偶者に愛情を注いでもらう事ができれば、そこで愛着を補給して成熟する事ができます。反対に、年齢を重ねても+分な愛着を与えられず、人との関係に安心感を感じる事ができなかった人は、老齢になってもなお自己中心的で幼いのです。
お母さんにもそのような不幸な成育歴があったのかもしれません。
長年にわたって夫の悪口を言い、家族といい関係を築けなかったお母さんに愛情を与えてくれる人はいるでしょうか。お母さんは、幼い頃に十分な愛情を注がれたわけではないでしょう。
愛着の不足は、いくつになってでも取り返しがきくものです。立ち直るのに時間がかかりますが、老年期になっても遅すぎる事はありません。
お母さんの存在を断ち切ったからといってあなたの心の傷は癒えません。
あなたは、ご主人と2人のお子さんから不足していた愛着を補充されているのだと思います。
それを、少しお母さんに分けてあげる事はできないでしょうか。
幸せを分けるというのは、「喜びを分かち合う」という事です。
愛情が枯渇している人には、誰かが優しさを注いであげれば事態が変わるものです。自分の為にも、そして、二人のお子さんのためにも。

質問:子どものために主婦業に専念したほうがいいでしょうか?

看護師として働いていて、娘の出産を機に専業主婦になりましたが、いつかは看護師として復職したいと思っています。私は小学生のとき、運動会や参観日に母がきてくれたことがなく、休日もいっしょに過ごせない事が多くて寂しい思いをした為、子供とは一緒にいたいと思っています。
でも同時に、休職が長<なるともう復帰できないのでは、という焦りもあります。
子供の為に、このまま専業主婦でいたほうがいいのか悩んでいます。また、仕事に復帰するとすれば、どんなタイミングがいいのでしょうか。
大阪在住 32歳 看護師  夫 会社員  男子5歳 女子3才

回答「子供に責任転嫁しない」
仕事と子育てを両立させるか、子育てを優先させるかは人それぞれだと思います。
子育ては素晴らしい仕事ですし、看護師の仕事もまた、価値ある仕事です。
あなたは看護師の仕事にやりがいを感じていらっしゃるのですね。
復職すると子供の発達や心に悪影響があるとは、全く思いません。
復帰する時は子供と過ごす時間を心から大事に考えてあげて下さい。
ただ、絶対に気をつけなくてはならないことがあるのです。
仕事を終えてお子さんを迎えに行く時に、『私はもう看護師じゃない、ママなんだ』と気持ちを入れかえてください。子どもは「ママ」を待っているのです。職場の顔、職場でのストレスは、決して子供のいる場所に持ち込まない事です。一番よくないのは、「お母さんは働いて疲れているんだから、あれこれ要求しないで」という気持ちになることです。働く事を選んだのはあなたです。そのしわ寄せが子供にいってはいけません。子供と接する時間が長ければいいというわけではありませんが、短ければ短いほど、その時間の充実度が重要なのです。また、子どもを預けた場合、そこのスタッフと親はどうぞ仲よくしてください。
預け先が祖父母など親戚であっても同じです。赤ちゃんでも、親が保育園や預け先の人を信頼していればしているほど、子供はのびのびと子供らしく育っていると感じます。
復帰する時期については、ご自分で考えて「いま戻ろう」と思った時が、ベストなタイミングだと思います。
専業主婦のままでいる道を選んだ場合、守ってほしい事があります。それは、「本当は働きたかったのに、子供の為に仕事をあきらめた」と、子供に責任転嫁する事です。そんな風に言われたら子供がたまらないですね。専業主婦でいるのも、看護師に戻るのもすべてあなた自身の決断です。「子どものせい」にだけはしない事です。もし、迷うのであれば決断を急がず、何年か後に復帰してもいいでしょう。いつであっても、遅いという事はありません

質問:離婚したことで子どもが寂しい思いをしている

私は2年前離婚し、実家に戻って、両親と妹と同居し、パートをしながら子供を育てています。
元夫と子供は会わせない事に決めていますが、子供は元夫の事が大好きで、突然パパがいなくなった事に泣く事もしょっちゅうです。「もう会えないんだよ」と説明しても会いたがり、寂しくて仕方がないようです。
現在は私の両親と妹が同居していて、息子のことをとてもかわいがってくれています。でも、わたしは毎日仕事で、しかも現在は体調を崩してしまい、以前のようにかまってあげることができません。「ママ遊ぼう」とやってきても、イライラして追い返してしまうこともあります。離婚前は専業主婦で、近所には同じくらいの年齢の子がたくさんいました。何組もの親子で遊ぶことも多かったのですが、今は近所に小さい子もいません。母親の愛情が足りない、寂しい子に育っていくのではないかと心配です。          福岡市在住 パート  31歳 息子 4歳 

回答「大事なことは、いまの生活に満足すること」
お父さんに会わせた方がいいのか悩んでいらっしゃるのかもしれませんが、お父さんに会えれば満足できるというものではないと思います。
息子さんは今の生活に満足していないのでしょう。不足しているものは父親だけでなく、お母さんと過ごす時間、友達など色々あるのだと思います。
幼いので自分が何が不満なのか分からないので、とりあえず「お父さんがいない」という不満を口にしているのだと思います。
今の環境でどれだけこの子の欲求を満たしてあげるかなのです。その中で満足出来るようになれば、きっと「お父さんに会いたい」とは言わなくなるはずです。
時間をかけなくては子供を満足させてあげられないなどと、は思わないでください。必要なのは、「この子が喜ぶ事をしてあげることが自分の喜びなのだ」という気持ちをしっかりと持つことです。子供の喜ぶ顔を見て、自分が嬉しくなるような時間を作る事が大切です。喜びを分かち合う時間を、是非作ってください。
子供が楽しむ姿を見て、お母さんも楽しい。そうでなくては、子供だって、心の底から楽しいと思う事は出来ないです。人間にとって、喜びを誰かと分かち合う経験は非常に大切です。
もしもお母さんの心の中に、子供の存在を負担に思う気持ちがあれば、子供が「パパに会いたい」と願う気持ちは消えないでしょう。
お母さん自身、離婚で沢山傷ついてきた事でしょう。体調も崩されて辛い事も沢山あるでしょう。でも元気になる為の一番の近道は、わが子の幸せそうな笑顔を見る事です。
どうぞ、たった一人のわが子を愛し、幸福にしてあけてください。そうすればきっと、あなた自身が心から幸福になれると思います。

質問:「感情が爆発すると泣きやまない」

2才5か月の息子の事です。とにかくよく泣きます。
先日もオモチャ遊びをしようとしたらに姉に横取りされて泣くので姉が渡してくれたのに泣き叫び、わめ<といった感じです。
服を着る時も「ママやって」と言う事が多く、「お靴は自分ではけるよね」と言っても「ママやって」の一点張りで泣き叫びます。泣くと「おてて」言うので手をつないであげると「おめめ」とうので目をふいてあげるのですが何回ふいてもきりがありません。毎日この繰り返しです。-度泣き始めると、どんなになだめても泣き叫び、わめき続けます。こんなことが1日に何度もあり、もしかして病気なのではないかと心配になります。   
福岡市在住 30歳 主婦 夫 自営業 4歳女子 2歳男子

回答:「人生の基礎工事、基本的安心感」

母親は、子どもにとって「世界」そのものなんです。子どもが育つ上で体験する母子一体感は、大事だと思います。心理学では、この頃にお母さんを通じて、この世界への基本的信頼感というのが作られると考えられています。つまり「大丈夫なんだ」という安定感です。絶対に助けてもらえないという体験は困ります。「親に守られてる」と感じる事はすごく大事で、絶対的と言ってもいいくらいの「守り」です。 この子はお母さんと色々な楽しい事がしたい、してほしい事が色々あるのです。でも、思いつかない。だから、泣いてダダをこねるんです。大事な事は、面倒がらずにやってあげる事です。 この子は「自分が何をしてもらいたいのか」がわからない。絵本を読んだり、お絵かきしたり。そういう事がしたいのに、思いつかないんですね。 もっとお母さんに甘えたいのに、うまく甘えられない。言葉にできない時事だと思います。 きっと、手をつないでもらいたいわけではないのだと思います。だから、「ママやって」とムキになって頼んでいるのでしょうね。この子がしてほしい遊びをいろいろやってあげてみてください。 「自分で出来るよね」とか「早くを終わらせよう」とめんどうがらずにやってあげるという事です。 泣き叫び始めると1時間以上泣き続けてしまうということですが、そういう時は、「ママの大好きな○○ちゃん」と抱っこしてあげるのがいいと思います。それだけを言うのです。その後「そんなことしないで」とか、「いい子になって」とか言わないようにしてくださいね。 泣かない子になってほしいと望んでいると思いますが、わが子が何を望んでいるのかなと思いながら子育てをしてください。沢山喜ばせてください。必ずいい子に育ちますよ。

質問:私は2年前離婚し、実家に戻って、両親と妹と同居し、パートをしながら子供を育てています。
元夫と子供は会わせない事に決めていますが、子供は元夫の事が大好きで、突然パパがいなくなった事に泣く事もしょっちゅうです。「もう会えないんだよ」と説明しても会いたがり、寂しくて仕方がないようです。
現在は私の両親と妹が同居していて、息子のことをとてもかわいがってくれています。でも、わたしは毎日仕事で、しかも現在は体調を崩してしまい、以前のようにかまってあげることができません。「ママ遊ぼう」とやってきても、イライラして追い返してしまうこともあります。離婚前は専業主婦で、近所には同じくらいの年齢の子がたくさんいました。何組もの親子で遊ぶことも多かったのですが、今は近所に小さい子もいません。母親の愛情が足りない、寂しい子に育っていくのではないかと心配です。
福岡市在住 パート  31歳 息子 4歳 

回答:「大事なことは、いまの生活に満足すること」
お父さんに会わせた方がいいのか悩んでいらっしゃるのかもしれませんが、お父さんに会えれば満足できるというものではないと思います。
息子さんは今の生活に満足していないのでしょう。不足しているものは父親だけでなく、お母さんと過ごす時間、友達など色々あるのだと思います。
幼いので自分が何が不満なのか分からないので、とりあえず「お父さんがいない」という不満を口にしているのだと思います。
今の環境でどれだけこの子の欲求を満たしてあげるかなのです。その中で満足出来るようになれば、きっと「お父さんに会いたい」とは言わなくなるはずです。時間をかけなくては子供を満足させてあげられないなどと、は思わないでください。必要なのは、「この子が喜ぶ事をしてあげることが自分の喜びなのだ」という気持ちをしっかりと持つことです。子供の喜ぶ顔を見て、自分が嬉しくなるような時間を作る事が大切です。喜びを分かち合う時間を、是非作ってください。子供が楽しむ姿を見て、お母さんも楽しい。そうでなくては、子供だって、心の底から楽しいと思う事は出来ないです。人間にとって、喜びを誰かと分かち合う経験は非常に大切です。
もしもお母さんの心の中に、子供の存在を負担に思う気持ちがあれば、子供が「パパに会いたい」と願う気持ちは消えないでしょう。
お母さん自身、離婚で沢山傷ついてきた事でしょう。体調も崩されて辛い事も沢山あるでしょう。でも元気になる為の一番の近道は、わが子の幸せそうな笑顔を見る事です。
どうぞ、たった一人のわが子を愛し、幸福にしてあけてください。そうすればきっと、あなた自身が心から幸福になれると思います

 

質問:上の子をかわいいと 思えないのです

5才の姉は周囲の状況が見えにくいタイプで、「スーパーの中では静かにしようね」と言っても騒いでしまったり、絶えず必ず動いている感じ。弟は逆で、落ちついているタイプです。最近、2人で遊ぶようになってきたのですが、姉が弟のジャマばかりして、弟が「やめて」「どいて」と言っても知らんぷり。
最後には弟が姉をたたいたりしてケンカになります。弟が姉の邪魔をするのは理解できますが、なぜ姉が弟の邪魔をするの、と思うと「育て方を間違えたのか」という気持ちになります。何かにつけ「私だけ見て、見て」と叫ぶ上の子。私は上の子ばかりを叱っているわけではありませんし、いいことをしたときにはしっかりほめるようにしています。4才の子には無理かもしれませんが、相手を思いやれる子になってほしいのです。 発達に課題があるのではないかと心配しています。
東京都在住 34歳 主婦 パート  夫 34歳 会社員  長女 長男


回答

上の子が下の子を思いやれないのにはどうしようもない理由があるのです。
下の子はまだ何もできない為、親が余計に手をかけますね。お母さんは「公平にしている」と思っていても、上の子には、お母さんの気持ちが、弟ばかりに向かっていると思っているのでしょう。
親を奪われたと感じて、やきもちをやいたり、ジャマをしたりしてこのようになる傾向があります。この場合、上の子を優先させてあげる事も必要です。「まずお姉ちゃんね」と優先してあけると、「弟が先でいいよ」と言うようになります。いつも「見て見て」というのは、実は欲求不満のサインである事が多いです。
ただ、「周囲の状況が読めない」「絶えず動いている」という点が気になっているようですね。この点のみでは判断できませんので、あくまで情報としてですが、マイペースすぎる、状況を判断したり、他者の不満に気づいたりしにくい、衝動の抑制が下手という傾向は、ADHD(注意欠陥多動性障害)の特徴でもあります。ただ、もしもこのお子さんにADHDの傾向があるにしても軽いものだと思います。不安や苦しみを与えないような気配りをしてあげると、年齢と共に徐々に軽快していく事が多いのです。「思いやりのある子に育てたい」と仰るお母さんはとても多いです。「思いやり」は放っておいても育つものではありません。「こういうことをしてもらうと、人は嬉しいんだ。だったら私も、誰か他の人にやってあげたい」と、思うから育つのです。思いやりのある子に育てたいなら、思いやられた態度に触れる必要があります。親がその子をたっぷり思いやってあげる事が、「思いやりの心」の芽生えになるのです。
子供達はどうすればいいか、何が自分のよくない事なのか、言われなくてもわかっています。大切な事は心から「悪い事はやめよう」「人を喜ばせよう」と思う事です。その感情を育てる為にも、たっぷりの思いやりと愛情を注いでください。

質問:乱暴、すぐどなる、友だちに怖がられる息子

息子は小さい頃から言葉が遅かったためか、自己主張が強く、すぐに手が出る子でした。保育園に入ってからは手が出る事は少なくなりましたが、今度はすぐ怒鳴るようになり、周り子から怖がられているようです。遊びに行けなくなってしまった家もあります。トラブルが起きるたびに言い聞かせてきましたが、聞こうとしないので、結局わたしも怒鳴って悪循環になってしまいます。
              主婦 32歳 夫 会社員 35歳 息子 保育園

回答:お子さんは、衝動のコントロールカが弱いお子さんだと思います。
これは感情を扱うことが器用か不器用かということなんです。
衝動のコントロールが上手にできない子は、集団生活で苦労します。
叱られたり嫌われたりすることが増え、自分への自信や肯定的なイメージをもてない子になってしまうことがあります。
こういうお子さんを、怒ったり、しかったりして反省させるのは、かえって自信をなくさせ逆効果です。
まず大事なことは、お母さんが怒らなくなることです。
勿論、言って聞かせるのは大事な事です。
でも、言い聞かせたらすぐに言うことを聞く子になるなんて、そんな期待をしてはいけません。
聞く耳をもたないときもあるでしょう。それでも怒らないのです。
穏やかに、何日も、何カ月もかけて、何度も何度も言うのです。どれだけ続いたとしても、いつも穏やかに言うのです。ある時、「そういえば、息子に対して怒鳴ったりしなくなってきたなあ」と気がつく頃、息子さんも怒鳴らなくなってきていたというのがいいのです。気長に言って聞かせてください
育児とはそういうものです。
それに、どんなに穏やかに言い聞かせても、最後にどなってしまっては意味がありません。
「これはダメ」「こうしてはいけない」と言うのではなく、「こうするといいよ」と短い言葉で具体的にいう表現を意識して使ってください。
否定的な言葉は極力避けて、くどくど言うのもよくありません。短い言葉でこちらが期待すること、してほしいことを具体的に言うのです。
がんばってみてください。そしてもし、どうしてもどなりたくなったら、息子さんの前から逃げてもいいんです。トイレに入って少し深呼吸するといいと思います。
息子さんといっしょに遊ぶ時間を増やす
いっしょに遊び、おふろにゆっくり入り、お子さんの好きな夕食を作ってあげ、お子さんの言うことをたくさん聞いてあげてください。そうすれば必ず、お母さんの言うことを聞いてくれる子に育ちますよ。本当にいい子になります。やってみてください。



質問:保育園に迎えに行っても1時間以上帰ろうとしない

保育園に子供を迎えに行くと1~2時間も園庭で遊んで帰ろうとしません。これは帰りだけで、朝は夫が連れていくと、あっさり離れるようです。
子供の言うことを聞いてあげようと思っているのですが、私の仕事帰りの為、家事もあり、いつも1時間以上遊ばせるわけにはいきません。なかなか帰ろうとしないので最後はキレて怒ってしまうことがしょっちゅうで、帰りは「あ~またやっちゃった」と後悔の連続です。
どうしてすぐにかえろうとしないのでしょうか?また、どうすればいいですか?
       29歳 主婦 会計事務所経理 夫 31歳 公務員 3歳 娘

回答

お子さんは、お母さんと一緒にやりたい事、お母さんにやってほしい事が沢山あるんですね。
お母さんと遊び足りていない子は保育園から帰りたがらないものです。
お母さんとの遊びや、関りが足りていないと、基本的安心感が不足しているため、お母さんから離れられないものです。こういう子ほど保育園から帰りたがりません。
仕事をもっていらっしゃるのでお忙しい事だろうと思います。でも、どうでしょうか?家事は多少手を抜いてでも、その時間をお子さんと遊んであげることに回してあげられないでしょうか?
母子で十分遊ぶことができれば、保育園に長くいることもなくなると思います。
お子さんがお母さんといっしょにしたがっていることなら、どんな遊びでもいいんです。
ひざに乗せて絵本を読むとか、積み木を積んで遊ぶとか、おふろで遊ぶのがいいですね。狭くて、ゆったり温まり、お母さんに抱かれてやすらぎを感じられる場所です。ここはスキンシップのたいせつな場所になりますよ。子どもが満足するまでつきあってあげてください。
遊びは何でもいいです。お母さんとどれだけ一緒にいい関係で遊べるかが大事です。
そして、いちばん大事なことはキレない事。どんなに待ってあげても最後に怒ったら意味がありません。最後の最後まで叱らない。どんなに言うことを聞いてあげたとしても、楽しく遊んだとしても、最後の最後でキしてしまったら意味がありません。
態度から、言葉で感情表現できない感情のメッセージを読み取ってあげる事が大事です。
すべて分かるわけではありません。どうしてそういう行動をするのか、関心を持ってあげ、分かろうとする事が大切だと思います。


質問「手のかかる子」

二歳半の娘がいます。言い出すと聞き分けがありません。
この前もズボンをはかせようとしたら、わざわざ短いスカートを出してきて、これじゃなきやいやだと泣きわめき、1時間近く、声がかれるまで泣き続けるんです。
何とかなだめようするのですが、そのうち私のイライラも頂点に達して手を引っ張ったり突き飛ばしてしまいました。娘を可愛いと思う事も勿論あるのですが、憎らしく思う気持ちがこみあげてきて、こんな自分が恐ろしくてたまりません。母親失格です。どうすればいいですか?
               千葉市在住  28歳  主婦  夫自営業

回答「手がかかる子には手をかけてあげて!」
わが子を憎らしく思う気持ち自体は、恐ろしいものでも、母親失格でも決してありません。
親というのは、子どもを自分の所有物みたいに思いがちなんです。
幼児期は絶対的に母性的なかかわりが重要なのです。
「お母さんは、必ず応えてくれる」という信頼感、基本的安心感が大事なのです。
お子さんは、お母さんが自分のために動いてくれるということにこだわっていると思います。
自分のお願いを喜んでやってほしいと願っているのです。
お母さんは出来る限りの事をやってあげていらっしゃると思いますが、お子さんにとっては、それでも足りないのです。
この子はまだ3歳になっていないんです。沢山喜ばせてあげてください。
小さい時に手がかかった方が大きくなった時にしっかりします。
要求の強い手のかかる子なら十分手をかけてあげる事が大事です。
手をかけてあげれば上げるほど、自立していきます。どっぷり甘えさせてあげてこそ、自立していくのです。満たされたら言わなくなります。
泣き始めたら30分も泣き続けるという時は、抱っこしてあげるといいと思います。
「お母さんは00ちゃんが大事だよ。大好きだよ」とだけ言ってあげてください。大好きだからズボンをはいてね、と絶対言ったらダメです。
あなたは「泣かない子、いう事を聞く子」になってほしいと願っていると思いますが、それは横に置いておいて、「この子は私にどんな母親になってほしいんだろう」と考えて下さい。
子供がしてほしい事をしてあげるのです。
子供を自分の都合に合わせようとしている間は、子供は自分の感情をコントロールできるようにはなりません。子供が感情をコントロールする力をどのようにして身につけていくかというと、お母さんと感情(喜び・悲しみ・感動など)を分かち合う体験を積み重ねることから始まります。子供が喜ぶことをしてあげることが親の喜びなんだという事が伝わっている子は、早い時期から感情のコントロールができるようになるのです。可能な限り、子供のいう事を聞いてあげましょう。わがままになるなんていう事はありません。手をかけた分だけいい子に育ちますよ。


質問「しかりすぎて子どもを責め立ててしまう 」

お兄ちゃんは妹をたたいて泣かせるし、妹はしょっちゅうダダをこねて、物を投げたり壊したりします。
私は子供達を事ある毎に叱りすぎてしまいます。
毎日、何度も「何でそんな事するの?」「していい事と悪い事が分らないの?」などと子供が謝るまで責め立て追い詰めてしまいます。心の中では「傷つけてしまっている、このままだといつか大変な事になる」と分っているのですが、どうにもなりません。
大阪在住 パート 36歳 長男8才、長女6才

回答「子供が願う親になる努力が先」
お子さんは、毎日何度も叱られ、怒鳴られ、謝っているのですね。このままだと自尊心は傷つき、強い劣等感を植えつけてしまいかねません。あなたは子供を叱る事で変わってもらおう、叱らないで育てるなんて出来ないと思っていませんか? 育てるのは、何も正しい事を言えばいい訳じゃないんです。
誰でも、正しい事ばかり言われたらしんどくなります。
正しい事を言ってたらいいと思うのは、その方が楽だからです。
親中心の子育ての方が親のエネルギーが少なくてすみます。辛抱しなくていいからです。逆に子供主導にしますと、待ってやらないといけません。子供の方から育ってくるもの、出てくるものを待つのは、すごく心のエネルギーが必要です。情緒が安定して育ってきた子供の母親の子育ての仕方は、子供主導型です。
子供主導型の母親は、泣くからおむつを替える、お乳をやる、というふうに子供が出す要求のサインに応じてやるのです。子供が先にサインを出して親がそれに従うのです。
なぜ親と子供の絆(愛着)が何故強くなってゆくかと言いますと、親が子供にとって「して欲しい事」をしてくれる存在だからです。だから子供は親を信頼し好きになります。
時には子供にとって不快な事を言う必要もありますが、これは最終的には子供にとって為になるからです。
「早くしなさい!」「それはダメッ!」とか言いたくなった時、子供に言うのを、ちょっと待つだけで違います。とにかくひと息待って見ていたら、少したってから子供は、叱られるような行動をしなくなってきます。親は「子供が叱られるような行動をやめてくれたら、私も叱らないですむ」と思いがちです。
順番は、親からです。親が叱らなくなって初めて、子どもの行動が変わっていくのです。
叱らないで穏やかに伝えるのです。叱り続けているうちは、子供は叱られるような行動を決してやめません。怒鳴ったりするよりも、「こんな事はしないでね。こうしたらいいよ」と言う方がいいですね。
「こんな言い方をすればよかった」と気づけたらいいですね。
親が願うように子供を育てようとする前に、子供が願う親になる事が先だと思います。

質問「娘がうつ状態になっています。」

高校までインターハイのテニスの選手でした。少々の事があっても、生き抜いてくれると信じていました。それだけにショックです。娘の心は、以前から限界だったようです。高2の2学期頃から、過食しては嘔吐するようになっていたのです。友人関係もうまくいかない事が多かったようです。娘が気を遣っているのに、相手からそっけない反応しか返ってこなかったりすると、人一倍傷ついてしまい、学校をやめたいと言った事もありました。娘が少しでも不満を言うと、私の方がイライラして勝手な助言をしてしまい、その為か本音は言わなくなりました。自分が期待する理想の娘だけを求めてしまっていたと思います。周囲に敏感で、気を遣い、私の意向に逆らえずに育ててしまったと後悔しています。私は娘から愚痴や不満を聞かされると、ついイライラして指導や助言をし、自分なりの答えを出して、解決してしまいたくなる所があるのです。自分の思いに叶うか叶わないかが、すべての基準になってしまうのです。それは、私自身が親から自分の気持ちよりも、結果だけで評価されて育った事と関係していると思っています。これからどのように娘に関わっていけばいいのでしょうか。
         京都市在住  主婦  長女 高校3年生  夫 会社員

回答「まずはあなたが、ありのままの自分を受け止めましょう」
問題解決を急ぐあまり、子供の痛みや辛さというものを受け止める事を怠ってしまわれたと後悔していらっしゃるのですね。言い換えると、お子さんの言葉は聞いていても、言葉の下の気持ちに意識を向けていなかった、焦点を合わせてこなかったという事ではないでしょうか。
お子さんは表面上はうまくいっているように見えても「自分の人生」を生きていなかったのかもしれませんね。結論から申し上げますとお母さんの発言は控えて、お子さんの話をとことん聞いてあげ、自分で答えを出すまで、じっくり付き合ってあげましょう、という事です。ただ、考え、信念、関り方の癖というものは、一朝一夕に変化しません。人が変容するには「自分の深い所の心の声に気づく」事が大切なのです。その為にはあなた自身がカウンセリングをお受けになる事をお薦めします。
カウンセラーから自分の醜さ、辛さ、悲しさ、苦しさや自分が何を感じているか、ありままの自分を「受け止めてもらう」事で、自分でも気づかなかった気づきを得る事が出来るようになります。
それが自分を受け入れる、自己受容という事です。そうなるとあなたの中に変化が生まれてきます。
そういう体験をする中で徐々にお子さんの気持ちを理解し受け止める事ができるようになるのです。
つまり、自己受容が出来て、他者受容が初めて出来るのです。今のあなたは、ご自分の課題に向き合う作業が必要です。自分自身の問題に目を向け、それを克服する事で、関係の改善が期待できるでしょう。


質問「下の子にやさしくできない長男に困っています」

10才の長男の事で悩んでいます。
下の子二人は自分が思った通りにならないとお兄ちゃんの大事にしているゲームやカードを投げたりします。そのため長男は頭にくるとすぐに手を出し、弟妹をたたいたりするのです。
そのたび、「たたくのはやめなさい」と注意していました。
ところが、最近になってからは、私に注意されると「いつも自分ばかり怒られる」とイライラしたり、激しく泣きわめくようになりました。
先日も夕飯の支度中にケンカになり、3才の弟が「痛い痛い」「お兄ちゃんがやった」と泣いていました。こんな長男にどう接したらいいのでしょうか。私は3人に平等に接しているつもりですが、長男は私の態度にも不満があるようです。
横浜市在住 32歳 主婦  夫 自営業 10才、3才男の子、5才女の子

回答「家庭は情緒安定機能を持つ事が大切」
どの家庭でもお母さんが下の子に優しく接すると上の子は「不平等」に感じる事があります。
お母さんは三人の子供に平等に接していると思いますが、実際には、下の子に手をかける場面が圧倒的に多いのではないでしょうか。その事にお兄ちゃんから見たら、やはり不平等感じているのでしょう。お兄ちゃんは同じように手をかけて欲しいと思っているのではなく、その分、別の「何か」が欲しいのです。
お母さんが下の子に優しくしているのに、なぜ自分まで弟に優しくしなくちゃいけないのかという気持ちになるのかもしれません。お兄ちゃんを少しだけ特別扱いしてください。
少しだけお兄ちゃんの味方をしてあげてほしいと思います。
お兄ちゃんに優しい言葉かけを意識なさるだけで、お兄ちゃんは下の子に優しくなりますよ。
10才というのは自分を客観的に見られる年頃で、「課題」が増える年頃です。
学校での人間関係は複雑になってきますし、勉強も難しくなります。転換期です。
そんな時期は、家庭での安心感が必要です。
この時期こそ家庭を安らげる場にしてあげて下さい。
お母さんからの「目に見える」優しさが必要な時期かもしれません。
家庭での安らぎがあるからこそ、学校での活動がのびのびできるのです。
これから思春期に入ると、それがもっともっと重要になってきます。
健全な人間関係の土台は(愛着)親子関係です。
親にどっぷり甘えて依存させてあげると、その安心感を土台にして子供は外に出ていきます。
家庭が本当の意味で依存の場になると、子供は自立の方向に向かっていくのです。
それをしばらく続けていくと「最近妹や弟をたたかなくなったな」と気づくはずです。

 

質問「ひっこみじあんの息子が心配」

小10の長男は人の気持ちに敏感で、他人に対して構えてしまうためか、友達をつくるのにエネルギーのいる子です。私も以前は何かと口出しして、助言のつもりが責めるような事ばかり言った事もありました。でも、「家の中が平穏なのが一番」と思うようになり、「今日は何かあったかな」と思っても、聞いてしまうと私の方が不安になってしまうので、聞かないようにしています。また息子は、「何かを決める」という事が出来ません。書店で本を選ぶのも、誕生日のプレゼントを選ぶのもいつも辛そうで、私が決める事も少なくありません。たまに息子が欲しい物を言うと、「これを叶えてやれないと、次からまた願いを言えなくなるのでは」と思い、主人も私も必死で願いを叶えるようにしています。
息子にどのように対応していけばいいかご提案をお願いします。
浦和市在住 主婦 夫会社員 小1 長男

回答「自分の人生を自分が決められる子に育てましょう」
人の気持ちに敏感になり過ぎて構えてしまうというのは、現代の若者に特徴的な傾向です。
まずは親が家庭の中でリラックスしている事が大事です。
挨拶の出来ない学生も沢山います。人に対して不安が強く、軽い気持ちで言葉交わす事が出来ないのです。本来、「人は怖くないんだよ」という安心感は、家庭の中で自然に学んでいくものです。
それは、まずお母さんに対してくつろげる事から始まります。
その基礎がしっかり固まっていないと他者に対して安心する事が出来ないのです。
どうすれば子供がお母さんに対してくつろげるかというと、それはお母さんがくつろげていることです。
家事や子育ても忙しいでしょうが、ご主人といるとホッとするとか、自分の親とは何でも話せる、おしゃべりするだけで安心できる友人がいるとか、そういう人間関係を持ちたいですね。
子供を問い詰めない、気になってもなるべく触れない、見守ってあげる・・これが子供に必要な親の態度だと思います。親があまり気を使い過ぎない事です。
「この値段なら買えるけれど、それ以上はダメ」など、普通のルールに従って返事をすればいいのです。
また、「選ぶ、決める」を練習するには、本を選ぶ時などは、「あなたの好きそうな本を4つ見つけてきので、この中から1つ選んでごらん」というように、少ない物の中から選ばせてあげるのもいいです。そういう事をしていると自由に選べるようになると思います。
食事のメニューを決めさせるのもいいと思います。
毎回でなくても、「ハンバーグが食べたいの。じゃ、夕食に作ってあげるね」と、そういう姿勢でいてあげればいいのです。息子さんのようなタイプの子には、とにかく短期間に成果を上げようなんて思わず、気長に向き合っていきましょう。「この子にはこの子のぺースがあるんだ」という態度を続けていけば、きっといい方向に行くはずです


 

質問「忘れ物が多く片付けられない息子を叱ってしまう」

悩みは小4の息子のことです。息子は小さい頃から「やることが遅い」「忘れ物が多い」と周りから言われていましたが、今も宿題をしなかったり、忘れ物もしょっちゅうです。担任の先生から、あまりに片付けが下手で、おたより類も机にため込んでいると言われています。妹が几帳面で何事もきちんとやる子なので、余計に息子のことが気になって叱ってしまいます。比較してはいけないと分っているのですが、「忘れ物などがないように」と毎日言うのですが、手がかかる息子にどうしていけばいいかアドバイスを下さい。
滋賀在住  主婦 37  夫 会社員 38歳  子供 小4  小2

回答

忘れ物が多く、片付けが下手、それに色々な事が遅いので「手がかかる」お子さんなのですね。
手のかかる子には十分手をかけてあげて下さい。決して楽な育児ではありませんが、出来ないなら手伝ってあげて下さい。いつか必ず出来るようになります。
お母さんに助けられて育った子供は人を信じ、人を大切に出来、優しい人に育ちます。
具体的には、子供が困った時、親が必要な場面で手を貸してあげるのです。
片付けられないのであれば、一緒に片付けてあげてください。
忘れ物がないか、宿題は何か、毎日見てあげ下さい。怒らずに、丁寧に、教えながら一緒にチエックしましょう。そうやって育てられたからといって、いつまでも人に頼り続ける事はありません。必ずいつか、自分でやるようになります。
あなたには、まだ下のお子さんがいますから、時間的な余裕もなく、だからこそ「自分の力でやってほしい」「手をかけさせないでほしい」と思ってしまうのかもしれませんね。
「この年齢だから、この位の事は出来るはず」と思ってしまうのかも知れません。でも、小学校卒業くらいまでは個人差が大きいものです。
「お母さんは自分を大事にしてくれる」という自信がもてると、妹に優しくなります。
自分に自信がない人間は、人に優しくできません。
中には、「子どもの為に、~ができるようにさせてなくては」と子供に期待をかける事が、親の愛情だとはきちがえている親がいます。
親が子供に沢山の期待をかけすぎると、子供に自信を与えられなくなっています。
過剰な期待は子供を萎縮させ、自信をなくさせてしまいます。
過剰な期待は愛情どころか、今の自分ではダメなんだ、認めてもらえないのだと捉えるのです。
誰しも、自分の弱い所を責められると萎縮します。逆に、「それでも大丈夫」と言ってもらえると安心します。そう言ってくれる相手を信じるようになります。母親への信頼感は、人間の基礎工事です。
自分や他者への信頼感は、母親を信じる事から始まるのです。
それは、自分の弱点を克服しようとする力になり、自分のいい所を発見する力にもなります。



質問「自分が思ったとおりにわたしがやらないととにかく腹が立つ」

4歳の男の子の事で悩んでいます。一度泣いたら中々止まらないのです。例えば保育園からの帰り「家に帰ったらアイス食べたい」と言うので、私が「これからごはんだから、ごはん食べてからアイス食べようね」と言うと「やだ-、アイス、アイス」と泣き叫び、わめき続けます。
「ごはんを食べたらアイス食べていいよ」と言っているのに聞きません。
お風呂に入るときも、自分で脱げるのに「お母さん、脱がせて」と言うのです。
大抵の場合は言うことを聞いてあげますが、用事で手が離せないときなどは夫に頼むことがあります。
そうすると火がついたように泣き叫び、1~2時間泣き続けます。
「また始まった」という感じです。
自分が思ったとおりに私がやらないととにかく腹が立つようで、困っています。
このままでは社会に適応できない子になるのではないかと不安がつのり、たたいたこともあります。
姫路市在住 32歳 主婦  夫会社員  長男4歳

回答「不快な感情を受け入れることは難しい」
叱られても「お母さんなら、必ず応えてくれる」という信頼感があるからこそ、泣いて、わめき続けるのでしょう。この子にとって自分を救ってくれるのはお母さんだけです。
お母さんのそばから離れようとはしないとか、いつまでもダダをこねる、ささいな事で泣き始めて止まらないなどは、お母さんにとって苦しいでしょうけれど、一番苦しんでいるのはこの子なのかもしれませんよ。不安や恐怖、抑うつなどの感情は取り除こうとしても簡単に出来るものではありません。
出来ない事をするよりも、出来る事をする事が大事です。つまり、不快な感情を取り除こうとするより、受け入れる事です。それが感情のコントロールなのです。
感情のコントロールが苦手な子供がどのようにして感情をコントロールする力を身につけていくのかというと、母親と感情を分かち合う体験,愛着の絆(母子一体感・安心感)を深めていくという事を積み重ねる事から始まります。お子さんにとって、今一番必要なのは、お母さんと喜びや悲しみを共有する体験なのです。「子どもが喜ぶ事をしてあげることが私の喜び」という事が伝わっている子は、早い時期から感情のコントロールができるようになるのです。可能な限り、お子さんの言う事を聞いてあげて下さい。勿論できる事と出来ない事がありますが、出来る事は精一杯してあげ、できない事は、困ってあげたらいいんです。手をかけた分だけ必ずいい子になるのだと信じてください。
ゆっくり気持ちを聞いてあげて、じっくり待ってあげてください。
手のかかる子には、思う存分手をかけてあげてください
穏やかに接すれば、穏やかないい子に育ちますよ。
子どもを「私の都合」に合わせようとしているうちは、感情をコントロールできるようにならないのです。逆に、子供主導にしてあげてみてください。

質問「子どもをしかるたびに自信を失います」

幼児の頃は穏やかだった長男が反抗期に入り、長女は過敏で、1時間泣きやまないこともしょっちゅうです。マイペースな長男を「早くして、早くして」とイライラしてしまい、せかしてばかりいます。イヤイヤ盛りの長女には「それをしたらダメ」「いい加減にして」を連発しています。ふとわれに返ると「ダメなのは自分だ」と落ち込み、自信がなくなります。母親が安定していないといけないとは分かっているのですが、どうしたらいいでしょうか?
東京都在住  主婦  3才男の子、2才女の子の母

回答「過敏な子には抑圧しないように」
イライラしてしまうのは、親がどこが不安になっているのです。子供にとっては良くない状況です。
「早くして」「ダメダメ」というのはいい事だとは思っていないという事です。
子供にわがままを言われて、「自分は子育てが下手だ」「ダメなママだ」と落ち込む人は少なくないと思います。お母さんになってまだ3年。落ち込む必要はありません。
不安症の人は、出来ないことをしようとします。つまり、子供をコントロールしようとか、泣かないようにしようとか。大事な事は出来る事をする事。
あなたにして頂きたい事はやり取りを変えるという事です。親子関係の悪循環をつくらないという事です。例えば「早く早く」という言葉を減らす事。
「早くして」と言っても、早くはならないのではないですか?
「早く」とか、「いい加減にして」とかは、具体性がない言葉なので子供には分りにくいんです。
子供にとっては、ダメと言われても、どうすればいいのかは分らないものです。
「ダメ」と否定するよりも穏やかに「~したらいいよ」と教えてあげてください。具体的な提案がいいのです。「ズボンははけたね。じゃ、お靴をはこう」。
そうすれば、お母さんが落ち込むような言葉を使わなくてすむのです。
いつも「早く早く」と言われて育つと、子供は最初はお母さんが怖くて急ぐでしょうが、そのうち聞き流すようになるものです。反抗するようになるかもしれません。
次にして頂きたい事はお母さんとゆっくりできる時間を作ってあげる事です。
ゆっくりお風呂に入るとか、お風呂におもちゃを持ち込んで遊びましょう。
眠る前には、子供の気がすむまで絵本を読んであげるのでもいいです。
お母さんが「我が子はかわいいなぁ」と感じるゆったりとした場が大事です。
そういう時間を持ってあげる事で、昼間の寂しさを少し取り戻す事ができるかもしれません。
叱らないで育てるとあなた自身が楽になり、今よりもっと子育てしやすくなると思います。
過敏な子には不安症にならない為にも、出来るだけ抑圧をしない事。
悩みを乗り越えるためには、「できること」を地道に続けて行く事です。「できない事」は放っておくしかありません。

質問「わが子とほかの子を比較してしまう」

息子が英会話に通い始めた3月カ月後、同じ保育園のママ友の子3人も入会しました。1ヵ月に一度の進級テストで、彼らは毎回進級しますが息子は中々進みません。
ママ友に「よかったね」と言う自分の顔がひきつっているのが自分でも分ります。
その日、息子に「どうして出来なかったの?」と厳しく言ってしまいました。
それでも息子は「ママ、次は頑張るよ」と私の顔色を見ているのです。気をつかわせている自分がイヤになります。
私は以前から、他の人がどう思うか、自分は変に思われていないかと周囲の反応を気に病み、「自分はダメだ」と思う人間でした。その為か幸せそうにしている他者を心から祝福する事が出来ません。
自分の子供にはそうなって欲しくありません。息子への態度を変えたいです。
広島在住 主婦 34歳 6才男の子、1才女の子の母

回答「自分を縛ってしまう「べき」主義
様々な事に対して「~であるべき」と思い込んでいると素直に生きる事が出来なくなってしまいます。
「~であるべき」という考えを貫き、理想に近づこうとする努力は、賞賛に値する場合もありますが、理想と現実はしばしば食い違うものです。理想と、現実とのギャップに苦しむ事が悩みの元になります。
「べき」主義の強い人は、子供に理想の子供像を追い求め、何でもコントロールしようとしがちです。
自分の力ではどうにもならない事にまで、頑なに理想を守る事は、悩みを拡大させる元にもなります。
お子さんが他の子に比べて進級が遅いという事ですが、あなたの感じる「劣等感」それ自体は、何も悪いものではありません。問題は、常に自分と他者を比べ、負けたと感じると「どうせ私なんてダメなんだ」とあきらめてしまう劣等感コンプレックスです。
幸せそうにしている他者を心から祝福する事が出来ないのは、対人関係を競争で考え、他者の幸福を私の負けであるかのように捉えているからなのです。
人生は他者との競争をする事ではなく、今の自分よりも前に進もうとただ前を向いて歩いていこうとする
事にこそ価値があると私は思います。
競争の図式から解放されれば、他者の幸せを心から祝福できるようになるし、他者の幸福の為に貢献出来るようになるでしょう。
比較して、人より優れていると思う事もあるかもしれませんが、それは根拠のある自信であり、非常に薄っぺらな自信であって、本当の自信にはなりません。
あなたは自分と他人を比較して自分を責める傾向がある為、その気持ちがわが子にも向かってしまうのだと思います。
子供が一生懸命やればそれでいい、結果は問わないと心に決め、子供に「自分はどんな自分でもいいのだ」という根拠のない自信、自己肯定感を育ててあげるためにも、「結果が良くても悪くてもママは僕の味方なんだ」と子供から認められるようになれたらいいですね。
子供に努力を強いるのではなく、親がそうなれるように努力したしたいですね。

質問「母子家庭の子育て」

昨年離婚しました。今回相談したいことは、母親一人で2人の子供を育てる上で、どういう事を大切にしたらいいかという事です。育児書を読んで、父性、母性の両方が必要と言われると心が痛みます。父親がいないので私が父親役もしなといけないと思い、ついつい厳しくしがちです。厳しくしたり、甘えさせり、どこにポイントを置いたらいいのか迷っています。
        京都市在住  30歳 会社事務  長男 3歳  長女 1歳

回答

おっしゃる通り、子供が健全に育つには、母性的なもの、父性的なもの両方が必要です。それは、父親が父性で母親が母性というよりも、母親一人の家庭でもその両面を子供に与える事ができ、健全に育児する事は可能なのです。両方がバランスよく子供に働きかける事が大切ですが、もっと大切な事は、まず、母性的なものが基本的に与えられている事です。
父性というのは、社会性、つまり、生きていく上でのルールや規則、約束を守る事。そして、自分の責任、義務を果たす事、努力をする事を教える事です。しかし、それは父親だけが行う事ではないのです。
さて、今のお子さんの年齢に対しては、母性を十分に与えてあげる事です。
人間が幸福に生きていく上で、最も大切なもの、それは「安定した愛着」です。
人との関係がいつも安定し、信頼関係が育まれ、親密な関係を楽しむ事が出来る人がいる一方で、対人関係が不安定だったり、表面的だったり、関係が出来にくかったり、出来ても長続きせず、親密な信頼関係が築かれにくい人もいます。こうした違いの根底にあるのが、「愛着」なのです。
愛着とは、人と人との絆を結ぶ能力であり、人格の最も土台の部分を形造っているものです。
「基本的安心感」「人生の基礎工事」「親と子の心の絆」と言われる「愛着」を安定したものに作ってあげる事です。求めた時に、変わらずに応えてくれる存在、困ったら助けてくれる存在に、人は信頼でき、安心感を抱き、愛着するのです。
その後、順番に父性を与えてあげればいいのです。先ずは、今のお子さんには、「安らぎ」「安心感」「心のよりどころ」を作ってあげましょう。
そのようにしてあげる事が、自信を持って生きていく基礎になるのです。
もう少し、具体的に言うと「子供が望む事、してほしい事を何でも叶えてあげる」ことです。
決して付け上がるという事はありません。もし、付け上がるような事があるなら、まだ愛着が不足しているという事です。これがしっかり与えられていないと(育ちそこね)父性としての「教える」「しつけ」が中々出来ないのです。これが子供の発達、人間性の成長に大切なのです。


質問「母から受けたトラウマ」

私は息子が3歳の時離婚し、その後両親と同居しています。私は仕事に出て、家事や息子の面倒を母が見てくれました。私の両親は私が幼い頃から喧嘩が絶えず、未だにやっています。子供の頃に「喧嘩は止めて」と言ったら「余計な事は言うな」とか「あなたなんか生まなければよかった」と言われた事が今もトラウマになっています。それが原因かどうかは分かりませんが、小学校の頃から対人不安を抱えていて、友達が出来ず、人の目が怖いところがあります。会社でも上司から注意されるとひどく怯えてしまいます。
子育てに関しては、母のようにはならないと決心していたのに、母が子供の頃にしたのと同じように息子に「ああしろ、こうしろ」と指図してしまっています。
息子は小学校から友達付き合いが下手で、高校に入ってからは毎日マスクをして登校し、授業中もしていて、先生に注意されても止めません。とても心配しています。
私が母から受けたトラウマと子育てが関係していると思うのですが、どのようにしていけばいいでしょうか。
               大阪在住 会社員  40歳 離婚  息子高3

回答

自分が傷つけられ、また、いつ傷つけられるか分からないという時には、人間は自分を危険から守る事に集中します。これ以上傷つけられないようにする反応が起こってきます。
幼少期の子供は、無防備であり、自分で親との関係をコントロールする事が不可能ですから、ただただ衝撃を受けるしかありません。
ですから「対処する事ができないほど大きな心の傷」を作りやすいのです。
普通のトラウマの多くは、最初の数ヵ月のうちに自然に治っていきます。これは普通の怪我と同じです。
これが出来ないと、症状は長引く事になります。
幼い頃のあなたにとって安全基地である母に対して安心感がなかったので、次なるトラウマ体験となってあなたを更に傷つけてきたのでしょう。
母と子供の心の絆を「愛着」つまり、人間としての土台なのですが、この点もあなたのテーマのように思います。
トラウマに関してはここでは語りつくせませんので、ここでは当面の概要をお伝えします。
あなたのトラウマは消化されないまま存在しているので、様々な症状が起こってきたのでしょう。
先ずは、感情や気持ちを安心して話せる人に何度も聞いてもらう事です。
自分を傷つけた出来事を、何度でも語る事ができると、それは辛い体験を乗り越えていく重要な手立てとなります。
「自分、身近な人、周囲への信頼感」を取り戻す事によって、また、そういう場面に遭遇しても「自分も前とは違う対応ができるだろうし、身近な人も助けてくれるだろう。まあ何とかなるさ」という感覚を持てるようになる事を当面の目標にしたいですね。


質問「子供が友達と遊ぶのが苦手」

4歳と1歳半の子供の事で相談があります。
先日、4歳の娘の保育園の保母さんから、「いつも一人で絵本を読んでいて、一人で遊んでいる事が多いです」と言われました。家でも一人で遊んでいる事が多いので、このままだと将来いじめにあうのではないかと心配です。
どうして一人遊びするのか、私に何か問題があるのか考えてみたのです。
私は母からいつも「自分の事は自分でしなさい」「人に迷惑をかけるな」という事を口やかましく言われて育ったせいか、人に頼ったりする事を好ましく思いません。
職場でも「私はあなたに迷惑をかけませんから、あなたも迷惑をかけないでください」というような信念があります。いままでこれでいいかと思っていたのですが、この態度が娘に出ているのかもしれないと思っています。
   福岡市在住 32歳 公務員  夫 35歳会社員 4歳 長女 1歳半 長男

回答

ここでは、愛着という観点と具体的な対処についてお伝えしたいと思います。
「愛着」とは、人と人との絆を結ぶ能力であり、人格の最も土台の部分を形造っているものです。
お腹がすいたらおっぱいをもらえる。おむつが濡れて気持ちは悪いと代えてもらえる。不安で泣くと抱っこしてもらえる。つまり、困ったら助けてもらえるという経験を通して、基本的安心感が作られ、「愛着」が形成されます。
求めたら応えてくれるという関係が、愛着を育むうえでの基本なのです。
母親との愛着の絆が形成され、十分な安心が得られる「安全基地」が碓保されていると、母親がそばにいなくてもあまり不安を感じる事なく、安心して活動拠点を広げ始めるのですが、母親との愛着が不安定で、安全基地として十分機能していないと、子供は安心して探索行動を行う事ができず、その結果、他の子との関係において、無関心になったり消極的になったりしやすくなります。必要な時に助けを与えてくれるという安心感があれば、いつもそばにいなくてもいいのです。次に、他者への共感力、相手の立場に立って理解するという事です。
これは、幸せな人生を歩む為の必須条件です。
共感の能力は、まずは自分が人から共感してもらった経験から身についてきます。
親に共感してもらえた経験が他者への共感力の基礎になり、他者との関係性に喜びを感じるようになっていくのです。
親や友達と遊びながら、達成感を味わったり、教えたり教えてもらったりする喜び、他者を大切にしたり、されたりする喜び、ルールを守る事の必要性を学んでいきます。
友達から認められるという事は、自分が価値ある人間と認められる為に大切な要因です。
その為には、親自身が外に向かって家庭間の交流など人間関係を開いていく事が大切です。
頼り、頼られる関係、困ったら助け合う関係づくりです。
子供がお世話になったら感謝する、そして、こちらも他の子を受け入れる。そんな関係を作りたいですね。


 

質問「子供の話をきちんと受け取るためには」

小学4年生の男児の母です。先日、息子の担任の先生から学校に呼ばれたのです。息子が友達3人で同級生のA君をいじめたというのです。先生の話によると、A君は発達に課題のある子で、周りの子供たちとコミュニケーションを取りにくいらしく、その子に息子たちが「お前、変やな」と言ったらしく、A君はとても傷ついたというのです。私は胸が痛くなり、夕方、「どうしてそんな事をしたの?」「そんなこと言ったらダメだと思わなかったの?」「そんなこと言って自分が悪いと思わないの?」と問い詰めたのです。
私としては反省して欲しかったのですが、息子は泣きながら「イジメてなんかいない」というので、素直に認めない息子に「A君があんたらにイジメられたと言ったんだからイジメなのよ」と決めつけてしまいました。
翌日、A君とお母さんに息子と二人で謝りに行きました。A君のお母さんは「大丈夫ですよ」とは言って下さったのですが、帰りに息子は「お母さんなんか嫌いだ」とポツリと言いました。息子に、心の傷を作ってしまったような気がします。今後息子にどのように寄り添っていけばいいですか?
                 大阪市在住 主婦 夫 会社員 長男14歳  次男10歳 

回答 「言葉の向こうにあるものへの理解」
寄り添うというのは、相手の話を聞こう、理解しようとする姿勢です。
子供の話をきちんと受け取るためには、どういう姿勢が大事なのか、私なりにお伝えしたいと思います。
先ずは、自分の考え方や感じ方の癖を知る事、自己理解です。
あなたは、子供の話を聞く時に「待てない」という傾向はありませんか?
もしおありなら、「待てない」という癖は、「何とかしてやりたい」と焦ってしまって、自分の考えを伝えたくなると言う事です。
その為、相手の話を聞けなくなるのです。自分の考え(感情)が湧きおこって、それに支配されてしまい、聞けなくなるのですが、ある意味、「丁寧に聞こうとしていない」という事です。そんな時は、自分の考えや感情を少しだけ横においておきしましょう。相手よりも先走らない事、結論を急がない事です。
次に、子供の「言葉にならない言葉」を聞く事、言葉の向こうにあるものへの理解です。つまり、共感的理解、相手の身になって感じるという事です。子供を思い通りにコントロールする事は出来ないという事を認めましょう。
「言葉の背景にあるものへの理解」とは、「お母さんなんか嫌い」の後ろに「お母さん、黙って僕の気持ち分かってよ」が潜んでいるという事です
大人の思い込みで子供の気持ちを決めつけないよう、相談しやすい雰囲気を作り、「あなたの力になりたいので、何かあれば言ってね」など辛さや願いを語る事が出来る安心感のある関係作りを心掛けたいですね。
まず、自分の事を分かってくれる人の話は受け入れ易いですね。


質問 「子供が乱暴して困ってます」

息子は以前から言葉が遅く、その為か周りの子供達とのやり取りがうまくいきません。
度々、園長から「お子さんはすぐ怒鳴るので、他の友達から怖がられています」と言われて、友達に乱暴するたびに「乱暴してはいけない」「相手の子に謝りなさい」というのですが、いう事を聞いてくれません。どうしていけばいいか行き詰まっています。
                奈良県在住  32歳主婦  夫 34歳会社員  息子4歳

回答「親が変わるとは」
感情を言葉にしにくいのは子供の特徴です。その言葉の下にある本心を分かってあげたいですね。
息子さんは、お母さんや友達に伝えたい事があるのに、言葉に表現できないので、欲求不満がますます強くなり、乱暴するという悪循環になっているようです。息子さんは臆病なとろこがあり、自信をなくしているのではないでしょうか。
欲求不満が強いと攻撃的になりやすいのです。
大人でも攻撃的な人がいますが、そういう人に限って、臆病で葛藤に耐えられない、感情のコントロールが出来ない幼さ、弱さがあります。
注意しないといけない時は、言い聞かせる事は必要ですが、言い聞かせたらすぐに子供が変わる、いう事を聞くというわけではありません。
そんな時は「怒り」を使わずに、伝えたい事を短く、冷静に言ってあげてください。
怒りのアイメッセージは「私は正しい、あなたは間違っている、だから謝りなさい」です。
これを事ある事に使うと、人は離れていきます。
社会生活では自分のした事で迷惑をかけたら「謝る」事は常識です。しかし、今のお子さんの年齢の場合、相手の子供と親に謝るのは、お母さんの役割です。
自分の子供が他の子に乱暴した時、子供に「謝りなさい」と言いすぎないようにしてください。子供に謝らせて気が済むのは親だけです。
しんどい事ですが、何度でもその度に謝るお母さんの姿を見て、息子さんは「僕のした事は謝らないといけない事なんだ」と分かってきます。それだけで十分です。
むしろ、あなたにできる事は、息子さんとの関係性を変える事です。あなたがご自分の在り方、態度を変える事が、息子さんが最も必要としている事、してほしい事なのです。
自分をどのように変えるのか。それは、息子さんが何をしてほしいのか、どんなおかあさんになってほしいのかを考えてそのようにしてあげる事です。
怒鳴らない子に育てたければ、お母さん自身が怒鳴るのを減らす事です。
「乱暴してはいけない」というよりも、今の息子さんの場合は、どっぷりと甘やかせてあげる事が大事です。子供に正しい事を言いすぎると自信を無くしてしまいます。
温かく包み込んであげてください。本当の意味で甘えさせてあげてください。


質問「子どもをちゃんと育てていけるか不安です

私の母は働きながら私と弟を育ててくれました。私は母の願いをよく聞いてきたので、母からみたら育てやすい、いい子だったと思います。しかし、母の顔色を見て育った私は、ある意味で「自分がない」ことに気づきました。あらゆる場面での対人関係で、「ノー」と言えないのです。否定されるのが怖いのだと思います。
ですから、自分が子供を育てる時には、母のようにはしないと思っていました。ところが、現実は子供に対して「こうしなさい」「あれをしてはいけない」とまるで母が乗り移ったかのような態度で、不安を感じて子供に接している自分があるのです。
どうしてわが子に不安を感じてしまうのでしょうか。子どもをちゃんと育てていけるか不安です。
子育てのいい方法はありませんか?
      京都市在住  38歳 会社事務 夫 38歳 会社員 息子 5歳

回答 「人間としての土台を作る」
子供は可愛いと感じながらも、子育ては難しいと思っていらっしゃるお母さん方は多いです。
余りにも急激に世の中が変わっているので、子育てだけに限らず、いま日本人全体が不安なのは、仕方がないのです。
戦後、大家族から核家族が定着し、日本人が昔からやってきた「支えあう」というやり方が無くなってきたので、どこからの支えもない。そのしわ寄せが、今、子育ての中で生じてきたのだと思います。
子供を心から大切に思い、幸福を願っていらっしゃるからこそ、どうしてこんな事が起こるんだろう、できないんだろうと悩むのだと思います。
子供に、親が望むようになってもらう事で、安心したいと思ってしまうのかも知れませんね。
「親が望むような子にしよう」と思うのではなく、「子どもが望むような親」「子供が信じられる親」になる事が先だと思います。
子供がしてほしい事をしてあげて、子供が望まない事はなるべくしないようにする事で、子供はいきいき笑顔になる事ができます。決してわがままになる事はありません。
親に安心感を持て、親を信じられる事で、自分に自信をもって育っていけるようになります。
親にとっては、幼児期は手がかかります。手間をはぶいて、手がかからない、何でも早くできる事がすごいと思うのかもしれませんが、育児の面で言えば、「早く」「手間なく」は一番よくないのです。
手をかけ、時間をかけ、子供が成長する、「育ってくるのを待つ」事がいい育児なのです。
親が楽できる育児に、いい事なんてめったにないです。
子供は、親が自分に喜んで手をかけてくれる事で、「基本的安心感」「信頼」「思いやり」という、人間としての土台が出来るのです。最後に、すべての子どもに共通の「よい方法」なんてないですよ。




 

質問 「子供の万引き」

Sさん  神戸市在住  40代 主婦  7歳の長男と 4歳の長女 夫の4人家族 昨年末 私の財布から 1000円札が無くなっていて、最初は自分の自分の勘違いかと思い、余り気にしてなかったのです。しかし、息子におこずかいを決めた額しかあげていないのにカードを買ったり、どうもおかしいなと思うようになりました。財布から無くなる回数が重なるので、明らかに子供だと思い、主人に相談しました。主人はびっくりして、黙ってしまいました。それで、二人に聞いたところ、息子が「僕がとった」と認めました。素直に認めたので余り怒らずに「もうこんなことしたらあかんよ」とだけ注意してそれで終わりました。ところが、先月、台所に置いていた新聞代がなくなっていました。それで我慢できなくなり、息子を呼んで怒鳴りつけたんですが、「知らん」というので大げんかになりました。息子は全く認めません。それ以来 息子の態度が変わり、イライラするようになりました。

回答

今まで順調に子育てがされてきたのに、急に「盗み」という「悪」が行われて、親として混乱されていらっしゃるお気持ちがとても伝わってきます。幼い子供の場合、欲しいから、ただ単純に自分のものにしたいと思うことがあります。欲しい気持ちが余程強い時は、つい自分のものにしようとする。「出来心」です。ですから、1回目に発覚した時には、厳しく注意することが大事です。良くないことだとしっかりと教えましょう。その「行為」は「いけません」とたしなめ、そのことによって、他の人のものを勝手にとる事は「悪」であることを教える。そうして学んでゆくのです。ところが二回目以降になると、問題は別のところにあります。厳しく叱ってはいけません。 「お母さんのお金を盗んだ」という所に意味があります。「盗み」は悪です。でもそれはそれなりに意味を持っています。その意味について申し上げたいと思います。「万引きや盗み」という行為は「エンタイトルメント」と言って、「権利を取り戻す」行為ともいわれています。「もらうものをもらっていない」と息子さんは無意識で感じています。親から貰いそこなったものを取り返していると考えられます。 本当だったらあの時分かってほしかったのに「親の言いたいことばかりの飲ませられて僕の気持ちを分かってもらえなかった、だから僕の話を黙って聴いてよ、ちゃんと僕を大事にしてよ」というメッセージが聴こえたなら、「本当はいい子なのに、大切な時期にかわいそうな思いをさせてしまった」と感じてあげて下さい親に「本当に申し訳ない」と思って欲しいのです。

 

質問   「わが子から『死にたい』と言われました」

中学1年の娘の事です。2か月前、夫婦喧嘩をした時、娘が止めに入ろうとして、夫に「うるさい、お前なんかこの家から出ていけ」と怒鳴られてから様子が変わりました。 それまでは、部活や、習い事も熱心だったのに、やめてしまいました。家では「疲れた」とばかり言うようになったのです。学校の面談でも、先生からこの頃やる気のない様子が目立ち、休み時間も一人で教室にいることが多いと言われました。最近では毎日の様に「私なんか生まれてこなかったら良かった」「死にたい」「誰かを殺したい」など、ドキッとするような事を言います。ノートに首を吊っている人や、ナイフが刺さって血まみれになっている動物など、残酷な絵が描かれていました。感受性の強い子なので、接し方には気を遣い、育ててきたつもりです。なぜ、こんな事になるのか分かりません。   38歳  主婦  家族4人 夫と 中1の長女 小5の長男  大阪在住

回答

わが子から「死にたい」と言う言葉を耳にされ、とても胸が痛い事と思います。 慌てて、「そんな事を言ってはいけない」と否定せず、「お母さん、助けて」という心の声だと思ってください。夫婦喧嘩を止めようと娘さんなりに家族を思っての行動を、父親から怒鳴られ、しかも出ていけと言われ、自分の存在自体を否定された様に感じた事でしょう。その気持ちを良く聞いてあげて下さい。娘さんは、ずっと頑張ってきたけれど、これ以上はもう無理だ、と切実に訴えているのです。 きっと小さな時から親に心配をかけない様に、家族がうまくいくように、密かに戦ってきたのでしょう。人は誰しも、葛藤や、傷つき、怒りや、何かを破壊したい衝動があるはずです。「死にたい」「殺したい」は、その衝動が内に向くか外に向くかの紙一重の違いで、根っこになるものは同じです。「もうだめだ、戦えない、すべて壊して終わりにしたい(楽になりたい)」と、娘さんは感じているのです。娘さんが残酷な絵を描く事は、親としては見過ごせない、深刻な事だと思います。しかし「なんでこんなものを描くの?」と問い詰めるようなことはせず、まずはそこから娘さんのどんな心の世界が見えるのか、落ち着いて見て欲しいと思います。 思春期の子供は、大人のように感情をうまく言葉で表現したり、解決を探るのが難しいですから、絵で表現する事は、一種の浄化作用にもなり、直接的な行動に至るのを防いでくれる場合もあるのです。しかも、様々な感情、衝動、不安、怒りがまざりあっています。 ゆっくりした雰囲気を作り、娘さんの心に溢れてしまった情動(怒りや不安、攻撃性、破壊性など)を受け止め、家族の関係において上手に発散し、解消出来る工夫を考えて見てください。

質問   「息子から『カンケーないよ、放っといてくれ』と怒鳴られました。」

Tさん  主婦 47歳  夫と大学生の長女と中学生の長男の4人 中学2年の長男の事で相談があります。 新しい学年になり、どうも以前とは様子が違うのです 学校から帰り、元気がなさそうなので気になり、「どうしたの?」と訊くと、黙ったままで自分の部屋に夕食まで入ったきりです。 それで先月 夕食の時に「学校で何かあったの?」と訊いたら「カンケーないよ、放っといてくれ」と怒鳴られました。 夫が「何だその言い方は!」と言うと「もういい」と食べかけのご飯をそのままにして部屋に入りました 今までは、何かあると自分から話してくれたり、訊いても素直に答えてくれていたので分かっていたつもりなのですが、今ははれ物に触るような状態です。 知り合いに聞くと「思春期はそうなのよ」「どこもそういう事はあるわよ」と言ってくれるのですが、ますます悪化しそうで、どうにかなりそうです。

回答

私たちは他の人に立ち入られることは心地いいものではありません。しかし、それが子供のこととなるとそうはいかなくなるものです。冷静になれなくなることが多いです。子供の気持ちを分かろうとするよりも、自分が安心したいという事もあります。人は悩んだり傷ついたりしながら成長してゆきます。親として分かっておかないといけない事の一つに、子供の人生は子どものものであるという事。そして子供がしてほしいことは、自分の気持ちを理解してほしいという事です。人間は責任を果たすことによって成長してゆきます。放任と言う意味ではありません。ですから子供の責任は子供にしか取れないという事です。ここで大事なことは、親の直感です。 ここは何も言わずに普通にしておこうとか、ここ一番、今日は放っておかないで「何が関係ないのか、はっきり言ってみろ」としっかりぶつかり合う事が大事な時もあります。しょっちゅうやる必要はありません。ぶつかり合おうとするときは、「お父さんも言うからお前も本音を言ってみろ」という事です。そういう時は、こちらも腹をくくっていることが大事です。親の直感を磨くことが大事かもしれません。思春期の子供は、感情や悩みを親に分かってもらう事に抵抗があるものです。「共感」が大事と言いますが、人の気持ちはそう簡単に分かるものではありません。でも親は子供の気持ちは分かりたいものです。思春期の子供はサナギの時期ですから、余りいじくったり、触らない事です。カラの中で成長しているのです。そっとしておくことも大事なのです。親が言いたくても、子供が自分で分かっていることを言わないでいるというのは心のエネルギーのいることです。

質問  「子育ての悩み」

小学生の次女が悪気はないのですが、友達にいたずらしたり、勝手なことをするのが悩みです。 「早くしなさいし「それはダメ」と、小言ばかり言ったり、イライラして叱ってばかりいます。 私としては普段は激しく怒らない性格なのですが、この子にはすごく怒りしつこく言ってしまいます。 周りに迷惑をかけたりお友達から嫌われたりしてほしくないからこそ言ってしまいますし、わかってほしいから言うのですが。 同じ育て方でも他の子はしたらいけないことの区別はついているようです。 上手な対応の仕方、アドバイスをお願い致します。    主婦 35歳   夫 会社員  長女10歳 次女8歳 長男6歳  岐阜 在住

回答

どちらかというとあなたは次女の悪いところばっかり見えていませんか。 もしそうなら次女にしたらたまらない。かわいそうです。 次女のやっていることが、あなたの期待より低い、あなたの期待の方が、いつもちょっと高いのではないですか。 正しいことを立て続けに言うと、人間は動けなくなるものです。 それと同じで、人を育てるときも、なにも正しいことを言えばいいわけじゃないと思います。 親子でも、冷たい目で見られて正しいことばかり言われたら、絶対たまらないですよね。 親の方が物をよく知ってるし経験もあるから親が子どもに説教しようと思ったら、いくらでも言えます。 子どもには、正しいことをパッパッと言ってたらいいと思うのは、親がちょっとあせりすぎなのと、指導・助言する立場の方がラクだからなんですね。 それだとエネルギーが要らない。 イライラしたり、必要以上に子どもを叱ったりということが出てくるのは、お母さんがどこか不安になっているときです。 「子どものために何かしなければ」と思うことが、イライラにつながって、 「あれをするな、これをするな」と禁止してばかりしたり、怒ってばかりになる。 子どもにとってはよくない状況です。 「早くしなさい」「それはダメッ!」と子どもに言うのを、ちょっと待つだけで違います。 「あ、またイライラしたわ」と意識して、ちょっと間をとってこどもをよく見ていることです。その余裕があるかないかの差は大きいです。 手出し口出しする前に、何か言いたくなったときに、五秒待って様子を見るんです。 そうすると子どもは子どもで結構いろいろやってますからおもしろくなってきます。 「子どもと一緒の時間をもうちょっと持とう」とか、「子どもがすることをもう少し見てみよう」と考えてみるといいんです。 子どもの方から出てくるものを待つのは、すごくエネルギーが必要です。 「ちゃんと待ってる」とか「ちゃんとそこにいる」というのは、ほんとに難しいことです。

質問  中2の長女が2週間学校を休んでいます」

当初、時どき授業中や通学中、腹痛を訴えていたので、病院に行きましたが、疲れから来るストレスと言われました。娘の話では、1年生の頃にも時々腹痛があったが、親に心配をかけたくないので、黙って耐えていたそうです。 何とか、2年生になったんだから頑張ろうと思っていたようですが、これ以上我慢できないと泣きだしました。夜には準備して「明日は行く」と言うのですが、朝になると吐き気や腹痛になります。どうしてあげればいいか、不安になっています。   Tさん 38歳  夫と長女 次女(小学生)  4人家族   大阪在住

回答

お子さんが学校に行かなくなる事は、お子さん自身にとっても、ご両親にとっても不安や驚き、困惑など衝撃的な出来事だと思います。 親は、どうして行けないのだと悩んだり、何とかして行かそうとわが子の一挙手一投足にハラハラし、行けたか行けなかったかという事に一喜一憂される事でしょう。 とにかく学校に行ってくれたら一安心し、休みが続くと、このまま行けなくなるのではないかと、焦りと苛立ちを感じやすいものです。 時には、自分の不安や苛立ちを子供にぶつけてしまう事があるかもしれません。 そこで、忘れてはならないのは、誰よりも本人が一番苦しんで傷ついているという事です。 まず、初期対応で大切な事は、叱らずに話をよく聴いて、置かれている状況を把握する事です。 不登校と一口に言っても、多くの問題が背景にある可能性があり、まずそれを見極めることが必要です。 思春期の子供の特徴に、「感情を言葉にすることが苦手」な点があります。 また、「そっとしておいてほしい」という気持ちと、「放っておかれるのは寂しい」という、思春期特有の相反する複雑な気持ちを抱いています。 ですので、教え導くような物言いではなく、何を言っても大丈夫、否定されない、分かってもらえているという信頼関係を作るようにしましょう。 そうすると子供は安心感を得る事ができます。 せかさずに、丁寧に話を聴いてあげ、辛い時には一緒に苦しみ、嬉しい時には一緒に喜ぶという温かい心の交流を持てるようにするのも大切な事です。 批判せず、気にかけている事を伝え続け、子供と少しずつでも向き合い対話をしていく事が、問題解決への第一歩になります。 その上で、学校と連携し、専門家を交えて、子供の状態に合わせた対策を考えて下さい。 子供の状態や不登校の原因によっては、学校へ行くようにうながさない(ゆっくり休養させる)方がよいケースもあります。 本人の状況をおおよそ把握した上で、とりあえず休ませる対応が必要か、少し無理をさせてでも行きなさいという対応が必要かを判断しましょう。

質問   「娘が人の陰口を毎日言っています」

高校2年生の娘が人の陰口を毎日言っています。小学校の頃は明るくて、友達の話を楽しくしていたのですが、中学生になってからよくいうようになり、最近ではあまりにひどいので このままでは友達から嫌われてしまうんじゃないか、心配でなりません。        

42歳 主婦 夫会社員  娘と3人ぐらし    名古屋在住 

回答

幸せで満ち足りた気分のときに、人の陰口をいうことは余りありません。 ではどんな時、陰口を言いたくなるでしょうか。 対人関係で不満が溜まった時、そのストレスを発散させたい時です。 陰口をいう子供は、何かしらの精神的なダメージを受けているのです。 自信のある子どもは、些細な意見のくい違いなど気にも留めませんが、自信のない子どもは、ちょっとしたことに大きな不安を感じ、イヤな気持ちになってしまいます。 自信のない子どもは、劣等感に取り込まれているため、友達よりも劣っていると感じると、友達の価値を下げて自己評価を上げようとする「引き下げの心理」が働きます。 こうして自信のなさに根づいている不安が、ねたみや攻撃に転化したとき、陰湿な誹謗中傷行為が生まれることになります。 そして、陰口を言いたい他人の欠点は、じつは自分のなかに同じような欠点があるのです。 誰しも自分の欠点に気づき、それを認め、矯正するのは苦しいものです。 他人の欠点なら容易に気づくのに、自分の欠点というのは、気づいていてもなかなか直せません。 子どもは自分の欠点を指摘されたり、注意を受けますと、言い訳したり、自分の欠点を他人に転嫁します。 ではお子さんにどのように対処すればいいのでしょうか。 頭ごなしに叱りつけることは、不安な心をさらに不安にさせてしまうため、絶対に避けなければなりません。 しかも陰口を言うことを無理に止めさせると、ストレスを発散出来なくなります。 よしんば陰口を言わなくなったとしても、ほかの方法で攻撃する可能性がでてきます。 陰口を言いたくなる心の根っこにある不安感を取り除くことが、根本的な解決策となります。 そのためには、どんなことに不安を感じているのか、劣等感を感じてしまうのか、その心の内をよく聴いてあげることです。 今のお子さんには、認め、理解し、甘えさせてくれる大人が必要なのです。 いろいろな場面でその子の良い面をほめてあげましょう。 そうすると陰口を言いたくなった心の動きや、自分が抱えている不安、それに自分の欠点を自覚できるようになります。 自分の心に向き合えるようになったら、陰口は友だちからの信用を無くす行為であることを教えましょう。 本人に自信がついてくれば、陰口は自然に減っていくものです。 どっぷり満たされると抜け出せるものです。

質問  「わが子がいとおしく、職場復帰が辛くてたまらならない」

10ヵ月の子どもの母です。銀行員をしています。今は育休中ですが、もうすぐ職場にもどらなくてはなりません。今までは、保育所に預けて働こうと考えていましが、子育てするうちに子供と離れるのが 辛くなってきてしまいました。 最近は、職場復帰を考えただけで涙がにじんできます。 母親がフルで仕事をすると子育てはおろそかになるよ、という話もあり、自分もそうならないか不安です。実際、仕事はなかなか厳しいものがあり、五時に帰れることはまずありません。一歳で預けるなんて早すぎるんじゃないか、働きだすと母親の役割が十分に果たせないんじゃないか、母子関係が不安定になったらどうしょうとか、悩んでしまいます。 職場に休業の延長を願い出るわけにもいきません。この辛い気持ちをどうすればよいでしょうか。 31歳  銀行員  夫 会社員  長女10カ月

回答

子育てしているうちに、わが子がいとおしく、職場復帰が辛くてたまらならないほどになるなんて、 お子さんととってもよい出会いをされていらっしゃるのだと思います。 本当は、それぞれの母親が「もう離れてもいい」と思えた時に職場復帰出来る事と、安心出来る子供の預け先が準備されていることが理想的です。 あなたがおっしゃるとおり、子供の発達という点を考えると、一歳前後は分離不安の反応が強く出始める時期で、預ける時は、激しい抵抗に遭うことを覚悟しておかねばなりません。 生活リズムの変化で母子ともに疲れることもあるでしょう。 予定通り戻るか、辞めて子育てに専念するかという選択肢の間で、引き裂かれるようなお気持ちでいらっしゃるのかもしれません。 でも、生涯消えない心の傷を子供に残すんじゃないかとか、自分は冷血な人間ではないか、と恐れなくてよいのです。 子育てにおいて、いずれ別れはやってきます。 たとえ専業主婦として子育てに専念し、わが子にすべてを捧げたとしても、子は親から巣立っていくものです。 子供が巣立ち、「空の巣」になって初めて、自分がその後どうやって生きていけばよいか呆然としないよう、少しずつ別れの辛さに耐え、免疫を作っていく事も必要でしょう。 退職するわけにはいかないなら、そうやって気持ちを切り替えるしかありません。 子育てが中心になるのは、長い人生のうちのほんのわずかです。 ご自身の人生にとって、今回の「別れの訓練」の意味を考えてください。 そのうえで、子どもとやり取り、「母性」の大切さを大事になさってください。 苦しみの時期を経て、ひと回りたくましい母と子になられることを祈っています。

質問   「独身の息子がパチンコにはまってしまった」

独身の息子が学生の時にパチンコにはまってしまい、就職後もやめられず、給料もすぐ使い果たし、借金を繰り返すようになりました。 返済をそのつど肩代わりしてきました。息子は、様々な理由を言い立てては私からお金を引き出していました。 今までウソばかりつかれてきました。私が(借金を)ずっと返してきたんです。 最近も家賃の滞納がわかり、夫と話し合い、「これが最後だ」と家賃の支払いをしました。 息子は「もう、やめる」とは言っているのですが、これからも消費者金融から借りてでもパチンコをするのではないかと心配です。      主婦 63歳  夫と 長男24歳(会社員) 長女27歳(OL)

回答

依存症とは、やめたくても止められない「病気」です。本人の気持ちの問題だからと根性を叩き直す事で解決出来る問題ではありません。ギャンブルをしないとイライラする、不安になると言った症状が現れる為、良くない事だと分かっているのに、のめり込み、自分のコントロールが効かなくなるのです。ギャンブルで勝った体験が強烈に脳に刻印され、繰り返しその刺激を求めるのです。また多くの依存者には、幼少時の親子関係家族関係が崩壊している様な家庭に育っている相関も見られます。子供の頃にもらえるはずの愛情をもらうことが出来ず、欲求を抑え込み本当の気持ちを表現出来なかった人が、思春期を迎え自意識に目覚めていく過程で自己を上手く表現出来ず、たまたま身近にあった依存行為(ここではパチンコ)により苦しみから解放される快感を得て、依存行為を繰り返すケースも多く見られます。また依存症者は自尊感情が比較的低いとも言われています。ですので、説得したり説教すると本人には「あなたは、情けない人間だ。何の価値もない」と言うメッセージになり、自暴自棄に至らせる結果にもなります。まず家族が依存症について正しく理解し接し方を変える必要があります。その為にも自分達で抱え込まず、支援施設や自助グループに繋がる事をお勧めします。同じ様な体験をし、立ち直った家族や他の人の話を聴く事も大切です。その事により、借金を肩代わりし助けてきた事が、結果的に症状の継続をさせてきた事にお気付きになるでしょう。ギャンブルによる結果は本人に返さないと助けるつもりが却ってマイナスの要素になるのです。本人も家族も依存症を正しく理解し、自分の行動を深く内省し、自らが本心を入れ替え依存症脱却に進んでいく以外回復の道はないのです。

質問    「基本的安心感」

小学1年生になる娘ですが、お気に入りのぬいぐるみなしで寝つけません。 小さいころから、お気に入りのタオルを口につけて寝るくせがあり、保育園頃からは「サリーちゃん」という名前の「ぬいぐるみ」に変わりました。 夜はいつも抱いて寝ています。テレビを観たり、本を読んでいる時などは、柔らかくて気持ちよさそうに、いつも口に当てたり頬ずりしています。汚れているのに、本人は気にしていないようです。 他のオモチャや人形は失くしても気にしないのですが、サリ-ちゃんだけは別です。何とかしようと思い、サリーちゃんを隠して「どこかにいっちゃったよ」と言いましたら、泣きわめいて、夜も眠らずに探そうとするのでこちらも諦めて渡しました。 学校に入ったのだし、そろそろ話し合って手放させたほうがいいのか、このまま放っておいた方がよいか、アドバイスをください。       埼玉 在住 32歳 専業主婦  夫 会社員  娘2人

回答

子どもが母親から分離し、自立していく過程で、一時的にママに代わる安心と慰めを与えてくれる特別な意味をもつ「モノ」があります。 毛布の端、タオル、ぬいぐるみなどが多いです。 実物のお母さんとは違って、自分が思い通りにできる「モノ」でありながら、かつて母親が与えてくれたのと同じ安心感を与えてくれる対象です。 サリ-ちゃんも、それと同じですね。お子さんにとっては、かけがえのない「お守り」なのです。 普通は、いつの間にか卒業していきますが、中には大人になるまで大事に持っている人もいます。 (そういえば、スマホを握りながら寝ている方がいましたが)無意識的にそうしているのでしょうが、慰め、支えてくれているのです。 実は子供時代の一時期だけ意味を持つものではなく、誰にとっても、その人の心象の世界の中では永遠に大切な対象なのです。 ぬいぐるみを手放せないわが子を見ていると、いつまでも甘えさせているような気がして不安になり、「甘やかせたからか」「私が家にいるからか」と、原因探しをしたくなるのかもしれませんね。 そんな時こそ、「サリーちゃん」への思いを親子で分かち合えたら、きっと娘さんの心の中に「生涯の宝物」として生き続ける事でしょう。 お腹がすいたらを満たしてくれ、オムツが漏れたらを替えてくれ、寂しいと抱きかかえ、話しかけてくれる母親の愛をもらえた人は、成長と共に、そういう母親を自分の中に取り入れ、心の中の母親とでもいうべき自己対象を育み(基本的安心感)、それによって、母親がすぐそばにいなくても、見守られていると感じ、安心して他の事に投入する事が出来るのです。 どっぷりと甘えさせてもらえると 抜け出せるのです。十分な依存が満たされると自立してゆけるのです。

質問   「お小遣い問題」

4歳の息子のことです。先月の日曜日、近所のスーパーに行ったときに、主人が、ガチャポン(一回2○○円)を息子にさせてやったところ大喜びし、主人も息子と一緒に楽しんでいました。私も最初は、ほほ笑ましく見ていたのですが、段々エスカレートし、最近は毎日やりたいと駄々をこねます。 でも息子は出てくる瞬間が楽しいだけで、中味はほったらかしてしまいます。 姑が時々息子にお小遣いをくれていて、この前息子が、「ぼくのお金でするんだったらいいよね。おばあちゃんも『好きなものを買いなさい』って言ってたもん」と貯金箱を持ち出してきました。しつこく言うので、「勝手にしなさい」と言ったものの困ってしまいました。 これからも欲しい物は他にも出てくるはずです。どうしたらいいでしょうか。     32歳  専業主婦  夫 33歳会社員  長男5歳

回答

幼いお子さんにとってお金は、欲しいものが何でも手に入るハリーポッターの棒のようなものなんでしょうね。 四歳児に欲求のコントロールを期待するのはかなり困難な事ですが、駄々をこねた時に要求を叶えさせると、「欲しいものは駄々をこねて手に入れなさい」という事を教えてしまいますから注意しましょう。 かといって、「勝手にしなさい」と言うのもその子の気持ちの分からない人の言葉ですので注意したいです。それよりは、「ダメなものはダメ」と伝え、そのまま抱っこして慰めてあげたり、お手伝いシールをあげて、たまったら「ガチャポンのお楽しみ券」と交換してあげるものいいと思います。 お小遣いは、子供が自分で買い物したがるようになったらはじめ時だと思いますが、いつごろ、どんな方法でお小遣いを渡すのが適切かは、子供の発達に応じて決まると思います。 計算も出来ない子に何百円単位のお金は扱えないし、1週間先もイメージできない子に、お小遣いがたまっていく楽しみ期待するのは無理です。 「お小遣い問題」は、「お金を管理すること」で自分の欲求をコントロールし、目標のために我慢することで欲しい物が買えた時の達成感を覚えさせる重要な教育だと思います。 お金は、正しく使える「主体」がある程度育つまでは、自由に使わせるべきではないということです。 しかし、小さい頃から少額のお金を管理する事は、将来に向けて重要です。 だとすると、大体7、8歳以降が適齢期ということになりますね。 欲しいものを買うために貯める、あるだけ使った後で後悔するなどの経験を重ねる事で、自立的な使い方が身につきます。 金額や渡すペースは親子で話し合って決めると子供に責任感が生まれます。 姑から貰ったお小遣いなどはあるだけ使うのではなく貯金する、計画的に使う、余った分は溜めたりしておくことなどの取り決めもいいでしょう。

質問   「アダルト・チルドレン」

私は母から心身の暴力を受けてきました。ですから自分は子供には絶対手を挙げる事はしないと思っていたのですが、4歳の娘に母と同じ事をしている自分に嫌気がさしています。という言葉について調べてみました。この内容な自分の事だと思いました。
私は言いたいことがうまく言えず、人との付き合いも不安です。
母との苦しかった関係を娘との間で繰り返さないようにするには、どうしたらいいのでしょうか。いけないと分かっているのに手を挙げてしまう私なんかいなくなればよいのにと思ってしまいます。
         主婦 30代  夫 会社員  長女 4歳 名古屋在住

回答
あなたは、憎しみやその底にある悲しみを抱えながら、これまで、幸せな人生を築こうと努力されてきたのでしょう。すでに、十分よくやってきていらっしゃると思います。この問題はあなただけの問題ではありません。ですので自分を責めることは避けてください。
あなたのお母さんがそのようにしか生きられない背後にはお母さんの親が、そしてお母さんの親がそのようにしか子育て出来なかった背後には更にその親がいたのです。ですからあなたの責任というのではなく、三代ぐらい続いていることが多いのです。世代間伝達と言う「その家の運命」というか「家族のテーマ」 があるわけです。母と同じことをしているという一本のものさしで判断して自分を責めるのではなく、この課題は時間をかけて少しずつ解いてゆく事が大切です。
一人だけで考えていると、堂々巡りになり、必要以上に自分を責めてしまいますそして必要以上の自責の念は、だいたい怒りになるんです。それが下手すると子供に向かってしまって、悪循環になりかねません。
人の心は不思議なもので、相反する傾向を持っています。
つまり、マイナスの気持ち(よくない感情)をそのまま受け入れていくと、プラスの方(本心)が動き出すという事があるのです。
こんな自分はいけないと思いと抑え込みすぎていると、プラスも動かないというところがあります。
ですので、あなたが黙って一人でやっているより、誰かがあなたに関わってくることが大きいんです。つまり、専門家と話しあうのが一番いいと思います。
専門家というのは、何もあなたを矯正するとか治すというんじゃなくて、「一緒に考えて一緒に答えを見つけてくれる人」「分かっていても出来ない気持ちをじっくり聴いてくれる人」「いくら言ってもいいよ」という人なんです。
人は、そのままじっくり聴いてもらうと、気づきが生まれ、反転するものなのです。それだけで、だいぶ変わりますよ。

質問   「母子一体感」「基本的安心感」

8ヵ月になる赤ちゃんがいます。子どもが泣くたびに、落ち込んで泣いてしまいます。
泣き声をきくと自分も悲しくなって落ち込み、子どもみたいに泣いてしまうのです。
泣かせてしまう自分は駄目な母親だとか、なかなか泣きやまないときは、責められているような気がして、自分なんかに育てられるよりも他のお母さんに育ててもらった方が幸せになれたのにと思ったりもします。
子育てをしている友達は、「赤ちゃんは泣くのが仕事」「子育ては楽しまなきゃ」と言います。
元々、私は、自分に自信がなく、何かトラブルが起こると、つねに自分が悪いんだと必要以上に自己否定してしまうタイプです。
私は小さいとき、両親が共働きで、祖父母に預けられて育ちました。
母親には時々しか会えず、心細い思いでじっと耐えていたことを覚えています。
休日で母が家にいても、なんとなくぎこちない感じでうまく甘えられませんでした。ちなみに、今は母と子どもの話をしたりしています。
        岡山在住  主婦 30歳  夫会社員  8か月の娘
回答

赤ちゃんにとって、母親との結びつき、母子一体感というのは、とても大切なことです。
赤ちゃんが泣く時は、オムツが濡れて不快な時、淋しい時、空腹な時などで、そんな時お母さんがその欲求を満たしてあげることで、「困ったらいつでも助けてくれる」という基本的安心感が生まれてくるのです。にもかかわらず、「泣かせてしまう自分は駄目な母親だ」とか「責められている」「自分なんかに育てられるより」という感情がわき起こるとすれば、それは目の前のわが子に対してというより、わが子に投影された過去の自分自身へ向けられたものと考えてよいと思います。
恐らくは、小さい頃、母親と離されて育ち、祖母への気遣いから、泣きたいとき思いっきり泣けなかったのではないでしょうか。
泣いても助けてもらえなかった「私」が目覚め、あなたを不安感に巻き込んでしまうのではないでしょうか。
自分が思いっきり泣く事が出来なかったので、泣く子を目の前にすると受けいれることに葛藤が生まれるのです。あなたの内なる子供は、思い切り泣きたいと助けを求めているのです。
子供時代の「悲しさ、寂しさ」を閉じ込めてきたあなたは、「楽しまなきゃ」と言われて、すぐに割り切れるものではないと思います。
これからは、悲しくなったらお母さんに「泣きたくなったら、電話していい?」と甘えてみてください。
お母さんの前で泣いて聴いてもらいましょう。
そうすることで、子ども時代の自分自身を育て直してあげましょう。
少しずつ、お子さんへの対応も変わってきます。

質問  「娘が子育てを出来ないと言っている」

2年前、娘が離婚して帰ってきました。娘の家族の事が心配です。
娘には保育園児2人の子供がいます。
10年前に夫が亡くなりました。私は近所のスーパーでパートをしているのですが、3年前にウツになリ病気休業を繰リ返しながら働いています。
娘が先日、「自分は子供を育てられない」と言ってきました。
孫が言う事を聞かずわがまま放題で、イライラしてしまい、むなしくなるのだといいます。
娘は「再婚したい、男性に頼りたい」と言います。
娘の孫への態度を見かねて、孫たちを数日預かリましたが、すっかり疲れてしまいました。
私も無理がききません。それで、娘の元夫に、子どもを引き取ってもらえないかと話をしたら、
「何を今になって言ってるんだ」と断られてしまいました。
これからどうなってしまうんだろうかと思うと心配でなリません。
どうしたらいいでしょうか?
                       大阪在住  54歳  主婦

回答

ご主人を亡くされ、ただでさえ辛いのに、うつ症状を抱えながらお仕事をされ、娘さんの家族の不安を抱えていらっしゃる状況が伝わってきます。
何とかならないものかと、藁をもすがる思いで娘さんの元旦那さんを訪ねられたのですね。
その思いは、娘さんがあなたに「育てられない」とおっしゃった思い、そのものです。
あなたのお話を伺いながら、父や母から邪魔者扱いされる二人のお孫さんの事を思うと胸が痛みます。
娘さんが「子どもを育てられない」と言ったところで、お子さん達にとっては、大切なお母さんであることに変わりありません。人の気持ちは1つではないのです。そういう愚痴を言いながらも母親という感情もあるということを信じてあげてほしいと思います。真っ黒いコーヒーを飲んであげると、今まで見えなかった白いコーヒーカップが見えてくるものです。
娘さんは再婚を考えておられるようですが、子供のある女性と再婚したい男性の心理は、やはり平和で幸せな家庭を作りたいと思っているということ、「子どもが嫌なので男性に頼るというのでは、かえって男性が寄り付かないよ」「まず母親が子供を可愛がる事が大事なことだ」ということを教えてあげてください。
「育てられない」と言ったらお母さんのあなたが、「それを言ってはいけない」 とビシッと叱ってあげてください。
娘さんの子育てを代わってあげたり、元夫に子どもを引き取ってもらう計画をするのではなく、子どもをどうやったら愛せるかを、二人で一緒に真剣に考えることから始める必要があるように思います