受賞回 |
題 名 |
作 者 名 |
ストーリー展開型 |
入
手 |
感 想 |
評
価 |
1 |
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事件
遭遇型 |
K
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2 |
おじいさんとぼくのハチミツ |
多加山悠哉 |
生活型 |
k |
少年タブが入院した祖父との交流で、その生と死を体験する話。お祖父さんがの口元に残したハチミツを蜂が舐めに来るなんて、ちょっと思いつきにくい小技設定がポイント。テーマが死という重いものを正面から扱っているだけに、ほぼ病室ばかりの描写なのに、読ませる強さがある。
最後はたき落とされた蜂の死と、その針の痛みという展開も上手いと思うが、ラスト3行のタブが冷蔵庫のハチミツを云々の描写は全くトンチンカンだ。ここでの書きようを少し変えれば感動的なのに、もったいない。 |
B |
3 |
ミツバチ、ともだち |
今井恭子 |
生活
体験型 |
k |
少女菜々とその両親たち養蜂一家を描いた作品。親しかった知り合いのおばあさんが死んだ部屋で、迷子のミツバチを見つけるというのが唯一の盛り上がるドラマと言えるが、いかんせんそれでは強さが読む側には感じ取れない。作者の独りよがり、童話はかわいく描くという固定観念から脱却していない。「死」と書けば、悲しさも体験できるとでもいうような「ことばの説明力」だけに頼った安易な姿勢や鈍さを感じる。 |
E |
4 |
はちみつのタネ |
尾山理津子 |
事件
反復型 |
k |
お母さんの作ったはちみつクーヘンを食べようとするミツルの元へ、ねずみ、のらねこ、くまが「はちみつのタネ」を持って訪れる3拍子パターンの構造を持つ話。この賞の他の受賞作が生活童話なのに、これだけ傾向が童話的で違う。
ただ人物造形まで悪い意味でメルヘン調で操り人形的。自分の言葉で語り得ていない。一番の悪い点は人物に葛藤やドラマだないことか。だから作り物めいた予定調和な印象になってしまうのだろう。 |
E |
5 |
蜂飼いのマヤとマントが原 |
鞠阿野純子 |
体験型 |
k |
だからどうなの、と尋ねたくなる予定調和なストーリー。なぜそうなのかというと、何の事件も葛藤もなくドラマツルギーが圧倒的に不足しているからだ。そもそもこの作者は、そんなドラマを想定も予測もしていなそうだ。その鈍さに苛つきを覚えてしまう。これでは活字にして読んだ者の時間が無駄だ。 |
E |