★ 夏のスコットランドで滞在制作 (Shigeo Kubota) |
1997の夏、(財)大阪府文化振興財団と、英国文化センターとの共同プログラムにより、 芸術家交流制度の推せん作家としてスコットランドのエジンバラに三カ月近く滞在した。 英国が、イングランド、スコットランド、ウエールズ、そして北アイルランドの四つの部分 からなる連合王国であり、今日とりわけスコットランドが独立する動きを見せていること等 は、滞在中にその可否を問う選挙で国が盛り上がっている所を目の当りにしなければ 知ることも少なかったであろう。イギリスへはロンドンのビクトリア&アルパート美術館で 三年前に開かれた「ジャパニーズ・スタジオ・クラフト 伝統と前衛」という企画展に出品 して以来の出発であった。 |
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★スコットランドの首都エジンバラ (Shigeo Kubota) |
二度日の訪問だが、観光地としても有名で街の中心の丘には、シンボルで あるエジンバラ城がそびえておりそこを境に北にニュータウン、南にオールド タウンがある。私の仮り住まいであったアパートはニュータウンにありニュー タウンといえども建設後200年を経ている整然とした街並みの美しいところで あった。滞在受け入れ先となつた国立エジンバラ芸術大学はオールドタウン にあるので二階建てバスで、街の中心を通りながら通い帰り路には、坂のは るか向うに海を見おろすことができ、天気の良い日に日没時に建物がシルエ ットで浮かび上がる様は、如何にもエジンバラ的な光景であった。 |
|  関 清子さん撮影 |
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★アーチスト・イン・レジデンス ART-EX (Shigeo Kubota) |
今回のエジンバラ滞在目的は、いわゆるアーチスト・イン・レジデンス といって、他国で異文化に触れながら作品を制作する事であり、私の 場合、エジンバラ芸大の付属美術館で個展を行なうことが決められて いた。 単に仕事をするだけではなく、制作と同時進行で現地の人々 との交流や、美術館、ギャラリーめぐり、小旅行等も行なうので、なか なかに多忙であった。限られた期間内にそれらの行動と目的を実現 する為には、めん密な準備が必要で、できれば海外経験が豊富な 方がよい。受け入れ先のスタッフはとても熱心にこの制度に取り組ん でくれたし、他の人達も親切であったが、何もかもを頼る訳には行か ず、結局頼りになるのは自分だからだ。言葉の問題も少なからずあり 何をするにしても時間と労力を要する事は確かである。 |
山田明子さん撮影⇒ | |
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