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知識の扉
第1回 テーマ 『MIDI』
『DTM』に限らずあらゆることで技術を上げていくためには経験や知識などが必要だ。このうち経験はそれぞれ個人で積み上げていってもらうしかないが、知識は文献やそのほかさまざまな情報手段で得ることが出来る。そこでその一端をになおうと、「知識の扉」と題して『DTM』を知識の面でサポートする連載を組むことにした。第1回目である今回は、『DTM』ライフを送っていく上で切っても切り離せない『MIDI』についてだ。

「MIDIって?」
  みなさんは『ミディ』という言葉を聞いたことがあるだろうか?「Musical Instrument Digital Interface」の頭文字を取って『MIDI』と書くのだが、これだけじゃあさっぱり意味がわからない。
  そこで英和辞書で調べてみると、「musical = 音楽の」、「instrument = 楽器」...、とりあえず音楽関係の言葉だということはなんとなく想像がつくだろう。
  そう、実はこれは電子楽器に関する「規格」の呼び名で、現在の音楽シーンには欠かせない程重要なものなのだ。
  それじゃあ一体どういうものなのかというと、「電子楽器どうしの共通の言葉」という言い方がいちばん分かりやすいんじゃないかな?
  日本人どうしが『日本語』でコミュニケーションをとるように電子楽器どうしはこの『MIDI』という言葉で情報のやり取りをする...、と言っても、もちろん機械が実際に喋るわけではない。
  MIDI規格に対応した電子楽器どうしは互いの『MIDI端子』に接続された『MIDIケーブル』を通し、情報(チャンネル・メッセージ)をやり取りする。例えば「Aというキーボードを弾けば、同時にBというキーボードも同じ演奏をしてくれる」なんて事も出来るわけ(図1)。
「図1:MIDI情報(チャンネル・メッセージ)の流れ」 アニメーションGIF
図1
  それではどんな情報が送られているか、代表的なものを挙げていこう。
「チャンネル・メッセージ」
「図2:チャンネル・メッセージ」 アニメーションGIF
図2

<Note On/Off (ノート・オン/オフ)>
鍵盤(キー)が押された、離されたという情報。
ちなみに鍵盤が押されてから離されるまでの時間を「Gate Time(ゲート・タイム)」と呼ぶ。

<Note Number (ノート・ナンバー)>
各音程に付けられた番号。例えば鍵盤の中央に位置する「ド」は60番、その右の「ド#」は61番。

<Velocity (ベロシティー)>
鍵盤を押す、または離す強さ(速さ)。通常は0(1)〜127までの数値で表し、その数が大きいほど強い音になる。

<Program Change Number (プログラム・チェンジ・ナンバー)>
音色(ピアノやギターなど、楽器の音)」に付けられた番号。通常は0〜127番までの128音色。

<Pich Bend Change (ピッチ・ベンド・チェンジ)>
キーボードに取り付けられたピッチ・ベンダー(ピッチ・ベンド・ホイールとも呼ばれ、ピッチ(音程)を変化させる装置. ギターで言えば「アーム」みたいなもの)の操作を伝える情報。

<Channel After Touch (チャンネル・アフター・タッチ)>
鍵盤を押したあと、さらに強く押すことでビブラートやピッチ・ベンドをかけたりする機能を「アフター・タッチ」と呼ぶが、それに関する情報。

<Control Change (コンロール・チェンジ)>
さまざまな演奏表現に関する情報で、それぞれに0〜127番までの番号が付けられている。
これに関しては後々詳しく解説する。

<System Exclusive Message (システム・エクスクルーシブ・メッセージ)>
主に機器固有の設定を取り扱う情報。
これに関しては後々詳しく解説する。

● さて、「知識の扉 第1回」はいかがだっただろうか?なるべく初心者にも分かりやすく書いたつもりだが、まだ分かりにくかったかな?今回のテーマである『MIDI』について学ぶことは『DTM』を深く理解する上で最も基本であり最も重要なので、ぜひ何度も読み返して理解し、専門用語を憶えていただきたい。
第1回 『MIDI』 - 文・イラスト/幸村 (2001年2月)
幸村ワールド - Desk Top Music 「知識の扉」