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基本コマンド群

Calc を標準のインタフェースで立上げるには、M-x calc とタイプします。 すると、デフォルトでは `*Calculator*', `*Calc Trail*' という 2つのウィンドウが開きます。 前者は Calc スタックの内容を表示し、専ら Calc コマンド群を通じて操作します。 (普通は不必要ですが) Calc モードのバッファを複数設け、 それぞれ独自のスタック内容, undo リスト, モード設定を与えることが可能です。 Calc トレイルバッファはたった一つだけ存在し、 実行されたあらゆる計算結果のリストを記録します。 Calc トレイルバッファは Calc モードの一種を使用しているので、 トレイルバッファのウィンドウを選択しているときでも Calc コマンド群は有効です。 トレイルウィンドウは消すことができますが、 `*Calc Trail*' バッファ自体は存続し、その後の計算記録は裏で更新されます。 トレイル関連コマンド群 参照 .

大抵のサイトで、M-# c キーシーケンスは Calc を起動するより簡便な方法です。 また、最後に "keypad" モードを使っていない限り、 M-# M-#M-# #M-# c の代りとして使えます。

多くの Calc コマンドは 1個か 2個のキーストロークです。 小文字と大文字は区別されます。 コマンドは完全 M-x 形式でも入力できます。 いくつかのコマンドは完全形式でしか入力できません。 便利なことに、 x キー (calc-execute-extended-command) は M-x のように働き、 しかも最初の文字列 `calc-' まで入力してくれます。 例えば、次の 3つのキー手順はすべて同等です。

S, M-x calc-sin RET, x sin RET

Calc は多くの部品から成ります。 M-# c をタイプしたとき、 Emacs の "auto-load" 機構は基本計算機能を行う最初の部分だけを読込みます。 他の部分は、三角関数や行列計算のようなより高度なコマンドを最初に使ったときに auto-load されます。 多くの場合ちょっと計算するだけなので、 Calc の反応時間を改善するためにこうしています。 もし何らかの理由で Calc が拡張モジュールの自動読込みに失敗するなら、 M-# L (calc-load-everything) コマンドを使って全てを強制的に 読込ませることができます。モード設定 参照 .

数値接頭引数を付けて M-x calcM-# c をタイプしたとき、 必要に応じて Calc が読込まれますが、実際には起動しません。 引数が正のとき、`calc-ext' も必要に応じて読込まれます。 ユーザーの書いた Lisp コードが Calc の計算ルーチンを活用したい場合、 `(calc 0)'`(calc 1)' を使って Calc を auto-load することができます。

もし M-# b とタイプしてから M-# c コマンドを使ったら、 Emacs スクリーン全高を使った Calc 画面が現われます。 フルスクリーンモードが ON になった場合、 M-# ccalc ではなく full-calc を走らせます。 Unix シェルからは、`emacs -f full-calc' とタイプすると Calc 専用の新しい Emacs が起動します。 このように Emacs のコマンドラインから Calc を起動した場合、 Calc の "quit" コマンドは Emacs 自体を終了させます。

M-# o コマンドは M-# c と同様に Calc を起動しますが、 Calc ウィンドウは選択されません。 もし既に Calc ウィンドウの中にいた場合、 M-# o とすると Calc 以外のウィンドウに出ます。 (Emacs の通常コマンド C-x o でも出ることができますが、 いったんトレイルウィンドウに飛び込んでしまう傾向があります。 M-# o はそうならないように動作します。)

チョコっと一発 計算したいとき、 M-# q (quick-calc) とタイプするとプロンプトが現われて (`2+3/4'のような)式の入力を促します。 計算結果は Emacs 画面の下(訳注: ミニバッファ)に表示され、 Calc ウィンドウは特に開かれません。 "クイック計算機(Quick Calculator)" モード 参照 .

最後に、あなたが X window system を使用しているなら M-# k (calc-keypad) を試してみることができます。
(訳注: MS-Windows でも不可能ではない。Calc Manual 日本語訳について 参照 。)
これは、スタック表示と「キーパッド」画像とともに Calc を走らせます。 マウスでキーをクリックして Calc を操作します。「キーパッド」モード 参照 .

q キー (calc-quit) は Calc モードから退出し、 Calc ウィンドウ群を閉じます。 しかしバッファー群は削除されません。 もう一度 M-x calc とタイプすれば、 Calc は元のスタックを正しく再現します。 Calc バッファの中からもう一度 M-# cM-# M-# をタイプするのは、 calc-quit を実行するのと等価です。 M-# M-# は Calc の On/Off をトグルする・・・と考えてよいでしょう。

現在どのユーザーインターフェイス(標準, キーパッド, 憑依)であれ、 M-# x コマンドも Calc を終了します。 calc-edit を使っていたら、それもキャンセルします。

d SPC キー(calc-refresh) は Calc バッファの内容をメモリから書き直します。 バッファ表示がなにか損傷を受けた場合に使ってください。

o キー(calc-realign) は、 カーソルを「ホーム」ポジションである Calc バッファ最下部に戻します。

<> はそれぞれ calc-scroll-left, calc-scroll-right にバインドされています。 これらは通常の横スクロールと同様ですが、 一回での移動距離はデフォルトでスクリーン半分です。 (Calc は出力をできる限り整形してウィンドウの範囲内に納めようとします。)

{}calc-scroll-downcalc-scroll-up に バインドされています。 Calc ウィンドウ高さの半分ずつ上下スクロールします。

M-# 0 コマンド(M-# そしてゼロ; calc-reset)は Calc をデフォルト状態にリセットします。 つまりスタックをクリアし、全モードをリセットし、 キャッシュ(キャッシュ 参照 )をクリアし、... などなど。 (いかなる変数も消去されません。) 数値接頭引数を付けると、M-# 0 はスタック内容を保存して それ以外の全てをリセットします。

M-x calc-version コマンドは Calc の現バージョンナンバーと インストールした人の名前を表示します。 (この情報は `*Calc Trail*'h h コマンドの出力にも出てきます。)


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