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トレイル関連コマンド群

Calc のトレイルバッファを操作するコマンド群は、 t からはじまる2キー・シーケンスです。

t d (calc-trail-display) コマンドは、 トレイルの表示を On/Off します。 通常は、表示がなければ表示し、表示があれば消すトグル動作です。 ゼロの接頭引数を付けると、現状によらず表示を消します。 1 の接頭引数では、現状によらず表示します。 これ以外に説明するトレイル操作コマンド群は、トレイルを自動的に表示します。 注意: トレイルを消しても依然として記録は残っていて、 単に表示されていないだけです。 デフォルトでトレイルを表示しないように Emacs を設定するには、 t d をタイプしてから m m (calc-save-modes) でモード設定をセーブします。

t i (calc-trail-in) と t o (calc-trail-out) コマンドは、 カーソルをトレイル・ウィンドウへ入れたり出したりします。 これらは経験上、めったに使われることはありません。 と言うのも、以下に挙げるコマンド群のほうがトレイル内を動き回るのに便利で、 しかもカーソルを Calc ウィンドウに残したまま「リモコンで」動くからです。

トレイルポインタ(trail pointer)は、 常にトレイルのどれかの項目を指し示しているものです。 トレイルポインタは、 選択した項目の直前にある `>' 記号として見ることができます。 以下のコマンド群はトレイルポインタに対して様々に作用します。

t y (calc-trail-yank) コマンドは、 選択された項目を読込んで、スタックに push します。 これにより、以前に計算した値がどれでも再利用可能になります。 数値接頭引数 n を付けると、 トレイルポインタが現在位置よりも上方 n 行めの値をヤンクします。

t < (calc-trail-scroll-left) と t > (calc-trail-scroll-right) コマンドは、 トレイルの内容をウィンドウ幅の 1/2 ずつ左右にスクロールします。

t n (calc-trail-next) と t p (calc-trail-previous) コマンドは、 トレイルポインタを 1行ずつ上下させます。 t f (calc-trail-forward) と t b (calc-trail-backward) コマンドは、 トレイルポインタを 1スクリーン分上下させます。 これらコマンド群に接頭引数を付けると、 指定回数分の移動が行われます。

t [ (calc-trail-first) と t ] (calc-trail-last) コマンドは、 トレイルポインタをトレイルの先頭や最後に移動します。 t h (calc-trail-here) コマンドは、 トレイルポインタをカーソル位置に呼寄せます。 他のトレイルコマンド群と異なり、 t h はトレイルにカーソルが無ければ働きません。

t s (calc-trail-isearch-forward) と t r (calc-trail-isearch-backward) コマンドは、 トレイルの前後方向にインクリメンタルサーチを行います。 RET を押すとサーチを終了し、 トレイルポインタはその時のカーソル行に移動します。 C-g でサーチをキャンセルした場合には、 トレイルポインタは元の位置に留まります。

t m (calc-trail-marker:目印) コマンドを使えば、 トレイルの任意の場所にテキスト行を入力できます。 テキストは、トレイルポインタがある行の後に挿入されるので、 通常ならトレイルの最後に追加されることになります。 そうしておいて、 あとでインクリメンタルサーチの目印として役立てることができます。

t k (calc-trail-kill) コマンドは、 トレイルの選択行を削除します。 削除された行は Emacs のキルリングにセーブされるので、 他のバッファにヤンクすることができますが、 トレイルバッファに戻すのは容易ではありません。 数値接頭引数を付けると、 選択行から n 行(下方が正)までを削除します。

t . (calc-full-trail-vectors) コマンドは他所で解説します。 ベクトルや行列の表示形式 参照 。


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