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Calc Manual 日本語訳について

日本語訳 : 田中 和典 (アドレスは印刷文書表紙を参照)
翻訳Version: 1-5.6[193-203]_10[323-390].11-16_A.B.C (Apr 29, 2006)

この文書は GNU Emacs Calc Version 2.02 に付属の `calc.texinfo' を 日本語に翻訳したものです。 オリジナルは例えば、Dave Gillespie Home Page http://www.synaptics.com/people/daveg/ などから入手できます。

翻訳版のソースファイル名は `calc-jp.texinfo' としており、 shift-jis-dos 形式です。

翻訳した(または予定)のは巻頭からチュートリアルまでと、 チュートリアルでカバーされていない代数機能, GNUPLOT, インストールなどで、 全体のほぼ 2/3 にあたります。

訳者が長すぎる/見づらいと判断したセクションはサブセクションに分割しましたが、 ノードは分割せずに構造を保存しています。 訳しているときに気付いた点はカッコ内に訳注として記入しました。

誤訳を見つけたり、正しい数学用語をご存知の方はお知らせいただければ幸いです。 texinfo ファイル内には原文をコメント形式で残してありますのでご活用ください。

翻訳文書の配布について

Copyright (C) 2006 Kazunori Tanaka (for Japanization)

この翻訳文書はフリーなドキュメントです。 オリジナルの許諾表示に従って複製、修正、配布してください。 オリジナルの許諾条件は、印刷文書なら表紙裏、Info ファイルならヘッダ部分に 表示されています。対訳をつけていますが英語版が正式です。

なおこれはお願いですが、このドキュメントに変更や修正を加えて再配布する際には、 なるべく私にもお知らせください。

info ファイルの生成と導入

makeinfo した際には `../info/calc-jp.info' を生成します。 しかるべき場所に info ディレクトリが無い場合はエラーとなりますので、 ソースファイルの 4行目を書替えてフォーマットしてください。

Calc 内部から info を参照するコマンドが LISP 変数 calc-info-filename を参照しますので、 これを日本語版に置換えたい場合はこの変数も設定してください。 具体的には `.emacs' の中に、 (defvar calc-info-filename "calc-jp.info ") を置きます。

TeX による処理

TeX で処理する際に必要な、いわゆる `texinfo.tex' ファイルとして `jtexinfo.kusumi.tex', `texinfo-js.tex' を同梱しています。 これは 高尾 直弥氏の 日本語 perl texinfo バージョン 4.0.19.2 や、 バージョン 4.035.1 などに付属していた `texinfo.tex' をリネームしたもので、 楠見 雄規氏らによるものです。 オリジナルは例えば、 http://infoshako.sk.tsukuba.ac.jp/jdoc/Languages/Perl/perl-j4.035/TeX-source/ などから手に入ります。

`calc-jp.texinfo' に適用するにあたって、寸法など若干の体裁を変えています。 ファイル中、% by JA5QAZ とコメントしている部分が変更箇所です。

texi2html による処理

このソースファイルは数式表示に @tex を多用していて、 そのまま処理すると内容に脱落が生じます。 これを防ぐには、-expandinfo オプションを付け、

texi2html -expandinfo -split_node calc-jp.texinfo

などとします。

原著者はソースファイルを html 形式に変換し印刷することを、 許可も不許可もしていません。 オリジナルが書かれた当時 html が一般的でなかったのが 主な理由と考えますが、処理は個人の責任で行ってください。

MS-Windows における wgnuplot の利用

MS-Windows で動くwgnuplot は(訳者の理解では)標準入出力をサポートしていないので、 Calc のこの強力な機能はそのままでは使うことができません。 gnuplot-mode に付属の `pgnuplot.c' はこのうち標準入力を補いますが、 Calc では標準出力のパイプも必要なようです。 ぜひ皆様のお力で利用できるようにしたいものです。

稚拙な例ですが、MS-Windows で Calc (on Meadow) から gnuplot を使えるようにした例を、 訳者の HP http://www.biwa.ne.jp/~tanaka/Calc/ で公開しています。

calc-keypad-mode の利用

Meadow での利用ですが `.emacs' の中に次のコードを入れると、 マウスの第1 ボタンで Keypad が使えます。 同様に calc-keypad-menu などをマウスにバインドしても良いでしょう。 不作法なので、もっと上手な方法があったら教えてください。

;;;;;;;;;;; Calc-Keypad 対応
(add-hook 'calc-keypad-start-hook
	  '(lambda ()
	     (defun calc-keypad-click (click)
	       (interactive "e")
	       (mouse-set-point click)  ; クリック地点にポイントをセット
	       (calc-keypad-press)      ; keypad が押された際の処理
	       )
	     (define-key calc-keypad-map
	       [down-mouse-1]
	       'calc-keypad-click)
	     ))

あと、ちょっとしたバグですが Keypad の右上の角が合っていません。 Calc 2.02 が Calc 2.02f になって 1桁ずれたようですが、 この部分にはファンクションキー群のラベルが表示される上、 キー入力するたびに表示がずれて見ずらいので次のように fix します。

`calc-keypd.el' の 213行目
(insert "----+-----Calc " calc-version "-----+----"
(insert "----+-----Calc " calc-version "----+----" に変えて byte-compile をやりなおしてください。

Calc を初めて使う人への注意

新しい電卓を手に入れたら、無意味な数値を入れて試してみたくなるものです (少なくとも訳者は)。

このとき「整数演算に関して Calc は精度無制限」ということを頭に置いてください。 普通の電卓なら精度10桁前後、大数は 9e99 あたりで give up しますが、 Calc はどこまでもメモリをやりくりして計算しようとします。

本文中にも訳注を入れましたが、 もし `2^100000' など計算させたら 3万桁以上の厳密解が得られるまでに10分以上待たされます。 さらにその結果を利用して次の計算に進もうとしたら、 3万桁の書式処理にまた長時間待たされます。

これを見て「遅くて使えない」、 「ハングした」などと思わないようにしてください。 通常の電卓のように使いたかったら、 入力する数値に小数点を付けて `2.^100000' とし、 実数として計算させてください。

また、マニュアル中には「この処理は時間がかかる」等の表現が出てきますが、 これは当時の話であって、今日のパソコンは相当速いです。


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