Calc はある特定の値をいったん計算した後もキャッシュに蓄えます。
例えば P (calc-pi
) コマンドは、定数
π
をおよそ 20 桁の精度であらかじめ「知って」おり、
参照時点での計算精度がこれより高ければ、
Calc は級数近似を使って
π
を再計算します。
さらに精度を上げない限り、
この値は決して再計算される必要がありません。
対数やサインのような多くの演算は、
同様にキャッシュされた値(
π/4
や
ln(2)
など)を利用します。
目に見えるキャッシュの影響としては、
高精度計算が初回は遅く感じるかも知れません。
他にキャッシュされるのは、
2 のべき乗(2進演算機能用)、
逆行列や行列式、
文字式の積分や
作図コマンドによって計算されたデータポイントなどです。
もし電卓キャッシュが不正になったと疑うなら、
すべてのキャッシュを空にリセットする
calc-flush-caches
コマンドを使うことができます。
(これが必要になるのは、万一 Calc にバグがあった場合だけのはずです)
M-# 0 (最後のはゼロ・キーです) コマンドは、
Calc のステータス全部といっしょにキャッシュもリセットします。
Go to the first, previous, next, last section, table of contents.
利用度数