契約書作成
契約の基礎知識
T.契約の定義と効力
@契約は「諾成契約」といって当事者双方の意志の合意(口頭契約。俗に口約束といいます)があれば
書面を作成しなくても有効であるのが原則です。
契約書を作成しなければ、効力がないとの思いこみで責任がないと考える人がいますが、これは危険な考え方です。
A但し、口頭契約の場合は文書がなく合意の存在を立証することに困難が伴いますので、それについて
対策をたてておく必要があります。
例えば、証人をたてておくとか、テープに録音しておくなどです。その意味では立証面、トラブルの防止面で必ず契約書等の文書は作成するべきです。
B尚、収入印紙の貼付をしない場合でも契約の効力には影響ありません。
(過怠税、罰金とう税法違反はあります)
契約書作成
形式 契約書の形式は合意書・協議書・覚書等の名前でも可能です。細部の事項についての場合は
契約書の名前を使わないことがあります。念書は相手から書面を差し入れさせる場合に使います。
署名と記名押印
「署名」とは自筆のサインを言い、「記名」とは署名以外の方法で(ゴム印や印刷を利用することも あり、他人の代筆も可)氏名を表示することを言います。記名だけでは効力はなく、記名の下に押印 がある場合にだけ(記名押印)、真生文書として署名と同じ扱いをします。(商法、手形法、小切手 法等)署名のみで有効であるとするのが法律ですが、日本では欧米のサインの習慣がない、伝統的生 活慣習では捺印を重視する慣習があるため、実際には署名捺印する場合がほとんどです。
★印鑑
印鑑については実印と銀行印が重要です。認印や拇印、書き判というのもありますが、正式に契約 する場合は実印を使用すべきです。
会社の場合は、代表者印(通常丸印)を押印してもらいます。
実印 とは、個人の場合、住民基本台帳のある役場に自分の印として登録している印をいいます。
法人の場合は、商業登記簿のある法務局に会社の代表者印として登録している印をいいます。
実印の場合は、印鑑証明書を添付して使用されるのが通常です。
契印 とは契約書など文書が2枚以上となる場合、それが1つの文書であり且つその順序で綴られてい ることを証明するため、両ページにまたがって印影を半分ずつ押印することです。但し、一体性を 明らかにするため袋とじにした場合は綴り目のところに契印すれば足ります。
訂正印 とは、文書に記載された文字を訂正(加除変更)したとき、文書の作成者が字句を訂正したこ とを証明するために押す印のことです。訂正箇所の真上の欄外に「何字加入」「何字削除」「何字 訂正」と記載し、押印し、訂正前の文字が読めるように線を引いて訂正します。念のため訂正箇所 にも押印します。
捨印 とは、予め文書の欄外に後で訂正する必要が生じた場合のために、訂正印として直ちに使用で きるように押印しておく印のことです。文書が2枚以上の場合、1頁ごとに必要です。又、末尾使 用の印と同一であることが必要です。しかし、悪用される危険性があり、よほど信頼関係のある場 合でないとすべきではありません。
止め印 とは、文書の最後にここまでしか書いていないという証拠のために押す印のことです。
契約書のように2部作成し、双方が1通 ずつ保持する場合は心配ありませんが、誓約書・領収書
預かり書などの文書は「以下余白」と記載する代わりに止め印を使用します。
その他の注意点