契約書その他の注意点
その他の留意点
@基本的事項のチェック →契約を営業担当者任せにしないこと
管理部門での契約内容と形式のチェック・相手方の確認・商業登記簿謄本による確認・信用調査など
A有利事項の書入要求 →管轄・約定損害金・担保提供(保証人)など。又、特別な内容の場合、特約 条項を作って書き入れる必要もあります。
V.文書について
文書化の意味
1)@いつ、Aだれが、Bどのような内容を、C誰にあててかいたかが、「文書の要素」と言われま す。
このような文書を作ることのメリットは「証拠として残る」(=「時間が経過しても内容が変わら ない」
具体的には、
@契約内容を明確にする
A契約違反の誘惑を防止する(人間追いつめられたら人が変わる)
B後日の証拠とする
書証 書証としての文書の「証拠価値」は大きいと考えられています。
証人の証言を証拠とすることを「人証」といい、文書を証拠とする「書証」と区別します。
記憶や表現の正確性には証拠としての限界があります。「書証」は証拠価値が不変であり、客観的
評価になじむことから裁判所における判断は書証を重視することににります。
W.契約紛争の主原因
@証拠なし ・・文書なしの場合
A実態と形式の遊離
税金対策・銀行対策等により実態と異なる契約書を作成する場合、後日のトラブルとなるときがあり ます。
B支払能力無し
C契約意識の欠如
文書の意味の理解が不十分なまま署名押印してしまう人がいますが、だいの大人が知らなかったでは
済まされません。しかし、連帯保証人の場合、依頼する主債務者も「絶対迷惑をかけないから」と決 まり文句を口走るので気軽に応じる人が多いようです。連帯保証人は主債務者と同じ内容の債務を負 うことになります。家訓で禁止されているとでも言って断るべきです。
D計画的な「取込詐欺」の場合 → 詐欺の立証は難しいようです。
E書式の誤用 → 市販の実態に合わない書式を使った無理な記入は問題です。実態の異なる他社や
他業種の書式への無理な当てはめも避けて、自社の内容を検討すべきです。
X.立証の問題
保証 立証に連帯保証した覚えがないのに保証債務の履行請求をされるということで「否認」する 争いがあります解決のポイントは、本当に連帯保証人にされたといえるか、実印・印鑑証明・ 委任状の交付の有無やその経緯の検討が必要です。
その予防ポイントは
@安易に人を信用して実印・印鑑証明・委任状等を交付しないこと
A契約書をしっかり読むこと
B白紙の委任状や契約書には署名しないことです。ついては相手の確認証拠(自署・記名押印) が大切になります。問題となる3点について
貸金 人に金を貸したが、契約書がない場合、貸した方が立証責任を負いますから、裁判では苦しい 立場になります。その場合、状況証拠を積み上げていくしかありません。立会人等第三者の証人や相 手方の書いたその他有力書類(メモ等)があれば有力な証拠となります。
請負契約 請負契約の場合、契約書のない追加・変更工事・別工事・サービス工事等が問題となりま す。
紛争予防のポイントは、
@契約書を嫌がる業者が多いようですが、「商談合意書」等やわらかい名前で文書化しておくべきで す。
A忙しくて契約書の作成する時間がない、少額の場合、契約書を作成しない業界でも、FAX等での 交渉の記録を保存しておくべきです。又、相手に作成してもらい署名してもらうことです。
B間に業者が入る場合で契約書がない場合に契約当事者が誰と誰かがよく問題となります。
交渉や工事、支払い請求の経緯から詳しく立証する必要があるため、契約書の重要性がよくわかり ます。
C追加工事の場合、サービスか否かでよく揉める場合がありまか。
追加や変更のあった場合、その都度図面にその部分を記載し、注文主の署名をもらう等の方法で簡 単な確認メモを作成しておくべきです。後日の証拠として有力です。
Dその他納品や引き渡しの証明についても留意が必要です。
返品の事実の立証につき、書類を保管しておらず不利になった場合もあります。