石川虚舟
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九鬼周造の墓
 
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九鬼周造之墓
(西田幾多郎筆)
法然院  
photo 2009.9.15
 
      ⇒ 色即是空 (芭蕉と禅)
 
 
 
九鬼周造(1888-1941) の父・隆一は、三田藩士・星崎家の次男だったが、綾部藩家老・九鬼家に養子、 家督を継ぎ、男爵。帝国博物館初代総長。周造は四男。
母・初子は、岡倉天心(覚三)に恋慕して九鬼家を離れる。
cf.  松本清張 『岡倉天心 その内なる敵』 新潮社、1984
岡倉は、周造の幼年時代から、その良き指導者であった。
マルティン・ハイデガー (1889~1976)は、 九鬼周造を介して岡倉覚三著『東洋の理想』(London,1903)に触れたであろう。 そこには老荘思想と禅仏教が登場する。
       ⇒ ハイデガーと東洋思想
 
武士道理解への欧州における初期の出典の一つは、 九鬼の良き指導者である岡倉覚三の仕事であった。岡倉は1903年に、 『東洋の理想』を英語で出版し、西洋に日本文化についての多くの基本原理を紹介した。 九鬼の 『時間の問題』(1928年、フランスでの講演)の第二節 は、岡倉への言及から始まるが、九鬼は、彼の良き指導者である岡倉の仕事を推奨することなしに、 日本美術についてハイデガーと会話することは有りえなかったであろう。 ハイデガーが後に『禅、日本に生きる仏教』を読んだ際、岡倉の名に偶然出会っていることは確実である。 その序文で編者が岡倉の『東洋の理想』(ドイツ語訳、Leipzig,1923) を「日本文化の歴史への美しい紹介」として推奨している。
Graham Parkes, Rising sun over Black Forest,  in Reinhard May, heideggar's hidden sources,  tr. by Graham Parkes, p.95.
 
西洋にゐる間に私は岡倉氏の『茶の本』だの『東邦の理想』を原文で読んで深く感激した。 さうして度々西洋人への贈物にもした。
九鬼周造「岡倉覚三氏の思出」、『九鬼周造全集 第五巻』(未発表随筆)、p.238
 
      ⇒ デュシャンとしてのタオイスト